JP3582419B2 - 電動ホッチキスにおけるステープル送り機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状ステープルを積層収納したカートリッジが電動ホッチキス本体に装着されていないときは、電動ホッチキス本体側に設けられた送り爪がカートリッジ取付用空間側に突出せず、カートリッジを電動ホッチキス本体に装着したときには上記送り爪が上記カートリッジのシート状ステープルに係合可能に突出するようにした電動ホッチキスにおけるステープル送り機構に関する。
【0002】
【従来技術】
一般に、この種の電動ホッチキスにおいては、複数の真直ステープル材をシート状に連結したシート状ステープルをカートリッジに積層収納しておき、このカートリッジを電動ホッチキス本体に着脱する構成が採用されている。また、電動ホッチキスにはカートリッジ内のシート状ステープルに係合可能な送り爪がステープル送り方向に往復動可能に配置されている。送り爪は電動ホッチキス本体からカートリッジ取付用空間側に予め突出しており、カートリッジ装着時に上記送り爪をカートリッジ内のシート状ステープルの表面に斜めに係合する。そして、送り爪をステープル送り方向に往動させることでシート状ステープルを打ち込み部側に送り、送り爪を復動させるときに送り爪のみがシート状ステープルの表面に沿って移動する。この往復動を繰り返すことにより、シート状ステープルをホッチキス本体の打ち込み部側に送り、先頭のステープル材を打ち込み部で門形に成形した後、被綴り材に打ち込むのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、送り爪はカートリッジ取付用空間側に突出しているので、カートリッジを装着する時に手指が直接に送り爪に触れることがあり、カートリッジ装着の邪魔になった。
【0004】
本発明は上記問題点を解消し、カートリッジ装着時に手指に触れることがなく、安全な電動ホッチキスにおけるステープル送り機構を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る電動ホッチキスにおけるステープル送り機構は、電動ホッチキス本体と、電動ホッチキス本体の取付用空間に着脱自在に設けられるカートリッジとを備え、カートリッジには複数の真直ステープル材をシート状に連結したシート状ステープルを積層収納し、電動ホッチキス本体側には、カートリッジ内のシート状ステープルの表面に対して斜めに係合可能な送り爪を設け、この送り爪を往復動させて上記シート状ステープルを打ち込み部に送るステープル送り機構において、電動ホッチキス本体の取付用空間に臨んでステープルの送り方向に往復動可能に設けられた送り爪ホルダには、送り爪と送り爪ガイドとを共通の回動軸に回動自在に設け、送り爪と送り爪ガイドに形成した基板とが上記回動軸をはさんで反対側に位置し、前記基板に送り爪が重なるように送り爪と送り爪ガイド間を1つのバネで付勢しておく一方、上記基板には取付用空間に突出する突部を突出形成し、送り爪ガイドと送り爪ホルダ間に突部が取付用空間に突出するように他のバネで付勢し、カートリッジ装着時には上記突部がカートリッジに押圧されて送り爪ガイドが上記他のバネのバネ力に抗して回動して上記送り爪をカートリッジのシート状ステープルの表面に係合させることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は電動ホッチキスの概要を示すもので、符号1は電動ホッチキス本体で、電動ホッチキス本体1には、ステープルを門形に成形する成形手段、成形されたステープルを打ち出す打ち出し手段、これらの手段を駆動する駆動機構等を備えたマガジン部2が設けられ、その下部にはカートリッジの取付用空間3が形成されている。
【0007】
上記取付用空間3に装着されるカートリッジ4は、図5に示されるように、シート状ステープル5を積層状態にして包装したリフィル6を収納し、上記取付用空間3に着脱自在に設けられ、装着時にはリフィル6の最上段のシート状ステープル5の表面はマガジン部2側に露出するように構成されている。
【0008】
なお、シート状ステープル5は複数の真直ステープル材をシート状に連結したものである。また、リフィル6は、補充用に複数のシート状ステープル5を多段に積層した状態で紙製等の包装体に包装したもので、その一例として特開平7ー148674号公報の図1に示されたインナーカートリッジが挙げられる。カートリッジ4にはリフィル6のまま収納し、内部のシート状ステープル5は包装体から離れて送り出される。
【0009】
次に、図1〜図3に示されるように、上記電動ホッチキス本体1のクリンチャ部の取付用空間3側には前後方向に送り爪ホルダ7が取り付けられ、該送り爪ホルダ7に設けられた回動軸8には送り爪ガイド9が回動自在に取り付けられ、さらに送り爪ガイド9には送り爪10が取り付けられている。送り爪ガイド9は中央に開口部11を有する基板12の両側から図の上面に軸受板13を、後部一側にはバネ受け板14をそれぞれ起立形成するとともに、基板12の後部下方には突部15を突出形成した部材である。また、送り爪10は金属板から構成され、上記軸受板13の内側に対応して配置される軸受片16と爪部17とを備えたもので、上記送り爪ガイド9の基板12の前部に配置され、軸受板13と軸受片16とで回動軸8を軸受けしている。そして、上記回動軸8には第1の捩りコイルバネ18と第2の捩りコイルバネ19が巻装されている。第1の捩りコイルバネ18の両端は送り爪ホルダ7と送り爪ガイド9の基板12に係合し、送り爪ガイド9の基板12を送り爪ホルダ7の下面に平行に沿うように、つまり、送り爪10を取付用空間3の空間から退避するように付勢する。第2の捩りコイルバネ19の両端は送り爪10とバネ受け板14に係合し、送り爪10の爪部17が基板12上に重合するように付勢する。
【0010】
上記構成において、カートリッジ4が取付用空間3に装着されていないときは、図1のように、送り爪ガイド9は第1の捩りコイルバネ18により、送り爪10が取付用空間3内に突出しないように退避した位置にあり、第2の捩りコイルバネ19により、突部15は取付用空間3側に突出している。この状態で、図4のように、上記取付用空間3にカートリッジ4を装着するとき、上記突部15が取付用空間3側に突出しているので、カートリッジ4の上面4aで上記突部15を押し上げると、送り爪ガイド9は第1の捩りコイルバネ18に抗して上記回動軸8を中心に回動する。したがって、図5に示されるように、上記突部15は引っ込むが、その反対に送り爪10が取付用空間3側に突出する。このとき、送り爪10はシート状ステープル5の表面に斜めに係合して停止するが、送り爪ガイド9はそれ以上回動して停止するので、送り爪10の爪部17は第2の捩りコイルバネ19によりシート状ステープル5の表面に押圧された状態となる。
【0011】
カートリッジ4を装着した後、送り爪ホルダ7を図示しない送り駆動手段により前後に往復動させることにより、往動時には送り爪10がシート状ステープル5を前方に送り出し、復動時には送り爪10はシート状ステープル5の表面に沿って移動し、移動端でシート状ステープル5の表面に係合し、さらに次の往動時にシート状ステープル5を前進させる。送り爪10の爪部17は第2の捩りコイルバネ19によりシート状ステープル5の表面上に押圧されているので、強い送り力で確実にシート状ステープル5を送り出すことができる。このようにしてシート状ステープル5の前端が打ち込み部21に送り込まれた後、図示はしないがマガジン部2に設けられた公知のフォーミングプレートとドライバプレートとを駆動し、初めの上下動でシート状ステープル5の前端の真直ステープル材をフォーミングプレートで門形に成形し、さらに次の上下動で成形されたステープルをドライバプレートで被綴り材に向けて打ち込む(同時に次の成形も行なう)。被綴り材を貫通したステープルの脚部はクリンチャ部でクリンチ機構(図示せず)により被綴り材の裏面に折り曲げられてクリンチされ、1つの綴り作業が終了する。その後、送り駆動手段により送り爪10が作動してシート状ステープル5を前方に送り出し、次の綴りが準備される。
【0012】
そして、カートリッジ4内のシート状ステープル5の残量が少なくなったり、あるいは別の種類のステープルを使用したりする場合のように、カートリッジ4を交換する必要があるときは、カートリッジ4を取付用空間3から引き出す。これにより、送り爪ガイド9の突部15に対する押圧力は解除されるから、第1の捩りコイルバネ18により送り爪ガイド9は再び回動し、送り爪ガイド9は第1の捩りコイルバネ18により回動し、突部15は取付用空間3内に突出し、送り爪10の爪部17は取付用空間3に突出しないように退避する。
【0013】
上述のように、カートリッジ4を装着しないときは、送り爪10の爪部17は取付用空間3に突出しない退避位置にあるから、カートリッジ4を装着するときなどに、取付用空間3に手を入れても、手指が直接に送り爪10に触れることがないので、安全である。
【0014】
また、カートリッジ4装着の直前で、もはや指を入れる隙間がない状態となったときに送り爪ガイド9の突部15がカートリッジ4に押されて回動し、送り爪10が装着されたカートリッジ4のシート状ステープル5の表面に係合する。したがって、シート状ステープル5の送りを確実に行なうことができる。
【0015】
なお、上記電動ホッチキスは全体が上下逆に配置される場合がある。その場合は、送り爪10は最下段のシート状ステープル5の下面に係合する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動ホッチキスのマガジン部にカートリッジを装着していないときの一部の側面図
【図2】送り爪ガイドと送り爪の分解斜視図
【図3】送り爪ガイドと送り爪の取付状態における縦断面図
【図4】電動ホッチキス本体にカートリッジを装着する途中の状態の側面図
【図5】電動ホッチキス本体にカートリッジを装着した状態の側面図
【符号の説明】
1 電動ホッチキス本体
3 取付用空間
4 カートリッジ
5 シート状ステープル
10 送り爪
15 突部
Claims (1)
- 電動ホッチキス本体と、電動ホッチキス本体に形成した取付用空間に着脱自在に設けられるカートリッジとを備え、カートリッジには複数の真直ステープル材をシート状に連結したシート状ステープルを積層収納し、電動ホッチキス本体側には、カートリッジ内のシート状ステープルの表面に対して斜めに係合可能な送り爪を設け、この送り爪を往復動させて上記シート状ステープルを打ち込み部に送るステープル送り機構において、
電動ホッチキス本体の取付用空間に臨んでステープルの送り方向に往復動可能に設けられた送り爪ホルダには、送り爪と送り爪ガイドとを共通の回動軸に回動自在に設け、送り爪と送り爪ガイドに形成した基板とが上記回動軸をはさんで反対側に位置し、前記基板に送り爪が重なるように送り爪と送り爪ガイド間を1つのバネで付勢しておく一方、上記基板には取付用空間に突出する突部を突出形成し、送り爪ガイドと送り爪ホルダ間に突部が取付用空間に突出するように他のバネで付勢し、
カートリッジ装着時には上記突部がカートリッジに押圧されて送り爪ガイドが上記他のバネのバネ力に抗して回動して上記送り爪をカートリッジのシート状ステープルの表面に係合させることを特徴とする電動ホッチキスにおけるステープル送り機構。
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JP28041299A Expired - Fee Related JP3582419B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 電動ホッチキスにおけるステープル送り機構 |
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