JPH0111426Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は紙等を綴り合わす電動ホチキスに関す
るものである。

（従来の技術） 周知のように、紙を綴り合わすホチキスとして
は、状に折曲した折曲ステープルの多数を一連
状に接着した一連状の折曲ステープルをマガジン
に装填するものが一般的に普及している。ところ
で、この種のホチキスにあつては、マガジンに装
填できるステープルの数が少ないために、ステー
プルの補填回数が多くなるという欠点があつた。

かかる欠点を除去するために、多数のプレーン
ステープルをシート状に接着したシート状のプレ
ーンステープルを箱型マガジン内に積み重ねて収
納し、プレーンステープルを打ち込む直前に状
に折曲するようになしたホチキスが提案されるに
至つた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、シート状のプレーンステープル
を箱型マガジンに積み重ねて収納するようになし
た従来のホチキスは、周知の手動ホチキスにおけ
ると同様に、ステープル押圧用ばね案内軸に摺動
可能に装着し、該案内軸に巻装したステープル押
圧用ばねにて付勢せしめたステープル押出板にて
シート状のプレーンステープルを折曲成形部に向
けて連続的に送り出すようになしたものであるが
ゆえに、針詰りを生じる欠点があつた。

また、消耗されていくプレーンステープルによ
り生じる箱型マガジンの下面の空間部はステープ
ル押出板にて閉塞せしめ、最下層のシート状のプ
レーンステープルが消耗されると、ステープル押
出板を復帰用機構にて復帰せしめるようになした
ものであるがゆえに、箱型マガジンの後端の後方
に少くともシート状のプレーンステープルの長さ
分のステープル押出板が移動可能なスペースが必
要であり、必然的にホチキス全体が大きくなると
ともに、ステープル押出板復帰用機構が複雑にな
るという難点があつた。

本考案は上述の実状に鑑みてなされたものであ
つて、針詰りが生じないとともに、小型化が可能
な電動ホチキスの提供を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係る電動ホチキスは、前記の目的を達
成するために、ホチキス本体後端部にはシート状
に接着したプレーンステープルを積み重ねて装填
し、プツシヤにて該シート状のプレーンステープ
ルを圧下するようにした箱型マガジンを設け、前
記ホチキス本体の前端部にはドライバとともに昇
降するステープル折曲用雌型と該雌型と協同して
プレーンステープルを状に折曲するステープル
折曲用固定雄型とを配置し、前記ドライバを昇降
駆動するドライバ駆動リンクをクランク機構を介
してモータにて駆動するようになした電動ホチキ
スにおいて、前記マガジンの底部と前記ステープ
ル折曲用固定雄型との間にステープル通路を形成
し、前記ステープル通路の下方で前記マガジンの
後端から前端の前方に亘り前記ドライバ駆動リン
クと復帰用ばねとによつて往復運動してプレーン
ステープル１本分ずつシート状のプレーンステー
プルを送り出すステープル搬出部材を設け、前記
ステープル通路の出口近傍に前記ドライバに連動
してプレーンステープル１本分ずつシート状のプ
レーンステープルを送り出す送り出し爪と該送り
出し爪の後退時にシート状のプレーンステープル
の後退を阻止する戻り止め爪とを配置し、これら
の爪の先端部を前記ステープル通路内に臨ませて
あることを特徴とするものである。

（作用） 箱型マガジン内にシート状のプレーンステープ
ルを積み重ねて装填すると、最下層のシート状の
プレーンステープルはステープル搬出部材にてス
テープル通路に搬出可能な状態で支持される。

次いで、モータにてドライバ駆動リンクを駆動
すると、ドライバ駆動リンクの１回の往復運動ご
とに、ステープル搬出部材はステープル１本の厚
さに相当する大きさの振幅で１回往復運動してシ
ート状のプレーンステープルをプレーンステープ
ル１本分ずつ送り出す一方、ドライバは１回下
降、上昇する。

以上のようにして、ステープル搬出部材により
ステープル折曲用固定雄型に送り込まれた最先端
にプレーンステープルは、ドライバとともに下降
するステープル折曲用雌型によつて形に折曲さ
れ、ドライバの上昇復帰とともに送り出し爪にて
ステープル打ち込み通路内に供給され、次回にお
いて、下降するドライバによつて後続するシート
状のプレーンステープルから切離され、綴り用紙
に打ち込まれる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面によつて詳細に説
明する。

本考案の実施例の一部を切欠して示した縦断側
面図である第１図と、一部に切欠して示した平面
図である第２図とにおいて、１はベースであり、
ベース１上に減速器付きモータ１０と、支持台２
に水平支持軸３と付勢ばね４とによつて揺動可能
に支持したホチキス２０とが装備してあり、支持
台２は鋲５によつてベース１に固着してある。

減速器付きモータ１０の出力回転軸１１はベー
ス１の下面に延出していて、出力回転軸１１の下
端部にクランクプーリ１２が固着してある。クラ
ンクプーリ１２にクランクピン１３にてクランク
ロツド１４の後端部が回転可能に連結してある。
前記した出力回転軸１１とクランクプーリ１２と
クランクピン１３とクランクロツド１４とによつ
て、後述するドライバ駆動リンク６５，６５を減
速器付きモータ１０にて駆動するクランク機構が
構成されている。

ホチキス２０の本体は底板２１と側板２２，２
２とドライバ案内用前端板２３とステーブル折曲
型案内板２４と後端板２５とを備えている。底板
２１には、第４図に示すように、その前端部の中
央部に送り爪装着用の切欠部２６を形成し、その
上面中央部にはステープル搬送部材摺動用の案内
凹溝２７を形成し、その側面には前記水平支持軸
３を挿入する取付け用孔２８を形成し、その下面
には前記付勢ばね４を保持するばね受け用凹部２
９（第１図参照）を形成してある。底板２１の前
面と側板２２，２２の前面は面一であり、側板２
２，２２の後端部は底板２１の後方に延出してい
る。側板２２，２２には取付け用孔３０，３０，
３１を設け、側板２２，２２間にばね掛け軸３２
と区画板３３とを架設してある。区画板３３には
後述するプツシヤ５１の作動を許容すための逃げ
３４が形成してある。区画板３３の下面と底板２
１の上面との間には１枚のシート状のプレーンス
テープルＳの通過を許容する間隙３５がある。ド
ライバ案内用前端板２３は、第３図に示すよう
に、その中央部には上下方向にドライバ案内溝３
６と案内長孔３７とを有し、その両側には側板２
２，２２の外側面に係合する袖板３８，３８を有
している。袖板３８，３８には取付け用孔３９，
３９を設けてある。ステープル折曲型案内板２４
は、第３図に示すように、その両側には側板２
２，２２の内側面に係合する袖板４０，４０を有
し、下端部には後方に向けて延出して前記区画板
３３に当接する水平案内板４１を有し、その下端
前面にストツパ４２を有している。袖板４０，４
０には取付け用孔４３，４３を設け、水平案内板
４１には開口部４４を設け、戻り止め爪装着用の
ピン４５を植設してある。前記した側板２２の取
付け用孔３０と３０のピツチと、袖板３８の取付
け用孔３９と３９のピツチと、袖板４０の取付け
用孔４３と４３のピツチは同じであつて、これら
の取付け用孔に組立てピン４６，４６を挿通し
て、第１図、第２図に示すように組立ててある。
区画板３３の下面と水平案内板４１の下面が面一
になつている。後端板２５は、第４図に示すよう
に、その下端部に前方に向けてＬ状に折曲したス
テープル支持片４７を有し、両側に取付け用孔４
８，４８を有している。後端板２５はねじ４９，
４９にて側板２２，２２の後端面に固着してあ
る。

５０は箱型マガジンであつて、箱型マガジン５
０は底板２１と側板２２，２２と後端板２５と区
画板３３とによつて構成されている。５１は箱型
マガジン５０内に積み重ねて装填したシート状の
プレーンステープルＳを圧下するプツシヤであ
り、プツシヤ５１は揺動枠５２と該揺動枠５２の
後方部に枢着軸５３にて回動可能に取付けた押圧
板５４と、付勢ばね５５とにて構成されている。
揺動枠５２の前方部は側板２２，２２の取付け用
孔３１，３１（一方のみ図示）にて支持した支持
軸５６に回動可能に装着してあり、付勢ばね５５
は揺動枠５２に設けたばね掛け軸５７と、側板２
２，２２間に架設したばね掛け軸３２との間に張
設してある。揺動枠５２は支持軸５６から区画板
３３の逃げ３４内を経て箱型マガジン５０内に延
出していて、付勢ばね５５によつて押内板５４を
圧下するように付勢されている。

６０は、第１図ないし第３図に示すように、ド
ライバ案内用前端板２３のドライバ案内溝３６内
に昇降可能に配置したドライバである。ドライバ
６０の前面にはドライバ案内用前端板２３の案内
長孔３７にて案内される連動ピン６１が突設して
あり、ドライバ６０の後面には連動ピン６２が突
設してある。該連動ピン６１はハンマ６３の支持
孔６４（第５図参照）にて支持し、該ハンマ６３
はベルクランク状のドライバ駆動リンク６５，６
５の前端部の間に架設してある。該ベルクランク
状のドライバ駆動リンク６５，６５の枢着用孔６
６，６６と支持台２（第６図参照）の枢着用孔
６，６とに枢着軸６７，６７を挿入することによ
つてドライバ駆動リンク６５，６５が支持台２の
両側板に揺動可能に装置してある。第１図に示す
ように、ドライバ駆動リンク６５，６５はベース
１に設けた長孔（図示してない）を経て該ベース
１の下面に延出しており、ドライバ駆動リンク６
５，６５の下端部間に連動軸６８を架設し、該連
動軸６８に固着した連動リンク６９に前記クラン
クロツド１４の前端部が垂直連結ピン１５によつ
て回動可能に連結してある。これによつて、ドラ
イバ６０を昇降駆動するベルクランク状のドライ
バ駆動リンク６５，６５はクランク機構を介して
モータ１０にて駆動するようになつている。第２
図に示すように、ドライバ案内用前端板２３の後
面とドライバ６０の後面とは面一になつており、
側板２２，２２の前面とステープル折曲型案内板
２４の前面とは面一になつている。

７０は、第１図ないし第３図に示すように、ド
ライバ案内用前端板２３およびドライバ６０の後
面と、側板２２，２２およびステープル折曲型案
内板２４の前面との間に昇降可能に配置したステ
ープル折曲用雌型である。ステープル折曲用雌型
７０の両側面はドライバ案内用前端板２３の袖板
３８，３８の内側面に当接している。雌型７０に
は連動ピン挿入用孔７１が形成してあり、該孔７
１にドライバ６０の後面に突設した連動ピン６２
が係合していて、雌型７０はドライバ６０ととも
に昇降するようになつている。第３図に示すよう
に、雌型４０の下部中央には平行な垂直面７２，
７２を備えた折曲用凹部７３と、該折曲用凹部７
３に連通した係止用凹部７４が形成してあり、雌
型７０の下部の両側には芯出し用凸弧面７５，７
５が形成してある。係止用凹部７４は雌型７０が
下降した際にステープル折曲型案内板２４のスト
ツパ４２に係合するようになつている。７６はス
テープル折曲用雌型７０と協同してプレーンステ
ープルを状に折曲するステープル折曲用固定雄
型である。固定雄型７６はねじ７７，７７にて底
板２１の前面に固定してある。雄型７６の上部中
央には角板状の折曲用凸部７８を形成し、折曲用
凸部７８の両側には前記芯出し用凸孤面７５，７
５が係合する芯出し用凹孤面７９，７９を形成し
てある。前記雄型７６の折曲用凸部７８は前記雌
型７０が下降した際に前記雌型７０の折曲用凹部
７３にステープル１本分の間隔を有して対峙する
ようになつている。雄型７６の上面と芯出し用凹
孤面７９，７９との交差によつて生じる開口部の
大きさはプレーンステープルの供給を妨げないよ
うに広くしてある。ステープル折曲用雌型７０と
雄型７６の厚さはステープル１本分の厚さと同じ
であり、折曲用凸部７８の上面と底板２１の上面
は面一になつている。

８０は箱型マガジン５０の底部とステープル折
曲用固定雄型７６との間に形成したステープル通
路である。ステープル通路８０の両側は側板２
２，２２の内側面によつて限定され、該通路８０
の下側は底板２１の上面によつて限定され、該通
路８０の上側は区画板３３の下面と水平案内板４
１の下面とによつて限定されている。ステープル
折曲用固定雄型７６に対向するドライバ案内溝３
６の下方部分はステープル打ち込み通路８１にな
つている。ステープル打ち込み通路８１の下方に
あたるベース１上には、クリンチヤ７が取り付け
てある。

箱型マガジン５０内に積み重ねて装填したシー
ト状のプレーンステープルＳを、該箱型マガジン
５０の底部からステープル通路８０内へ搬出する
ために、ステープル搬出部材８２が、前記ステー
プル通路８０の下方で前記箱型マガジン５０の後
端から前端の前方に亘つて往復動可能に設けてあ
る。第５図に示すように、ステープル搬出部材８
２は中央の爪板８３と前記両側板２２，２２の外
側方に位置せしめた両側の連動板８４，８４とを
前記底板２１の後方に位置せしめた後側の連結板
８５にて山の字状に連結されていて、中央の爪板
８３には複数個の弾力性搬出爪８６，……が取付
けてある。後側の連結板８５の両側部にはばね掛
け用孔８７，８７が設けてある。第２図に示すよ
うに、該ばね掛け用孔８７，８７と前記支持台２
の両側に形成したばね掛け８，８との間に復帰用
ばね８８，８８が張設してある。中央の爪板８３
は底板２１に形成した案内凹溝２７（第４図参
照）内に摺動可能に挿入し（第１図参照）、両側
の連動板８４，８４の先端部は第２図と第５図に
示すようにベルクランク状のドライバ駆動リンク
６５，６５に形成した連動用凹部５８，５８に係
合している。ドライバ駆動リンク６５，６５が枢
着軸６７，６７の周りを往復揺動する際に、ドラ
イバ駆動リンク６５，６５と復帰用ばね８８，８
８とによつてステープル搬出部材８２がステープ
ル１本分を搬出するように往復運動する。弾力性
搬出爪８６，……の先端部は最下層のシート状の
プレーンステープルの下面に圧接されていて、前
進する際にステープルの接着部分に係合し、後退
する際にステープルの下面を滑るようになつてい
る。

箱型マガジン５０の底部からステープル搬出部
材８２によつてステープル通路８０内へ搬出され
たプレーンステープルをドライバ６０に連動して
１本ずつステープル折曲用固定雄型７６を経てス
テープル打ち込み通路８１に送り出すために、第
１図に示すように、ステープル通路８０の出口近
傍に弾力性の送り出し爪９０と該送り出し爪９０
の後退時にシート状のプレーンステープルの後退
を阻止する弾力性の戻り止め爪９１が配置してあ
る。送り出し爪９０は、第１図と第３図に示すよ
うに、ほぼ逆Ｌ字状に折曲されていて、その先端
部は上方に向けて曲げてあり、その垂直部分には
取付け用孔９２を有している。送り出し爪９０は
取付け用孔９２を介して摺動カム軸９３を拡径段
部９４に当接させて摺動カム軸９３に取付けてあ
り、摺動カム軸９３の両端部はステープル折曲用
固定雄型７６に形成した案内孔９５と底部２１の
送り爪装着用の切欠部２６の後面に形成した案内
孔９６とに摺動可能に支持してあり、送り出し爪
９０と切欠部２６の後面との間において摺動カム
軸９３に付勢ばね９７が巻装してある。送り出し
爪９０の先端部は下方からステープル通路８０内
に臨んでいる。摺動カム軸９３の前端部は付勢ば
ね９７の付勢によつてステープル打ち込み通路８
１内へ突出している。摺動カム軸９３の前端部に
は傾斜カム面９８が形成してあり、ドライバ６０
が下降する際に、その下端面が傾斜カム面９８に
当接することによつて、摺動カム軸９３が付勢ば
ね９７に抗してドライバ６０の厚さ分、すなわち
ステープル１本分だけ後退し、ドライバ６０が上
昇して傾斜カム面９８から離れると、摺動カム軸
９３が付勢ばね９７によつて前進し、元の状態に
復帰することによつて、送り出し爪９０がドライ
バ６０に連動してプレーンステープルを１本ずつ
送り出すようになつている。戻り止め爪９１は、
第１図と第３図に示すように、その先端部は下方
に向けて曲げてあり、その基部には取付け用孔９
９を有している。戻り止め爪９１は取付け用孔９
９を介してステープル折曲型案内板２４の水平案
内板４１に植設してある戻り止め爪装着用ピン４
５に装着してあり、戻り止め爪９１の先端部は水
平案内板４１に設けた開口部４４を経て上方から
ステープル通路８０内に臨んでいる。

Ｓは本考案の電動ホチキスに使用するシート状
のプレーンステープルであつて、第７図に示すよ
うに、多数のプレーンステープルをシート状に並
列するとともに接触面を接着剤にて接着したもの
である。シート状のプレーンステープルＳの大き
さはプレーンステープルの方向を後端板２５に平
行にして箱型マガジン５０に積み重ねて装填でき
るようになつている。減速器付きモータ１０の回
路は、図示を省略してあるけれども、ドライバ６
０の１回の打ち込み操作ごとにスイツチをON，
OFFするようになつている。

次に、上述のように構成された電動ホチキス
（第１図参照）において、プツシヤ５１の揺動枠
５２を付勢ばね５５に抗して反時計方向に回動す
ると、ばね掛け軸５７がばね掛け軸３２と支持軸
５６とを結ぶ延長線を越える際に、付勢ばね５５
の張力が最大になることによつて、ストツプアク
シヨンが生じて揺動枠５２がステープル折曲型案
内板２４の後面に圧接保持されるとともに、押圧
板５４が揺動枠５２によつて箱型マガジン５０外
に移動し、箱型マガジン５０が開口する。開口し
た箱型マガジン５０内にシート状のプレーンステ
ープルＳをステープルの方向を後端板２５に平行
にして積み重ねて装填し、次いで、プツシヤ５１
を付勢ばね５５に抗して第１図の状態に復帰させ
ることによつてシート状のプレーンステープルＳ
の装填が完了する。箱型マガジン５０内のシート
状のプレーンステープルＳは付勢ばね５５と押圧
板５４とによつて圧下され、最下層のシート状の
プレーンステープルはステープル搬出部材８２の
複数個の弾力性搬出爪８６，……と後端板２５の
ステープル支持片４７とによつて、ステープル通
路８０に搬出可能な状態で支持されている。次い
で、減速器付きモータ１０のスイツチをONにす
ると、出力回転軸１１とクランクプーリ１２が回
転し、クランクピン１３とクランクロツド１４と
垂直連結ピン１５と連動リンク６９と連動軸６８
を介してベルクランク状のドライバ駆動リンク６
５，６５が枢着軸６７，６７を中心にして往復揺
動し、ドライバ駆動リンク６５，６５の前端に架
設してあるハンマ６３が下降、上昇し、ハンマ６
３の支持孔６４と連動ピン６１とによつてドライ
バ６０が１回空打ちする。ドライバ６０の空打ち
と同時にドライバ駆動リンク６５，６５の連動用
凹部５８，５８に連動板８４，８４の先端部が係
合しているステープル搬出部材８２はドライバ駆
動リンク６５，６５の１回の往復運動と復帰用ば
ね８８，８８とによつてステープル１本の厚さに
相当する大きさの振幅で１回往復運動する。ドラ
イバ６０の１回の空打ごとにステープル搬出部材
８２の弾力性爪８６，……によつてシート状のプ
レンステープルＳがステープル１本分ずつ区画板
３３の下面と底板２１との間隙３５を経てステー
プル通路８０内へ搬出される。ステープル折曲用
固定雄型７６の折曲用凸部７８に供給された最先
端のプレーンステープルはドライバ６０の空打ち
に連動する雌型７０と固定雄型７６との協同によ
つて状に折曲されて第７図の状態になり、雌型
７０がドライバ６０とともに上昇復帰する際に、
前記の折曲されたステープルはステープル打ち込
み通路８１に供給されるとともに、折曲用凸部７
８に後続のプレーンステープルが供給される。ス
テープル打ち込み通路８１に供給された折曲ステ
ープルは折曲用凸部７８上にある後続のプレーン
ステープルに接着されたままの状態に保持されて
いる。以上の操作によつてステープルの打ち込み
準備が完了する。次に、クリンチヤ７上に綴り合
わす紙を挿入してモータ１０のスイツチをONに
すると、ドライバ６０によつてステープル打ち込
み通路内の折曲ステープルが紙に打ち込まれ、ド
ライバ６０とクリンチヤ７とによつて綴り合わせ
が行われる。ドライバ６０にて折曲ステープルを
打ち込む際に摺動カム９３が付勢ばね９７に抗し
て後退せしめられ、これによつて送り出し爪９０
がステープル１本分の長さだけ後退する。このと
き戻り止め爪９１の先端部がシート状のプレーン
ステープルＳの上面に戻り止め方向に弾力的に接
触しているので、シート状のプレーンステープル
Ｓは後退しない。また、ドライバ６０の下降時
に、ドライバ６０と同期して雌型７０がプレーン
ステープル１本を状に折曲する。ステープル打
ち込み後、ドライバ６０が上昇復帰すると、摺動
カム軸９３が付勢ばね９７によつて前進し、送り
出し爪９０が摺動カム軸９３とともに前進する際
に折曲ステープルがステープル打ち込み通路８１
内へ供給されるとともに雄型７９の折曲用凸部７
８に後続のプレーンステープルが１本供給された
状態においてモータ１０のスイツチをOFFにす
ることによつて綴り合わせ作業の１サイクルが完
了するのである。以下、前記の綴り合わせ作業を
繰り返して行うのである。

（考案の効果） 以上の説明によつて容易に理解できるように、 本考案はマガジンの底部とステープル折曲用固
定型との間にステープル通路を形成し、マガジン
の底部にベルクランク状のドライバ駆動リンクと
復帰ばねとによつて往復運動してプレーンステー
プルを１本分ずつシート状のプレーンステープル
を送り出すステープル搬出部材を設け、ステープ
ル通路の出口近傍にドライバに連動してプレーン
ステープルを１本分ずつシート状のプレーンステ
ープルを送り出す送り出し爪と該送り出し爪の後
退時にシート状プレーンステープルの後退を阻止
する戻り止め爪とを配置し、これらの爪の先端部
をステープル通路内に臨ませたものであるので、
箱型マガジン内に積み重ねて装填してあるシート
状のプレーンステープルはステープル搬出部材に
よつて箱型マガジンの底部からステープル通路に
確実にプレーンステープル１本分ずつ搬出され、
搬出されたシート状のプレーンステープルはドラ
イバに連動する送り爪と戻し爪とによつて確実に
プレーンステープル１本分ずつ送り出され、打ち
込み直前に折曲したステープルがステープル打ち
込み通路に供給されるので、針詰りが生じないと
ともに、従来のホチキスにあつては必要不可欠で
あつたステープル送り出し部材移動用の長大なス
ペースが不要であることによつて電動ホチキスの
小型化が可能になるという実用のある効果が奏さ
れるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図は一部を切欠した縦断側面図、第２図は一部
を切欠した平面図、第３図はホチキスの前端部の
分解斜視図、第４図はホチキス本体の一部を縦断
して示す分解斜視図、第５図はステープル搬出部
材の斜視図、第６図は支持台の斜視図、第７図は
折曲状態を示すシート状のステープルの斜視図で
ある。 １０：減速器付きモータ、｛１１：出力回転軸、
１２：クランクプーリ、１３：クランクピン、１
４：クランクロツド｝クランク機構、２０：ホチ
キス、｛２１：底板、２２：側板、２３：ドライ
バ案内用前端板、２４：ステープル折曲型案内
板、２５：後端板｝ホチキス本体、５０：箱型マ
ガジン、５１：プツシヤ、６０：ドライバ、６
５：ベルクランク状のドライバ駆動リンク、７
０：ステープル折曲用雌型、７６：ステープル折
曲用固定雄型、８０：ステープル通路、８２：ス
テープル搬出部材、８８：復帰用ばね、９０：送
り出し爪、９１：戻り止め爪、Ｓ：シート状のプ
レーンステープル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホチキス本体の後端部にはシート状に接着した
   プレーンステープルを積み重ねて装填し、プツシ
   ヤにて該シート状のプレーンステープルを圧下す
   るようにした箱型マガジンを設け、また前端部に
   はドライバとともに昇降するステープル折曲用雌
   型と該雌型と協同してプレーンステープルを状
   に折曲するステープル折曲用固定雄型とを配置
   し、前記ドライバを昇降駆動するドライバ駆動リ
   ンクをクランク機構を介してモータにて駆動する
   ようになした電動ホチキスにおいて、前記マガジ
   ンの底部と前記ステープル折曲用固定雄型との間
   にステープル通路を形成し、該ステープル通路の
   下方で前記マガジンの後端から前端の前方に亘り
   前記ドライバ駆動リンクと復帰用ばねとによつて
   往復運動してプレーンステープル１本分ずつシー
   ト状のプレーンステープルを送り出すステープル
   搬出部材を設け、前記ステープル通路の出口近傍
   に前記ドライバに連動してプレーンステープル１
   本分ずつシート状のプレーンステープルを送り出
   す送り出し爪と該送り出し爪の後退時にシート状
   のプレーンステープルの後退を阻止する戻り止め
   爪とを配置し、これらの爪の先端部を前記ステー
   プル通路内に臨ませてあることを特徴とする電動
   ホチキス。