JPH0518061Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本願考案はコ字形に成形された複数のステープ
ルを連結して成る連結ステープルを使用するホツ
チキスにおいて、プツシヤに押されているステー
プルの脚先が内側に曲つている場合にこれを正し
く矯正して妻りが生じるのを防止するホツチキス
に関する。

（従来技術とその問題点） 従来、コ字形に成形されたステープルを連結し
た連結ステープルを使用するタイプのホツチキス
においては、成形が不完全でステープルの脚が内
側に曲つていると、その両脚の基部の方が両脚先
よりも間隔が広くなつているので、１本のステー
プルが打出され、次段のステープルから分離して
このステープルの脚の前面に沿つて通過すると
き、打出されたステープルの脚の基部は次段のス
テープルの脚先の外側を通ることになる。最後か
ら２番目のステープルが打出されるときにも同様
である。ところが、このときは、第５図ａ，ｂに
示すように、プツシヤにより押されている最後の
ステープルSoは他のステープルと連結していな
いので、姿勢が不安定であるほか、後からプツシ
ヤ２２によつて押圧されているので、最後のステ
ープルSoの脚先は最後から２番目のステープル
Snが打出されるときにその脚の基部の間に入り
込み、このため、ステープルが詰つて打出し不良
が生じるおそれがある。

（考案の技術的課題） 本考案は上記欠点を解消し、特にプツシヤによ
つて押圧されたステープルの脚が内側に曲りすぎ
た場合であつても、これを矯正して詰りを防止す
ることができるホツチキスを提供することをその
技術的課題とする。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するため、本考案に係るホツチ
キスは、コ字形に成形された複数のステープルを
連結した連結ステープルの収容部を有し、該収容
部内に上記連結ステープルを前方に押圧するよう
に弾性付勢されたプツシヤを設けるとともに、前
端にステープル打出し口を有したステープルマガ
ジンと、上記ステープル打出し口に向けてステー
プル打出し用のドライバを前端内側に設けたハン
ドルと、上記ステープル打出し口から打出された
ステープルの脚を折曲げるクリンチヤ部を前端上
面に配したベース部材とを、各々その後端で回動
自在に枢着してなるホツチキスにおいて、上記プ
ツシヤの前面の両側にステープル脚の内側を案内
する凸部を設けるとともに、該凸部の上面には下
方に向う下り勾配の傾斜面を形成し、該凸部の前
壁面から外側壁面側にかけては下方に向うに従つ
て漸増する曲り過ぎステープル脚矯正用誘導面を
形成したことを特徴とする。

（考案の作用効果） 上述のように、本考案によれば、プツシヤが連
結ステープルの最後のステープルを押圧すると
き、その凸部は上記ステープルの脚の内側に入り
こんで案内するので、最後のステープルの脚は内
側に曲ることできない。このため、最後から２番
目のステープルが打出されるときも、正しい姿勢
を保つことができる。

また、連結ステープルの成形が不完全で、最後
のステープルの両脚先が初めから内側に曲り過ぎ
ている場合は、このステープルの脚先はプツシヤ
の凸部の前壁面に当ることになるが、しかし、上
記脚先はプツシヤによる押圧時にその両側凸部の
前壁面から外側壁面にかけて形成されて誘導面に
より上記凸部の外側に誘導されて正しい形状に矯
正されるので、上述と同じように詰りを防止する
ことができる。

（実施例） 以下、図面によつて本考案の実施例について説
明する。

図において、符号Ａはホツチキスを示す。この
ホツチキスＡはコ字形に成形された複数のステー
プルS1，S2…を連結した連結ステープルＳを使
用するもので、マガジン１とハンドル２とベース
部材３とを各々その後端部で支軸４により揺動自
在に枢着することによつて構成されている。

マガジン１は上記連結ステープルＳの収容部５
を有し、該収容部５内に上記連結ステープルＳを
前方に押圧するように弾性付勢されたプツシヤ６
を設けるとともに、前部には前壁７と側壁８が形
成され、底壁９の前端にはステープル打出し口１
０が形成されている。

ハンドル２は前端上部に押え部１１を設け、前
端内側に上記ステープル打出し口１０に向けてス
テープル打出し用のドライバ１２を下向きに設け
るとともに、裏面に板バネ１３を設けたものであ
る。上記板バネ１３の下端は上記マガジン１の両
側上面に当接している。

次に、ベース部材３は上記ステープル打出し口
１０から打出されたステープルＳの脚を折曲げる
クリンチヤ部１４を前端上面に配してなるもので
ある。

さらに、上記プツシヤ６の前面６ａの中央に形
成された貫通孔１５にはプツシヤロツド１６が貫
通され、該プツシヤロツド１６に沿つて摺動自在
であり、さらにプツシユロツド１６に巻き回され
たスプリング１７によつて常時前方に弾性付勢さ
れている。

次に、上記プツシヤの前面６ａの両側には、ス
テープル脚Saの内側を案内する凸部１８が形成
され、該凸部１８の上面には下方に向かう下り勾
配の傾斜面２０を形成し、また該凸部１８の前壁
面１８ａから外側壁面１８ｂにかけては、内側に
曲り過ぎたステープル脚Saを上記凸部１８の外
側に押圧誘導する矯正用誘導面１９が下方に向か
うに従つて漸増するように形成されている。

上記構成のホツチキスＡを使用するときは、ま
ずハンドル２を上方に跳ね上げてマガジンＡのス
テープル収容部５を開き、プツシヤ６をスプリン
グ１７に抗して後方に引き寄せて上記収容部５に
連結ステープルＳを収容する。プツシヤ６から手
を離すと、プツシヤ６は連結ステープルＳの後端
に係合して前方に押圧移動させるので、最前部の
ステープルS1はマガジン１の前壁７の内面に当
接し、且つ打出し口１０の上部位置で停止する。

次に、マガジン１とベース部材３のクリンチヤ
部１４との間に被綴り材２１を配置し、ハンドル
２の押え部１１を押し下げると、ドライバ１２が
下降して前端のステープルS1を圧下するので、
該ステープルS1は他のステープルS2から分離し
て打出し口１０から打出され、被綴り材２１を貫
通してクリンチヤ部１４によつて脚先が折曲げら
れ、１つの綴りが完了し、ハンドル２の押下力を
解除すると、ハンドル２は板ばね１３によつて上
方位置に復帰する。

上述のようにして、次々と綴つてステープルが
２本残つた場合、プツシヤ６の凸部１８は最後の
ステープルSoの脚Saの内側に入りこんで案内す
るので、この脚Saは内側に曲ることができない。
このため、最後から２番目のステープルが打出さ
れるときも、正しい姿勢を保つことができる。

また、連結ステープルＳの成形が不完全で、最
後のステープルSoの両脚先が初めから内側に曲
つている場合は、このステープルSoの脚先はプ
ツシヤ６の凸部１８の前部に当るが、しかし、プ
ツシヤ６による押圧時にその凸部１８の前壁面か
ら外側壁面に形成された誘導面１９により上記凸
部１８の外側に押広げられて正しい形状に矯正さ
れるので、最後から２番目のステープルが打出さ
れても、正しい姿勢を保つことができる。

なお、最後のステープルSoが打出されるとき
は、ドライバ１２はプツシヤ６の凸部１８にも当
るが、凸部１８の上面２０は傾斜しているので、
プツシヤ６は後方に押し戻され、ステープルSo
のみが打出される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るホツチキスのプツシヤの
斜視図、第２図は上記ホツチキスの斜視図、第３
図はその分解斜視図、第４図は上記ホツチキスの
縦断面図であり、第５図ａ，ｂは従来のホツチキ
スにおける詰り現象の説明図である。 符号、Ａ……ホツチキス、１……マガジン、２
……ハンドル、３……ベース部材、６……プツシ
ヤ、１０……ステープル打出し口、１２……ドラ
イバ、１８……凸部、１９……誘導面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コ字形に成形された複数のステープルを連結し
   た連結ステープルの収容部を有し、該収容部内に
   上記連結ステープルを前方に押圧するように弾性
   付勢されたプツシヤを設けるとともに、前端にス
   テープル打出し口を有したステープルマガジン
   と、上記ステープル打出し口に向けてステープル
   打出し用のドライバを前端内側に設けたハンドル
   と、上記ステープル打出し口から打出されたステ
   ープルの脚を折曲げるクリンチヤ部を前端上面に
   配したベース部材とを、各々その後端で回動自在
   に枢着してなるホツチキスにおいて、 上記プツシヤの前面の両側にステープル脚の内
   側を案内する凸部を設けるとともに、該凸部の上
   面には下方に向う下り勾配の傾斜面を形成し、該
   凸部の前壁面から外側壁面側にかけては下方に向
   うに従つて漸増する曲り過ぎステープル脚矯正用
   誘導面を形成したことを特徴とするホツチキス。