JPS636814Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、最外部に抑え巻きテープ層を有する
電力ケーブル、通信ケーブルなどのケーブルコア
の上に、鉛テープ又はポリ塩化ビニルやポリエス
テルなどの有機高分子のラミネート層を片面又は
両面に有する鉛テープ（以下、それらテープを単
に鉛テープと称する）の縦沿え遮水層を施し、そ
の上にポリ塩化ビニルやポリエチレンなどの有機
高分子からなるシースを上記遮水層と接着させて
設けた遮水形絶縁ケーブルの改良に関する。

第１図及び第２図ｂは本考案の実施例を示すも
のであつて、第１図は、ケーブル斜視図、第２図
ｂは抑え巻きテープ層部分の断面拡大図である。
それらの図において、１は導体、２は内部遮蔽
層、３は絶縁層、４は外部遮蔽層、５はワイヤー
ストランドの金属シールド層、６は抑え巻きテー
プ層、７は鉛テープたてぞえ遮水層、８はシース
である。第２図ａは第２図ｂに対応する比較例の
抑え巻きテープ部分の断面拡大図であつて、第２
図ｂの構成要素と同じものは同じ番号を付してあ
る。なお、第２図ａ，ｂにおいて６１は抑え巻き
テープ層６の抑え巻きテープである。

遮水層７の上のシースは、一般に押出により形
成されるが、このとき遮水層７を構成する鉛テー
プの縦沿えの円周方法の絞め加減がゆるく、この
ため遮水層７の内径が抑え巻きテープ層６の外径
より大であると、上記シース押出時の押出圧力に
より遮水層にたてじわが生じる問題があることか
ら、これを防止するために、一般に鉛テープは抑
え巻きテープ層６の円周方向に充分に絞めつつ縦
沿えされる。

ところで、この縦沿えの際抑え巻きテープ６１
が第２図ａに示すように1/4ラツプ巻などされて
いてテープ厚にもとずく凹凸があると、鉛テープ
は、本来、変形し易いことと上記した円周方向に
絞めつつ縦沿えされることから、遮水層７が層６
の凹部に落込んで波打状となる問題がある。そし
て波打状の遮水層上にシース８を押出成形する
と、層７の凹部とシース８とは接触状況が悪くな
り、凹部において両層は接着不良となり易い。
かゝるケーブルを屈曲テストしたとき、上記両層
の接着不良箇所の遮水層に座屈が生じる。

このため、本考案では遮水層７の波打の原因と
なる層６の凹凸を可及的に少なくしようとするも
のであつて、第２図ｂに示す実施例では抑え巻き
テープ６１は1/2で巻回され、それによりその表
面に遮水層の落込み得る凹部を実質的に生じない
ようにしている。

変形実施例として、抑え巻きテープをつきあわ
せ巻きして層６を形成してもよい。本考案者の実
験によれば層７における波打ちの高低差が100μm
未満、好ましくは50μm未満であれば層７、層８
の接着不良の問題が大きく軽減する。従つて別の
実施例として通常用いられる抑え巻きテープ（厚
さ200μm〜1000μm）の抑え巻き層の上に、たゞ
し、該層に問題となる凹凸のあるとき、厚さ
100μm以下、好ましくは50μm以下の薄い抑え巻
きテープを用いて第２の抑え巻き層を形成するこ
とも有効である。その場合、第２の抑え巻き層の
巻回方法は1/4ラツプなどその層自体にテープ厚
にもとずく凹凸が生じる巻回方法も許容できる。

而して、本考案では遮水層にシースとの接着不
良の原因となる様な大きな波打が生じず、該層と
シースとが良好に接着させ得るのでケーブルの耐
屈曲性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図ｂは本考案の実施例を示すもの
であり、第２図ａは第２図ｂに対応する従来例箇
所を示すものであつて、第１図、第２図ｂ及び第
２図ｂにおいて、５は金属シールド層、６は抑え
巻きテープ層、７は鉛テープ縦沿えの遮水層、８
はシースである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 最外部に抑え巻きテープ層を有するケーブル
   コアの上に、鉛テープの縦沿え遮水層、更にそ
   の上に該遮水層と接着された有機高分子シース
   を有する遮水形絶縁ケーブルにおいて、上記抑
   え巻きテープ層の凹凸は、該テープ層上の縦沿
   え遮水層の波打ち高低差が100μm未満となる小
   凹凸としたことを特徴とする遮水形絶縁ケーブ
   ル。 ２ 抑え巻きテープ層は、抑え巻きテープの1/2
   ラツプ巻き又はつきあわせ巻きにて形成されて
   なる実用新案登録請求の範囲第１項に記載の遮
   水形絶縁ケーブル。 ３ 抑え巻きテープ層は厚さ200〜1000μmの抑え
   巻きテープのラツプ巻きによる第１の層とその
   上に厚さ100μm以下の薄い抑え巻きテープを巻
   回した第２の層とからなる実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の遮水形絶縁ケーブル。