JPS636786B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は円筒状の燃焼筒を有する燃焼装置に関
する。

従来例の構成とその問題点 従来のこの種の燃焼装置は第４図に示すように
構成されている。すなわち、気化部１の上端にバ
ーナヘツド２を備え、気化部１にポンプ３を介し
て燃料タンク４から燃料を供給するとともに送風
フアン５により燃焼用空気を導入し、気化部１内
で発生した気化ガスと空気を混合して予混合気を
バーナヘツド２に送り、点火器（図示せず）によ
り燃焼火炎６を形成する。気化部１の外周に仕切
り板７を設け、その上部にバーナヘツド２を中心
にして燃焼筒８を設置している。なお本体９の後
面で仕切り板７の上部に温風フアン１０を設け、
前板に温風吹出しグリル１１を配している。この
場合には、燃焼筒８の周囲を通過する際、熱交換
される温風と燃焼ガスが混合した状態で温風吹出
しグリル１１より排出されるために、温風そのも
のに排気ガスが混合し、特に着火・消火時の燃焼
特性が悪い状態で一酸化炭素や臭気による不快感
を与えるとともに、温風フアン１０からの温風圧
力が燃焼筒８内での燃焼火炎に悪影響を与え、火
炎の偏りや揺動により失火したり、燃焼バランス
が乱れて逆火する等の問題点を有していた。

発明の目的 本発明はこのような従来の欠点を除去するもの
で、熱交換させた排気ガス成分を含まない温風を
つくり快適性の向上を図るとともに、強制的な冷
却効果により燃焼筒の温度上昇を防止して逆火現
象をなくすとともに、対流用空気を燃焼側と遮断
することにより、燃焼火炎の悪影響をなくし、失
火や燃焼特性の悪化を防止することを目的とす
る。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は外筒外周面
を反射板により少なくとも２分割するとともに、
仕切られた前面に燃焼ガス噴出口を設け、後面に
は対流用フアンを設けて温風通路を形成したもの
である。

この構成により、外筒前面においては、外筒か
らの熱の放散と燃焼ガス噴出口からの燃焼排ガス
の噴出により、即暖性の良い輻射熱と燃焼状態の
良好な排気ガス成分の燃焼熱が得られるととも
に、外筒後面からは密閉された外筒表面を対流空
気が流れ、十分に熱交換された排気ガス成分を含
まない温風が得られることとなる。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第１図、第２図、第
３図を用いて説明する。

図において、１１は気化筒でシーズヒータ１２
を内蔵しており、気化筒後部を開口させて送風フ
アン１３を連結するとともに、その内部に燃料供
給管１４を配し、先端を気化筒１１内に臨ませ
て、他端は燃料ポンプ１５を介して燃料レベラー
１６に接続している。１７は燃料タンクで、燃料
レベラー１６に燃料供給している。なお、気化筒
１１の内側には混合板１８を設けている。そし
て、気化筒１１の先端には、多数の細孔を有した
円筒状の整流筒１９を連結し、この外周に微小間
隙を設けて耐熱性を有する金網円筒２０を配し、
両者の端面を閉塞して燃焼筒２１を構成してい
る。またその周囲に燃焼空間２２をおいて、熱透
過性の良好な円筒ガラス筒よりなる外筒２３を設
け、この外筒２３を固定するために気化筒１１側
に外筒固定筒２４、その反対面に外筒固定筒２５
を具備し、固定ビス２６により、混合板１８に固
定している。前記気化筒１１の後部で、送風フア
ン１３の連結部にはバーナ仕切り板２７を設けて
いる。そして、外筒２３と外筒固定筒２４，２５
の円筒状の軸方向面にパツキン材２８を装着し、
それらを介して設けた反射板２９と反射板３０に
よりこの外筒２３外周を前面側、後面側に分割
し、前面側に位置した外筒固定筒２４と２５の一
部に燃焼ガス噴出口３１と３２を各々設けてい
る。前面側の外筒２３を保護するために安全ガー
ド３３が反射板２９と反射板３０に固定されて設
けられ、後面側には本体３３の上部側面に対流空
気入口３４を設け、その近傍にフアンケーシング
３５を介して対流フアン３６を位置させている。
そして、外筒２３の後部に温風通路３６を構成し
て本体３３の前面下部に温風グリル３７を設けて
いる。

次に動作について説明すると、気化筒１１に内
蔵したシーズヒータ１２に通電を行い、気化筒１
１内を液体燃料が気化できる高温状態に維持させ
るとともに、送風フアン１３を駆動させて気化筒
１１内に燃焼用空気を導く。そして、先端が気化
筒１１内に臨んだ燃料細管１４へは燃料ポンプ１
５を駆動させることにより、燃料レベラー１６に
燃料タンク１７から補給された燃料を供給し、気
化筒１１内に吹付けて瞬時に気化ガスを発生さ
せ、混合板１８からの燃焼用空気と混合させて予
混合気を整流筒１９に導き、多数の小孔より噴出
させ、微小間隙をおいて設けられた金網円筒２０
により構成された燃焼筒２１の全周に予混合気を
噴出させ、点火器（図示せず）により着火し、金
網表面に火炎を形成する。外筒２３と外筒固定筒
２４，２５により設けられた燃焼空間２２に放出
された燃焼排ガスはパツキン材２８と反射板２９
と反射板３０により前面と後面に分割された前面
側の外筒固定筒２４，２５の一部に設けられた燃
焼ガス噴出口３１，３２より放射されるものであ
る。この燃焼ガスに加えて熱透過性の良いガラス
筒の外筒２３からは燃焼筒２１の金網円筒２０で
の火炎形成により発生した赤外線を輻射熱として
放出している。また、後面側からは対流フアン３
６を駆動させて対流空気入口３４より吸い込んだ
空気を反射板２９と反射板３０により仕切られた
外筒２３の約半円周壁面に沿つて構成された温風
通路を通すことにより輻射、伝導熱より温風に熱
交換された温風を、温風グリル３７より噴出す
る。

このように、外筒２３と外筒固定筒２４，２５
外周を前、後に分割し、対流空気が通る後面側に
燃焼排ガスが混入しない構成としたため、着火時
と消火時に空燃比バランスが瞬間的に変化して発
生した一酸化炭素や臭気を温風グリル３７から直
接人体に吹付けないので、不快感が解消される。
また、対流用空気自体が燃焼に悪影響することが
ないために、火炎を乱して失火や燃焼特性を悪化
させることがなくなり安定した燃焼特性が維持で
きる。そして、対流用空気流が外筒２３表面で十
分に熱交換して温風に変換していくために燃焼筒
２１自体は安定した温度状態で燃焼できるために
安定した燃焼速度を維持し逆火燃焼を防止でき
る。さらに、前面側においては、燃焼筒２１金網
表面の赤熱に伴なう赤外線を含んだ輻射熱に加え
て燃焼排ガスを外筒固定筒２４，２５より噴出さ
せるので、即暖性のある採暖効果が得られるもの
である。

発明の効果 本発明の燃焼装置によれば、輻射と温風の両者
に燃焼熱を利用して暖房効率の向上を図るととも
に、燃焼排ガスの噴出口を対流空気流から遮断す
ることにより燃焼状態の乱れを皆無にして燃焼特
性の安定化が図れ、しかも燃焼筒の後面側を温風
用として活用すれば、従来輻射用として有効に活
用できなかつたこの後面を有効な熱交換面として
活用することとなるので、熱交換効率の高いもの
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例にかかる燃焼装置の
正面断面図、第２図は第１図のＡ−A′線の断面
図、第３図は第２図のＢ−B′線の断面図、第４
図は従来の燃焼装置の側面断面図である。 １９……整流筒、２０……金網円筒、２１……
燃焼筒、２２……燃焼空間、２３……外筒、２９
……反射板、３０……反射板、３６……温風通
路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数の細孔を有する円筒状の整流筒と、この
   整流筒の周囲に微小間隙を有して設けた燃焼筒
   と、燃焼筒の周囲に燃焼空間を介して設けた外筒
   とを備え、上記外筒周囲を反射板により少なくと
   も２分割し、一面から燃焼ガスを放出し、他面に
   は送風手段を用いて温風通路を形成させてなる燃
   焼装置。