JPS5914670Y2 - 温風暖房機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は燃焼熱を利用する温風暖房機に関するもので
、安全かつ効果的な暖房を行うことを目的とする。

この種の温風暖房機にあっては、燃焼室内下部に設置さ
れた燃焼器の炎口部はその側壁上部に中心より水平方向
ないし斜め上方に向かって放射状に形成されている。

このため、前記炎口部で燃焼する炎が外側に拡がり、そ
の燃焼熱気は燃焼室内全体に拡散しながら上昇するので
、燃焼室内壁の温度がきわめて高温となり、本体外郭の
温度も異常に上昇して、熱変形を起こすなどの不具合が
あった。

この考案は上記不具合を解消するためになされたもので
、燃焼器の炎口部とその上方部を包囲する燃焼筒を設け
、この燃焼筒の内面で燃焼器からの燃焼熱気を集束方向
に方向転換させて燃焼室の上方へ導くようにしたもので
、本体外郭の異常な温度上昇が抑制され、安全でかつ暖
房効果のよい温風暖房機が得られるものである。

以下この考案を図示実施例にもとづいて説明する。

図において、１は皿板２上に固着した基台ケース、３は
この基台ケース上に固着した本体ケース、４はこの本体
ケースの背面部に形成した風路、５はこの風路の上端を
水平に開放させた開放口で、前記本体ケース３内に形成
される燃焼室６の上部に連通させている。

しかして、この開放口５の断面積は風路４のそれより小
と威されている。

７は本体ケース３の前面上部に、前記開放口５と対応し
て開設した温風放出口、８は本体ケース３の下方に水平
に固着され、基台ケース１と燃焼室６とを仕切るように
した仕切板で、中央孔９及び複数の側方孔１０を穿設し
ている。

１１は本体ケース３の前面部を覆うように着脱自在に取
付けた飾り前板で、上部に温風放出ロアと対応し、かつ
連通ずるルーバ一部１２を設けている。

１３は二つのブロワ−を有する燃焼用送風機、１４はこ
の送風機の一方のブロワ−の送風口に一端を接続した空
気供給管、１５はこの供給管の他端部に接続されたノズ
ル、１６は前記供給管に接続された空気流量制御弁であ
る。

１７は後述する炎口部を前記燃焼室６内下部に露出させ
て設けた燃焼器で、ヒータ１８によって予熱される気化
器１９の周側壁を貫通する孔に、前記ノズル１５の先端
部が嵌入して固着されており、このノズルと連通ずる気
化室２０が、邪魔板２１の流通孔を介して側壁上部に中
心より水平方向ないし斜め上方に向かって放射状に形成
した炎口２２に連通した構成を有している。

２３は燃料タンクＴに連結管２４を介して連通した定液
面器、２５はこの定液面器内の燃料に浮遊する浮子で、
その頭部に前記連結管２４の流出口に対応して固定され
たニードル弁体により、器内の燃料液面を一定に保つよ
うになっている。

２６は燃料供給管で、一端が定液面器２３の底部に連通
接続され、中間部がノズル１５近くの空気供給管１４内
に貫入し、他端部が細管２７となってその先端燃料供給
口２８はノズル１５の喉部に臨ませて配設しである。

しかして、燃料供給口２８は、定液面器２３の燃料液面
より所定高さだけ上方に位置させである。

２９はノズル１５近くの送風静圧を定液面器２３の上部
空間に導くバイパス管、３０は仕切板８上に設けられ上
面を開放した燃焼筒で、下端周縁は中央孔９の外側で、
かつ側方孔１０の内側に位置している。

しかして、前記燃焼器１７の炎口２２部分は中央孔９を
間隙を有して貫通し、前記燃焼筒３０内下部に露出して
いる。

３１は送風機１３の他方のブロワ−に一端を連通し、他
端を風路４の下端に連通した導風ダクト、３２は飾り前
板１１に開設したのぞき窓、３３はこののぞき窓に対応
する燃焼室６の前壁を切除した透視部、３４はこの透視
部に対応する燃焼筒３０の周壁に設けた透明ガラス、３
５は燃焼室６の前壁上部から燃焼室内中央部まで水平に
延設した拡散板である。

しかして、炎口２２からの熱気（炎）が燃焼筒３０の内
周面に反射して、前記拡散板３５の下面に集束傾向に上
昇するよう、この拡散板と燃焼筒３０の形状や関係寸法
が設定されている。

以上の構成において、送風機１３を運転し、空気流量制
御弁１６を開いて所定量の空気を空気供給管１４に供給
する。

このとき、ノズル１５の入口部近くにこの空気供給量に
応じて生じる送風静圧が、バイパス管２９を介して定液
面器２３内に導かれ、この静圧を受けた液体燃料が、燃
料供給管２６及び細管２７を通じてその先端の燃料供給
口２８に押し出される。

また、このときノズル１５の喉部を通ってそのベンチュ
リー作用により高速となった空気流により液体燃料は燃
料供給口２８から吸引され、これら両件用により押出さ
れた液体燃料は高速の空気流と共に気液混合されて微粒
化して噴射され、ヒータ１８により予め熱せられた気化
室２０の内壁すなわち気化面に衝突して押し広げられる
ように付着することにより気化され、この気化燃料とノ
ズル１５からの高速空気とが混合し、邪魔板２１の流通
孔を通って迂回することにより、さらに充分に気液混合
された後に炎口２２から噴出する。

この炎口から噴出した混合気が適宜設けられた着火手段
により着火され、そのまま完全燃焼する。

ところで、気化室２０内において、気化壁に衝突した燃
料は気化壁土に薄く押し広げられ、かつ気化壁の熱によ
り燃料微粒子全体を急速に加熱して気化するとともに、
空気噴流が燃料微粒子の上にきわめて速度勾配の大なる
流れを形成するため、燃料微粒子をさらに薄く押し広げ
ることはもとより、燃料分子を速やかに運び去り、気化
壁土に形成される燃料の拡散層はきわめて薄くなり、燃
焼を完全にする。

このようにノズルに供給される空気流によつて、いわゆ
るベルヌーイの法則に従って燃料の供給が行われるから
、空気流量と燃料流量とが略々比例するため、燃焼量を
変える場合、空気流量制御弁１６によって空気流量を変
えるだけで簡単に燃焼量をかえることができ、かつ燃焼
量を変えても空気と燃料との予混合割合が略一定すると
いう特性が得られる。

炎口２２における燃焼熱気（炎）は、燃焼筒３０の内面
に当って方向を内側へ転じられて集束傾向になりながら
、拡散板３５の裏面に集中して当った後、拡散されて表
面に向う。

すなわち、これにより炎が燃焼室内壁に沿って延び、ル
ーパー１２部から出てくるようなことがなく、かつ燃焼
室内壁に炎が直接当らないので熱変形や本体外郭の温度
上昇が抑制される。

一方、送風機１３の運転により送風ダクト３１から風路
４内に送風され、この送風は開放口５から温風放出ロア
に向って水平に吹き出される。

このとき、開放口５の断面積は風路４の断面積より小と
なっているため、すなわち送風が開放口５において絞ら
れるようになっているため、開放口５から吹き出す送風
の流速が増し、これにより鉄部の圧力が低くなる。

したがって、拡散板３４で拡散された熱気は、開放口５
から送風に引き込まれるようにして温風放出ロアに至る
。

燃焼筒３０内には中央孔９から二次空気が入って燃焼を
より完全なものとするとともに、側方孔１０からも外部
空気が流入する。

側方孔からのこの流入空気は、燃焼熱気の円滑な上昇を
助成すると同時に各壁面の温度上昇を抑制する作用をす
る。

そして、空気流量制御弁１６の開き具合を調整すること
により燃焼器の炎口２２からの燃焼程度が、自由に選定
されるものである。

以上この考案の実施例について詳述したが、この考案は
、前面上部に温風放出口を設けた燃焼室と、この燃焼室
内下部に炎口部を露出させて設けられ、該炎口部が側壁
上部に中心より水平方向ないし斜め上方に向かって放射
状に形成された燃焼器と、この燃焼器の前記炎口部とそ
の上方部を包囲するように設けた燃焼筒と、前記燃焼器
からの燃焼熱気を前記温風放出口から外部へ放出させる
送風機とを備え、前記燃焼器からの燃焼熱気を前記燃焼
筒の内面で集束方向に方向転換させて燃焼室の上方に導
くようにしたものであるから、燃焼室内における燃焼熱
気の拡大が抑制され、燃焼室内壁に対する燃焼熱気の影
響度合を少なくできるので、本部外郭の異常な温度上昇
も抑制され、熱変形を起こすなどの心配がなくなり、安
全でかつ暖房効果のよい温風暖房機を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す半破正面図、第２図
はその簡略縦断面図、第３図は燃焼機構の構成を示す簡
略断面図である。 図中、３は本体ケース、４は風路、５はその開放口、６
は燃焼室、７は温風放出口、１２はルーバー、１３は送
風機、１７は燃焼器、２２は炎口、３０は燃焼筒である
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面上部に温風放出口を設けた燃焼室と、この燃焼室内
   下部に炎口部を露出させて設けられ、該炎口部が側壁上
   部に中心より水平方向ないし斜め上方に向かって放射状
   に形成された燃焼器と、この燃焼器の前記炎口部及びそ
   の上方部を包囲するように設けた燃焼筒と、前記燃焼器
   からの燃焼熱気を前記温風放出口から外部へ放出させる
   送風機とを備え、前記燃焼器からの燃焼熱気を前記燃焼
   筒の内面で集束方向に方向転換させて燃焼室の上方に導
   くようにしたことを特徴とする温風暖房器。