JPS6359058B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明は太陽熱集熱器に関する。

＜従来技術＞ 従来の太陽熱集熱器には、第１，２，３図の如
き、透光板１付のケース２内に、互に接続された
複数の集熱管ユニツト３が設置された型式のもの
がある。そしてこの集熱管ユニツト３は、熱媒体
が流通する銅パイプ製熱媒管Ａと、アルミニウム
押出成形品でありＣ字形の円弧部４と左右の平板
部５からなる集熱フインＢとから構成され、各熱
媒管Ａはヘツダー管６に接続されたものである。
なお、７は平板部５の左端の接続溝、８は平板部
５の右端の接続鍔である。そして、前記集熱管ユ
ニツト３は、第４図の如く集熱フインＢの円弧部
４に熱媒管Ａが圧入され、その熱媒管Ａが円弧部
４より突出した部分は加圧により偏平１０に加工
されている。

しかし、前記集熱フインＢは、板厚約0.7mmの
アルミニウム押出成形品のため重量大でかつ高価
につき、圧入嵌合時の変形を防ぐには熱媒管Ａの
薄肉化は困難であり、両者とも厚肉であるため互
に柔軟性がなくて嵌合時の密着性が悪く、このた
め熱媒管Ａの水圧拡管加工が必要となつたり、熱
媒管Ａの加圧力を上げるとその変形が大となつた
り、またアルミニウムの熱膨張係数は銅に比して
大きいため、両者間にズレが生じやすく、集熱フ
インＢの反りやひずみが大となる欠点があつた。

＜目的＞ そこで、本発明は上記した点に鑑み、集熱フイ
ンをアルミニウム等の金属薄板製にすることによ
り軽量化とコスト低減を図り、かつ熱媒管との密
着性を容易に得られる太陽熱集熱器の提供を目的
としている。

＜実施例＞ 以下、本発明の実施例を第５〜７図に基いて説
明すると、太陽熱集熱器は、互に接続された複数
の集熱管ユニツトＵを具えてなり、各集熱管ユニ
ツトＵにおいて、熱媒体が流通する熱媒管Ｃは断
面円形の金属管の中央下部に軸方向に沿つた溝条
１１が形成されてなり、太陽熱を集熱しこれを前
記熱媒管Ｃに伝達する集熱フインＤは、金属薄板
製であつて、中央部の断面下開放Ｃ字形の円弧部
１２と、その左右に位置する平板部１３，１４
と、該左右一対の平板部１３，１４の内端と前記
円弧部１２の左右下端との間に一体的に折曲形成
された係合突条１５とから構成され、前記円孤部
１２は前記熱媒管Ｃに外嵌密着され、前記係合突
条１５は前記溝条１１に係合密着されている。

そして本実施例において、前記熱媒管Ｃは板厚
約0.35mmで直径が約9.7mmの銅パイプ製で、その
軸方向（前後方向）両端部は断面円形のままとさ
れており、断面角形の溝条１１の長さは集熱フイ
ンＤの前後長さとほぼ同一とされている。

なお、この熱媒管Ｃの端部の断面形状はこれと
接続される継手管やヘツダー管の接続孔の形状に
左右されるものであり、溝条１１は必要に応じて
熱媒管Ｃの一端部また又は両端部まで延長するこ
とも可能である。

また集熱フインＤは板厚約0.2〜0.3mmのアルミ
ニウム薄板製とされ、集熱フインＤの左端は断面
が偏平Ｓ字形とされて接続溝１６付の受鍔１７が
形成され、また右端は前記接続溝１６に適合する
ように段付鍔１８が形成され、第６図の如く互に
隣接する各集熱管ユニツトＵの受鍔１７に段付鍔
１８が嵌入固着されて各集熱管ユニツトＵが接続
される。また集熱フインＤの表面ｄ１は、受熱面
であるので選択吸収膜加工が施こされている。な
お裏面ｄ２は非受熱面である。また前記平板部１
３，１４の係合突条１５との接続部に、熱媒管Ｃ
に沿つた湾曲部１３ａ，１４ａが形成されてい
る。なお溝条１１の分だけ熱媒管Ｃの熱媒対流通
面積が減少するが、これは無視できる程度であ
る。

次に上記実施例における集熱管ユニツトＵの製
造方法を第７図に基き説明する。まず第７図ａの
如く、アルミニウム薄板のプレス加工品である集
熱フイン半成品Ｄ１を製造する。この半成品Ｄ１
は、前記集熱フインＤの係合突条１５の折曲形成
前の形状に相当し、完成品としての円弧部１２よ
りも僅かに大径に形成された円弧部１２ａと、左
右一対の平板部１３，１４とは倒Ｖ字形の折返部
１９を介して接続され、この一対の折返部１９の
間に開口２０が形成されている。そしてその表面
には選択吸収膜加工が施こされ、この選択吸収膜
加工された表面が下側にまた裏面が上側にくるよ
うにする。次に同図ｂの如く集熱フイン半成品Ｄ
１の円弧部１２ａの開口２０の巾が、銅パイプ加
工品である熱媒管Ｃの直径よりも少し小さい寸法
となるよう、適当な治工具により左右一対の平板
部１３，１４が互にへの字状をなすまで弾性変形
させる。そして熱媒管Ｃを溝条１１が上側の状態
で集熱フイン半成品Ｄ１の開口２０に押し込むこ
とにより、開口２０をさらに弾性変形させて熱媒
管Ｃを円弧部１２ａ内へ嵌入する。その後、同図
ｃの如く集熱フイン半成品Ｄ１の平板部１３，１
４を溝条１１部の全長にわたるスプリングバツク
力を利用し、治工具の助けにより同一水平面に成
形する。そして、左右の折返部１９に所定量重な
るように巾Ｇの突条部及びその両側の曲面部から
なる折曲型を下降することにより、溝条１１の側
壁及びその側壁に連なる熱媒管Ｃの周壁の一部を
成形型として代用し、係合突条１５及び湾曲部１
３ａ，１４ａを圧接折曲形成して、係合突条１５
を溝条１１の側面に係合密着させる。そして同時
にその係合突条１５の折曲形成により、集熱フイ
ン半成品Ｄ１の円弧部１２ａはその直径が小さく
なり、熱媒管Ｃに外嵌密着されて完成品としての
円弧部１２となる。このとき集熱フインＤの表面
は下側であるので選択吸収膜加工面に傷付くこと
はない。

このように製造した複数の集熱管ユニツトＵ
は、互に接続溝１６付の受鍔１７に隣接の集熱管
ユニツトＵの段付鍔１８を重合部Ｆで重ね合せし
てから左右方向にスライドさせ段付鍔１８を接続
溝１６に嵌入する。このとき、受鍔１７に段付鍔
１８を重ね合せ得るので作業性が良い。なお第６
図の如く段付鍔１８の右端と接続溝１６の右端と
の間には間隙Ｅが存在するように設計されている
ので集熱フインＤの熱膨張収縮時に平板部１３，
１４が反つて変形することがない。

＜効果＞ 以上の実施例の説明から明らかな通り、本発明
は、熱媒体が流通する熱媒管と、太陽熱を集熱し
これを前記熱媒管に伝達する集熱フインとを具え
た太陽熱集熱器において、前記熱媒管は断面円形
の金属管の中央下部に軸方向に沿つた溝条が形成
されてなり、前記集熱フインは金属薄板製であつ
て、中央部の断面下開放Ｃ字形の円弧部と、その
左右に位置する平板部と、該左右一対の平板部の
内端と前記円弧部の左右下端との間に一体的に折
曲形成された係合突条とから構成され、前記円弧
部は前記熱媒管に外嵌密着され、前記係合突条は
前記溝条に係合密着されたものである。

従つて、本発明においては、集熱フインはアル
ミニウム等の薄板材を曲げ加工して製造でき、従
来のアルミニウム押出成形により製造する場合に
比較して、材料費や設備機械費を極めて安価にで
き、また集熱フインは、薄板製であるため柔軟性
があり、係合突条の折曲加工時に熱媒管の外周を
締め付ける作用があり、熱媒管との密着性がよ
く、熱膨張収縮差による両者のズレを防ぎ集熱機
能を向上し得る等、多くの効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は従来例を示すもので、第
１図は太陽熱集熱器の一部切欠斜視図、第２図は
集熱管ユニツトの斜視図、第３図は同断面図、第
４図ａ，ｂは同製造工程にそつた断面図であり、
第５図ないし第７図は本発明実施例を示すもの
で、第５図は集熱管ユニツトの下側から見た斜視
図、第６図は同断面図、第７図ａ〜ｃは同製造工
程にそつた断面図である。 Ｕ：集熱管ユニツト、Ｃ：熱媒管、Ｄ：集熱フ
イン、１１：溝条、１２：円弧部、１３，１４：
平板部、１５：係合突条、１７：受鍔、１８：段
付鍔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 熱媒体が流通する熱媒管Ｃと、太陽熱を集熱
   しこれを前記熱媒管Ｃに伝達する集熱フインＤと
   を具えた太陽熱集熱器において、前記熱媒管Ｃは
   断面円形の金属管の中央下部に軸方向に沿つた溝
   条１１が形成されてなり、前記集熱フインＤは金
   属薄板製であつて、中央部の断面下開放Ｃ字形の
   円弧部１２と、その左右に位置する平板部１３，
   １４と、該左右一対の平板部１３，１４の内端と
   前記円弧部１２の左右下端との間に一体的に折曲
   形成された係合突条１５とから構成され、前記円
   弧部１２は前記熱媒管Ｃに外嵌密着され、前記係
   合突条１５は前記溝条１１に係合密着されたこと
   を特徴とする太陽熱集熱器。