JPS604034Y2 - 太陽熱集熱器の抱合連結構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は太陽熱集熱器に関し、殊に平板型集熱器の連結
構造に関する。

従来から使用される平板型集熱器の構造の典型的なもの
を列記すると下記の通りである。

（１）表面に黒色塗装又は選択吸収膜処理をしたアルミ
ニウム等からなる集熱板に、銅等の熱伝導性、耐蝕性に
すぐれた集熱管を所定の間隔をおいてハンダ等の手段を
用いて固着する。

集熱板で吸収した太陽熱エネルギは集熱管中を流れる流
体を加温し、これを暖房等に利用する。

（２）互に対向した凹溝を有する２枚の集熱板間に集熱
管を挾持して集熱板を相互にかしめ又は溶接する。

（３） 型材からなる集熱板の凹溝にかしめ等によっ
て集熱管を固着する。

以上の従来の集熱器はいずれもハンダ、溶接、かしめ等
の手段を用いて製造するので手間がかかるだけでなく、
使用する加工機械の大きさに原因して製造される集熱器
全体の大きさに限界がある。

本考案は上記の欠点に鑑みてなされたもので、集熱板を
小さな単位に形威し、くさびの原理を利用して個々の集
熱板間に集熱管を抱持するようにしたものである。

・以下、実施例について本考案を説明する。

第１図に示すように予め所定の間隔をあけて配列した集
熱管１の夫々の端部にヘッダ管２，２を接続してこれを
図示せぬ台枠に取付ける。

又ヘッダ管の端部には給・排水用口金３を形成する。

集熱管１は銅等の熱伝導性のよい金属材料で作る。

上記の集熱管１相互間には第１の集熱板４及び第２の集
熱板５を組立て状に取付ける。

画集熱板はアルミニウム等の押出し型材からなり、太陽
に面する表面に黒色塗装又は選択吸収膜処理等の吸熱処
理を施す。

第２図及び第３図に示すように第１の集熱板４はその−
側端（右側端）に集熱管１の外周縁に適合した部分円弧
状面を有する抱合壁４１と、第１の集熱板４と第２の集
熱板５を係合するための咬合部４２とを備える。

又第２の集熱板５はその一側端（左側端）に夫々第１の
集熱板４と同様に抱合壁５１と咬合部５２とを備える。

又第２の集熱板５には、第１及び第２の集熱板の夫々の
咬合部４２及び５２を係合した際に対向した画集熱板の
両側端間に両側端に沿って延びるくさび溝５３が形成さ
れている。

本考案の集熱器を構成するには、画集熱板４及び５の夫
々の抱合壁４１及び５１で集熱管１の外周縁を囲繞した
状態で咬合部４２と５２を係合し、くさび嵌入溝５３に
金属材料等からなるくさび部６を木ハンマ等を使用して
圧入する。

従って第２の集熱板５は両校合部の係合点を支点として
第１の集熱板４に対し矢印Ａの方向に回動して、円椎合
壁４１及び５１間に集熱管１を緊迫状に抱持し、集熱管
１を介して画集熱板４，５を連結する。

集熱板の抱合壁は集熱管の外周縁に適合した形状に形成
されているので両者間に良良好な熱伝導性が得られるが
、両者間の接触部分の熱抵抗をさらに少なくするために
グリース状の熱伝性コンパウンドを用いるとさらに効果
的である。

本出願人の実験によればベントン系、複合酸カルシュウ
ム石ケン系グリースに銅腐蝕防止剤を添加したものによ
り最も良好な結果が得られた。

尚、画集熱板４．５の自由端縁はそのばね性を利用して
互に押圧状に接触させて熱伝導を計っている。

また第１の集熱板４と第２の集熱板を一体形成し、その
−側端に抱合壁４１及び咬合部４２を、他側端に抱合壁
５１及び咬合部５２を夫々形設して単一化することもで
きる。

この際には個々の集熱管１を上記のようにして形成上た
集熱板で抱合連結した後に並列した集熱管１，１・・・
にヘッダ管２，２を取付ける。

上記の説明では集熱板４及び５を水平状に設置し、第１
の集熱板４の咬合部４２と第２の集熱板５の咬合部５２
を集熱板の上面側において係合したが、当然のこと乍ら
上記の係合を集熱板の下面側で構成してもよく、又屋根
或は外壁に設ける場合には集熱板４及び５を斜め或は垂
直状に設置することができる。

第４図及び第５図は係合部を集熱板の下面側に構成した
実施例を示す。

この場合第１の集熱板４はその一側端（左端側）に抱合
壁４１と咬合部４２を備え、又第２の集熱板５はその一
側端（右端側）に抱合壁５１と咬合部５２を備える。

本実施例ではくさび溝５３が下向きになるので該くさび
溝に水が溜らないので好都合である。

本考案の集熱器は上記のように構成したので、ハンダ、
溶接、かしめ等の厄介な加工を必要とせず、従って又加
工機械によって集熱器全体の大きさに制限を受けること
がないので、製造に際し自由の大きさの集熱器を組立て
ることができる。

又その組立てがくさび原理に基いたものであるので集熱
管と集熱板間の確実な密着性が得られるばかりでなく集
熱器の分解も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の集熱器全体を示す平面図、第２図は本
考案の実施例を示す断面図、第３図は第２図の要部を拡
大して示した断面図、第４図は本考案の別の実施例を示
す断面図、第５図は第４図の要部を拡大して示した断面
図である。 １・・・・・・集熱管、４・・・・・・第１の集熱板、
５・・・・・・第２の集熱板、６・・・・・べさび部材
、４１・・・・・・第１の集熱板の抱合壁、４２・・・
・・・第１の集熱板の咬合部、５１・・・・・・第２の
集熱板の抱合壁、５２・・・・・・第２の集熱板の咬合
部、５３・・・・・・第２の集熱板のくさび嵌入溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 流体を通す集熱管と該集熱管の左右両側に着設した
   第１及び第２の集熱板とを備える太陽熱集熱器の抱合連
   結構造であって、上記第１の集熱板４の一側端には部分
   円弧状の抱合壁４１と咬合部４２とを形設し、これに対
   向する第２の集熱板５の一側端には部分円弧状の抱合壁
   ５１と咬合部５２とを形設すると共に両校合部４２．５
   ２を互に係合した際に対向両側端部間に該両側端に沿っ
   て延びるくさび嵌入溝５３とを形設し、該くさび嵌入溝
   にくさび部材６を圧入して上記第１及び第２の集熱板の
   抱合壁４１゜５１間に上記集熱管１を緊迫状に抱持して
   なる太陽熱集熱器の抱合連結構造。 ２ 上記集熱板４が押出型材からなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の構造。