JPS6358186B2 - - Google Patents

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JPS6358186B2
JPS6358186B2 JP55055386A JP5538680A JPS6358186B2 JP S6358186 B2 JPS6358186 B2 JP S6358186B2 JP 55055386 A JP55055386 A JP 55055386A JP 5538680 A JP5538680 A JP 5538680A JP S6358186 B2 JPS6358186 B2 JP S6358186B2
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JP
Japan
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polyimide resin
polyimide
formula
dielectric breakdown
glass
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JP55055386A
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JPS56151757A (en
Inventor
Katsuhiko Maeda
Mitsuhiko Takeda
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Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
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Publication of JPS56151757A publication Critical patent/JPS56151757A/ja
Publication of JPS6358186B2 publication Critical patent/JPS6358186B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はポリイミド樹脂成形体に関し、更に詳
しくはポリイミド重合体に、特定量の鱗片状の無
機質絶縁体を含有せしめた耐絶縁破壊性に特に優
れたポリイミド樹脂成形体に関する。 ポリイミド樹脂は、優れた耐熱性、耐寒性を有
し、更に耐化学薬品性、広い温度範囲及び周波数
範囲にわたり電気絶縁性に優れていること等か
ら、近年、例えば、電線、ケーブル等の被膜、マ
グネツトワイヤの被膜、モーターのスロツトラン
ナー、トランスの層間絶縁膜、フレキシブルプリ
ント回路基板、スラストケーブル被膜、広い温度
範囲にわたつて使うコンデンサー膜、高温で用い
る磁気テープ、耐熱性の必要な用途での小型ボビ
ンスリーブ、端末絶縁用チユーブ、耐熱性粘着テ
ープ、メタライズ化して宇宙ロケツトの断熱材等
に被膜、膜、テープ等の成形体として広く用いら
れるようになつた。 しかしながら、このような優れた特性をもつポ
リイミド樹脂ではあるが、耐熱性エポキシ樹脂、
耐熱性フエノール樹脂等の他の合成樹脂に比べて
著しく高価な欠点がある。このため、最近、特に
多く使用されるようになつたポリイミド樹脂成形
体としてのプリント配線基板等の耐熱性基板等に
於いて、高温(例えば200℃)に於いても長期間
に持続するポリイミド樹脂の優れた絶縁強度を何
等阻害せず且つ、より安価なものが要望されるに
至つた。 しかし最近、電気機器の超小型化に大きく貢献
しているこれらのプリント配線基板等の耐熱性基
板に於いては、配線回路が極めて緻密で精度が高
いので、基板には更に、寸法安定性、難燃性等も
阻害するものであつてはならず、これらの要望が
解決されていない現状である。 本発明者は、上記せる諸問題を解決するため、
多数の有機化合物や無機化合物のポリイミド重合
体への適用に関し鋭意研究の結果、予想外にも、
特定量の鱗片状の無機質絶縁体を含むポリイミド
樹脂成形体に成形することによつて、ポリイミド
重合体のみの成形体よりも顕著に優れた耐絶縁破
壊性を示すポリイミド樹脂成形を得ることが出き
て、一挙に解決し得ることを発見し、本発明を完
成するに至つた。 即ち、本発明は、一般式、 (式中、R1は4価の芳香族有機基であり、R2
は2価の芳香族有機基で、nは正の整数を表す。)
で示される繰返し単位を有するポリイミド重合体
100重量部に対し、25℃の温度における体積固有
抵抗1010Ωcm以上の電気絶縁抵抗を有する無機化
合物であつて、厚さbが約0.005mm〜約0.05mm、
最大径aが約1.2mm以下であり且つa/bが5以
上である鱗片状の無機質絶縁体を5〜40重量部含
有してなることを特徴とするポリイミド樹脂成形
体である。 本発明でいうポリイミド重合体とは、例えば;
芳香族ポリカルボン酸無水物として1種類のピロ
メリツト酸無水物と芳香族ポリアミンとして1種
類のp―フエニレンジアミン;芳香族ポリカルボ
ン酸無水物として複数種類の、ピロメリツト酸無
水物とベンゾフエノンテトラカルボン酸無水物
と、芳香族ポリアミンとして1種類のジアミノフ
エニールエーテル;芳香族ポリカルボン酸無水物
として複数種類の、ピロメリツト酸無水物とベン
ゾフエノンテトラカルボン酸無水物と、芳香族ポ
リアミンとして複数種類の、m―フエニレンジア
ミンとジアミノジフエニールエーテル;等の反応
で得られる1種類のポリイミド重合体、またはこ
れ等のポリイミド重合体を2種類以上含む重合体
及び供重合体等で、繰返し単位として上記〔〕
式で示されるもので、〔〕式中のR1は4価の芳
香族有機基であり、R2は2価の芳香族有機基で
あり、nは正の整数のポリイミド重合体であれ
ば、いづれも使用することが出きる。 上記ポリイミド重合体の繰返し単位中のR1
しては、下記の構造式の基を例挙することが出き
る。
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 また、前記ポリイミド重合体の繰返し単位中の
R2としては、下記の構造式の基を例挙すること
が出きる。
【式】 【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 上記の構造式中のR3は、炭素原子数1〜3の
アルキル基である。 更に、前記ポリイミド重合体の繰返し単位のn
としては、ポリイミド重合体の耐熱性,機械的強
度等から10以上が好ましく、10〜200を例挙する
ことが出きる。 以上述べたポリイミド重合体中、耐熱性,絶縁
性等の観点から本発明に於いて使用に好ましいも
のは、R1の成分中90重量%以上が
【式】 で、R2の成分中90重量%以上が
【式】であるポリイミド重 合体;及び、特に、R1の成分中90重量%以上が
【式】で、R2の成分中90重量 %以上が
【式】と
【式】からなる、例えば特公昭52− 39880号に開示されているようなポリイミド重合
体が好ましい。 前者のポリイミド重合体としては、例えば
Vespel(デユポン社製、粉状品)、Pyre―ML(デ
ユポン社製、ポリイミドプレポリマー液状品)等
があり、これ等は、例えば、ピロメリツト酸無水
物と4,4′―ジアミノジフエニルエーテルを主成
分として反応させ、ポリアミド酸を作り、これを
熱的あるいは化学的にイミド閉環させる公知の方
法等によつて製造され;後者のポリイミド樹脂と
しては、例えばポリイミド2080(三菱化成(株)製;
粉状品)同2080D、同2080PHV(液状品)等があ
り、これ等は、上記特公昭52−39880号に開示さ
れているように、3,4,3′,4′―ベンゾフエノ
ンテトラカルボン酸ジ無水物とトルエンジイソシ
アネート及びメチレンビス(フエニルイソシアネ
ート)の混合物を同時に、あるいは順次に、反応
させる方法等によつて製造されている。 本発明でいう鱗片状とは、厚さbが約0.005mm
〜約0.05mm、最大径aが1.2mm以下であり且つ
a/bが5以上であるものをいい、無機質絶縁体
とは、25℃の温度で体積固有抵抗1010Ωcm以上の
電気絶縁抵抗を有する無機化合物をいう。これら
の鱗片状の無機化合物としては、雲母、ガラス、
陶磁器、タルク、クレー等を例挙することが出き
る。 上記に於いて、雲母とは、アルカリ金属を含む
アルミノケイ酸塩で、一般式A(B,C)2〜
3D4O10(OH,F,O)2に於いて、A:K,Na,
Ca;(B,C):Fe,Fe,Mn,Al,Mg,
v:D:Si,Alで表わされるものである。これ
等のものは、例えば、次の2群等に類別され;白
雲母系(K,Na,Li)(Al,Mg,V)2(Si,
Al)4O10(OH)2としては、白雲母,紅雲母,ソー
ダ雲母,セリサイト,バナジン雲母,イライト等
があり、黒雲母系に(Mg,Fe,Al)3(Si,
Al)4O10(OH,O)2としては、黒雲母,金雲母,
鉄雲母,チンワルド雲母等を例挙することが出き
る。また、結晶構造は種類により異るが、一般に
単斜晶系で、底面を完全劈開面とし、六角板状で
鱗片状の形態を有するが、これ等の天然雲母以外
に人工の雲母も本発明に於いて使用することが出
きる。 前記に於いて、ガラスとは、酸化物を混合溶融
して得られた高粘性液体を結晶が析出しないよう
に急冷して得られた無定形固体で、通常、珪砂、
ホウ酸、炭酸ソーダ、石灰石などを原料としたソ
ーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、
石英ガラス、アルミノシリケートガラス等の人造
ガラス及び天然ガラスをいい、用途的な分類か
ら、これ等のものとして、水晶や珪石の粉末を溶
融して作られる石英ガラス等の高周波損失の少い
耐熱性の大きい電気用ガラス;ホウケイ酸ガラス
と一般に云われB2O3の多い、所謂、Pyrex,
Supremax等の理化学用ガラス;照明用ガラス;
医療用ガラス;等を例挙することが出きる。 また、陶磁器とは、一般に珪酸、酸化アルミニ
ウムを主成分とし、例えば1500℃等で焼かれたも
ので、磁器としては、長石質磁器とも呼ばれる普
通磁器、酸化アルミニウムの含有量の多いアルミ
ナ磁器、ベリリヤ磁器、滑石磁器、フオルステラ
イト磁器、マグネシヤ磁器、酸化物を普通のガラ
スを製造するのと同様に混合溶融し、生じた液体
の高粘性を利用して成形し、ガラス製品としたの
ち、これに適当な熱処理を施し微細な結晶を析出
させ磁器状にしたガラスセラミツク等や〓器、陶
器を例挙することが出きる。 また、タルクとは主成分を珪酸マネシウムとす
る滑石、ソープストーン、タルカム、フレンチチ
ヨーク、ステアタイト等とも称されるもので、浅
田製粉(株)製のSW―特、SW―A、SW―B等;竹
原化学工業(株)製のPタルク、TTタルク等;土屋
カオリン工業製のLM―P,PKP―53,SWS
等;日本タルク(株)製のMS,M,SWS等;を例挙
することが出きる。 更に、クレーとは、珪酸アルミニウムを主成分
とするもので、一般に粘土、白土、陶土等と称さ
れる天然物の粉砕品;該クレーを例えば約600〜
約800℃で焼成処理した焼成クレー;表面処理し
た改質クレー等をいい;神戸クレー(株)製のスーパ
ーライト、ネオスーパー等;タカラ産業(株)製の
HY―100、HY―200等;竹原化学工業(株)製のシ
ルカライト、ハードブライト等;Burgess
Pigment社製(米国)のIceberg等を例挙するこ
とが出きる。 以上述べた雲母、ガラス、陶磁器、タルク、ク
レー等は前記せるポリイミド重合体と共に、目的
とするポリイミド樹脂成形体の耐絶縁破壊性等に
応じて、多数の種類中、1種類(例えば;白雲
母、黒雲母;石英ガラス;アルミナ磁器等)、ま
たは2種類以上(例えば;白雲母と石英ガラス;
白雲母とアルミナ磁器;白雲母と黒雲母と石英ガ
ラス;白雲母と黒雲母と石英ガラスとアルミナ磁
器等)適宜選択し使用することが出きるが、これ
等の中で優れた電気絶縁抵抗を有し、吸水率も少
い雲母、ガラス、陶磁器の使用がより好ましく、
就中、雲母、ガラスの使用が特に好ましい。 また、概して鱗片状の形態を有しない粗大なガ
ラス、陶磁器等は公知の方法で鱗片状に粉砕し、
必要とする形態のものを篩分けして使用すること
も出きる。 本発明に於いて用いる鱗片状の無機質絶縁体の
形態として、ステンレス金網等の篩で篩分けした
とき、該無機質絶縁体の最大径aが約1.0mm以下
で且つa/bが10以上、即ちaの範囲が約0.05mm
〜約1.0mmであるものが特に好ましい。この範囲
の鱗片状の無機質絶縁体であると、特にポリイミ
ド樹脂成形体中に積層状に配列しやすく、優れた
耐絶縁破壊性を与える。尚、最大径aが約1.2mm
を超えると、5未満の場合は、無機質絶縁体の形
態が球状に近づき積層状に配列しがたくなるため
か、優れた耐絶縁破壊性が得られない。また最大
径が約1.2mm以上であると、ポリイミド樹脂成形
体の引張り強度等の機械的強度が低下し耐熱性基
板等の用途に不適となる。更に、鱗片状無機質絶
縁体の厚さbとして、bが約0.005mm未満では厚
さが過小で耐絶縁破壊性が低下し、約0.05mmを超
えると、最大径aが約1.2mmを超えるものの場合
と同様に引張り強度が低下する問題等を起す。 次に、本発明に於いて鱗片状の無機質絶縁体を
ポリイミド重合体100重量部に対して5〜40重量
部に限定した理由を述べると、5重量未満では耐
絶縁破壊性向上が十分でなく、優れた耐絶縁破壊
性を発揮するポリイミド樹脂成形体を得ることが
困難化するからであり、一方、40重量部を越える
場合、特に該ポリイミド樹脂成形体の引張り強度
等の機械的強度が低下し、耐熱性基板等の利用に
於いて欠陥生ずるからである。 本発明の鱗片状の無機質絶縁体は、ポリイミド
重合体と公知の混合手段によつて混合を行うこと
ができるが、出きるだけポリイミド重合体に全体
的に均一に分散させることが好ましく、粉末状の
ポリイミド重合体にあつては、例えば、高速流動
式ミキサー(ヘンシエルミキサー、スーパーミキ
サー)、リボンブレンダー、Vブレンダー、擂潰
機等の如き混合手段を例示することができ;ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルスルフオキシド、N―メチルピロリドン等の
溶剤またはこれ等の溶剤等の混合溶剤で溶解等し
たポリイミド重合体溶液であつては、ボールミ
ル、ニーダー、撹拌付密閉容器等の如き混合手段
を例示することができる。 上記例示の如き手段で混合した組成物、或は予
めロールや押出成形手段で製造したペレツトを用
い、溶融押出法、射出成形法、カレンダー法、溶
液流延法等によつてポリイミド樹脂成形体に成形
することが出きるが、これ等の成形法中で溶液流
延法が特に好ましい。 本発明の鱗片状の無機質絶縁体を含むポリイミ
ド重合体溶液を支持体上に流延し、溶剤を蒸発さ
せて成形する溶液流延法にあつては、成形中の溶
剤の蒸発とともに鱗片状の無機質絶縁体が積層状
に密に配列しやすく、優れた耐絶縁性破壊性を容
易に与えるのと、表面が平滑性に富み印刷技術を
利用したプリント配線等がしやすいポリイミド樹
脂成形体を与えやすいからである。 また、本発明のポリイミド樹脂成形体は、前記
した如く、電線やケーブル等の被覆用フイルム、
スロツトライナー、プリント配線基板、磁気テー
プ、またフイルムを圧延積層等した構造部品、例
えば航空宇宙工業や電子工業向けのレーダードラ
ムタービン翼等、特に制限されるものではない
が、高度の絶縁を必要とする用途に使用すること
が好ましい。また、成形体としては本発明の無機
質絶縁体が成形体中で積層状に配列しやすい、例
えば厚さ2mm〜0.05mmのシートまたはフイルムが
好ましく、これらのシートまたはフイルムは、ポ
リイミド樹脂の適度の熱接着性によつて、公知の
積層手段で容易に積層し得てプリント配線基板等
の、より厚いポリイミド樹脂成形体にすることも
出きる。 更に本発明でいう耐絶縁破壊性は、後述するよ
うに、高温下に於けるポリイミド樹脂成形体の加
熱劣化前後の絶縁破壊電圧をJIS D―2120で測定
し、絶縁破壊電圧残率として評価したもので、本
発明のポリイミド樹脂成形体は、該試験方法で絶
縁破壊電圧残率を測定するとき、本発明の無機質
絶縁体を含有しないポリイミド樹脂成形体より顕
著に向上した耐絶縁破壊性を示す等、優れた性能
を発揮するものである。 以下、実施例により、特に溶液流延法によるポ
リイミド樹脂成形体に関し具体的に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 実施例 1 ポリイミド重合体(ポリイミド2080D:三菱化
成工業(株)製)の濃度22重量%のN,N―ジメチル
ホルムアミド溶液450gに、白雲母(日本マイカ
製作所製;商品名MICOM―Q)をボールミルで
粉砕し、網フルイで分級し、厚さ0.02mm、最大径
約0.15mmの鱗片状の白雲母約20gを加え、密閉容
器中で混合し、混合溶液を得た。この混合溶液を
ドクターナイフを用いガラス板上に流延し、150
℃で約2時間、熱風乾燥し、ポリイミド重合体
100重量部に対し、20重量部の鱗片状白雲母を含
有した厚さ0.2mmのポリイミド樹脂フイルムを得
た。 かくして得た実施例1のポリイミド樹脂フイル
ムの絶縁破壊電圧残率を測定した結果、第2表に
示すように92%の優れた残率を示すとともに、引
張強度(JISK6911に準拠し、インストロン型万
能試験機で、15mm×100mmの寸法に裁断した試験
片を200mm/minで引張り破断強度より求める)
も12-5Kg/mm2の優れた強度を保持するもので、
更に吸水率もポリイミド樹脂単独のフイルムより
約2%少く寸法安定性も改善されたプリント配線
基板用フイルム等として優れたものであつた。 尚、絶縁破壊電圧残率は下記の試験法で測定し
た。 絶縁破壊電圧残率の測定法 JIS D―2120に準拠し、厚さ0.2mmの試料フイ
ルムを大気中で電極25mm、荷重500gの条件下、
短時間破壊法による絶縁破壊電圧を測定したの
ち、該試料フイルムを260℃の温度で20日間加熱
劣化させ、再び絶縁破壊電圧を測定し、該絶縁破
壊電圧の残率を算出した。 実施例2〜6、比較例1〜8及び参考例 実施例1で使用したと同じポリイミド重合体溶
液を用い、無機質絶縁体として第1表に示したよ
うに種類、最大径a、厚さb、a/b及び添加量
を変えて混合溶液を作成し、実施例1と同様にし
て溶液流延法で厚さ0.2mmのポリイミド樹脂フイ
ルムとした。尚、実施例5では白雲母と石英ガラ
スを併用した。 これらポリイミド樹脂フイルムについて、実施
例1と同様に絶縁破壊電圧残率、引張強度、吸水
率及びフイルム表面の平滑性の測定を行ない、そ
の結果を第2表に示す。 参考例 実施例1で使用したと同じポリイミド重合体溶
液を用い、無機質絶縁体を混合せずに実施例1と
同様にして溶液流延法で厚さ0.2mmのポリイミド
樹脂フイルムとした。このフイルムについて実施
例1と同様に絶縁破壊電圧残率、引張強度、吸水
率及びフイルム表面の平滑性の測定を行ない、そ
の結果を第2表に示す。 第2表から解るように実施例2〜6のポリイミ
ド樹脂フイルムは、いづれも88%以上の優れた絶
縁破壊電圧残率を示すと同時に、実施例1のポリ
イミド樹脂フイルムと略同等の11〜135Kg/mm2
優れた引張強度及び表面平滑性を有し、ポリイミ
ド重合体単独フイルムよりも安価で且つ吸水率も
数%少く寸法安定性にも優れたものであつたが、
実施例2,3,5,6のポリイミド樹脂フイルム
では、使用した鱗片状無機質絶縁体の最大径が約
0.05mm〜約1.0mmで、且つa/bが10以上のもの
であり特に優れた絶縁破壊電圧残率をも示した。 一方、最大径1.8mmの白雲母3重量部使用した
比較例1のポリイミド樹脂フイルムでは、最大径
が大き過ぎるため、ガラス板上にポリイミド樹脂
溶液を流延しドクターナイフを用いて0.2mmのポ
リイミド樹脂フイルムの製膜を試みた際に、該ナ
イフのエツヂに白雲母がひつかかり、激しい凹
凸、スジがポリイミド樹脂フイルムに生じ、引張
強度も著しく低下して耐熱性基板等の用途には不
適であつた。 比較例2のポリイミド樹脂フイルムでは、白雲
母3重量部で、耐絶縁破壊性の改善が不十分で、
本発明の鱗片状の無機質絶縁体を配合しない従来
のポリイミド樹脂フイルムと略同性能のものに過
ぎず、比較例3では、白雲母50重量部と多過ぎる
ため耐絶縁破壊性の性能には優れていたが、引張
強度が5.8Kg/mm2とポリイミド重合体単独フイル
ムの強度の約半分に減少したばかりか、柔軟性も
減退し、機械的強度の観点から耐熱性基板等えの
用途に不適であつた。 比較例4,5の球状のガラス,タルクを使用し
たポリイミド樹脂フイルムでは、鱗片状の無機質
絶縁体を使用した実施例1〜6のものより、著し
く耐絶縁破壊性に劣るものであり、また比較例
6,7のa/bが5未満の球状に近い白雲母を使
用したポリイミド樹脂フイルムでは、該白雲母が
積層状に密にフイルム中に配列しにくい理由によ
るためか、実施例1〜6のような優れた耐絶縁破
壊性を全く示さなかつた。また、比較例7のポリ
イミド樹脂フイルムでは、更に厚さが0.06mmと厚
過ぎるため該フイルム表面に凹凸が発生し、表面
平滑性にも劣るものであつた。 比較例8では、最大径,厚さ,共に本発明の鱗
片状の範囲外にある白雲母であるため、このポリ
イミド樹脂フイルムも優れた耐絶縁破壊性を発揮
するものではなかつた。 比較例 9 実施例1で使用したポリイミド重合体溶液の代
りに、濃度20重量%のポリカーボネート重合体の
トルエン溶液を用い、無機質絶縁体として粒子の
最大径a約0.02mm、厚さb約0.0005mm、粒子面の
平均面積約1×10-4mm2、a/b約40の白雲母を
ポリカーボネート重合体100重量部に対して20重
量部になるように添加混合した後、実施例1と同
様にして溶液流延法で厚さ0.2mmのポリカーボネ
ート樹脂フイルムとした。このフイルムについて
実施例1と同様に引張強度、吸水率及びフイルム
表面平滑性の測定を行ない、その結果を第2表に
示す。また、絶縁破壊電圧残率についても試験を
行なつたが、260℃、20日間の加熱劣化試験で該
フイルムが軟化変形して測定できなかつた。 尚、実施例1に準じて、白雲母の代りに、比較
のために鱗片状の黒鉛、アルミニウム等を配合し
ポリイミド樹脂フイルムを試作したが、体積固有
抵抗が小さく、ポリイミド重合体単独のフイルム
より絶縁性が低下した。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、R1は4価の芳香族有機基であり、R2
    は2価の芳香族有機基で、nは正の整数を表わ
    す。)で示される繰返し単位を有するポリイミド
    重合体100重量部に対し、25℃の温度における体
    積固有抵抗1010Ωcm以上の電気絶縁抵抗を有する
    無機化合物であつて、厚さbが約0.005mm〜約
    0.05mm、最大径aが約1.2mm以下であり且つa/
    bが5以上である鱗片状の無機質絶縁体を5〜40
    重量部含有してなることを特徴とするポリイミド
    樹脂成形体。 2 該無機質絶縁体の最大径が約0.05mm〜約1.0
    mmである特許請求の範囲第1項記載のポリイミド
    樹脂成形体。 3 該無機質絶縁体が雲母またはガラスである特
    許請求の範囲第1項記載のポリイミド樹脂成形
    体。
JP5538680A 1980-04-28 1980-04-28 Polyimide resin molded article Granted JPS56151757A (en)

Priority Applications (1)

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JP5538680A JPS56151757A (en) 1980-04-28 1980-04-28 Polyimide resin molded article

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JP5538680A JPS56151757A (en) 1980-04-28 1980-04-28 Polyimide resin molded article

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JPS56151757A JPS56151757A (en) 1981-11-24
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ID=12997057

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