JPS6357631A - エポキシ樹脂用硬化剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ジシアンジアミド系硬化剤に関し、さらに詳
しくはジシアンジアミドをモノエポキシドによって変性
してなるエポキシ樹脂用の硬化剤に関する。

発明の技術的背景ならびにその問題点 エポキシ樹脂塗料に用いられる硬化剤としては、従来、
種々のアミン類、有機酸無水物が知られている。たとえ
ば、ジシアンジアミドは、強靭でしかも良好な物性を有
する硬化物を与える点ですぐれた硬化剤ではあるが、ジ
シアンジアミドをエポキシ樹脂の硬化剤として用いる場
合、硬化剤とエポキシ樹脂との相溶性は良好とはいえず
、そのため硬化反応が不均一になりやすいという問題点
があった。さらに、ジシアンジアミドで硬化したエポキ
シ樹脂硬化物は、耐湿性が比較的低いという問題点があ
る。

このような問題点を改良するために、従来、ジシアンジ
アミドをさらにアミン変性して得たグアニジン化合物を
硬化剤として用いることが知られているが、この硬化剤
もまた、上述したようなエポキシ樹脂との相溶性ならび
に耐湿性の改善という点では、必ずしも充分満足のいく
ものではない。

発明の目的 本発明は、上記のような従来技侑に伴なう問題点を解決
しようとするものであって、エポキシ樹脂との相溶性が
改善され、ざらに耐湿性および機械的強度にすぐれた硬
化物を与えうるようなエポキシ樹脂用硬化剤を提供する
ことを目的としている。

発明の概要 本発明に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、ジシアンジアミ
ドをモノエポキシドで変性させて得られるジシアンジア
ミドのモノエポキシド付加体を含むことを特徴としてい
る。

このように、本発明に係る硬化剤は、ジシアンジアミド
をモノエポキシドで変性させて得られるジシアンジアミ
ドのモノエポキシド付加体（アダクト）を含んでいるの
で、エポキシ樹脂との相溶性にすぐれ、均質な硬化物を
生じさせるとともに、その硬化物は、良好な物性を有し
、特に耐湿性、機械的強度にすぐれたものとなる。

発明の詳細な説明 以下本発明に係るエポキシ樹脂用硬化剤を実施例も含め
て具体的に説明する。

本発明に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、ジシアンジアミ
ドをモノエポキシ化合物と反応させて得られるジシアン
ジアミドのモノエポキシド付加体（アダクト）の主要成
分として含有する。

ジシアンジアミドを変性するのに使用しうるモノエポキ
シドは、化合物中にエポキシ基を１個有する化合物であ
り、該化合物は、飽和もしくは不飽和の脂肪族、脂環式
、芳香族または複素環式化合物であることができ、さら
に化合物中にエーテル基等の置換基を含んでいてもよい
。

エポキシ基を２個もしくはそれ以上有するエポキシ化合
物、たとえばジエポキシドは、変性時にゲル化して硬化
剤として使用に耐えなくなる。

モノエポキシドの好ましい具体例としては、フェニルグ
リシジルエーテル、トリルグリシジルエーテル、キシリ
ルグリシジルエーテル、クミルグリシジルエーテル、ク
ミルグリシジルエーテルを挙げることができ、一般的に
は、下記の式で表わされるアリールグリシジルエーテル
である。

（Ｒ，Ｒ：アルキル基、アリール基、シクロアルキル基
であって、Ｒ２が複数個からなる場合には、それらＲ２
は互に同一でも異なっていてもよい。） ジシアンジアミドとモノエポキシドとが付加物（アダク
ト）を生成する反応の一例を挙げると、モノエポキシド
としてアリールグリシジルエーテルを用いた場合には、
以下の通りである。

１皿」 このようにして得られる、ジシアンジアミドのモノエポ
キシドによる変性反応によるジシアンジアミドのモノエ
ポキシド付加体の好ましい具体例としては、以下の様な
化合物がある。

主成分の一般式は次の通りであるが、なかでもフェニル
グリシジルエーテル（ＰＧＥ）のＤＩＣＹ付加物である
ジシアンジアミドのモノエポキシド付加体が好ましく用
いられる。

本発明の硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化する場合、
硬化剤の添加量は、通常、エポキシ樹脂（エポキシ当量
８００）１００部に対して、５〜１０部であることが好
ましい。

また硬化条件は、用途や併用添加物によっても異なるが
、通常、温度１５０〜２３０℃、過熱時間３〜３０分で
あり、また、可使時間（シェルフライフ）は、３ケ月以
上に達する。

本発明の硬化剤は、硬化促進剤、充填材、流れ調整剤、
顔料等の所望の添加物とともにエポキシ樹脂に配合して
組成物とし、たとえば静電塗装用の粉体塗料として適用
し得る。

以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。

害Ｊ１泗」−（硬化剤の製造例） ５００Ｉｄの四ロフラスコ（温度計、攪拌機、コンデン
サー、滴下ロウ斗を装＠）にジシアンジアミド４２ｇ（
１モル）とメチルセロソルブ２００９とを装入し、加熱
により溶解させた。次に滴下ロウ斗からフェニルグリシ
ジルエーテル１５０９を１５０℃で、１時間かけて滴下
した。滴下終了後ざらに４時間１５０℃で反応を行なっ
た。次いで減圧してメチルセロソルブを留去した。得ら
れた硬化剤は赤黄色透明の固体（Ｉｔ）４５℃）であっ
た。

実施例２および比較例１ 実施例１で得られる変性ジシアンジアミドを用いて、表
１に示すような組成を有する粉体塗料組成物を調整した
。

比較例１としては、従来公知のジシアンジアミドをその
まま用いた。

去−ユ 上記実施例２、比較例１の配合物をそれぞれ３Ｂロール
で１０５℃、３分間の条件で混練し、粉砕して１００メ
ツシユバスのものを粉体塗料とした。　このようにして
得られる粉体塗料を、加熱した鉄板（厚さ９　ａｍ　）
の表面に静電塗装した後、焼付条件２００℃、５分で硬
化した。

硬化剤とエポキシ樹脂との相溶性は、次表右欄の通りで
ある。

上記の様にして得られた塗膜（硬化物）の物性を評価す
るため、ゲルタイム、ガラス転移温度の測定ならびに衝
撃試験を行なった。測定結果を下記表２に示す。

人−２ ＊ポンチ径５ｉｎ、ダイス径８ｉｎ、衝撃用鍾２Ｋｙ　
　　　　　　　　６８３上配において、デュポン衝撃試
験は、水平に載置した試料の下に凹型のダイスを当接さ
せて上部からポンチで衝撃を与えて耐衝撃性を測定する
試験であり、一般に塗膜層が厚い方が割れやすくなる。

この測定結果から明らかなように、本発明に係る硬化剤
を用いて（９られた硬化物は、従来のジシアンジアミド
による硬化物に比べて耐衝撃性においてすぐれている。

一施例３およびヒ較例２ 下記表３に示すような実施例１の変性ジシアンジアミド
を用いて、表１に示すような組成を有する粉体塗料組成
物を調製した。

比較例２としては、従来公知のジシアンジアミドをその
まま用いた。

六−旦 ＊　　変性ＤＩＣＹ：フェニルグリシジルエーテル変性
ＤＩＣＹこのような粉体塗料組成物を首記実施例２と同
様の方法で加熱した鉄板（厚さ９　ｍｍ　＞の表面に静
電塗装（膜厚１６０〜２５０μｙｌシた後、硬化させた
。

このようにして得られた塗膜（硬化物）について、耐熱
水性の試験を行なった。結果を下記表４に示す。

Ａ ＊１：塗膜面に一定間隔で基盤目状の切目をつけ、粘着
テープを塗膜面に貼着してから引剥がすことによる塗膜
の密着性を評価する方法。数値は、残存する塗膜の割合
（百分率）を示す。

＊２：試料を煮沸水中に半分程度浸漬したときに、蒸気
相に出ていた部分。

傘３：気液の界面部分。

＊４：沸騰水中に浸漬されていた部分。

上記測定結果から明らかなように、本発明の硬化剤を用
いて得られた硬化物は、耐熱水性、接着性においてすぐ
れている。

発明の効果 上記実施例、比較例の結果からも理解されるように、本
発明のエポキシ樹脂用硬化剤は、ジシアンジアミドをモ
ノエポキシドで変性させて（ｑられるジシアンジアミド
のモノエポキシド付加体を含んでいるので、エポキシ樹
脂との相溶性にすぐれるとともに、得られる硬化物は、
耐湿性、耐衝撃性、接着性において極めてすぐれた特性
を有している。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ジシアンジアミドをモノエポキシドで変性させて
   得られるジシアンジアミドのモノエポキシド付加体を含
   むことを特徴とするエポキシ樹脂用硬化剤。
2. （２）前記モノエポキシドが、フェニルグリシジルエー
   テルである特許請求の範囲第１項の硬化剤。