JPS6355946B2 - - Google Patents

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JPS6355946B2
JPS6355946B2 JP58212897A JP21289783A JPS6355946B2 JP S6355946 B2 JPS6355946 B2 JP S6355946B2 JP 58212897 A JP58212897 A JP 58212897A JP 21289783 A JP21289783 A JP 21289783A JP S6355946 B2 JPS6355946 B2 JP S6355946B2
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JP
Japan
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dialyzer
valve
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Hiromichi Minami
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NIPPON MEDEIKARU ENJINIARINGU KK
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の対象・産業上の利用分野) 本発明は、血液透析における透析液供給装置に
関し、複数の透析器を用いて複数の患者の透析を
行う病院において、透析液の利用効率を高めるた
めに利用される。
(従来技術) 人口腎臓装置(透析装置)を用いて行う血液透
析は、人体が腎不全に陥つた際に、腎臓に代わり
体内の老廃物を排除し、または必要なものを取り
入れて血液の浄化を行うために広く行われてい
る。
第1図は従来の透析装置の一例を示すもので、
これは陽圧法によるものである。第1図におい
て、ポンプ2によつてカニユーレ1aから流出す
る血液の一定流量を透析器3に供給するととも
に、絞り器4によつてチユーブ5に狭窄を作り、
透析器3内の血液に陽圧を発生させる。透析器3
の血液の出入口には、エアーチヤンバー6a,6
b及び圧力計7a,7bを設けておき、限外濾過
圧を知る目安とする。透析器3には、給入路8a
と排出路8bを接続し、別途調製された透析液を
供給する。この従来の透析装置により血液透析を
行うには、給入路8aから透析液を連続的に供給
しながら、血液ポンプ2を回転させた後絞り器4
を絞つて陽圧を発生させ、圧力計7a,7bを見
て適当な限外濾過圧になるように調節する。
ところで、血液透析中において、透析器の内部
で起こつている現象は、滲透圧による物質及び水
の移動と限外濾過による水の移動であり、水も物
質と考えるとこのような物質の移動には、 物質移動の速度=濃度勾配/抵抗 という関係があることが知られている。これによ
ると、物質移動の速度は濃度勾配に比例し、抵抗
に反比例する。抵抗としては、透析膜自体の抵抗
の他に、透析膜に沿つて存在する流体境膜による
抵抗がある。第2図は透析膜内外の濃度勾配と流
体境膜を説明するための図で、ある物質の血液内
及び透析液内における濃度をそれぞれCB及びCD
とし、全体の物質移動係数をKとすると、物質の
膜の単位面積あたりの移動速度NAは、 NA=K(CB−CD) と表わすことができる。また、物質の血液側及び
透析液側の境膜移動係数をそれぞれKB及びKD
し、透析膜中の物質の拡散係数をDM、膜厚をL
とすると、 1/K=1/KB+L/DM+1/KD となり、全体の抵抗1/Kは、血液側境膜、透析
膜及び透析液側境膜のそれぞれの抵抗の和に等し
いことが知られている(人口透析研究会会誌1969
年2巻2号P98以降)。
したがつて、同一の透析器を使用して透析効率
を上げるには、血液や透析液の流速を速くして透
析膜の表面に乱流を発生させ、境膜抵抗を低下さ
せるようにすればよい。これを透析液側について
のみいうと、透析液の流速をできるだけ速くすれ
ば透析効率は上昇するが、このことは同時に透析
液の消費量の増大をもたらすことになる。したが
つて、従来の透析器においては、透析効率、透析
時間及び透析液の消費量等の多くの要因を考慮し
た上で、約500ml/minの透析液を連続的に供給
するようになつている。そして、複数の透析器を
用いる場合は、それぞれの透析器に対して1個の
透析液供給器を接続するか、又は大容量の透析液
供給器によつて複数の透析器に分配するかしてお
り、いずれにしても透析器の個数に応じた倍数の
透析液が連続的に供給されるようになつている。
上述のように、従来の透析液供給方法及び装置
においては、透析器への透析液供給を給入路8a
から連続的に行い、その間に透析されて透析液側
へ移動してきた物質を、排出路8bから透析液と
ともに連続的に排出するようになつている。した
がつて、複数の透析器を用いて同時に血液透析を
行う場合に、透析液が上記の個別供給であるか分
配供給であるかにかかわらず、大量の透析液を消
費するため、透析液の原料である純水及び透析原
液を大量に必要とし、また透析液を一定の温度に
加熱するために大量の電力を消費しており、当然
に透析液を製造するための装置が大型化してい
た。
(発明の目的) 本発明は、上述の事情に鑑みて成されたもの
で、複数の透析器を用いて同時に複数人の患者に
対して血液透析を行う場合に、透析液の消費量を
大幅に減少させるとともに、透析液を製造する装
置の利用効率を高めて小型化を可能にすることを
目的としている。
(発明の技術的手段) 本発明は、1個の透析液供給器に対して複数の
透析器の透析液の給入路が接続され、また各透析
器に透析後の透析液を排出する常時開放した排出
路が接続され、上記各給入路には透析器への透析
液の流入と流入停止の切換えを行う電磁式の給入
開閉弁がそれぞれ挿入され、一方上記各給入開閉
弁を作動させるため各給入開閉弁に対して相互の
開放期間を重複させない時分割的にパルス信号を
出力する発信器が設けられており、上記各給入開
閉弁は常時は閉塞して且つ上記パルス発信器から
のパルス信号に同期して上記時分割された期間内
で所要の時間のみ一時的に開放動作を行うように
したことを特徴とする透析液供給装置に係る。
(発明の作用) 従来の透析装置にあつては、前述のように透析
膜に沿つて存在する透析液(流体)境膜の抵抗の
もとで連続的に透析液を供給し透析作用を行つて
いるため、当然に透析液の消費量が増大するが、
これに対し本発明によれば、個々の透析器の給入
路には定常時、即ち常時は閉塞して透析器への透
析液の流入を停止するとともに、間歇的に開放し
て上記透析器への透析液を流入させるよう制御さ
れた給入開閉弁を設け、且つ各透析器に透析後の
透析液を排出する常時開放した排出路を接続して
なるため、間歇的に短時間に透析液を流体境膜を
破壊する程度の流速で透析器に給入することによ
つて透析膜の表面に乱流を発生させ、境膜抵抗を
低下させることができる。このため透析器への透
析液の給入の停止状態のもとで透析作用が行われ
ても透析膜表面の境膜抵抗が低下しているため透
析効率が向上し、結局トータル的に透析液の消費
量が少なくて済む。そして、本発明にあつては、
上述のように個々の透析器に対する透析液の流入
を間歇的に短時間のみ行えばよいことを利用し、
1個の透析液供給器から複数の透析器へ透析液を
供給する構成において、各透析液の給入路に設け
た各給入開閉弁を作動させるため各給入開閉弁に
対し相互の開放期間を重複させない時分割的にパ
ルス信号を出力する発信器を設けているため、複
数の透析器に対して透析液を供給するにもかかわ
らず、同時に複数の透析器へ透析液を供給してい
る状態とはならず、透析液供給器から流出する透
析液の時間当たりの流量が平均化される。換言す
れば、透析液供給器の供給能力は1個の透析器に
対する能力で充分であり、したがつて透析液供給
器の利用効率が著しく向上し、透析液製造装置や
送液手段を含めた透析液供給器ならびに給入流路
の配管設備の小型化が可能となり、個々の透析器
における透析液消費量の減少に基づく全体として
の透析液消費量の大幅な減少に相まつてさらに設
備費及び稼働経費が大きく削減される。
(実施例) 以下、本発明を実施例により図面を参照しなが
ら説明する。
まず、本発明の原理を説明するために、1個の
透析器についての透析装置を第3図に示してあ
る。
第3図において、1a,1bはカニユーレ、2
は血液ポンプ、3は透析器、4は絞り器、5はチ
ユーブ、6a,6bはエアーチヤンバー、7a,
7bは圧力計であつて、カニユーレ1aから流出
する血液は、チユーブ5aを通り血液ポンプ2に
よつてチユーブ5bから透析器3内へ送り込ま
れ、チユーブ5cから流出する。透析器3には、
透析液の給入路9及び排出路10が接続されてい
る。給入路9には給入開閉弁11が設けられてお
り、透析液供給器12から約0.3〜0.6Kg/cm2の圧
力で供給されてくる透析液は、この給入開閉弁1
1が閉塞されると透析器3とは遮断されるように
なつている。排出路10には、計量流路10aと
洗浄流路10bとが分岐して設けられている。計
量流路10aには計量開閉弁13が挿入され、且
つその先端には流出する透析液の液量を計量する
計量器14が接続されており、洗浄流路10bに
は洗浄開閉弁15が挿入され、その先端は排液槽
等に接続されるようになつている。ここに用いた
給入開閉弁11、計量開閉弁13及び洗浄開閉弁
15はいずれも電磁式の2方弁で、常時は閉塞
し、励磁されると開放するものである。
第4図は第3図に示した計量器14を詳細に示
すもので、この図において、タンク16は、耐熱
ガラス等より成る筒体17の上下端を蓋体18及
び底体19により閉塞し、ボルト20…及びナツ
ト20a…により固定して成るもので、筒体17
の周面には内部の液位から体積を読み取るための
目盛17aが記入されている。底体19は中央が
ゆるいすり鉢状に凹んでおり、その中央の排出口
19aに排出路21が接続されている。排出路2
1には電磁式の開閉弁21aが挿入されており、
またタンク16内のオーバーフローを防止するた
めに蓋体18より若干下方で開口するオーバーフ
ロー管路21bが開閉弁21aよりも下流側で排
出路21に合流し、この排出路21の先端は排液
槽等に接続されるようになつている。透析器3か
らの計量流路10aは、底体19の流入口19b
に接続されている。蓋体18には、内部の液位に
応じて作動する2個のレベルスイツチ22,23
が取付けられている。一方のレベルスイツチ22
は、タンク16内の液位が一定量、例えば100ml
に達したときに作動するように設定され、他方の
レベルスイツチ23は、レベルスイツチ22より
も上方でタンク16内の液位がオーバーフロー管
路21bに流れ込むような状態で作動するように
設定されている。
各開閉弁11,13,15は図示しない制御装
置により電気的に制御されるようになつており、
次にこれらの作動タイミングについて説明する。
第5図は給入開閉弁11、計量開閉弁13及び洗
浄開閉弁15の作動シーケンスをマクロ的に示し
たもので、給入開閉弁11は一定の周期で間歇的
に開放され、計量開閉弁13及び洗浄開閉弁15
はこれにほぼ同期してそれぞれ閉塞又は開放され
る。すなわち、1サイクル時間tcのうち、比較的
短い時間twのみ給入開閉弁11が開放されると
同時に計量開閉弁13は閉塞、洗浄開閉弁15は
開放され、他の残りの比較的長い時間tdはそれぞ
れその逆の作動状態となる。したがつて、時間
twの間は、透析液供給器12からの透析液は給
入路9及び給入開閉弁11を通つて透析器3内に
流入し、排出路10、洗浄流路10b及び洗浄開
閉弁15を通つて排出される。また時間tdの間
は、透析器3への透析液の供給は行われず、透析
器3内で除水が行われた結果増加した量の透析液
が排出路10、計量流路10a及び計量開閉弁1
3を通つて計量器14へ流れ込む。
ここで、時間twの間を洗浄工程、時間tdの間
を定常工程と呼ぶこととする。つまり、洗浄工程
においては、透析液が透析器3内へ流入して透析
器3内の洗浄が行われ、定常工程においては、透
析器3への透析液の流入が停止されるとともに透
析器3内では透析が行われ、除水により増加した
透析液は計量器14へ流れ込むことになる。そし
て、これら洗浄工程と定常工程とが繰り返して行
われるようになつている。次に洗浄工程及び定常
工程について、その作用をも含めてさらに詳しく
説明する。
透析効率を低下させている要因の1つに、透析
器3の透析液側境膜による抵抗があることは前述
したが、上述の洗浄工程は、透析器3内を洗浄し
て抵抗となつている流体境膜を破壊する工程であ
る。したがつて、洗浄工程における洗浄液の流量
は、透析器3内の透析膜の表面に乱流を発生させ
て流体境膜を破壊する程度の流速となるようにす
ればよく、このために透析液供給器12から供給
する透析液は、0.3〜0.6Kg/cm2程度の圧力になる
ようポンプにより加圧されている。そして、流路
の抵抗をできる限り低くして流速を速めるため
に、排出路10、洗浄流路10b及び排出開閉弁
15を通つて直接排出されるようになつている。
また洗浄工程に必要な時間は、透析器3の透析液
側のプライミング量よりも若干多い程度の透析液
が流れ、透析液が入れ替わる程度に必要な短時間
で充分可能である。洗浄工程が行われることによ
つて透析液側境膜の抵抗が減少すれば、次に透析
液の流入が停止された定常工程となり、定常工程
において充分に物質移動が行われ透析が行われ
る。この定常工程では、除水が行われてこれによ
り透析液の量が増加するので、その増加した量を
計量することによつて除水量を計量することがで
きる。それ故に、この工程において排出路10は
計量流路10a及び計量開閉弁13を通つて計量
器14に連通するようになつている。
しかし、定常工程においては、やがて再び流体
境膜が形成されるので、周期的に洗浄工程を行わ
なければならない。発明者が行つた試験によれ
ば、プライミング量80mlの透析器3に、透析液供
給器12から約36度に加温され且つ約0.3Kg/cm2
に加圧された透析液を3.3秒間供給すると、この
間に90mlの総流量が得られた。この3.3秒間の洗
浄工程を1分間に2回行つて残りを定常工程と
し、つまりサイクル時間tcを30秒としてこれらを
繰り返すことで、連続的に500ml/minの透析液
を供給するのと同等又はそれ以上の透析効率を得
ることができた。洗浄工程及び定常工程の時間、
すなわち一定時間当たりに何回の洗浄工程を行う
か、また洗浄工程の洗浄液の量及び時間をどれ程
にするかは、必ずしも一意的に決定されるもので
はなく、透析器の性能、透析液供給器の能力、血
液透析が行われる病院の設備と人的な状況及び
個々の症例に応じて変わるものである。また洗浄
工程において、透析液に0.3〜0.6Kg/cm2の圧力を
加えることとしているが、透析器の構造によつて
はこのような圧力は変更されることもありうる。
重要なことは、透析器への透析液の流入が停止さ
れている間に全部又はほとんど全部の透析を行
い、間歇的に透析液を流入させて透析器を洗浄す
るということであつて、これらが行われる限り、
時間、回数又は流量等の条件については任意に決
定することが可能である。そして、このことによ
つて、透析液の消費量が大幅に減少し、透析液の
原料である純水と透析原液、及び加熱のための電
力の消費量が減少するとともに、透析液を製造し
供給する装置を小型化することが可能となる。
さて、次に計量器14について作用とともにさ
らに詳しく説明する。
開閉弁21aは常時は閉塞しており、流入口1
9bからタンク16内に透析液が流入して蓄積さ
れていき、一定の量、ここでは100mlに達すると
レベルスイツチ22が作動するように設定されて
いる。レベルスイツチ22の作動によつて開閉弁
21aが一定の短い時間だけ開放されてタンク1
6内の透析液が排出路21を通つて排出される。
この間は、計量開閉弁13が閉塞されて透析液が
タンク16内に流入しないようになつている。開
閉弁21aが1回作動する毎に図示しないカウン
ターに1が加算されるようになつており、このカ
ウンターのカウント値から100ml単位の総除水量
が計量でき、またこれに目視による目盛17aの
読みを加えることでさらに精密な除水量を知るこ
とができる。開閉弁21a等の故障により、タン
ク16内の透析液が異常レベルに達すると、オー
バーフロー管路21bから排出路21へ排出され
るとともに、レベルスイツチ23が作動して警報
ランプ又は警報ブザーが作動し、また必要に応じ
て計量開閉弁13を閉塞する等によつて除水を中
断する。
上述の計量器14によれば、定常工程において
行われる除水の量を全て計量することとなるの
で、簡単な構造であるにもかかわらず正確に除水
量を計量することが可能となる。洗浄工程におい
ては、先にも述べたように透析液にかなりの圧力
が加えられているため、この間に除水はあまり行
われないものと考えられ、また、洗浄工程の時間
は定常工程に比較して非常に短くすることが可能
であるので、結局、洗浄工程において行われる除
水の量を無視した場合でも、相当な精度で除水量
の計量が可能となるのである。しかし、洗浄工程
における除水量を無視し得ない場合、又はさらに
高い精度で除水量を計量したい場合には、例えば
次のようにすればよい。すなわち、計量開閉弁1
3及び洗浄開閉弁15の作動時間を計時するため
のタイムカウンターを設け、計量開閉弁13の作
動時間と計量器14により計量した除水量とから
単位時間当たりの除水量を計算し、この単位時間
当たりの除水量と洗浄開閉弁15の作動時間と適
当な係数とを掛け合わせたものを、計量器14の
計量した除水量に加算するようにする。この場合
において、各開閉弁13,15の作動時間を表示
するようにしておいて上述の計算は作業者が行う
ようにするか、又はマイクロコンピユータ及び適
当なセンサー等を使用し、上述の計算を自動的に
行わせ、その結果を表示するとともに除水の進行
状態を監視させるようにすればよい。例えば、除
水の進行速度が一定値以下に低下した場合に洗浄
工程に切換わるように構成することもでき、また
除水の進行速度が一定値以上に上昇した場合又は
総除水量が一定量に達した場合に除水を停止する
ように構成することもできる。
ところで、洗浄工程と定常工程とを切換える開
閉弁11,13,15は、第5図において同時に
切換え作動が行われるように説明したが、これは
全く同時ではなく次に説明するように互に若干の
タイムラグを設けてある。すなわち、第6図は洗
浄工程近辺の各開閉弁11,13,15の作動タ
イミングを詳細に示す図であつて、本図に示すよ
うに、洗浄工程に切換わる場合は計量開閉弁13
が閉塞してからtw1後に洗浄開閉弁15が開放さ
れ、そのtw2後に給入開閉弁11が開放される。
定常工程に切換わる場合はこの逆となる。したが
つて、計量開閉弁13は、他の2個の開閉弁、特
に給入開閉弁11と同時に開放されるという状態
は全くなく、除水された量以外の透析液が計量器
14に流れ込まないことが保証されている。この
ようなタイムラグは、開閉弁11,13,15の
作動応答速度等をも考慮し、通常十分の1秒乃至
数分の1秒程度の範囲から選べばよく、例えば
tw1=0.2秒、tw2=0.5秒、tw3=0.2秒、tw4=0.2
秒とすればよい。
さて、第3図に示す透析装置において、定常工
程では給入開閉弁11及び洗浄開閉弁15が閉塞
し、計量開閉弁13が開放されて通常の透析が行
われているが、異常時においては、さらに計量開
閉弁13も閉塞されて透析器3内の透析液は外部
と遮断され、除水は行われないようなつている。
ここで言う異常時には、例えば除水が過渡に行わ
れることによつて患者に血圧低下等の悪影響を及
ぼす場合又はそのおそれのある場合である。この
ような異常を検出する方法の1つを、発明者は先
に特願昭58−57147号として提案しており、これ
を上述した透析装置に適用することによつて、さ
らに安全性が高く、且つ省力化されたものとする
ことができる。つまり簡単に説明すれば、第3図
のカニユーレ1aと血液ポンプ2との間のチユー
ブ5a途中にエアーチヤンバー等を設けてその箇
所の血液の圧力を検出し、その圧力が予め設定し
た一定の圧力以下になつた場合には、計量開閉弁
13を強制的に閉塞するようにすればよい。これ
によつて、過渡の除水による血圧低下を未然に防
止できて安定した透析を行うことができるととも
に、人的ミス発生の軽減による患者の安全の増大
と省力化を図ることができる。なお、前述のよう
に異常時において計量開閉弁13を閉塞し除水を
停止している間においても、浸透圧による物質の
移動は行われるため、この場合においても洗浄工
程は同様の周期で行うことが望ましい。しかし、
これら全ての作用を停止させる必要性のある異常
事態が発生した場合には、それに応じた処置が行
われるように制御すべきことはもちろんのことで
ある。
本発明の透析液供給器装置は、以上で説明した
1個の透析器を用いる透析装置の原理を利用し、
複数の透析器を用い多数の患者に対して同時に血
液透析を行う場合に上記1個の透析器における前
述の効果を相乗的に発揮させるようにしたもので
ある。以下、本発明の実施例を第7図〜第11図
を参照して説明する。
第7図は10個の透析器3a,3b…3jに対し
て1個の透析液供給器12aから透析液を供給す
るようにした回路を示したもので、図示は省略さ
れているが各透析器3a…について透析を行うに
必要な血液側回路が接続されている。また本実施
例においては、除水量を計量するための計量器を
設けない場合について説明する。各透析器3a…
の透析液側には、その給入路9にそれぞれ給入開
閉弁11a…が、排出路10にそれぞれ洗浄開閉
弁15a…及びフローセンサー24aが挿入され
ており、これら各給入開閉弁11a…、洗浄開閉
弁15a…及びフローセンサー24a…は、個別
制御盤25a…内に収容され各透析器3a…と共
に各患者の近辺にそれぞれ配備されている。フロ
ーセンサー24a…は、各排出路10内を透析液
が流れたか否かを検知するものであり、例えば超
音波式のセンサー等が使用できる。排出路10か
ら排出される透析液は排液槽26へ導かれてい
る。各個別制御盤25a…は、制御電線27a…
によつて中央制御盤28と接続されている。中央
制御盤28には、各個別制御盤25a…に対して
洗浄工程を行うことを許すための割当て信号So
を時分割により出力する発信器が設けられてお
り、各個別制御盤25a…は中央制御盤28から
の割当て信号Soが送られている間のみ洗浄工程
を行うことが可能なようになつている。また各個
別制御盤25a…には、洗浄工程の時間幅を各個
に調整するためのタイマーが設けられており、各
個別制御盤25aに割当てられた時間内において
調整可能となつている。
第8図及び第9図はこれらのタイミングの一例
を示している。第8図は、各制御電線27a…に
出力される割当て信号Soの状態が、時間の経過
によつて変化している様子を示しており、1サイ
クル時間tcの十分の一の時間が各個別制御盤25
aに割当てられている。第9図は、割当てられた
時間tc/10内において、各個別制御盤25a…内
のタイマーにより洗浄工程の時間twが決定され
ている状態を示している。各給入開閉弁11a…
は、それぞれの洗浄工程の時間twのみ開放され
て透析液を透析器3a…へ供給し、洗浄工程を行
うようになつている。したがつて、透析器3a…
の各洗浄工程つまり透析液の給入期間は相互に重
複することがない。洗浄開閉弁15a…は、常に
開放されており、定常工程においては透析器3a
…内で除水された量の透析液が流出するととも
に、洗浄工程においては給入開閉弁11a…から
流入した量の透析液が流出する。フローセンサー
24a…は、洗浄工程において一定量以上の透析
液が流れたか否かを検知し、もし流れていなけれ
ば警報を発するようになつている。また、洗浄開
閉弁15a…は、血圧低下等の異常時においては
閉塞され、除水が停止されるようになつている。
この場合においても、洗浄工程が同期的に行われ
ることは前述のとおりである。本実施例において
は前述の計量器が省略されているが、必要に応じ
て設けることが可能であり、それに応じて洗浄開
閉弁15a…の制御を前述したように変更すれば
よい。
本実施例においては、中央制御盤28からの割
当て信号Soに応じて各給入開閉弁11a…が順
次開放され、透析液が透析液供給器12aから時
分割で各透析器3a…に供給されることとなる。
また各個別制御盤25a…に設けたタイマーによ
つて、各透析器3a…、すなわち各症例に応じた
必要な時間に調整して洗浄工程を行うことがで
き、使用しない透析器についてはタイマーを零に
設定する等して透析液を供給しないようにしてお
くことができる。したがつて、多数の透析器3a
…に対して透析液を供給するにもかかわらず、透
析液供給装置12aが供給すべき透析液の総量が
大幅に減少するとともに、透析液の時間当たりの
流量が平均化されるので透析液供給装置12aの
利用効率が飛躍的に向上する。これによつて、透
析液の消費量が大幅に減少するとともに、透析液
供給器12a及び給入流路の配管設備を小型にす
ることができ、これらに要する設備費及び経費を
大幅に削減することが可能となる。例えば、従来
において1個の透析器につき500ml/minの透析
液を連続的に流していた場合と比較すると、従来
においては透析液供給器12aは10個分の5/
minの供給能力を必要としていたのに対し、本実
施例においては、サイクル時間tcを60秒とし、1
個の透析器の1回の洗浄工程で100mlの透析液を
流すこととすると、透析液供給器12aは1/
minの供給能力でよいことになり、実に従来の五
分の一で済むこととなる。サイクル時間tcを、30
秒又は20秒というように短縮して洗浄工程の回数
を増加した場合においても、それぞれの場合の透
析液の消費量は2/min、3/minであつて
従来よりも非常に少なくて済む。サイクル時間を
どの程度に設定するかいうことは、前述したよう
に病院の設備と人的な状況、及び個々の病例等に
応じて決定すればよく、それに応じて中央制御盤
28の発信器の周期を調整するようにしておけば
よい。また上述の実施例においては、10個の透析
器3a…に1個の透析液供給器12aから透析液
を供給する場合について説明したが、これらの組
合せは任意に行うことができる。
上述の実施例においては、割当て信号Soは、
割当て時間に相当する間中連続的に出力されるよ
うになつているが、第10図及び第11図にすよ
うに割当て時間の開始時点においてそのタイミン
グを知らせるためのトリガ信号Stを出力するよう
にしておき、割当てられた時間及びその他必要な
情報は別途の信号によつて指示するようにしても
よい。また各個別制御盤25a…に対する割当て
信号so,stの周期及び割当て時間は必ずしも均等
でなくてもよく、例えば各透析器3a…の除水の
進行状態、必要な総除水量等の各患者毎のデータ
に基づいて、中央制御盤28側で各透析器3a…
に必要な洗浄工程の時間及びタイミングを決定す
るようにすることができる。したがつて、中央制
御盤28の発信器としては、ハードロジツクによ
る一定周期の発信器の他に、マイクロコンピユー
タ等を用いて種々の演算を行わせ、結果としてパ
ルス信号に相当する信号を出力するものをも含め
て考えることができる。
本実施例に用いる個別制御盤25a…には、前
述したタイマーが設けられてダイヤルにより簡単
に洗浄工程の時間を設定できるようになつている
ほか、給入路9と排出路10の接続用ポート、洗
浄工程であることを表示する表示灯、異常が発生
していることを示す表示灯及び警報ブザー、警報
ブザーの停止押釦等が設けられている。また計量
器を設けることとした場合には、除水量を表示す
るための表示装置及び表示値を零にするためのリ
セツト押釦、予定除水量設定器等も設けることと
すればよい。さらに、前述したような過渡の除水
を防止するための装置を設けることもでき、それ
に必要な機器を適宜設ければよい。第7図におい
ては、中央制御盤28を独立したものとして示し
ているが、これを個別制御盤25a…のうちの1
個の内部に収容することも可能である。
上述の第7図に示す実施例においては、透析液
のみを時分割に且つ間歇的に各透析器3a…に供
給することについて説明したが、これ以外に消毒
液、冷却液及び洗浄液をも透析液と同様に時分割
で供給することが可能である。すなわち、血液透
析を行うに際して透析器に透析液を供給する前
に、純水による洗浄、熱湯又は薬品による消毒、
及び透析液による冷却を行い、透析が終了した後
には、再び同様な洗浄及び消毒を行うのが普通で
ある。従来においては、それぞれの工程において
それぞれの液を連続的に流しているが、それぞれ
の工程においてそれぞれの液を間歇的に流し、望
ましくは従来よりも速い流速で流し、しかも上述
したように各透析器に対し時分割で供給するよう
にすることによつて、それぞれに必要な液の消費
量を大幅に減少させることが可能である。
本発明によると、除水量の計量を非常に簡単に
行うことが可能となり、そのための計量器の一例
として第4図に示すものについて説明したが、こ
れ以外の計量器を使用することはもちろん可能で
ある。例えば計量流路10aを流れる流量を容積
型の積算流量計で連続的に計量したり、または排
出路10を流れる流量を計測する超音波式の流量
サンサーを設け、定常工程における流量センサー
の出力を積算するように構成することができる。
上述したように、透析液を間歇的に透析器に供
給し、しかも1個の透析液供給器から多数の透析
器に時分割で供給し、除水量を計量して除水の進
行状況を監視し、また血液の圧力を検知して除水
を停止させて過渡の除水を防止し、さらには透析
の前後に行う各種の工程をも時分割により行うこ
とにより、透析効率が高く、安全性及び経済性に
優れた透析装置とすることができる。
(発明の効果) 本発明によれば、1個の透析液供給器から多数
の透析器に、発信器によつて時分割で供給するよ
うにしたため、各透析器ごとに透析液供給器を設
ける装置に比べて格段に装置の小型化が可能であ
り、また透析液の各透析器に対する供給量を効果
的に制御することができる。
また本発明によると、透析液の消費量を大幅に
減少させることができるとともに、透析液を製造
して送り出す透析液供給器の利用効率を高め小型
化を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の透析装置の一例を示す図、第2
図は透析が行われる原理を説明する図、第3図は
本発明の原理を説明するための透析装置を示す
図、第4図は計量器の断面側面図、第5図は開閉
弁の作動タイミングをマクロ的に示した図、第6
図は同じく洗浄工程の近辺を詳細に示す図、第7
図は透析液供給装置の実施例を示す図、第8図は
第7図の中央制御盤から出力される割当て信号の
状態を示す図、第9図は割当て信号と洗浄工程と
の関係の一例を示す図、第10図は割当て信号を
トリガ信号とした場合の状態を示す図、第11図
はトリガ信号と洗浄工程との関係の一例を示す図
である。 3,3a,3b,…3j……透析器、9……給
入路、10……排出路、11,11a,11b,
…11j……給入開閉弁、12……透析液供給
器、28……中央制御盤(パルス発信器)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 1個の透析液供給器に対して複数の透析器の
    透析液の給入路が接続され、また各透析器に透析
    後の透析液を排出する常時開放した排出路が接続
    され、上記各給入路には透析器への透析液の流入
    と流入停止の切換えを行う電磁式の給入開閉弁が
    それぞれ挿入され、一方上記各給入開閉弁を作動
    させるため各給入開閉弁に対して相互の開放期間
    を重複させない時分割的にパルス信号を出力する
    発信器が設けられており、上記各給入開閉弁は常
    時は閉塞して且つ上記パルス発信器からのパルス
    信号に同期して上記時分割された期間内で所要の
    時間のみ一時的に開放動作を行うようにしたこと
    を特徴とする血液透析における透析液供給装置。 2 上記各給入開閉弁は、上記パルス発信器から
    のパルス信号がオンしている間であつて且つ各給
    入開閉弁毎に設定された一定の時間のみ開放動作
    を行うようにしてなる特許請求の範囲第1項記載
    の血液透析における透析液供給装置。
JP58212897A 1983-11-11 1983-11-11 血液透析における透析液供給装置 Granted JPS60103970A (ja)

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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4865178A (ja) * 1971-12-06 1973-09-08
JPS548194A (en) * 1977-06-22 1979-01-22 Unitika Ltd Recovering and recycling method for selenium components from electrolytic coloring process effluent
JPS58177659A (ja) * 1982-04-12 1983-10-18 旭メデイカル株式会社 血液処理装置

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