JPH0237789B2 - - Google Patents

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JPH0237789B2
JPH0237789B2 JP62294780A JP29478087A JPH0237789B2 JP H0237789 B2 JPH0237789 B2 JP H0237789B2 JP 62294780 A JP62294780 A JP 62294780A JP 29478087 A JP29478087 A JP 29478087A JP H0237789 B2 JPH0237789 B2 JP H0237789B2
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dialyzer
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dialysis
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NIPPON MEDEIKARU ENJINIARINGU KK
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【発明の詳細な説明】 (発明の対象・産業上の利用分野) 本発明は、透析器を用いて血液透析を行う装置
に関し、透析液の利用効率を高めて透析液の消費
量を軽減すると共に、除水量の計量を容易に行
い、且つ除水の進行状態の監視又は透析装置を自
動制御するために利用される。
(従来技術) 人口腎臓装置(透析装置)を用いて行う血液透
析は、人体が腎不全に陥つた際に、腎臓に代わり
体内の老廃物を排除し、または必要なものを取り
入れて血液の浄化を行うために広く行われてい
る。
第1図は従来の透析装置の一例を示すもので、
これは陽圧法によるものである。第1図におい
て、躯体Aの四肢の血管にカニユーレ1a,1b
を穿刺し、血液を体外循環させるための出入口と
する。血液ポンプ2によつてカニユーレ1aから
流出する血液の一定流量を透析器3に供給すると
ともに、絞り器4によつてチユーブ5に狭窄を作
り、透析器3内の血液に陽圧を発生させる。透析
器3の血液の出入口には、エアーチヤンバー6
a,6b及び圧力計7a,7bを設けておき、限
外濾過圧を知る目安とする。透析器3には、給入
路8aと排出路8bを接続し、別途調整された透
析液を供給する。この従来の透析装置により血液
透析を行うには、給入路8aから透析液を連続的
に供給しながら、血液ポンプ2を回転させた後絞
り器4を絞つて陽圧を発生させ、圧力計7a,7
bを見て適当な限外濾過圧になるように調節す
る。
ところで、血液透析中において、透析器の内部
で起こつている現象は、滲透圧による物質及び水
の移動と限外濾過による水の移動であり、水も物
質と考えるとこのような物質の移動には、 物質移動の速度=濃度勾配/抵抗 という関係があることが知られている。これによ
ると、物質移動の速度は濃度勾配に比例し、抵抗
に反比例する。抵抗としては、透析膜自体の抵抗
の他に、透析膜に沿つて存在する流体境膜による
抵抗がある。第2図は透析膜内外の濃度勾配と流
体境膜を説明するための図で、ある物質の血液内
及び透析液内における濃度をそれぞれCB及びCD
とし、全体の物質移動係数をKとすると、物質の
膜の単位面積あたりの移動速度NAは、 NA=K(CB−CD) と表すことができる。また、物質の血液側及び透
析液側の境膜移動係数をそれぞれKB及びKDとし、
透析膜中の物質の拡散係数をDM、膜厚をLとす
ると、 1/K=1/KB+L/DM+1/KD となり、全体の抵抗1/Kは、血液側境膜、透析
膜及び透析液側境膜のそれぞれの抵抗の和に等し
いことが知られている(人工透析研究会会誌1969
年2巻2号P98以降)。
したがつて、同一の透析器を使用して透析効率
を上げるには、血液や透析液の流速を速くして透
析膜の表面に乱流を発生させ、境膜抵抗を低下さ
せるようにすればよい。これを透析液側について
のみいうと、透析液の流速をできるだけ速くすれ
ば透析効率は上昇するが、このことは同時に透析
液の消費量の増大をもたらすことになる。したが
つて、従来の透析器においては、透析効率、透析
時間及び透析液の消費量等の多くの要因を考慮し
た上で、約500ml/minの透析液を連続的に供給
するようになつている。
さて、血液透析を行うに際しては、除水の進行
状態を把握し、適当の除水が行われているかどう
かを監視するために除水量を計量する必要があ
る。従来においては、2個の同一容積のポンプを
機械的に連結し、それぞれのポンプを透析器3の
給入路8a及び排出路8bに挿入して約500ml/
minの透析液を連続的に流しておくとともに、排
出路8bには小容量の除水用のポンプを分岐接続
して10ml/min程度の流量を強制的に排出させて
同量の除水を強制的に行い、この除水用ポンプの
排出量を除水量としていた。しかし、このような
方法では装置が複雑且つ大型のものとなるととも
に、強制的に一定量の除水を行うため、患者の安
全に対し一層厳しい監視を行う必要がある。従来
の他の方法として、透析中に一時間につき数分間
程度透析液の供給を停止し、透析液の供給が停止
されている間に行われる除水量のサンプリング計
量とその間の除水条件の計測を行い、その結果に
基づいて通常の透析中の除水条件を制御するとと
もに総除水量を推測することが行われている。し
かし、この従来の方法では、除水条件を制御する
ことが必ずしも容易でないことと、求められた総
除水量は推測の域を出ないものであつて、高い精
度を得ることが困難であり、また仮に高い精度を
得た場合でもそれが常に保証されるとは限らない
という欠点を有している。従来のこれらの計量方
法は、いずれも透析器に透析液を上述したように
連続的に供給し、その間に透析の全部又はほとん
ど全部を行うことを前提としている。この前提
は、従来において透析を行うに必須のものと考え
られており、このことが除水量の計量を困難なも
のとしていたのである。
(発明の目的) 本発明は、上述の事情に鑑みて成されたもの
で、透析液の消費量を大幅に減少させ、且つ透析
作用によつて取り出される除水量を容易に且つ正
確に計量する方法及びその装置を提供することを
目的としている。
(発明の技術的手段) 本発明は、血液透析を行う透析器と、該透析器
に透析液を給入する給入路と、該透析器内の透析
液を排出する排出路とを有する血液透析装置にお
いて、上記給入路には常時は閉塞して上記透析器
への透析液の流入を停止するとともに、間歇的に
開放して上記透析器へ透析液を流入させるよう制
御された給入開閉弁を設け、一方上記排出路に
は、流出する透析器の液量を計量する計量器が接
続された計量流路と、該計量流路をバイパスする
ための洗浄流路とが分岐して設けられ、且つこれ
ら両流路のうち計量流路には計量ポンプが設けら
れ、他方の洗浄流路には前記給入開閉弁と同調作
動する開閉弁、即ち給入開閉弁の開閉にともなつ
て、同じく同方向に開閉する洗浄開閉弁を設けて
なる除水量計量装置に係る。
(発明の作用) 従来の透析器装置にあつては、前述のように透
析膜に沿つて存在する透析液(流体)境膜の抵抗
のもとで連続的に透析液を供給し透析作用を行つ
ているため、当然に透析液の消費量が増大する
が、これに対し本発明によれば、透析器の給入路
には定常時、即ち常時は閉塞して透析器への透析
液の流入を停止するとともに、間歇的に開放して
上記透析器への透析液を流入させるよう制御され
た給入開閉弁を設けてなるため、間歇的に短時間
に透析液を流体境膜を破壊する程度の流速で透析
器に給入することによつて透析膜の表面に乱流を
発生させ、境膜抵抗を低下させることができる。
このため透析器への透析液の給入の停止状態のも
とで透析作用が行われても透析膜表面の境膜抵抗
が低下しているため透析効果が向上し、結局トー
タル的に透析液の消費量が少なくて済む。一方透
析器の排出路は計量流路または洗浄流路のいずれ
かに常時開放されているため、透析液の排出は勿
論、透析液給入停止時の透析作用による除水は支
障なく行われる。
また本発明によれば、透析器内への透析液の給
入を停止した状態で除水量を計量するようになつ
ているため、透析器内に一時的に滞溜する定量の
透析液に対し除水が行われてこれにより増加する
量の合計を計量することによつて除水量を計量す
ることができる。
(実施例) 以下、本発明を実施例により図面を参照しなが
ら説明する。
第3図において、1a,1bはカニユーレ、2
は血液ポンプ、3は透析器、4は絞り器、5はチ
ユーブ、6a,6bはエアーチヤンバー、7a,
7bは圧力計であつて、カニユーレ1aから流出
する血液は、チユーブ5aを通り血液ポンプ2に
よつてチユーブ5bから透析器3内へ送り込ま
れ、チユーブ5cから流出する。透析器3には、
透析液の給入路9及び排出路10が接続されてい
る。給入路9には給入開閉弁11が設けられてお
り、透析液供給器12から約0.3〜0.6Kg/cm2の圧
力で供給されてくる透析液は、この給入開閉弁1
1が閉塞されると透析器3とは遮断されるように
なつている。排出路10には、計量流路10aと
洗浄流路10bとが分岐して設けられている。計
量流路10aの途中には計量ポンプ13が挿入さ
れ、排出路10bには洗浄開閉弁15が挿入さ
れ、その先端は排液槽等に接続されるようになつ
ている。ここに用いた給入開閉弁11及び洗浄開
閉弁15はいずれも電磁式の2方弁で、常時は閉
塞し、励磁されると開放するものである。
第4図a,bは計量ポンプ13の実施例を示す
もので、そのうち、第4図aは、往復ポンプを計
量ポンプ13として用いる実施例を示し、計量流
路10aに逆止弁13a,13bを設け、モータ
ーMの制御によつて計量ポンプ13が往復作動す
ることによつて除水の通過量を計測するものであ
る。即ちピストンの往復によつて送り出される量
を決めておき、これに往復数を乗することによつ
て除水の通過量を測定することができる。また第
4図bに示すように血液ポンプと同じようなベー
ンタイプの計量ポンプ13によつてもモーターM
の制御により除水の通過量を測定することもでき
る。
各開閉弁11,15及び計量ポンプ13は図示
しない制御装置により電気的に制御されるように
なつており、次にこれらの作動タイミングについ
て説明する。第5図は給入開閉弁11、計量ポン
プ13及び洗浄開閉弁15の作動シーケンスをマ
クロ的に示したもので、給入開閉弁11は一定の
周期で間歇的に開放され、計量ポンプ13及び洗
浄開閉弁15はこれにほぼ同期してそれぞれ駆
動、停止あるいは閉塞又は開放される。すなわ
ち、1サイクル時間tcのうち、比較的短い時間
twのみ給入開閉弁11が開放されると同時に計
量ポンプ13は停止、洗浄開閉弁15は開放さ
れ、他の残りの比較的長い時間tdはそれぞれの逆
の作動状態となる。したがつて、時間twの間は、
透析液供給器12からの透析液は給入路9及び給
入開閉弁11を通つて透析器3内に流入し、排出
路10、洗浄流路10b及び洗浄開閉弁15を通
つて排出される。また時間tdの間は、透析器3へ
の透析液の供給は行われず、透析器3内で除水が
行われた結果増加した量の透析液が排出路10及
び計量流路10aを通り計量ポンプ13の駆動に
よりその通過が測定される。
ここで、時間twの間を洗浄工程、時間tdの間
を定常工程と呼ぶこととする。つまり、洗浄工程
においては、透析液が透析器3内へ流入して透析
器3内の洗浄が行われ、定常工程においては、透
析器3への透析液の流入が停止されるとともに透
析器3内では透析が行われ、除水により増加した
透析液は計量ポンプ13を通過し、計量されるこ
とになる。そして、これら洗浄工程と定常工程と
が繰り返して行われるようになつている。次に洗
浄工程及び定常工程について、その作用をも含め
てさらに詳しく説明する。
透析効率を低下させている要因の1つに、透析
器3の透析液側境膜による抵抗があることは前述
したが、本実施例の洗浄工程は、透析器3内を洗
浄して抵抗となつている流体境膜を破壊する工程
である。したがつて、洗浄工程における洗浄液の
流量は、透析器3内の透析膜の表面に乱流を発生
させて流体境膜を破壊する程度の流速となるよう
にすればよく、このために透析液供給器12から
供給する透析液は、0.3〜0.6Kg/cm2程度の圧力に
なるようポンプにより加圧されている。そして、
流路の抵抗をできる限り低くして流速を速めるた
めに、排出路10、洗浄流路10b及び洗浄開閉
弁15を通つて直接排出されるようになつてい
る。また洗浄工程に必要な時間は、透析器3の透
析液側のプライミング量よりも若干多い程度の透
析液が流れ、透析液が入れ替わる程度に必要な短
時間で充分可能である。洗浄工程が行われること
によつて透析液側境膜の抵抗が減少すれば、次に
透析液の流入が停止された定常工程となり、定常
工程において充分に物質移動が行われ、透析が行
われる。この定常工定では、除水が行われてこれ
により透析液の量が増加するので、その増加した
量を計量することによつて除水量を計量すること
ができる。それ故に、この工程において排出路1
0は計量流路10a及び計量ポンプ13に連通す
るようになつている。
しかし、定常工程においては、やがて再び流体
境膜が形成されるので、周期的に洗浄工程を行わ
なければならない。発明者が行つた試験によれ
ば、プライミング量80mlの透析器3に、透析液供
給器12から約36度に加温され且つ約0.3Kg/cm2
に加圧された透析液を3.3秒間供給すると、この
間に90mlの総流量が得られた。この3.3秒間の洗
浄工程を1分間に2回行つて残りを定常工程と
し、つまりサイクル時間tcを30秒としてこれらを
繰り返すことで、連続的に500ml/minの透析液
を供給するのと同等又はそれ以上の透析効率を得
ることができた。洗浄工程及び定常工程の時間、
すなわち一定時間当たりに何回の洗浄工程を行う
か、また洗浄工程の洗浄液の量及び時間をどれ程
にするかは、必ずしも一意的に決定されるもので
はなく、透析器の性能、透析液供給器の能力、血
液透析が行われる病院の設備と人的な状況及び
個々の症例に応じて変わるものである。また洗浄
工程において、透析液に0.3〜0.6Kg/cm2の圧力を
加えることとしているが、透析器の構造によつて
はこのような圧力は変更されることもありうる。
重要なことは、透析器への透析液の流入が停止さ
れている間に全部又はほとんど全部の透析を行
い、間歇的に透析液を流入させて透析器を洗浄す
るということであつて、これらが行われる限り、
時間、回数又は流量等の条件については任意に決
定することが可能である。そして、このことによ
つて、透析液の消費量が大幅に減少し、透析液の
原料である純水と透析原液、及び加熱のための電
力の消費量が減少するとともに、透析液を製造し
供給する装置を小型化することが可能となる。
上述の計量ポンプ13によれば、定常工程にお
いて行われる除水の量を全て計量することとなる
ので、簡単な構成であるにもかかわらず正確に除
水量を計量することが可能となる。洗浄工程にお
いては、先にも述べたように透析液にかなりの圧
力が加えられているため、この間に除水はあまり
行われないものと考えられ、また、洗浄工程の時
間は定常工程に比較して非常に短くすることが可
能であるので、結局、洗浄工程において行われる
除水の量を無視した場合でも、相当な精度で除水
量の計量が可能となるのである。しかし、洗浄工
程における除水量を無視し得ない場合、又はさら
に高い精度で除水量を計量したい場合には、例え
ば次のようにすればよい。すなわち、計量ポンプ
13及び洗浄開閉弁15の作動時間を計時するた
めのタイムカウンターを設け、計量ポンプ13の
作動時間と計量ポンプ13により計量した除水量
とから単位時間当たりの除水量を計算し、この単
位時間当たりの除水量と洗浄開閉弁15の作動時
間と適当な係数とを掛け合わせたものを、計量ポ
ンプ13の計量した除水量に加算するようにす
る。この場合において、計量ポンプ13と開閉弁
15の作動時間を表示するようにしておいて上述
の計算は作業者が行うようにするか、又はマイク
ロコンピユータ及び適当なセンサー等を使用し、
上述の計算を自動的に行わせ、その結果を表示す
るとともに除水の進行状態を監視させるようにす
ればよい。例えば、除水の進行速度が一定値以下
に低下した場合に洗浄工程に切換わるように構成
することもでき、また除水の進行速度が一定値以
上に上昇した場合又は総除水量が一定量に達した
場合に除水を停止するように構成することもでき
る。
ところで、洗浄工程と定常工程とを切換える開
閉弁11,15及び計量ポンプ13は、第5図に
おいて同時に切換え作動が行われるように説明し
たが、これは全く同時ではなく次に説明するよう
に互に若干のタイムラグを設けてある。すなわ
ち、第6図は洗浄工程近辺の各開閉弁11,15
及び計量ポンプ13の作動タイミングを詳細に示
す図であつて、本図に示すように、洗浄工程に切
換わる場合は計量ポンプ13が停止してからtw1
後に洗浄開閉弁15が開放され、そのtw2後に給
入開閉弁11が開放される。定常工程に切換わる
場合はこの逆となる。したがつて、計量ポンプ1
3は、他の2個の開閉弁、特に給入開閉弁11と
同時に作動されるという状態は全くなく、除水さ
れた量以外の透析液が計量ポンプ13によつて計
量されないことが保証されている。このようなタ
イムラグは、開閉弁11,15及び計量ポンプ1
3の作動応答速度等をも考慮し、通常十分の1秒
乃至数分の1秒程度の範囲から選べばよく、例え
ばtw1=0.2秒、tw2=0.5秒、tw3=0.2秒、tw4
0.2秒とすればよい。
さて、第3図に示す透析装置において、定常工
程では給入開閉弁11及び洗浄開閉弁15が閉塞
し、計量ポンプ13が作動されて通常の透析が行
われているが、異常時においては、さらに計量ポ
ンプ13も停止されて透析器3内の透析液は外部
と遮断され、除水は行われないようなつている。
ここで言う異常時には、例えば除水が過渡に行わ
れることによつて患者に血圧低下等の悪影響を及
ぼす場合又はそのおそれのある場合である。この
ような異常を検出する方法の1つを、発明者は先
に特願昭58−57147号として提案しており、これ
を本実施例に適用することによつて、さらに安全
性が高く、且つ省力化されたものとすることがで
きる。つまり簡単に説明すれば、第3図のカニユ
ーレ1aと血液ポンプ2との間のチユーブ5a途
中にエアーチヤンバーを設けてその箇所の血液の
圧力を検出し、その圧力が予め設定した一定の圧
力以下になつた場合には、計量ポンプ13を緊急
に停止するようにすればよい。これによつて、過
渡の除水による血圧低下を未然に防止できて安定
した透析を行うことができるとともに、人的ミス
発生の軽減による患者の安全の増大と省力化を図
ることができる。なお、前述のように異常時にお
いて計量ポンプ13を停止し除水を停止している
間においても、浸透圧による物質の移動は行われ
るため、この場合においても洗浄工程は同様の周
期で行うことが望ましい。しかし、これら全ての
作用を停止させる必要性のある異常事態が発生し
た場合には、それに応じた処置が行われるように
制御すべきことはもちろんのことである。
今までの説明においては、1個の透析器3を用
いた実施例で説明したが、複数の透析器を用い多
数の患者に対して同時に血液透析を行うことも可
能である。そして、その場合に、1個又は複数の
透析液供給器を用い、各透析器への透析液の供給
をシステム的に制御し、これらの機器の利用効率
を上げることが可能となる。次にこのような実施
例について説明する。
第7図は10個の透析器3a,3b…3jに対し
て1個の透析液供給器12aから透析液を供給す
るようにした回路を示したもので、図示は省略さ
れているが各透析器3a…について透析を行うに
必要な血液側回路が接続されている。各透析器3
a…の透析液側には、その給入路9にそれぞれ給
入開閉弁11a…が、また排出路10には計量流
路10aと洗浄流路10bとが並列に挿入され、
各計量流路10aに計量ポンプ13aが、洗浄流
路10bに洗浄開閉弁15a…とフローセンサー
24a…とがそれぞれ挿入されている。そしてこ
れらは個別制御盤25a…内に収容され、各透析
器3a…と共に各患者の近辺にそれぞれ配備され
ている。フローセンサー24a…は、各洗浄流路
10b内を透析液が流れたか否かを検知するもの
であり、例えば超音波式のセンサー等が使用でき
る。そして、排出路10から排出される透析液は
排液槽26へ導かれている。各個別制御盤25a
…は、制御電線27a…によつて中央制御盤28
と接続されている。中央制御盤28には、各個別
制御盤25a…に対して洗浄工程を行うことを許
すための割当て信号Soを時分割により出力する
発信器が設けられており、各個別制御盤25a…
は中央制御盤28からの割当て信号Soが送られ
ている間のみ洗浄工程を行うことが可能なように
なつている。また各個別制御盤25a…には、洗
浄工程の時間幅を各個に調整するためのタイマー
が設けられており、各個別制御盤25aに割当て
られた時間内において調整可能となつている。
第8図及び第9図はこれらのタイミングの一例
を示している。第8図は、各制御電線27aーに
出力される割当て信号Soの状態が、時間の経過
によつて変化している様子を示しており、1サイ
クル時間tcの十分の一の時間が各個別制御盤25
aに割当てられている。第9図は、割当てられた
時間tc/10内において、各個別制御盤25a…内
のタイマーにより洗浄工程の時間twが決定され
ている状態を示している。各給入開閉弁11a…
は、それぞれの洗浄工程の時間twのみ開放され
て透析液を透析器3a…へ供給し、洗浄工程を行
うようになつている。各計量ポンプ13a…及び
洗浄開閉弁15a…は、前の実施例で説明したの
と同様の動作を行う。フローセンサー24a…
は、洗浄工程において一定量以上の透析液が流れ
たか否かを検知し、もし流れていなければ警報を
発するようになつている。また、計量ポンプ13
a…は、異常時においては緊急停止され、除水が
停止されるようになつている。この場合において
も、洗浄工程が周期的に行われることは前述のと
おりである。
本実施例においては、中央制御盤28からの割
当て信号Soに応じて各給入開閉弁11a…が順
次開放され、透析液が透析液供給器12aから時
分割で各透析器3a…に供給されることとなる。
また各個別制御盤25a…に設けたタイマーによ
つて、各透析器3a…、すなわち各症例に応じた
必要な時間に調整して洗浄工程を行うことができ
る。したがつて、多数の透析器3a…に対して透
析液を供給するにもかかわらず、透析液供給装置
12aが供給すべき透析液の総量が大幅に減少す
るとともに、透析液の時間当たりの流量が平均化
されるので透析液供給装置12aの利用効率が飛
躍的に向上する。これによつて、透析液の消費量
が大幅に減少するとともに、透析液供給器12a
及び給入流路の配管設備を小型にすることがで
き、これらに要する設備費及び経費を大幅に削減
することが可能となる。例えば、従来において1
個の透析器につき500ml/minの透析液を連続的
に流していた場合と比較すると、従来においては
透析液供給器12aは10個分の5/minの供給
能力を必要としていたのに対し、本実施例におい
ては、サイクル時間tcを60秒とし、1個の透析器
の1回の洗浄工程で100mlの透析液を流すことと
すると、透析液供給器12aは1/minの供給
能力でよいことになり、実に従来の五分の一で済
むこととなる。サイクル時間tcを、30秒又は20秒
というように短縮して洗浄工程の回数を増加した
場合においても、それぞれの場合の透析液の消費
量は2/min、3/minであつて従来よりも
非常に少なくて済む。サイクル時間をどの程度に
設定するかということは、前述したように病院の
設備と人的な状況、及び個々の症例等に応じて決
定すればよく、それに応じて中央制御盤28の発
信器の周期を調整するようにしておけばよい。
上述の実施例においては、割当て信号Soは、
割当て時間に相当する間中連続的に出力されるよ
うになつているが、割当て時間の開始時点におい
てそのタイミングを知らせるためのトリガ信号の
ようなものでもよく、この場合は割当てられた時
間及びその他必要な情報は別途の信号によつて指
示するようにすればよい。
本実施例に用いる個別制御盤25a…には、前
述したタイマーが設けられてダイヤルにより簡単
に洗浄工程の時間を設定できるようになつている
ほか、給入路9と排出路10の接続用ポート、洗
浄工程であることを表示する表示灯、異常が発生
していることを示す表示灯及び警報ブザー、警報
ブザーの停止押釦等が設けられている。また計量
器を設けることとした場合には、降水量を表示す
るための表示装置及び表示値を零にするためのリ
セツト押釦、予定除水量設定器等も設けることと
すればよい。さらに、前述したような過渡の除水
を防止するための装置を設けることもでき、それ
に必要な機器を適宜設ければよい。第7図におい
ては、中央制御盤28を独立したものとして示し
ているが、これを個別制御盤25a…のうちの1
個の内部に収容することも可能である。
上述の第7図に示す実施例においては、透析液
のみを時分割に且つ間歇的に各透析器3a…に供
給することについて説明したが、これ以外に消毒
液、冷却液及び洗浄液をも透析液と同様に時分割
で供給することが可能である。すなわち、血液透
析を行うに際して透析器に透析液を供給する前
に、純水による洗浄、熱湯又は薬品による消毒、
及び透析液による冷却を行い、透析が終了した後
には、再び同様な洗浄及び消毒を行うのが普通で
ある。従来においては、それぞれの工程において
それぞれの液を連続的に流しているが、それぞれ
の工程においてそれぞれの液を間歇的に流し、望
ましくは従来よりも速い流速で流し、しかも上述
したように各透析器に対し時分割で供給するよう
にすることによつて、それぞれに必要な液の消費
量を大幅に減少させることが可能である。
上述したように、透析液を間歇的に透析器に供
給し、しかも1個の透析液供給器から多数の透析
器に時分割で供給し、降水量を計量して除水の進
行状況を監視し、また血液の圧力を検知して除水
を停止させて過渡の除水を防止し、さらには透析
の前後に行う各種の工程をも時分割により行うこ
とにより、透析効率が高く、安全性及び経済性に
優れた透析装置とすることができる。
(発明の効果) 本発明によると、透析液の消費量を大幅に減少
させることができ、これによつて透析液の原料及
び加熱に要するエネルギーを節約するとともに、
透析液を供給する装置の小型化を可能にすること
ができる。
また本発明によると、前記作用で述べたように
予め容量の決まつている定量の透析液に対し、こ
れより増加した量の合計を計量すればよいから、
血液透析における除水量を容易に且つ正確に計量
することができ、除水の進行状態の管理が行い易
くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の透析装置の一例を示す図、第2
図は透析が行われる原理を説明するための図、第
3図乃至第9図は本発明の実施例を示すもので、
第3図は透析装置を示す図、第4図a,bは計量
ポンプの実施例を示す図、第5図は開閉弁の作動
タイミングをマクロ的に示した図、第6図は同じ
く洗浄工程の近辺のタイミングを詳細に示す図、
第7図は複数の透析器を用いた場合の実施例を示
す図、第8図は第7図の中央制御盤から出力され
る割当て信号の状態を示す図、第9図は割当て信
号と洗浄工程との関係を示す図である。 3……透析器、9……給入路、10……排出
路、10a……計量流路、10b……洗浄流路、
13……計量ポンプ、15……洗浄開閉弁。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 血液透析を行う透析器と、該透析器に透析液
    を給入する給入路と、該透析器内の透析液を排出
    する排出路とを有する血液透析装置において、上
    記給入路には常時は閉塞して上記透析器への透析
    液の流入を停止するとともに、間歇的に開放して
    上記透析器へ透析液を流入させるよう制御された
    給入開閉弁を設け、一方上記排出路には、流出す
    る透析液の液量を計量する計量器が接続された計
    量流路と、該計量流路をバイパスするための洗浄
    流路とが分岐して設けられ、且つこれら両流路の
    うち計量流路には計量ポンプが設けられ、他方の
    洗浄流路には前記給入開閉弁と同調作動する開閉
    弁、即ち給入開閉弁の開閉にともなつて、同じく
    同方向に開閉する洗浄開閉弁を設けてなる除水量
    計量装置。
JP62294780A 1987-11-20 1987-11-20 血液透析装置における除水量計量装置 Granted JPS63145665A (ja)

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