JPS635534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、水密を保持するスライドフアスナ
ーに関するもので、その目的は、務歯のフアスナ
ーテープに対する取付け強度が強化されると共
に、フアスナーテープの柔軟性を損なうことがな
く、突上げまたは折り曲げられてもチエーン割れ
することのないスライドフアスナーを提供するこ
とにある。

スライドフアスナーに水密機能を保持するため
には、フアスナーテープに水密性を与え、該テー
プに務歯を縫付け手段によらず射出成形によつて
固着し、更に、務歯の噛合部分を隙間なく密封す
る構成にすれば良く、このような構成とするため
の一例として、フアスナーテープは、繊維で織成
あるいは編成した帯体を芯として、その表裏両面
に天然ゴムまたは合成ゴムなどのエラストマーを
被覆して形成し、該フアスナーテープ一側縁にひ
れを突設しておくことにより、このひれを務歯の
噛合頭部へ密着して噛合部分を密封し良好な水密
が得られるものである。この場合、各務歯の噛合
頭部に前述のひれが密接して水密機能を確保する
ものであるから、務歯のフアスナーテープに対す
る取付け強度を強化しておかなければ、使用中に
務歯がずれ動いたり傾いて、水密性は勿論のこと
スライドフアスナーとしての機能が低下するもの
であり、一方取付け強度を強化するとスライドフ
アスナーとしての柔軟性を欠くことになり、チエ
ーン割れ現象を起す恐れが生じる。

この考案は以上の問題点を解消するために工夫
したものであつて、本考案を実施例によつて説明
すると、第１図にスライドフアスナーを構成する
片方のフアスナーストリンガーの一部を示し、第
２図に務歯を示している。フアスナーテープ１
は、織成または編成され一側縁に突条３を備えた
芯テープ２の表裏両面に、天然ゴムまたは合成ゴ
ムの如く弾性と防水性を有するエラストマーを塗
布あるいは射出手段による被覆層４を設け、更
に、該フアスナーテープ１の務歯６を取付ける側
縁に、被覆層４と同材でフアスナーテープ１の肉
厚より薄いひれ５が突設してある。一方、務歯６
は合成樹脂を射出あるいは金属材をダイガスト成
形して芯テープ２に固着されるものであるが、芯
テープ２の突条３を有する一側縁部を表裏から挾
持する一対の胴部７，７を、その上下を互いにフ
アスナーテープ１の長手方向に僅かにずらして設
け、各胴部７，７より首部８，８を介して噛合頭
部９，９を設け、各胴部７，７の後方に舌片１
０，１０を突設したものであり、更に、この務歯
６における胴部７，７外表面の両側部分と舌片１
０，１０の両側部分を中央部分よりも段状に低く
形成した陥没部１１，１１を設けると共に、胴部
７，７両側部分の両陥没部１１，１１を連結する
凹溝状を成す同じく陥没部１１を設けたもので、
芯テープ２に固着された前記務歯６の各陥没部１
１にそれぞれフアスナーテープ被覆層４に連続し
て、該被覆層４と同材質の材料より成る務歯被覆
層１２を務歯６の外表面の高さよりやや低い肉厚
で覆つてある。更に、隣う合う両務歯６，６間
に、両務歯被覆層１２，１２と連続した連結被覆
層１３をフアスナーテープ被覆層４と同材質で介
在すると共に、連結被覆層１３の表面に一条乃至
数条の凹溝１４をフアスナーテープ１の巾方向に
沿つて設けたものである。

尚、務歯６の表裏の両胴部７，７をフアスナー
テープ１を貫通する連結柱（図示なし）で互いに
一体に連結しても良い。また、スライダー１５で
閉鎖した場合、第３図と第４図図示の如く、フア
スナーテープ１より突設したひれ５が相手の務歯
６の噛合頭部９の周面に圧接して水密を保つもの
である。

この考案は以上の構造であつて、芯テープ２の
突条３側の側縁に務歯６を射出して固着した後
に、フアスナーテープ被覆層４、務歯被覆層１２
及び連結被覆層１３を射出などの手段で施こすと
共に、連結被覆層１３に凹溝１４を射出と同時に
成形することにより製造されるもので、成形され
た務歯６は芯テープ２に対する接着力に加えて、
務歯被覆層１２と連結被覆層１３によつて固着力
が倍加されるものであり、また、固着力が倍加さ
れても、連結被覆層１３に凹溝１４が設けてある
から、柔軟性を保有することが出来、スライドフ
アスナーを折り曲げた場合、第６図図示の如く、
折り曲げた裏側の凹溝１４は縮められ、表側の凹
溝１４は拡げられるので、折り曲げに対して抵抗
少なく順応するものである。

以上のように、この考案によるスライドフアス
ナーは、フアスナーテープの一側縁に固着した務
歯を、フアスナーテープに施こした被覆層に連続
して務歯被覆層で覆い、且つ隣り合う務歯間に両
務歯被覆層に連続して連結被覆層を設け、該連結
被覆層の表面に凹溝をフアスナーテープの巾方向
に沿つて設けたもので、各被覆層によつて務歯の
フアスナーテープへの固着力が強化されると共
に、凹溝によつて柔軟性が得られるものであるか
ら、務歯がずれ動いたり傾くことがなく確実なフ
アスナー機能が得られると共に、長期に亘り水密
性を確保できるものであり、また、柔軟性がある
ことからチエーン割れすることがなく、スライダ
ーの摺動を軽くする効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案によるスライドフアスナーを示
し、第１図はその一方のフアスナーストリンガー
の一部を示す斜視図、第２図は務歯を示す斜視
図、第３図は噛合した状態で示す正面図、第４図
は第３図−線矢視の断面図、第５図は第３図
−線矢視の断面図、第６図はスライドフアス
ナーを折り曲げた時の状態を示す側面図である。 １……フアスナーテープ、２……芯テープ、３
……突条、４……フアスナーテープ被覆層、５…
…ひれ、６……務歯、７……胴部、８……首部、
９……噛合頭部、１０……舌片、１１……陥没
部、１２……務歯被覆層、１３……連結被覆層、
１４……凹溝、１５……スライダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フアスナーテープ１と該テープ１の一側縁に固
   着した務歯６とに弾性と防水性を有する被覆層
   ４，１２が付着してあり、隣り合う両務歯間に両
   務歯被覆層１２と連続した連結被覆層１３を設け
   ると共に、連結被覆層１３にフアスナーテープ１
   の巾方向に延びる凹溝１４を設けたことを特徴と
   するスライドフアスナー。