JPS6313689Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、水密を保持するスライドフアスナ
ーに関するもので、その目的は、スライダーで左
右の務歯列を閉鎖した際に、閉鎖した位置にある
スライダー内での水密を良好に保つことの出来る
スライドフアスナーを提供することにある。

一般にスライドフアスナーに水密機能を保持す
るためには、フアスナーテープに水密性を与え、
該テープに固着した務歯の噛合時にその噛合部分
を密封すれば良く、その一つの手段として、フア
スナーテープは、織成あるいは編成した帯体の表
面に天然ゴムまたは合成ゴムなどのエラストマー
を被覆し、且つ該テープの対向縁にひれを突設し
このひれを対向する務歯の噛合頭部に密着するよ
うに構成しておけば良い。あるいは、務歯とフア
スナーテープの表面を弾性と防水性を有する材料
で同時にコーテングすると共に、務歯間にひれを
突設しこのひれを相手の務歯に密着しても良い。
ところが、相対向する務歯列はスライダーで開閉
されることは周知であるが、従来のスライドフア
スナーでは、閉鎖位置にあるスライダー内の務歯
は不安全な噛合状態にあるため、水密性を持つス
ライドフアスナーとしてはこの部分の水密を如何
に保つかが問題であつた。

また、スライダー内において水密を保持するも
のとして、実公昭54−31054号公報によつて開示
されているように、スライダー胴体の前端面と上
止め部の後壁面が密接し、上止め部の左右の係止
舌片がスライダー胴体のダイヤモンド部を挟んで
胴体肩口から胴体内部に密接し、両舌片の凸部が
胴体外郭壁の前端部に係合する構造が示されてい
る。この公報による技術では、確かにスライダー
上方部分において、密接している部分があるもの
の、両舌片がダイヤモンド側壁のみを挟んでいる
にすぎないので、スライダーの下方からの埃や水
などの浸入に対して何ら効果がない。更に、上止
め部がスライダー上方部分と同形状に設けられ、
スライダー胴体の内部に入り込むようになつてい
るにすぎないので、スライダーのフランジ部分に
よるイダー胴体の内部に入り込むようになつてい
るにすぎないので、スライダーのフランジ部分に
よるスライダーと両舌片との圧接力が弱いという
欠点があつた。

この考案は以上の問題点を解決するために工夫
したもので、実施例を図面によつて具体的に説明
すると、第１図乃至第５図に示す例は、フアスナ
ーテープ２の一側縁に務歯列３を固着し、そのフ
アスナーテープ２と務歯列３の表裏両面に、天然
ゴムあるいは合成ゴムなどのエマストラーによる
被覆層４を設けると共に、務歯列３の各務歯間に
被覆層４と同材質の薄肉のひれ５を設けて、左右
のフアスナーストリンガー１，１が形成してあ
り、且つ左右のフアスナーストリンガー１，１
は、務歯列３，３の各始端より離隔した位置にお
いて停止ブロツク６により一体に連結してある。
停止ブロツク６は前記被覆層４と同材質で、或い
は合成樹脂又は金属を芯材としてこれにエラスト
マーを被覆して務歯列３，３に亘つて係合してあ
るスライダー７の厚さより厚く形成してある。そ
して、両務歯列３，３の始端と停止ブロツク６と
の間にそれぞれシール体８，８を介在し、両シー
ル体８，８の停止ブロツク６側の端部を一体に連
結したもので、この両シール体８，８は、前記被
覆層４と同材質で務歯よりもやや薄肉に形成して
あつて、その形状は、第２図に示す如くスライダ
ー７によつて閉鎖した状態において、務歯列３，
３に連続してスライダー７に挿入される略扇形で
あつて、左右のシール体８，８の末広がりに傾斜
した外側壁９，９が、スライダー７のフランジ７
ａ，７ｂに圧接し、且つ左右のシール体８，８の
内側壁１０，１０が互いに密接し、更に一方のシ
ール体８に、相手の務歯列３の第１番目の務歯の
噛合頭部が嵌つて密接する切欠部１１を設けてあ
る。また、スライダー７にはダイヤモンド７ｃと
称される上片と下片を連結すると共に務歯列３，
３を案内する柱が起立してあるが、両シール体
８，８間に亘つて、前記ダイヤモンド７ｃが嵌ま
る窓孔１２を左右の務歯列３，３間に向つて開口
した状態で設けてある。更に、第１図と第４図及
び第５図に明記する如く、両シール体８，８の内
側壁１０，１０と窓孔１２の内周壁に、前記ひれ
５と同様の薄膜１３，１３が突設してある。ま
た、両シール体８，８の外側壁９，９における務
歯列３，３寄りで、スライダーのフランジ７ａ，
７ｂの屈曲部と相対向する位置に切欠き溝１４，
１４が設けてある。更に停止ブロツク６とシール
体８，８の上端との連接部分の外側にも切欠き溝
１４，１４が設けてある。

次に第６図と第７図に示す例は、両シール体
８，８中に硬質の合成樹脂又は金属より成る芯体
１５，１５を、その上下表面が露出する状態に設
けたものであり、周囲にはエラストマーの被覆層
を設けてある。

この考案は以上の構造であつて、スライドフア
スナーを開いた際には、第１図図示のように、左
右のシール体８，８が開き、窓孔１２が開口して
いる。そこでスライドフアスナーをスライダー７
の摺動によつて閉鎖すると、左右の務歯列３，３
が順次噛合され、スライダー７内に両シール体
８，８が挿入した時には、スライダー７のダイヤ
モンド７ｃが両シール体８，８間の窓孔１２内に
嵌まり込むと共に、両シール体８，８の外側壁
９，９がスライダー７のフランジ７ａ，７ｂに接
しながら挿入するので、フランジ７ａ，７ｂによ
つて両シール体８，８が互いに寄り合う方向に押
圧され、ダイヤモンド７ｃが窓孔１２内に完全に
嵌まつた時には、両シール体８，８の各内側壁１
０，１０が互いに圧接すると同時に、互いに寄り
合う押圧力で、窓孔１２の内周壁もダイヤモンド
７ｃに密接し、しかも務歯列３，３は全長に亘つ
て完全に噛合するものである。

尚、シール体８に切欠き溝１４が設けてある場
合には、シール体８の開閉作動が確実になると共
に、シール体８に皺や波の発生する恐れがなく、
平滑さを保つて前述の如く密接するものである。

以上のように、この考案によるスライドフアス
ナーは、左右のフアスナーストリンガーの務歯列
に連続してシール体を設け、両シール体の前端部
を互いに一体に連結し、スライダーで両務歯列を
噛合した状態において、両シール体の各外側壁が
スライダーのフランジ内面に圧接し、両シール体
の各内側壁が互いに密接し、且つスライダーのダ
イヤモンドが、両シール体間に亘つて設けた窓孔
内に嵌合し、該窓孔の内周壁がダイヤモンドに圧
接するように構成したものであつて、両シール体
がスライダー内に挿入してしかも左右互いに密接
し、且つ務歯列を全長に亘つて完全に噛合するも
のであるから、閉鎖した位置にあるスライダーの
部分を完全に密封することが出来、該部分の水密
を確実に確保することが出来るものである。ま
た、シール体はスライダーの形状に応じて形成さ
れ、スライダー内に挿入するに従つて互いに寄り
合う方向に押圧されるものであるから、両シール
体が互いに密接すると共にダイヤモンドに強く圧
接され、強い水圧にも耐えて水密を保つものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案によるスライドフアスナーの一
部を示し、第１図は開いた状態で示す正面図、第
２図は閉鎖した状態でスライダーを切断して示す
正面図、第３図は第２図−線矢視の断面図、
第４図は第２図−線矢視の断面図、第５図は
第２図−線矢視の断面図、第６図は類例を示
す正面図、第７図は第６図−線矢視の断面図
である。 １……フアスナーストリンガー、２……フアス
ナーテープ、３……務歯列、４……被覆層、５…
…ひれ、６……停止ブロツク、７……スライダ
ー、７ａ，７ｂ……フランジ、７ｃ……ダイヤモ
ンド、８……シール体、９……外側壁、１０……
内側壁、１２……窓孔、１３……薄膜。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右のフアスナーストリンガー１，１にその各
   務歯列３，３より連続して、両務歯列に亘つて係
   合したスライダー７内に嵌装するシール体８，８
   を止着し、両シール体の前端部を互いに一体に連
   結すると共に、両シール体間にスライダーのダイ
   ヤモンド７ｃが嵌まる窓孔１２を左右の務歯列間
   に向つて開口して設け、且つ左右の務歯列をスラ
   イダーで噛合した状態において、両シール体がそ
   の各外側壁９，９がスライダーのフランジ７ａ，
   ７ｂ内面に圧接し、相対向する内側壁１０，１０
   が互いに圧接し、更に窓孔の内周壁がスライダー
   のダイヤモンドに圧接可能に形成してあることを
   特徴とするスライドフアスナー。