JPS63547B2 - - Google Patents

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JPS63547B2
JPS63547B2 JP1339282A JP1339282A JPS63547B2 JP S63547 B2 JPS63547 B2 JP S63547B2 JP 1339282 A JP1339282 A JP 1339282A JP 1339282 A JP1339282 A JP 1339282A JP S63547 B2 JPS63547 B2 JP S63547B2
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JP
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polyester
compound
alkaline earth
earth metal
acid
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JP1339282A
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Motoyoshi Suzuki
Kyokazu Tsunawaki
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成繊維の製造法に関する。更に詳細
には、特殊な微細孔を有し、着色した際に改善さ
れた色の深みと鮮明性を呈するポリエステルより
なる合成繊維の製造法に関する。 ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆ
えに合成繊維として広く使用されている。しかし
ながら、ポリエステル繊維は羊毛や絹の如き天然
繊維、レーヨンやアセテートの如き繊維素系繊
維、アクリル系繊維等に比較して、着色した際に
色に深みや発色性、鮮明性に劣る欠点がある。 従来より、この欠点を解消せんとして、染料の
改善やポリエステルの化学改質等が試みられてき
たが、いずれも充分な効果は得られていない。ま
た、ポリエステル繊維表面に透明薄膜を形成させ
る方法や織編物表面に80〜500mA・sec/cm2のプ
ラズマ照射を施して繊維表面に微細な凹凸を形成
させる方法等が提案されている。しかしながら、
これらの方法によつても、色の深みを改善する効
果は不充分であり、その上繊維表面に形成された
透明薄膜は洗濯等によつて容易に脱落し、その耐
久性も不充分であり、プラズマ照射を施す方法で
は、照射面の影になる繊維部分の繊維の表面に凹
凸が生じないため、着用中に生じる繊維組織内で
の糸の転び等によつて平滑繊維面が表面にでて色
斑になる欠点がある。 他方、ポリエステル繊維の表面に凹凸を付与す
る方法として、ポリオキシエチレングリコール又
はポリオキシエチレングリコールとスルホン酸化
合物を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ水溶液で処理することにより繊維軸方向に配
列した皺状の微細孔を繊維表面に形成させる吸湿
性繊維の製造法、又は酸化亜鉛、リン酸カルシウ
ム等の如き不活性無機物質の微粒子をポリエステ
ル反応系内に添加配合せしめてなるポリエステル
繊維を、アルカリ水溶液で処理して無機微粒子を
溶出することにより微細孔を形成させる吸湿性繊
維の製造法等が提案されている。しかしながら、
これらの方法によつて得られる繊維には、色の深
みを改善する効果は認められず、かえつて視感濃
度の低下が認められる。即ち、これらの方法にお
いて、アルカリ水溶液による処理が充分でないと
きは、色の深みを改善する効果は全く認められ
ず、また、アルカリ水溶液による処理が充分なと
きは、色の深みを改善するどころか、微細孔によ
る光の乱反射によるためか、視感濃度が低下し、
濃色に着色しても白つぽく見えるようになり、そ
の上得られる繊維の強度が著しく低下し、容易に
フイブリル化するようになり、実用に耐えない。 また、粒子径80mμ以下のシリカの如き無機微
粒子を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ減量処理して、繊維表面に0.2〜0.7μの不規
則な凹凸を付与すると共にこの凹凸内に50〜200
mμの微細な凹凸を存在せしめることによつて色
の深みを改善する方法が提案されている。しかし
ながら、この方法によつても、色の深みを改善す
る効果は不充分であり、その上かかる極めて複雑
な凹凸形態によるためか、摩擦等の外部からの物
理作用により凹凸が破壊され、破壊された部分が
他の破壊されていない部分と比べて大きく変色し
たり光沢の差を生じたり、更には容易にフイブリ
ル化するという欠点がある。 本発明者は、ポリエステル繊維に微細孔を付与
することによつて、上記欠点がなく、色の深みと
鮮明性に優れたポリエステル繊維を提供せんとし
て鋭意検討を行なつた結果、特定量の5価のリン
化合物とこの5価のリン化合物に対して特定量比
のカルシウム化合物を予め反応させることなく、
ポリエステル反応系に添加して合成したポリエス
テルを溶融紡糸して得たポリエステル繊維をアル
カリ処理することによつて、特殊な微細孔をを多
数形成することができ、こうすることによつて着
色した時の色の深みと鮮明性に優れ、且つ摩擦に
よる変色が充分に小さく、耐フイブリル性にも優
れたポリエステル繊維が得られることを見出し、
先に提案した。 しかしながら、このようにして得られるポリエ
ステル繊維は、ときによつて充分な鮮明化効果が
得られないときが生じることが判明した。本発明
者はかかる欠点を改善せんとして更に検討を重ね
た結果、上記方法において使用するリン化合物の
一部を予めカルシウム化合物と反応せしめること
によつて、再現性よく確実にその効果が得られる
ことを知つた。この知見に基づいて続けて検討
し、本発明を完成した。 即ち、本発明はテレフタル酸を主とするジカル
ボン酸又はそのエステル形成性誘導体と少なくと
も1種のグリコールとを反応せしめてジカルボン
酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体
を生成させる第1段階の反応及び該反応生成物を
重縮合させる第2段階の反応とによつて合成され
たポリエステルよりなる合成繊維を製造するに当
り、該ポリエステルの合成が完了するまでの任意
の段階で、(a)該ポリエステルを構成する酸成分に
対して0.5〜3モル%の下記一般式 (式中、R1及びR2は水素原子又は一価の有機
基であつて、R1及びR2は同一でも異なつてもよ
く、Mはアルカリ土類金属である。)で表わされ
るリン化合物、(b)該リン化合物に対して0.25〜
0.6倍モルのアルカリ土類金属化合物及び(c)該リ
ン化合物に対して0.5〜1.2倍モルのアルカリ金属
化合物を(a),(b)及び(c)の3者を予め反応させるこ
となく添加し、しかる後ポリエステルの合成を完
了し、得られたポリエステルを溶融紡糸した後、
アルカリ化合物の水溶液で処理してその2重量%
以上を溶出することを特徴とする微細孔を有する
合成繊維の製造法である。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコー
ル、好ましくはエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコールから選
ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルを主た
る対象とする。 また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性
カルボン酸成分で置換えたポリエステルであつて
もよく、及び/又はグリコール成分の一部を主成
分以外の上記グリコール、若しくは他のジオール
成分で置換えたポリエステルであつてもよい。 ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフ
タリンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、
ジフエノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボ
ン酸をあげることができる。また、上記グリコー
ル以外のジオール化合物としては例えばシクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、ビスフエノールA、ビスフエノールS
の如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物
およびポリオキシアルキレングリコール等をあげ
ることができる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて合成
したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、通常、テレフタル酸と
エチレングリコールとを直接エステル化反応させ
るか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸
の低級アルキルエステルとエチレングリコールと
をエステル交換反応させるか又はテレフタル酸と
エチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフ
タル酸のグリコールエステル及び/又はその低重
合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の
反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になる
まで重縮合反応させる第2段階の反応によつて製
造される。 本発明で使用するリン化合物は下記一般式 で表わされるリン化合物であり、式中、R1及び
R2は水素原子又は一価の有機基である。この一
価の有機基は具体的にはアルキル基、アリール
基、アラルキル基又は〔−(CH2lO〕kR3(但し、
R3は水素原子、アルキル基、アリール基又はア
ラルキル基、lは2以上の整数、kは1以上の整
数)等が好ましく、R1とR2とは同一でも異なつ
ていてもよい。Mはアルカリ土類金属であり、
Mg,Ca,Sr,Baが好ましく、特にCa,Sr,Ba
が好ましい。 上記リン化合物に代えてR1及び/又はR2が金
属(特にアルカリ金属、アルカリ土類金属)で置
き換えたリン化合物を使用したのでは、得られる
ポリエステル繊維に生成する微細孔が大きくなつ
て、目的とする鮮明化効果が得られず、また耐フ
イブリル性にも劣るようになる。 上記リン化合物を製造するには、通常正リン酸
又は対応する正リン酸エステル(モノ、ジ又はト
リ)と所定量の対応する金属の化合物とを溶媒の
存在下加熱反応させることによつて容易に得られ
る。なお、この際溶媒として、対象ポリエステル
の原料として使用するグリコールを使用するのが
最も好ましい。 上記リン化合物と併用するアルカリ土類金属化
合物およびアルカリ金属化合物としては、上記リ
ン化合物と反応してポリエステルに不溶性の塩を
形成するものであれば特に制限はなく、アルカリ
土類金属およびアルカリ金属の酢酸塩、しゆう酸
塩、安息香酸塩、フタル酸塩、ステアリン酸塩の
ような有機カルボン酸塩、硼酸塩、硫酸塩、珪酸
塩、炭酸塩、重炭酸塩の如き無機酸塩、塩化物の
ようなハロゲン化物、エチレンジアミン4酢酸錯
塩のようなキレート化合物、水酸化物、酸化物、
メチラート、エチラート、グリコレート等のアル
コラート類、フエノラート等をあげることができ
る。特にエチレングリコールに可溶性である有機
カルボン酸塩、ハロゲン化物、キレート化合物、
アルコラートが好ましく、なかでも有機カルボン
酸塩が特に好ましい。上記のアルカリ土類金属化
合物およびアルカリ金属化合物はそれぞれ1種の
み単独で使用しても、また2種以上併用してもよ
い。 上記リン化合物、アルカリ土類金属化合物およ
びアルカリ金属化合物を添加するに当つて、最終
的に得られるポリエステル繊維に優れた色の深み
とその摩擦耐久性を与えるためには、リン化合物
の使用量及び該リン化合物の使用量に対するアル
カリ土類金属化合物およびアルカリ金属化合物の
使用量の比を特定する必要がある。即ち、本発明
で使用するリン化合物の添加量はあまりに少ない
と最終的に得られるポリエステル繊維の色の深み
が不充分になり、この量を多くするに従つて色の
深みは増加するが、あまりに多くなると最早色の
深みは著しい向上を示さず、かえつて耐摩擦耐久
性が悪化し、その上充分な重合度と軟化点を有す
るポリエステルを得ることが困難となり、更に紡
糸時に糸切れが多発するというトラブルを発生す
る。このため、リン化合物の添加量はポリエステ
ルを構成する酸成分に対して0.5〜3モル%の範
囲にすべきであり、特に0.6〜2モル%の範囲が
好ましい。またアルカリ土類金属化合物およびア
ルカリ金属化合物の添加量がリン化合物の添加量
に対してそれぞれ0.25倍モルおよび0.5倍モルよ
り少ない量では、得られるポリエステル繊維の色
の深みが不充分であり、その上重縮合速度が低下
し高重合度のポリエステルを得ることが困難とな
り、又、生成ポリエステルの軟化点が大幅に低下
するようになる。逆にアルカリ土類金属化合物お
よびアルカリ金属化合物の添加量がリン化合物に
対してそれぞれ0.6倍モルおよび1.2倍モルを越え
る量では、粗大粒子が生成し、色の深みは改善さ
れるどころか、かえつて視感濃度が低下するよう
になる。このため、リン化合物に対するアルカリ
土類金属化合物の添加量は、0.25〜0.6倍モルの
範囲にすべきであり、特に0.25〜0.5倍モルの範
囲が好ましい。また、アルカリ金属化合物の添加
量はリン化合物に対して0.5〜1.2倍モルの範囲に
すべきであり、特に0.5〜1.0倍モルの範囲が好ま
しい。 上記リン化合物、アルカリ土類金属化合物及び
アルカリ金属化合物の3者は予め反応させること
なくポリエステル反応系に添加する必要がある。
こうすることによつて、不溶性粒子をポリエステ
ル中に均一な超微粒子状態で生成せしめることが
できるようになる。予め外部で上記リン化合物と
アルカリ土類金属化合物及び/又はアルカリ金属
化合物とを反応させて不溶性粒子とした後にポリ
エステル反応系に添加したのでは、ポリエステル
中での不溶性粒子の分散性が悪くなり、且つ粗大
凝集粒子が含有されるようになるため、最終的に
得られるポリエステル繊維の色の深みを改善する
効果は認められなくなるので好ましくない。 上記のリン化合物、アルカリ土類金属化合物及
びアルカリ金属化合物の添加は、それぞれポリエ
ステルの合成が完了するまでの任意の段階におい
て、任意の順序で行なうことができる。しかし、
リン化合物のみを第1段階の反応が未終了の段階
で添加したのでは、第1段階の反応の完結が阻害
されることがあり、またアルカリ土類金属化合物
のみを第1段階の反応終了前に添加すると、この
反応がエステル化反応のときは、この反応中に粗
大粒子が発生したり、エステル交換反応のとき
は、その反応が異常に早く進行し突沸現象を引起
すことがあるので、この場合、その20重量%程度
以下にするのが好ましい。アルカリ土類金属化合
物の少なくとも80重量%及びリン化合物全量の添
加時期は、ポリエステルの合成の第1段階の反応
が実質的に終了した段階以降であることが好まし
い。また、リン化合物、アルカリ土類金属化合物
及びアルカリ金属化合物の添加時期が、第2段階
の反応があまりに進行した段階では、粒子の凝
集、粗大化が生じ易く最終的に得られるポリエス
テル繊維の色の深みが不充分となる傾向があるの
で、第2段階の反応における反応混合物の極限粘
度が0.3に到達する以前であることが好ましい。 上記のリン化合物、アルカリ土類金属化合物及
びアルカリ金属化合物はそれぞれ一時に添加して
も、2回以上に分割して添加しても、又は連続的
に添加してもよい。 本発明においては、第1段階の反応に任意の触
媒を使用することができるが、上記アルカリ土類
金属化合物の中で第1段階の反応、特にエステル
交換反応の触媒能を有するものがあり、かかる化
合物を使用する場合は別に触媒を使用することを
要さず、このアルカリ土類金属化合物を第1段階
の反応開始前又は反応中に添加して、触媒として
も兼用することができるが、前述した如く突沸現
象を引起すことがあるので、その使用量は添加す
るアルカリ土類金属化合物の全量の20重量%未満
にとどめるのが好ましい。 以上説明したように、上記のリン化合物の特定
量と該リン化合物に対して特定量比のアルカリ土
類金属化合物及びアルカリ金属化合物とを予め反
応させることなくポリエステル反応系に添加し、
しかる後ポリエステルの合成を完了することによ
つて、高重合度、高軟化点及び良好な製糸化工程
通過性を有し、且つ最終的に色の深みとその摩擦
耐久性に共に優れた繊維を与えることのできるポ
リエステルを得ることができる。 このようにして得られたポリエステルを溶融紡
糸して繊維とするには、格別な方法を採用する必
要はなく、通常のポリエステル繊維の溶融紡糸方
法が任意に採用される。ここで紡出する繊維は中
空部を有しない中実繊維であつても、中空部を有
する中空繊維であつもよい。また、紡出する繊維
の横断面における外形や中空部の形状は、円形で
あつても異形であつてもよい。更に紡糸するに際
して、上記のリン化合物、アルカリ土類金属化合
物及びアルカリ金属化合物を添加した変性ポリエ
ステルと添加しない未変性ポリエステルとを使用
し、変性ポリエステルを鞘成分とし、未変性ポリ
エステルを芯成分とする芯鞘型複合繊維にして
も、変性ポリエステルと未変性ポリエステルとを
用いて2層又はそれ以上の多層のサイド・バイ・
サイド型複合繊維にしてもよい。 かくして得られるポリエステル繊維から、その
一部を除去するには必要に応じて延伸熱処理又は
仮撚加工等を施した後、又は更に布帛にした後、
アルカリ化合物の水溶液で処理することにより容
易に行なうことができる。 ここで使用するアルカリ化合物としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルア
ンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等をあげることができる。なか
でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好
ましい。 かかるアルカリ化合物の水溶液の濃度は、アル
カリ化合物の種類、処理条件等によつて異なる
が、通常0.01〜40重量%の範囲が好ましく、特に
0.1〜30重量%の範囲が好ましい。処理温度は常
温〜100℃の範囲が好ましく、処理時間は1分〜
4時間の範囲で通常行なわれる。また、このアル
カリ化合物の水溶液の処理によつて溶出除去する
量は、繊維重量に対して2重量%以上の範囲にす
べきである。このようにアルカリ化合物の水溶液
で処理することによつて、繊維軸方向に配列し、
且つ度数分布の最大値が繊維軸の直角方向の幅が
0.1〜0.3μの範囲であつて、繊維軸方向の長さが
0.1〜5μの範囲になる大きさを有する微細孔を繊
維表面及びその近傍に多数形成せしめることがで
き、染色した際に優れた色の深みを呈するように
なる。 なお、本発明の方法により得られるポリエステ
ル繊維には、必要に応じて任意の添加剤、例えば
触媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、螢光増白
剤、艶消剤、着色剤等が含まれていてもよい。 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中
の部及び%は重量部及び重量%を示し、得られる
ポリエステル繊維を染色した際の色の深み、摩擦
変色は以下の方法で測定した。 (i) 色の深み 色の深みを示す尺度としては、深色度(K/
S)を用いた。この値はサンプル布の分光反射
率(R)を島津RC−330型自記分光光度計にて
測定し、次に示すクベルカームンク(Kubelka
Munk)の式から求めた。この値が大きいほど
深色効果が大きいことを示す。 K/S=(1−R)2/2R(測定波長500mμ) なお、Kは吸収係数、Sは散乱係数を示す。 (ii) 耐摩擦変色性 摩擦堅ろう度試験用の学振型平面摩耗機を使
用して、摩擦布としてポリエチレンテレフタレ
ート100%からなるジヨーゼツトを用い、試験
布を500gの加重下で所定回数平面摩耗して、
変色の発生の程度を変褪色用グレースケールで
判定した。耐摩耗性が極めて低い場合を1級と
し、極めて高い場合を5級とした。実用上4級
以上が必要である。 実施例 1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)をエステ
ル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけ
て140℃から230℃まで昇温して生成するメタノー
ルを系外に留去しながらエステル交換反応を行な
つた。続いて得られた反応生成物に、0.5部のリ
ン酸トリメチル(テレフタル酸ジメチルに対して
0.693モル%)と0.31部の酢酸カルシウム1水塩
(リン酸トリメチルに対して1/2倍モル)とを8.5
部のエチレングリコール中で120℃の温度におい
て全環流下60分間反応せしめて調製したリン酸ジ
エステルカルシウム塩の透明溶液9.31部に室温下
0.26部の酢酸カルシウム1水塩(リン酸トリメチ
ルに対して0.41倍モル)と0.24部の酢酸リチウム
(リン酸トリメチルと等モル)とを溶解せしめて
得たリン酸ジエステルカルシウム塩、酢酸カルシ
ウム及び酢酸リチウムの混合透明溶液9.81部を添
加し、次いで三酸化アンチモン0.04部を添加して
重合缶に移した。次いで1時間かけて760mmHgか
ら1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて
230℃から285℃まで昇温した。1mmHg以下の減
圧下、重合温度285℃で更に3時間、合計4時間
30分重合して極限粘度0.641、軟化点260℃のポリ
マーを得た。反応終了後ポリマーを常法に従いチ
ツプ化した。 このチツプを常法により乾燥し、孔径0.3mmの
円形紡糸孔を36個穿設した紡糸口金を使用して
290℃で溶融紡糸し、次いで常法に従つて延伸倍
率3.5倍で延伸して75デニール/36フイラメント
の原糸を得た。 この原糸にS撚2500T/m及びZ撚2500T/m
の強撚を施し、続いて該強撚糸を80℃で30分間蒸
熱処理して撚止めを行なつた。 該撚止め強撚糸を経密度47本/cm、緯密度32
本/cmでS,Z撚を2本交互に配して梨地ジヨー
ゼツト織物を製織した。 得られた生地をロータリーワツシヤーにて沸騰
温度で20分間リラツクス処理を施し、シボ立てを
行ない、常法によりプリセツト後、3.5%の水酸
化ナトリウム水溶液で沸騰温度にて処理し、減量
率が10%、20%および30%の布帛を得た。 これらのアルカリ処理後の布帛をDianix
Black HG−FS(三菱化成工業(株)製品)15%owf
で130℃で60分間染色後、水酸化ナトリウム1g/
およびハイドロサルフアイト1g/を含む水
溶液にて70℃で20分間還元洗浄して黒染布を得
た。これらの黒色布の色の深みおよび摩耗200回
後の耐摩擦変色性を第1表に示した。 実施例 2 実施例1のポリマー合成反応において760mmHg
から1mmHgに減圧するに要した時間(1時間)
を30分に短縮する以外は、実施例1と同様に行な
つた。得られたポリマーの極限粘度は0.641、軟
化点は260.9℃であつた。 このポリマーを用いて実施例1と同様に製糸、
加撚、熱処理、染色、洗浄した。結果は第1表に
示す通りであつた。 実施例 3 実施例2における760mmHgから1mmHgに減圧
するに要した時間を1時間30分とする以外は全て
実施例2と同様に行ない、結果を第1表に示し
た。 比較例 1 高速撹拌分散機(撹拌翼外径28mm、外筒環内径
29mm、英国シルバーソンマシーン社製ラボラトリ
ー・ミキサー・エマルシフアイヤー)を用い、実
施例1と同様にして調製したリン酸ジエステルカ
ルシウム塩のエチレングリコール溶液100部、酢
酸カルシウム1水塩の4%エチレングリコール溶
液69.8部及び酢酸リチウムの7%エチレングリコ
ール溶液36.8部の3者を160℃にて60分間
5000rpmの高速撹拌下反応させて白濁スラリーを
得た。 実施例1においてエステル交換反応後に添加し
たリン酸ジエステルカルシウム塩、酢酸カルシウ
ム1水塩及び酢酸リチウムの混合透明溶液の代り
に、このスラリーの相当量を添加する以外は、実
施例1と同様に行なつた。結果は第1表に示した
通りであり、色の深さは改善されるどころか、視
感濃度の低下が認められた。又、200回の摩耗で
著しく白つぽくなつた。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 テレフタル酸を主とするジカルボン酸又はそ
    のエステル形成性誘導体と少なくとも1種のグリ
    コールとを反応せしめてジカルボン酸のグリコー
    ルエステル及び/又はその低重合体を生成させる
    第1段階の反応及び該反応生成物を重縮合させる
    第2段階の反応とによつて合成されたポリエステ
    ルよりなる合成繊維を製造するに当り、該ポリエ
    ステルの合成が完了するまでの任意の段階で、(a)
    該ポリエステルを構成する酸成分に対して0.5〜
    3モル%の下記一般式 (式中、R1及びR2は水素原子又は一価の有機
    基であつて、R1及びR2は同一でも異なつてもよ
    く、Mはアルカリ土類金属である。)で表わされ
    るリン化合物、(b)該リン化合物に対して0.25〜
    0.6倍モルのアルカリ土類金属化合物及び(c)該リ
    ン化合物に対して0.5〜1.2倍モルのアルカリ金属
    化合物を(a),(b)及び(c)の3者を予め反応させるこ
    となく添加し、しかる後ポリエステルの合成を完
    了し、得られたポリエステルを溶融紡糸した後ア
    ルカリ化合物の水溶液によりその2重量%以上を
    溶出することを特徴とする合成繊維の製造法。
JP1339282A 1982-02-01 1982-02-01 合成繊維の製造法 Granted JPS58132116A (ja)

Priority Applications (1)

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JP1339282A JPS58132116A (ja) 1982-02-01 1982-02-01 合成繊維の製造法

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JP1339282A JPS58132116A (ja) 1982-02-01 1982-02-01 合成繊維の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58132116A JPS58132116A (ja) 1983-08-06
JPS63547B2 true JPS63547B2 (ja) 1988-01-07

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JPS6071768A (ja) * 1983-09-22 1985-04-23 日本エステル株式会社 改質ポリエステル繊維の製造法

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JPS58132116A (ja) 1983-08-06

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