JPS6354304B2 - - Google Patents

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JPS6354304B2
JPS6354304B2 JP18864985A JP18864985A JPS6354304B2 JP S6354304 B2 JPS6354304 B2 JP S6354304B2 JP 18864985 A JP18864985 A JP 18864985A JP 18864985 A JP18864985 A JP 18864985A JP S6354304 B2 JPS6354304 B2 JP S6354304B2
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weight
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monomers
vinyl
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JP18864985A
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Tetsuo Maeda
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication of JPS6354304B2 publication Critical patent/JPS6354304B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐環境応力き裂性に優れ、しかも層
状はく離性の改良された熱可塑性樹脂組成物に関
する。 〔従来の技術〕 ゴム含有スチレン系樹脂は、応力負荷状態で薬
品と接触すると、き裂が発生して、著しい場合に
は破断する現象が観察される。この現象は環境応
力き裂現象と呼ばれ、樹脂に対する溶解度の高く
ない、アルコール、カルボン酸、エステル、アル
カン、アルケン等の薬品で顕著に観察されること
は周知の通りである。 環境応力き裂現象は、樹脂成形物に外力が負荷
されていない状態でも、成形物内部に残留する成
形時の歪みが、薬品との接触により開放されるこ
とにより発生するため、ゴム含有スチレン系樹脂
の用途に多大の制限を与えている。 ゴム含有スチレン系樹脂の環境応力き裂性に影
響を及ぼす因子として、ゴム成分の含有率、及び
樹脂成分の分子量が知られており、ゴム成分の含
有率を高くする、あるいは樹脂成分の分子量を高
くすることにより環境応力き裂性の改善が果され
るが、その効果は実用上不充分であつた。 最近本発明者らは、脂肪酸ビニルエステル系重
合体をゴム含有スチレン系樹脂に混合することに
より、ゴム含有スチレン系樹脂の環境応力き裂性
が、飛躍的に改善されることを見出した(特開昭
56―147841号公報)。 しかしながら、前記発明の組成物は、環境応力
き裂性の改良効果は著しいものの、射出成形物に
雲母状の層状はく離現象が観察されることがあ
り、改良が要求されていた。層状はく離現象は、
高せん断速度条件で射出成形された成形物に顕著
であり、ゲート近傍に著しい。 層状はく離現象は、ゴム含有スチレン系樹脂中
に分散する脂肪酸ビニルエステル系重合体粒子
が、射出成形時のせん断応力により偏平変形する
ことにより生起する。脂肪酸ビニルエステル系重
合体粒子の偏平変形を防止する目的で、脂肪酸ビ
ニルエステル系重合体の重合時に、多官能性ビニ
ル単量体を共重合させることは有効である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、例えばジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジメタクリレートなどの多官能性
ビニル単量体を共重合させて得た脂肪酸ビニルエ
ステル系重合体では、層状はく離現象の改良は果
されるものの、ゲル含有率が高く、ゴム含有スチ
レン系樹脂の環境応力き裂性の改良効果は不充分
である。このため、多官能性ビニル単量体と連鎖
移動剤を併用して、ゲル含有率が低く、かつ分枝
構造を有する脂肪酸ビニルエステル系重合体を製
造することにより、層状はく離現象と耐環境応力
き裂性の均衡を計ることは可能であるが、その効
果は実用上不満足なものであつた。 本発明の目的は、前記した従来枝術の欠点を改
良した熱可塑性樹脂組成物を提供することにあ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明を概説すれば、本発明は熱可塑性樹脂組
成物に関する発明であつて、(A)ゴム含有スチレン
系樹脂と(B)共重合体とを包含し、該(A)成分100重
量部に対して該(B)成分を1〜50重量部含有する熱
可塑性樹脂組成物において、該(B)成分の共重合体
が脂肪酸ビニルエステル単量体、あるいは脂肪酸
ビニルエステル単量体と他の共重合性単量体との
混合物100重量部に、下記一般式: 〔式中R1及びR2はH又はCH3基、Xは―(CH2
―CHR3―O―)o1CH2―CHR3―基(nは2以
上の整数であり、R3は同一又は異なり、H又は
CH3基である)を示す〕で表される長鎖二官能性
単量体0.01〜10重量部を共重合させて得られる、
溶解度パラメーターが8.4〜9.8(cal/c.c.)1/2であ
り、ガラス転移温度が20℃以下であり、ゲル含有
率が70重量%以下である共重合体であることを特
徴とする。 本発明の樹脂組成物は、耐環境応力き裂性に優
れ、しかも層状はく離現象が発現し難い。 本発明における(A)成分であるゴム含有スチレン
系樹脂のゴム成分を構成する単量体としては、ブ
タジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、ク
ロロプレン、シクロペンタジエンなどの共役ジエ
ン単量体、2,5―ノルボルナジエン、1,4―
シクロヘキサジエン、4―エチリデンノルボルネ
ンなどの非共役ジエン単量体、スチレン、α―メ
チルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系
単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などのニトリル単量体、メチルメタクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、オクチルアクリレートなどの
(メタ)アクリル酸エステル単量体、エチレン、
プロピレン、1―ブテン、イソブチレン、2―ブ
テンなどのオレフイン単量体などがあり、これら
を単独重合あるいは共重合したものを用いる。ま
た、架橋用単量体として多官能性ビニル単量体を
共重合させた共重合体も使用できるが、用いうる
多官能性ビニル単量体としては、ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジメタクリレート、1,
3―ブチレングリコールジメタクリレート、1,
4―ブチレングリコールジメタクリレート、プロ
ピレングリコールジメタクリレート、シアヌル酸
トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、アリルア
クリレート、アリルメタクリレート、ビニルアク
リレート、ビニルメタクリレート、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレートなどがあ
る。 本発明の(A)成分に用いるゴム成分は、グラフト
活性点を有していることが必要であり、具体的に
はゴム分子中に炭素―炭素二重結合を有している
ことが好ましい。 前記の単量体の重合方法は特に制限はなく、乳
化重合、溶液重合などの公知の技術を用いうる。 また(A)成分のゴム成分は一種類である必要はな
く、別途重合された二種類以上のゴム成分の混合
物であつてよい。 本発明における(A)成分であるゴム含有スチレン
系樹脂の樹脂成分を構成する単量体としては、ス
チレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、
t―ブチルスチレンなどのスチレン系単量体、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニト
リル単量体、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリ
レート、オクチルアクリレートなどの(メタ)ア
クリル酸エステル単量体、マレイミド、N―メチ
ルマレイミド、N―エチルマレイミド、N―プロ
ピルマレイミド、N―シクロヘキシルマレイミ
ド、N―フエニルマレイミド、N―トルイルマレ
イミド、N―キシリルマレイミドなどのマレイミ
ド系単量体などがあり、単独あるいは共重合して
用いるが、スチレン系単量体の含有を必須とす
る。 本発明に用いる(A)成分は、前記のようにゴム成
分と樹脂成分とからなるが、球状構造をとるゴム
成分と連続相である樹脂成分との界面に、グラフ
ト構造が介在していることが必要である。このよ
うな構造は、ゴム成分の存在下で樹脂成分を構成
する単量体の一部あるいは全部を重合するいわゆ
るグラフト重合法により達成されることは公知で
あるが、本発明の(A)成分も公知のグラフト重合技
術により製造できる。 (A)成分中に含有されるゴム成分の含有率を調節
するために、(A)成分に別途重合された樹脂成分を
混合することも可能であるが、別途重合された樹
脂成分はグラフト重合で得られた樹脂成分と同一
組成である必要はない、例えばポリブタジエンの
存在下でアクリロニトリル、スチレン及びメチル
メタクリレートをグラフト重合して得た(A)成分に
アクリロニトリル、スチレン及びα―メチルスチ
レンを共重合して得た樹脂成分を混合することが
できる。 本発明の(A)成分の具体例を示すと、ハイインパ
クトポリスチレン、ABS(アクリロニトリル―ブ
タジエン―スチレン)樹脂、耐熱性ABS(アクリ
ロニトリル―ブタジエン―スチレン―α―メチル
スチレン)樹脂、AAS(アクリロニトリル―アク
リル酸エステル―スチレン)樹脂、AES(アクリ
ロニトリル―EPDM―スチレン)樹脂、MBAS
(メチルメタクリレート―ブタジエン―アクリロ
ニトリル―スチレン)樹脂などがある。 次に、本発明の(B)成分である共重合体の製法に
おいて、原料として用いられる脂肪酸ビニルエス
テル単量体の例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロパン酸ビニル、ブタン酸ビニル、ペンタ
ン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニ
ル、オクタン酸ビニル、ノナン酸ビニル、デカン
酸ビニル、ドデカン酸ビニル、テトラデカン酸ビ
ニル、ヘキサデカン酸ビニル、オクタデカン酸ビ
ニルなどが挙げられる。 他方、他の共重合性単量体の例としは、エチレ
ン、プロピレン、1―ブテン、2―ブテン、イソ
ブチレン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノ
ルボルネンなどのオレフイン単量体、スチレン、
α―メチルスチレン、t―ブチルスチレン、p―
メチルスチレンなどのスチレン系単量体、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリ
レート、フエニルアクリレート、グリシジルアク
リレートなどのアクリル酸エステル単量体、メチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレートなどのメタクリル酸エステ
ル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどのニトリル単量体、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、フエニルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハ
ロゲン化オレフイン単量体などが挙げられる。 また、前記一般式で表される長鎖二官能性単
量体の例としては、ジエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、
ペンタエチレングリコールアクリレート、ノナエ
チレングリコールジアクリレート、テトラデカエ
チレングリコールジアクリレート、エイコサエチ
レングリコールジアクリレートなどのポリエチレ
ングリコールジアクリレート系長鎖二官能性単量
体、ジエチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジメタクリレート、テトラ
エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエ
チレングリコールジメタクリレート、ノナエチレ
ングリコールジメタクリレート、テトラデカエチ
レングリコールジメタクリレート、エイコサエチ
レングリコールジメタクリレートなどのポリエチ
レングリコールジメタクリレート系長鎖二官能性
単量体、ジプロピレングリコールジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールジアクリレート、
テトラプロピレングリコールジアクリレート、ペ
ンタプロピレングリコールジアクリレート、ノナ
プロピレングリコールジアクリレート、テトラデ
カプロピレングリコールジアクリレート、エイコ
サプロピレングリコールジアクリレートなどのポ
リプロピレングリコールジアクリレート系長鎖二
官能性単量体、ジプロピレングリコールジメタク
リレート、トリプロピレングリコールジメタクリ
レート、テトラプロピレングリコールジメタクリ
レート、ペンタプロピレングリコールジメタクリ
レート、ノナプロピレングリコールジメタクリレ
ート、テトラデカプロピレングリコールジメタク
リレート、エイコサプロピレングリコールジメタ
クリレートなどのポリプロピレングリコールジメ
タクリレート系長鎖二官能性単量体、ポリエチレ
ングリコールモノアクリレートモノメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノアクリレート
モノメタクリレートなどの混合エステル系長鎖二
官能性単量体などが挙げられる。 これらの長鎖二官能性単量体は単独で用いて良
く、あるいは二種類以上を混合して用いて良い。 また、前記長鎖二官能性単量体を工業的に製造
する場合、原料となるポリエチレングリコールあ
るいはポリプロピレングリコールの分子量分布を
厳密に限定することは困難であり、例えば工業的
に製造されるノナプロピレングリコールジメタク
リレートは、オクタプロピレングリコールジメタ
クリレート、デカプロピレングリコールジメタク
リレートなどを含む可能性がある。したがつて、
一般式のnの数を厳密に1つに限定することは
工業的には困難であるが、この事実は本発明の効
果を阻害するものではない。 長鎖二官能性単量体の使用量は、前記のように
共重合させる単量体100重量部に対して0.01〜10
重量部であり、0.01〜7重量部が特に好ましい。
しかして、この量が0.01重量部未満では層状はく
離性改良の効果が乏しく、他方、10重量部を超す
とその効果が飽和する。 また、本発明における(B)成分には、前記長鎖二
官能性単量体に加えて、他の多官能性ビニル単量
体が共重合されていてもよい、使用可能な多官能
性ビニル単量体の例としては、ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジメタクリレート、1,
3―ブチレングリコールジメタクリレート、1,
4―ブチレングリコールジメタクリレート、プロ
ピレングリコールメタクリレート、シアヌル酸ト
リアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、アリルアク
リレート、アリルメタクリレート、ビニルアクリ
レート、ビニルメタクリレートなどが挙げられ
る。 本発明の(B)成分は、8.4〜9.8(cal/c.c.)1/2の溶

度パラメーターを有している必要があり、更に好
ましい数値範囲は8.6〜9.6(cal/c.c.)1/2である。本
明細書でいう溶解度パラメーターとは、ニユーヨ
ーク市ジヨン ワイリーエンドサンズ社 1975年
発行、プランドラツプ(J.Brandrup)及びイン
マーーガツト(E.H.Immergut)編、ポリマー
ハンドブツク(Polymer Handbook)第2版
―337〜―359頁に記載の溶解度パラメーター値
を用い、共重合体の溶解度パラメーターδTを、m
種類のビニル単量体から成る共重合体を構成する
個々のビニル単量体の単独重合体の溶解度パラメ
ーターδoと、その重量分率Woとから、下記式
により算出したものである。 δTnn=1 δoWonn=1 Wo〔(cal/c.c.)1/2〕 ……〔〕 例えばポリアクリル酸ブチル、及びポリアクリ
ル酸エチルの溶解度パラメーターをそれぞれ8.8
(cal/c.c.)1/2、9.4(cal/c.c.)1/2とすると、ポ
リアク
リル酸ブチル70重量%、ポリアクリル酸エチル30
重量%からなる共重合体の溶解度パラメーターは
9.0(cal/c.c.)1/2と計算される。 (B)成分の溶解度パラメーターが、8.4未満であ
るか、あるいは9.8を超えると、本発明の樹脂組
成物の耐環境応力き裂性が低くなり、好ましくな
い。 本発明の(B)成分は、ガラス転移温度が20℃以下
であることが必要であり、10℃以下が好ましい。
ガラス転移温度が20℃を超えると、本発明の樹脂
組成物の耐環境応力き裂性が低くなり好ましくな
い。 更に、本発明の(B)成分は、ゲル含有率が70重量
%以下であることが必要である。本明細書でいう
ゲル含有率とは、当該(B)成分を1.0g精秤し、400
メツシユステンレス製金網で作成した篭の中に入
れて100gのトルエン中に浸漬し、5℃で24時間
放置した後に篭を引上げ、室温中で風乾した後の
(B)成分不溶物の重量(g)を測定し、それから下
記式に従つて算出した値をいう。 〔(B成分不溶物重量)/1〕×100(%)
……〔〕 (B)成分のゲル含有率が70重量%を超えると、本
発明の樹脂組成物の耐環境応力き裂性が低くなり
好ましくない。 本発明の(B)成分の重合方法については特に制限
はないが、乳化重合法による製造が工業的に最も
有利であり、乳化重合法に関する公知技術を任意
に適用することができる。 本発明では、(A)成分100重量部と(B)成分1〜50
重量部、好ましくは2〜40重量部とを混合する
が、(B)成分の含有率が1重量部未満では環境応力
き裂性の改良効果が不充分であり、50重量部を超
えるとその効果が飽和するばかりでなく、剛性の
低下が大きく好ましくない。 本発明における(A)成分と(B)成分とを混合するに
は、公知の混合技術を適用して、乳化状態、粒子
状態、あるいは溶融状態の両成分を配合し、溶融
混練することにより、容易に目的の混合物を得る
ことができる。当該(B)成分を乳化重合法で製造し
た場合には、該重合体ラテツクスを、乳化状態、
粒子状態あるいは溶融状態の(A)成分と配合し、脱
水工程を経て、あるいは脱水工程と同時に溶融混
練することができる。溶融混練装置の例には、バ
ンバリミキサー、インテンシブミキサー、ミクス
トルーダー、コニーダー、エクストルーダー、ロ
ールなどがある。また、特開昭56−131656号公報
に開示された製造方法を適用することもできる。 更に本発明においては、前記以外の添加剤、例
えば、顔料、染料、安定剤、分散剤、補強材、充
てん剤、滑剤などを添加することも可能である。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例及び参考例により更に具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されない。 なお、各例記載の部及び%は、すべて重量基準
である。 参考例1 (A)成分の作成 (1) A―1、A―2、A―3、A―5 表1に示したゴムラテツクスの存在下に、対応
する単量体を添加して、乳化重合法により製造し
た。 (2) A―4 EPDMゴムのトルエン溶液に、表1に示した
単量体を添加して、溶液重合法により製造した。 (3) A―6、A―7、A―8 表1に示した単量体の乳化重合法により製造し
た。
【表】 参考例2 (B)成分の作成 耐圧オートクレーブに純水100部、部分ケン化
ポリビニルアルコール4部、過硫酸カリウム0.1
部、酢酸ナトリウム0.2部を添加した。内容を充
分窒素置換した後、表2に示した組成に対応する
量のエチレンの全量を圧入した。内容を60℃に昇
温後、表2に示した組成の単量体の中で、エチレ
ンを除く全量を10時間かけて連続添加した。初期
圧入エチレンと、連続添加したエチレンを除く単
量体との合計量は100部である。 添加終了後、70℃で更に5時間かくはんして重
合を終了した。 得られた(B)成分の性質を第3に示す。 なお、表2で用いた長鎖二官能性単量体の略号
は下記のとおりである: 9PG;ノナプロプレングリコールジメタクリ
レート 3G;トリエチレングリコールジメタクリレ
ート 4G;テトラエチレングリコールジメタクリ
レート 9G;ノナエチレングリコールジメタクリレ
ート 14G;テトラデカエチレングリコールジメタ
クリレート 23G;トリエイコサエチレングリコールジメ
タクリレート 9PAG;ノナプロピレングリコールジアクリレ
ート 3AG;トリエチレングリコールジアクリレー
ト 9AG;ノナエチレングリコールジアクリレー
ト 14AG;テトラデカエチレングリコールジアク
リレート また、各物性値は、以下の方法により求めた。 (1) ガラス転移温度 (B)成分ラテツクスを塩化カルシウム水溶液中に
注加して得た固体を乾燥し、デユポン式測定器で
ある910示差走査熱量計及び990熱分析計を用いて
測定した。 (2) 溶解度パラメーター 各例で溶解度パラメーターの算出に使用した各
ポリマーの溶解度パラメーター値〔単位は
(cal/c.c.)1/2〕は以下の通りである。 ポリアクリル酸ブチル:8.8 ポリエチレン:8.1 ポリ酢酸ビニル:9.4 ポリドデカン酸ビニル:8.8 ポリアクリロニトリル:12.5 (3) ゲル含有率 (B)成分ラテツクスを塩化カルシウム水溶液中に
注加して得た固体を乾燥した。その1.0gを精秤
し、既述のように処理し、測定して、式により
算出した。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例1及び比較例1 表1(A―1)ラテツクス80部(ポリマーとし
て)と、表2(B)成分ラテツクス20部(ポリマーと
して)とをラテツクス状態で混合し、塩化カルシ
ウム水溶液を注加した後、95℃でかくはんし、得
られた析出物を過して重合物を回収した。得ら
れた混合物を乾燥した後、該混合物40部を、表1
(A―6)粉末60部、4,4′―イソプロピリデン
―ビス〔モノフエニル―ジ―アルキル(C12
C15)ホスフアイト〕〔アデカ・アーガス化学(株)
製、マーク(MARK)1500〕(以下、安定剤と略
記する)0.3部とヘンシエルミキサーで混合し、
株式会社中央機械製作所製VC―40(ベント付単軸
押出機)に供給してペレツトを得た。 得られたペレツトを用いて成形物を作成して物
性評価を行い、その結果を表4実験番号1〜25に
示した。 なお、各例の物性測定値は以下の方法により求
めた。 (1) 引張り降伏点……ASTM D―638 (2) アイゾツト衝撃強度……ASTM D―256 (3) 耐薬品性(耐環境応力き裂性) ASTM D―638タイプダンベルに50mmのた
わみを与えて治具に固定し、エチレングリコール
モノエチルエーテルを塗布し、温度23℃で放置し
たときの破断に至るまでの時間を分で表す。表中
>300は、300分経過して破断しないことを示す。 (4) 層状はく離性 5オンス射出成形機を用いて、5×3×1mmの
ゲートを有する50×20×2mmの板状成形物を成形
した。後記実施例3及び比較例3(実験番号35〜
45)では樹脂温度を240℃、その他の実施例及び
比較例では樹脂温度を200℃とし、射出速度90
mm/sec、金型温度40℃とした。 成形物のゲート部分の層状はく離性を、標準サ
ンプルと対比して下記の様に評価した。ABはA
ランクとBランクの中間に位置することを示す。 A;全くはく離しない。 B;若干はく離する。 C;かなりはく離する。 D;著しくはく離する。
【表】
【表】
【表】 番号1〜19は実施例であり、番号20〜25は比較
例である。比較例より明らかな様に、(B)成分のガ
ラス転移温度、ゲル含有率、及び溶解度パラメー
ターが本発明の範囲を逸脱すると耐環境応力き裂
性に劣り、長鎖二官能性単量体の使用量が不充分
であると層状はく離現象の発生が観察される。 実施例2及び比較例2 実施例1で、(B)成分として表2(B―3)を用
い、(A―1)と(B―3)との混合比、及び
(A―6)粉末の配合比を表5に示す通りに変更
する以外は、実施例1と同様に操作してペレツト
を得た。得られたペレツトより成形物を作成し、
物性評価した結果を表5に示した。
【表】
【表】 表5より明らかな様に、(B)成分の添加量が不充
分であると耐環境応力き裂性に乏しく、過多であ
ると剛性に劣り実用に耐えない。 実施例3及び比較例3 表1(A―1)ラテツクスと(B)成分ラテツクス
とを、表1(A―7)ラテツクスあるいは(A―
8)ラテツクスと共にラテツクス状態で混合し、
塩化カルシウム水溶液を注加した後、105〜120℃
でかくはんした。得られた析出物を過して重合
物を回収し、乾燥した後、該混合物100部に対し
て実施例1で用いた安定剤を0.3部配合し、株式
会社中央機械製作所製VC―40に供給してペレツ
トを得た。 得られたペレツトを用いて成形物を作成して物
性評価を行い、その結果を表6に示した。
【表】 表6から明らかな様にマトリツクス樹脂に(A
―7)あるいは(A―8)を用いると、該樹脂の
溶融粘度が高く、射出成形時に高せん断応力を受
けるために、長鎖二官能性単量体を共重合しない
(B)成分を用いると、著しい層状はく離現象が観察
される(表6実験番号41〜43)。しかしながら、
本発明の(B)成分ではほとんどあるいは全くはく離
現象が観察されず、本発明の効果を顕示している
(表6実験番号35〜40)。 実施例4及び比較例4 表1(A)成分粉末を表2(B―3)ラテツクス8
部(ポリマーとして)、安定剤0.3部と共にヘンシ
エルミキサーで混合した後、東芝機械株式会社製
TEM―50(同方向回転二軸混練押出機)に供給し
てペレツトを得た。 得られたペレツトより成形物を作成して物性評
価を行い、その結果を表7に示した。 本発明の効果は、(A)成分のゴム種類のいかんに
かかわらず発揮されることがわかる。
【表】
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の熱塑性成樹脂組
成物は、その成形品の層状はく離現象が発現し難
く、また耐環境応力き裂性に優れた効果を発揮す
るという顕著な効果を奏するものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A)ゴム含有スチレン系樹脂と(B)共重合体とを
    包含し、該(A)成分100重量部に対して該(B)成分を
    1〜50重量部含有する熱可塑性樹脂組成物におい
    て、該(B)成分の共重合体が、脂肪酸ビニルエステ
    ル単量体、あるいは脂肪酸ビニルエステル単量体
    と他の共重合性単量体との混合物100重量部に、
    下記一般式: 〔式中R1及びR2はH又はCH3基、Xは―(CH2
    ―CHR3―O―)o1CH2―CHR3―基(nは2以
    上の整数であり、R3は同一又は異なり、H又は
    CH3基である)を示す〕で表される長鎖二官能性
    単量体0.01〜10重量部を共重合させて得られる、
    溶解度パラメーターが8.4〜9.8(cal/c.c.)1/2であ
    り、ガラス転移温度が20℃以下であり、ゲル含有
    率が70重量%以下である共重合体であることを特
    徴とする熱可塑性樹脂組成物。
JP18864985A 1985-08-29 1985-08-29 熱可塑性樹脂組成物 Granted JPS6250359A (ja)

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