JPS6353342B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、軽量鉄骨からなる軸組構法のプレ
ハブ住宅のトラスの下弦材に対する束材と斜材の
接合構造に関する。

（従来の技術） 軽量鉄骨からなる軸組構法に用いられるトラス
は、下弦材ａと束材ｂおよび斜材ｃとの接合とし
て、下弦材ａの上側面に直立させて束材ｂの下端
部を当接させるとともに斜材ｃの下端部を寄合わ
せ、これら束材ｂおよび斜材ｃと下弦材ａとの接
合部を両側からガセツトプレートｄ，ｄで挟み、
下弦材ａと束材ｂと斜材ｃとガセツトプレート
ｄ，ｄとがボルトｅあるいは溶接等によつて固定
したものであつた。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、束材と下弦材との接合部分は荷重が
集中するところであり、接合強度を確保するため
にガセツトプレートの大きなものを用いる傾向に
ある。従つて、材料費が嵩むとともに、大きなも
のであるために運搬や保管に不便であるととも
に、施工がわずらわしい等の問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明に係るトラスの下弦材に対する束材と斜
材の接合構造は、下弦材が溝を上に向けたリツプ
溝形鋼で形成されたトラスの該下弦材に対する束
材と斜材の接合構造であつて、下弦材の上面にベ
ースプレートと直立板とを断面略逆Ｔ字形に組合
わせた接合部材が固着され、該接合部材のベース
プレートが下弦材のリツプの上面に溶着されると
ともに直立板が下弦材のリツプと平行かつ下弦材
の軸線上に配置せしめられ、前記束材と斜材の下
端部に前記直立板と嵌合する縦割り溝が形成さ
れ、この縦割り溝が前記直立板に嵌め込まれると
ともに該縦割り溝の縁部と直立板あるいはベース
プレートとが溶着されることにより下弦材に対し
て束材と斜材が前記接合部材を介して接合固着さ
れ、且つ前記下弦材の底板と前記ベースプレート
の下面との間の溝内に下弦材の変形を防止するパ
イプ状の支持部材が介在されたものである。

（実施例） 図面は本発明に係るトラスの下弦材に対する束
材と斜材の接合構造の一実施例を示したものであ
る。

トラスは、下弦材１の上に屋根の勾配に対応し
た高さとなされた複数本の束材２，３，４が適当
な間隔をおいて立設され、下弦材１の一端から中
程の束材２の上端を経て中央の束材３の上端まで
一方の上弦材７が配設されるとともに、下弦材１
の他端から中程の束材４の上端を経て中央の束材
３の上端まで他方の上弦材８が配設され、かつ、
各束材２，３，４の間にはこれら各束材２，３，
４と下弦材１および上弦材７，８の接合部を連結
する斜材５，６が配設されているものである。

屋根が大きい場合、束材は３本以上の本数が用
いられる。

下弦材１と上弦材７，８はリツプ溝形鋼で形成
され、下弦材１は溝が上向きに用いられ、上弦材
７，８は溝が下向きに用いられている。束材２，
３，４および斜材５，６は閉じた断面を有する角
パイプ状の鋼管が用いられているが、このような
形状の鋼管に限定されるものではなく、リツプ溝
形鋼で形成されていてもよい。

図中の符号Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆは上記した
トラスの各構成部材の接合部分である。

第２図は、下弦材１と中央の束材３と斜材５，
６の接合部分Ａを拡大した斜視図を示している。

中央の束材３の下端部と対向する下弦材１の上
面にベースプレート９と直立板１０とを断面略逆
Ｔ字形に組合わせた接合部材１２が溶接等の手段
を用いて固着されている。接合部材１２はベース
プレート９が下弦材１のリツプ１３，１３の上面
に溶着されるとともに、直立板１０が下弦材１の
リツプ１３，１３と平行かつ下弦材１の軸線上に
位置するよう設けられている。

中央の束材３および斜材５，６の下端部には縦
割り溝３ａ，５ａ，６ａが形成され、これら縦割
り溝３ａ，５ａ，６ａをベースプレート９上の直
立板１０に跨たげた状態で嵌め込み、縦割り溝３
ａ，５ａ，６ａの縁部と直立板１０とが溶接によ
つて接合固着される。

尚、図中符号Ｂ，Ｃにおける束材２，４と下弦
材１との接合部も同様に、束材２，４の下端部に
形成した縦割り溝（図示省略）を下弦材１の上面
に固着した接合部材（図示省略）の直立板に嵌め
込み、縦割り溝の縁部と直立板とが溶着せられて
いる。

また、図中の符号Ｄ，Ｅにおける上弦材７と束
材２、斜材５および上弦材８と束材４、斜材６の
接合部も同様に、束材２、斜材５の上端部および
束材４、斜材６の上端部に形成した縦割り溝（図
示省略）を上弦材７，８の下面に固着した接合部
材（図示省略）に垂下された直立板に嵌め込み、
縦て割り溝の縁部と直立板とが溶着せられてい
る。

図中１１は、丸パイプ、角パイプ等からなるパ
イプ状の支持部材で、前記ベースプレート９の下
面と下弦材１の底板１４との間の溝１５内に介在
されている。この支持部材１１は下弦材１が前記
束材２，３，４により局部圧縮を受けて変形する
のを防止する作用をなす。

（発明の効果） 接合部材が従来のガセツトプレートよりも極め
て小さい大きさで足りるから、材料費が大幅に削
減できるという利点がある。

加えて、縦割り溝を束材および斜材の下端部に
おける中央に形成しておけば、直立板を下弦材の
軸線上に配置せしめていることにより、束材およ
び斜材と直立板の作用線が一致し、偏心接合が防
止できる。また、従来のガセツトプレートは落下
しないように手で支えて位置決めした状態でない
と溶接できないが、本発明においては、直立板に
束材および斜材の縦割り溝を嵌め込むことにより
仮止めができ、従つて手で支えなくとも溶接がで
きるため、トラス組立作業が非常に簡単になる
等々の利点ももつ。

また、軽量形鋼で構成されたトラスは局部圧縮
に弱いという欠点があつた。ところが、本発明で
は、ベースプレートの下面と下弦材の底板との間
にパイプ状の支持部材を介在させているから、束
材および斜材からの局部圧縮を該支持部材で受
け、下弦材が変形することを防止している。従つ
て、局部の変形防止のために下弦材の板厚を大き
くする必要はなく経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図はトラス全体斜視図、第２図は本発明の
一実施例を示す要部拡大斜視図、第３図は従来例
のトラスの要部拡大斜視図てある。 １…下弦材、２，３，４…束材、５，６…斜
材、７，８…上弦材、９…ベースプレート、１０
…直立板、１２…接合部材、１３…リツプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下弦材が溝を上に向けたリツプ溝形鋼で形成
   されたトラスの該下弦材に対する束材と斜材の接
   合構造であつて、下弦材の上面にベースプレート
   と直立板とを断面略逆Ｔ字形に組合わせた接合部
   材が固着され、該接合部材のベースプレートが下
   弦材のリツプの上面に溶着されるとともに直立板
   が下弦材のリツプと平行かつ下弦材の軸線上に配
   置せしめられ、前記束材と斜材の下端部に前記直
   立板と嵌合する縦割り溝が形成され、この縦割り
   溝が前記直立板に嵌め込まれるとともに該縦割り
   溝の縁部と直立板あるいはベースプレートとが溶
   着されることにより下弦材に対して束材と斜材が
   前記接合部材を介して接合固着され、且つ前記下
   弦材の底板と前記ベースプレートの下面との間の
   溝内に下弦材の変形を防止するパイプ状の支持部
   材が介在されたことを特徴とするトラスの下弦材
   に対する束材と斜材の接合構造。