JPS63511Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両後部ベンチシートにおけるリヤシ
ートバツクに前倒れ可能に設けるスプリツト・シ
ートバツクのロツク機構に関する。

自動車の後部トランクに後部座席より荷物を収
納又はその取出しが出来るように後席ベンチシー
トのシートバツクの一部を前倒し可能のスプリツ
ト・シートバツクとするものは、自動車がたとえ
ば追突されたとき該スプリツト・シートバツクが
急激に前方へ倒れるのを防止するためロツク機構
を設ける。

この種スプリツト・シートバツクのロツク機構
の従来のロツク解除手段はリヤシートバツクの上
部端面に突出する樹脂製のつまみを上方に引いて
行なわれていた。すなわち、つまみを上方へ引く
ことによりスプリツト・シートバツクの一側面に
固定された上向き雌形部材に嵌合する雄形部材が
ロツドを介して上方に移動され両部材の係合が解
かれる仕組である。この従来のつまみの引上げに
よるロツク解除手段では、スプリツト・シートバ
ツクを前倒して開く場合、つまみを上方へ引くロ
ツク解除動作と、スプリツト・シートバツクを前
方へ倒す動作の２挙動となり面倒である。

又つまみと雄形部材を連結するためのロツドを
通す貫通孔をリヤシートバツク上端面に穿設しな
ければならずその分余計な工作時間と手間を要す
る。

本考案は上記に鑑みなされたもので、ロツク部
分は断面ノの字状をなす雄形のストライカと該ス
トライカと嵌合するストライカ挿入孔を有する雌
形のラツチとからなり、該ラツチはスプリツト・
シートバツクの上端面に揺動可能に枢着され、か
つロツクを解除するひもを具え、他方のストライ
カはスプリツト・シートバツクを嵌込むリヤシー
トバツクに形成された開口部の上面に固定されて
いて、ロツク解除時はロツク解除ひもを車室内よ
り引くことでストライカより外すようにしたもの
である。

以下、本考案を図面に示す一実施例に基いて説
明する。

第１図は後席ベンチシート１のリヤシートバツ
ク２に２つの並列する前倒れ可能とするスプリツ
ト・シートバツク３を設けた斜視図で、一方のス
プリツト・シートバツク３（図にて右方）は前へ
倒しトランクスルーとしての開口部１０を開いた
状態で示されている。

第２図は第１図の−線に沿つた要部の断面
図で、４はロツク機構を示す。該ロツク機構はス
トライカ５とラツチ６とよりなるもので、ストラ
イカ５の上部は第３図のように四角形状のボツク
ス形とし先端にいくに従つて厚みを薄くする断面
形状をノの字状とし、その前面はある巾をもつた
傾斜面７とする。該ストライカ５は傾斜面７を形
成する腹部を後部トランク８へ向け先端を斜め下
向きにして、上記スプリツト・シートバツク３上
面との間に形成される空隙部９に突出して上部を
リヤシートバツク本体にボルト等で固定して取付
ける。

一方、上記ストライカ５にロツク時係合するラ
ツチ６は、ストライカ５下部を嵌合するためのス
トライカ挿入孔１２を第４図のように中央に有す
る額ぶち状板部材１１の一端に下方に延びる脚部
１３を一体に設け断面形状をくの字状とし、スト
ライカに対応してスプリツト・シートバツク３上
部端面２３に中間部を軸１４にて枢支されて揺動
可能に取付けられている。１５は軸１４の両端を
支持するブラケツトでスプリツト・シートバツク
上部端面に固定されている。上記ラツチ６にはス
トライカ５に対しかみ込み方向２０に該ラツチを
回転せしめる付勢ばね１６が取付けられている。
図示例では付勢ばねとして巻きばねを軸１４とス
プリツト・シートバツク３との間に取付けてい
る。なお１７はラツチ６を取付けるための凹部で
ある。２２は付勢されているラツチ６が所定の位
置以上に回転しないためのストツパである。

１８は布地等で作られたロツク解除ひもで、一
端はラツチの脚部１３の下端にピン１９を介して
取付けられ、他端はスプリツト・シートバツク３
が後方に起こされた状態では第２図のように車室
内に露出している。なお、ラツチ６の回転中心軸
１４はストライカ５に対してできるだけ上方に位
置せしめるようにしてそのかみ合いを深くすると
よい。

上記構成においてその作用について説明する
と、スプリツト・シートバツク３が前倒から起こ
されて開口部１０を塞いでいる状態では第２図の
ようにストライカ５の下部はラツチ６のストライ
カ挿入孔１２に嵌合している。ストライカ５とラ
ツチ６との係合は前倒しされているスプリツト・
シートバツクを後方へ引戻すとラツチ６の先端は
ストライカ５の背面２１の曲面に当接し、該曲面
に案内されてラツチ６は第２図において軸１４を
中心に時計方向に付勢ばね１６のばね力に抗して
回転し、ストライカ５の先端部がラツチ６のスト
ライカ挿入孔１２に嵌まるとラツチは付勢ばね１
６によつて復帰しストツパ１７に当つて止まる。
このロツク状態において自動車が追突等の衝撃を
受けた時、スプリツト・シートバツクはＤの矢方
向へ挙動するが、ラツチ６が係合するストライカ
５の傾斜面７によりラツチ６の抜け外れを有効に
防ぐことができる。

ロツクを解除する場合は座席よりロツク解除ひ
も１８を引くことによりラツチ６をロツク方向と
反対の方向に回転させストライカ５との係合を外
す。ついで、スプリツト・シートバツクを前方へ
倒すと開口部１０は開かれ、後部トランクと通ず
るトランクスルーを形成する。

本考案は以上説明したようにロツク機構のラツ
チとストライカを、スプリツト・シートバツクの
上端面と、リヤシートバツクに形成の開口部上面
とに対応して配設せしめ、ロツク解除手段として
は解除ひもを使用したので、従来のつまみとロツ
ドを設けるロツク機構と比べ全体的にコンパクト
化することができ、かつロツク解除時ひもを前方
へ引くことでスプリツト・シートバツクは下端枢
着軸を中心に容易に前方へ倒され、ロツク解除と
スプリツト・シートバツク前倒しとは一挙動で容
易に行なわれるので楽である。さらにロツク解除
手段としてひもを使用するため人体への当り感が
なくフイーリングも良い等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はスプリツト・シートバツクを具えるリ
ヤシートバツクに本考案に係るロツク機構を設け
た自動車後席ベンチシートの斜視図、第２図は第
１図における−線に沿つて断面した要部の拡
大せる断面図、第３図は第２図におけるストライ
カの斜視図、第４図は同じく第２図におけるラツ
チの斜視図である。 １……後席ベンチシート、２……リヤシートバ
ツク、３……スプリツト・シートバツク、４……
ロツク機構、５……ストライカ、６……ラツチ、
７……傾斜面、１０……開口部、１１……額ぶち
状板部材、１２……ストライカ挿入孔、１３……
脚部、１４……軸（枢支部）、１６……付勢ばね
（付勢手段）、１８……ロツク解除ひも、２０……
かみ込み方向、２３……スプリツト・シートバツ
ク上部端面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の後席ベンチシートにおけるリヤシート
   バツクの一部を分割し前方へ倒して後部トランク
   へ通ずる開口部を形成せしめるようにした起倒可
   能とするスプリツト・シートバツクを前倒位置か
   ら起こした時その前方への倒れを防ぐため設ける
   ロツク機構において、上記リヤシートバツクにト
   ランクスルーとして形成される上記開口部の上面
   に先端にいくに従つて厚みを薄くする断面形状を
   ノの字状とするストライカをそのノの字状に伸び
   る先端を後部トランク側へ斜め下向けにして固定
   せしめ、一方ロツク時上記ストライカの下部に嵌
   合するストライカ挿入孔を有する額ぶち状板部材
   の一端に下方に延びる脚部を一体に設けて断面形
   状をくの字状とするラツチを上記ストライカに対
   応せしめて上記スプリツト・シートバツク上部端
   面に中間部を枢支して揺動可能に設け、かつ該ラ
   ツチはその枢支部を軸として上記ストライカに対
   しかみ込み方向に回転せしめる付勢手段を具える
   と共に、上記脚部の下端にロツク解除ひもを結着
   してなることを特徴とするスプリツト・シートバ
   ツクのロツク機構。