JPS6348951Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はインテグレーテツドアンプ、パワー
アンプ等のスピーカ接続に用いられる電気機器の
ターミナル装置に係り、更に詳しくはコード芯線
に損傷を与えることなく、外径の異なるいかなる
コードをも確実に接続し得るようにしたターミナ
ル装置に関するものである。

従来、オーデイオアンプにスピーカを接続する
ターミナル装置としては、例えば第１図ａに示す
ようにばねａにより回動習性が付与されたプツシ
ユキーｂと、導電体板ｃとで芯線ｄを挾持保持す
るようにしたもの（実公昭55−1404号公報）と
か、第１図ｂに示すようにターミナルシヤフトｅ
に該シヤフトの軸線方向と直交する方向に設けら
れた貫通孔ｆに芯線ｄを挿入し、つまみｇにより
前記芯線ｄを締付け固定するようにしたもの（実
開昭54−9388号公報）等が知られているが、これ
らはいずれもオーデイオ専用コードまたは電力用
コードと云われる大径コードの接続が不可能で、
コード先端部を細く加工しなおして使用している
のが現状である。また、前者のプツシユキーを用
いたターミナル装置においては、特に細いコード
芯線に対して充分な挾持圧を得ることができず、
接続不良の原因となるほか、コードに張力が加わ
ると簡単に引抜かれてしまうという不都合を有す
る。

この考案は上記のような点に鑑みてなされたも
ので、装置固定部に固定される有底筒状に形成さ
れ、開口端面側に、内周壁に雌ねじ部が形成され
た内孔を有し閉塞端面側に電気機器への装置固定
部を一体構成してなるボデイ本体と、接続すべき
コードの芯線挿通用の貫通孔が形成された筒状の
ロツク操作部およびこのロツク操作部と一体に連
設された前記ボデイ本体の内孔に挿入される、外
周壁に雄ねじ部が形成された円筒部で構成される
ロツク部材とを具備してなり、前記円筒部を前記
ボデイ本体の内孔に、前記雄ねじ部を前記雌ねじ
部に螺入してこれらロツク部材およびボデイ本体
をロツクし、前記円筒部の先端と前記内孔の底面
との間で前記ロツク部材に挿通され円筒部より突
出する前記芯線の折り曲げ部分を挾持固定すると
いう極めて簡単な構成により、コード芯線の太
さ，構造（多芯，単芯）に関係なく、各芯線を同
一の条件で確実に挾持し得、またコード芯線の損
傷、断線事故等を減少させ得るようにした電気機
器におけるターミナル装置を提供するものであ
る。

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。

第２図はこの考案に係るターミナル装置の一実
施例を示す側面図、第３図は同装置の一部破断分
解側面図である。これらの図において、全体を符
号１で示すターミナル装置は、ボデイ本体２と、
ロツク部材３とを備えている。

前記ボデイ本体２は有底筒状に形成されること
により、該ボデイ本体２の一端面に開口する内孔
４を有し、この内孔４には雌ねじ５が形成されて
いる。一方、ボデイ本体２の閉塞端面６の中央に
は該ボデイ本体２の軸方向に延在する丸棒状の突
起からなる装置固定部７が一体に突設され、この
装置固定部７が外装ケース８の取付用孔９に挿通
され、かつ該固定部７の外周面中間部に設けられ
た雄ねじ部１０にナツト１１を装置内部から螺合
して締付け、前記外装ケース８をナツト１１と閉
塞端面６とで挾圧保持することにより、前記ボデ
イ本体２が外装ケース８に固定されるようになつ
ている。そして、前記装置固定部７の先端部外周
面には内部コード１２の芯線１３が半田付け等に
よつて接続固定される。

前記ロツク部材３は、中心線に沿つて芯線挿通
用の貫通孔１４が形成された筒状のロツク操作部
３Ａと、このロツク操作部３Ａの一端面中央に一
体に突設され前記ボデイ本体２の内孔４に挿入さ
れる円筒部３Ｂと、この円筒部３Ｂの外周面基部
寄りに設けられた雄ねじ部１６とを有し、この雄
ねじ部１６と前記雌ねじ５との螺合により、該ロ
ツク部材３がボデイ本体２に対して分離可能に接
続されるようになつている。前記ロツク操作部３
Ａの外周面には回転操作時の滑りを防止する２条
のナール部１７が形成されている。前記貫通孔１
４のコード挿入側開口部の内径は大きく形成され
てオーデイオ専用コード，電力用コード等の大径
コード１８の挿入を容易にする一方、他端側は使
用コードの最大径より幾分大きく形成されて前記
円筒部３Ｂの先端面に開口している。そして、こ
の貫通孔１４に挿入される外部コード１８の一端
部は図に示す如く円筒部３Ｂの先端より外部に突
出し、かつその外被体２０の先端部を剥ぎ取るこ
とにより芯線１９の先端部１９が外部に露出して
円筒部３Ｂの外周面に沿つて折り曲げられ、これ
によつて円筒部３Ｂの内孔４への挿入を容易にす
ると同時にボデイ本体２とロツク部材３による芯
線１９の挾持固定を確実なものとしている。

すなわち、円筒部３Ｂを内孔４に挿入して雄ね
じ部１６と雌ねじ５の螺合によりロツク部材３を
ボデイ本体２にねじ込んでいくと、前記内孔４の
底面２１に芯線１９の先端部１９ａが当接するた
め、該先端部１９ａは前記底面２１と円筒部３Ｂ
の先端部間で挾持固定され、しかも先端部１９ａ
を折り曲げて円筒部３Ｂの外周面に沿わせている
ので、コード１８に張力が加わつてもロツク部材
３から抜けることがない。

また、コード１８をロツク部材３の貫通孔１４
に挿通し、芯線１９の先端部１９ａを内孔４の底
面２１に該コード１８の軸線方向に押し付けてい
るので、ロツク部材３を回転操作した時、コード
１８は回転せず、単にその中心線を中心として僅
かに捩れるだけであるため、コード１８の湾曲変
形度合が前述したターミナルシヤフトの直径方向
に穿設された挿通孔に芯線を挿入してナツトで締
付けるようにした従来装置に比べて小さく、芯線
の損傷を少なくし得る。加えて、ロツク部材３の
貫通孔１４を大きく形成しておけば、外径の大き
いコード１８はもとより小さい外径のコードにも
共通使用し得る。

なお、多芯コードの場合、第３図に示すように
各芯線１９の先端部１９ａをばらしてラジアル方
向にほぼ均一に折り曲げ、重なりの粗密をなくし
ておけば、各芯線１９をほぼ同一条件で挾持固定
し得るため、コード１８が張力を受けた際、一部
の芯線１９に大きな張力が加わつたりせず、芯線
１９の断線を防止し得る。

また、上記実施例においては絶縁材で形成され
た外装ケース８にボデイ本体２を固定した場合を
図示したが、外装ケース８を金属板によつて形成
した場合には、ターミナル装置１との絶縁を計る
べく、絶縁性のスペーサ等が介在使用されるもの
である。

以上説明したように、この考案に係る電気機器
におけるターミナル装置は開口端面側に、内周壁
に雌ねじ部が形成された内孔を有し閉塞端面側に
電気機器に固定される装置固定部が設けられた有
底円筒状のボデイ本体と、このボデイ本体に分離
可能に螺着されるロツク部材とを備え、ロツク部
材を接続すべきコードの芯線挿通用の貫通孔が形
成された筒状のロツク操作部およびこのロツク操
作部と一体に連設され前記ボデイ本体の内孔に挿
入される円筒部で構成し、前記コードの円筒部よ
り突出する突出端を前記内孔の底面と円筒部の先
端との間で挾持固定するようにしたので、外径の
異なる各種コードを同一の条件で挾持することが
でき、またコードとロツク部材が同軸的に配置さ
れているので、締結時における極端な屈曲変形や
捩れを与えず、芯線の損傷、断線を防止し得る。
また、ボデイ本体とロツク部材とは、その内孔内
周壁に形成された雌ねじ部と、外周壁に形成され
た雄ねじ部との螺合により一体的に結合されるた
め、特にロツク、離脱操作、換言すれば取扱いお
よびコードの挿入、抜き出しも容易であるなど、
その実用的効果は非常に大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来のターミナル装置の例を示
す図、第２図はこの考案に係るターミナル装置の
一実施例を示す側面図、第３図は同装置の一部破
断分解側面図である。 １……ターミナル装置、２……ボデイ本体、３
……ロツク部材、３Ａ……ロツク操作部、３Ｂ…
…円筒部、４……内孔、６……閉塞端面、７……
装置固定部、８……外装ケース、１４……貫通
孔、１８……コード、１９……芯線、１９ａ……
芯線の先端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底筒状に形成され、開口端面側に、内周壁に
   雌ねじ部が形成された内孔を有し閉塞端面側に電
   気機器への装置固定部を一体構成してなるボデイ
   本体と、接続すべきコードの芯線挿通用の貫通孔
   が形成された筒状のロツク操作部およびこのロツ
   ク操作部と一体に連設され前記ボデイ本体の内孔
   に挿入される、外周壁に雄ねじ部が形成された円
   筒部で構成されるロツク部材とを具備してなり、
   前記円筒部を前記ボデイ本体の内孔に、前記雄ね
   じ部を前記雌ねじ部に螺入してこれらロツク部材
   およびボデイ本体をロツクし、前記円筒部の先端
   と前記内孔の底面との間で前記ロツク部材に挿通
   され円筒部より突出する前記芯線の折り曲げ部分
   を挾持固定するようにしたことを特徴とする電気
   機器におけるターミナル装置。