JPS6348875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は吸盤を所望の対象商品に取付けるため
の取付け構造に関するものである。

（従来技術） 台所用品、日用品等を壁面などに取付けるため
の手軽な手段として吸盤が良く使用されている
が、この吸盤自体を上記各種商品に取付けるにあ
たつて最も一般的に利用されているのが、いわゆ
る横ミゾ式といわれるものである。

この方式は、吸盤本体の裏面に、先端が若干外
方に膨らんだ突出部を持つ係止突起を一体的に突
出形成する一方、上記商品の背面あるいは商品を
支持するための支持板に、係止突起の突出部を係
止させるための瓢箪型の長孔を形成しておき、こ
の長孔の大径の通孔に係止突起を挿通させた後、
その位置を若干ずらして通孔と連通する小径の係
止孔に係止突起の突出部を係止させることによ
り、吸盤を取付けるようにしたものである。

しかしながら、この構造の場合、吸盤が取付け
られる商品の背面部内面あるいは支持板の内面に
係止突起の突出部先端が飛び出してしまい、不体
裁であるばかりでなく、殊に支持板の場合にはこ
の突出部によつて支持板内面と商品背面との間に
隙間が生じてしまい、支持が不安定となる。

こうした事態を回避するために実開昭57−
47984号公報には、吸盤の取付面に凹溝あるいは
凹部を設け、その窪んだ面に前記長孔を形成し
て、係止突起が取付面から突出しないようにした
考案が開示されている。

しかしながら、このような凹溝を設けた場合に
は次のような問題点を有する。

先ず、溝内にほこり等が溜り易く、不衛生とな
る。

また、吸盤を吸着させる際には通常係止突起の
先端を押圧して行うが、その操作がしづらくな
る。

また、吸盤の取付け状態において係止突起の先
端は、溝内にあるとはいえ従来と同様にその周縁
部が露出しているために、この部分が何かに引掛
かると係止孔から容易に脱落する可能性がある。
更にまた、吸盤によつて固定される台所用品等の
重量が係止孔の縁部を介して係止突起の軸部にの
みかかるために、従来と同様にこの軸部に負担が
かかりすぎる。

（目的） 本考案はこのような点に鑑み、取付け面正面側
に係止突起の先端が突出することがなく、それで
いて先端の押圧操作に支障がないばかりでなく、
ほこり等も溜りにくいなど前記した従来技術の欠
点を克服する吸盤の取付け構造を提供することを
目的とするもので、その特徴とするところは、吸
盤本体の裏面にキノコ状の係止突起を一体的に突
設する一方、台所用品の背面等の吸盤が取付けら
れる取付面に、上記係止突起の先端の膨出部が挿
通可能な通孔と、この通孔と連通し、かつ通孔よ
りも小径の係止孔とを貫通形成し、係止突起を上
記通孔に挿通した後、これをずらして係止突起の
軸部を係止孔に嵌め込むことによつて、吸盤を上
記取付面に着脱自在に取付けるようにした吸盤の
取付け構造において、上記取付面に両端が係止突
起の上記膨出部とほぼ同径の半円状を成す長孔を
設け、この長孔の一方の端部を上記通孔とする一
方、長孔の他方の端部の膨出部の厚み分だけの深
さ位置に膨出部の下面を受ける受け片を突設し、
この受け片に上記係止突起の軸部とほぼ同径の係
止孔を設けた点にある。

（実施例） 以下図示した実施例に基づいて本考案を詳細に
説明する。

第１図乃至第３図は本考案を商品の支持板に取
付けた場合の一実施例を示しており、先ず図中符
合１は液体洗剤の吐出器で、容器本体１１内部に
液体洗剤を充填し、その容器本体１１上面に取付
けられたエアー袋１２を押圧することによつて図
中右側のチユーブ管１３より内部の液体洗剤を吐
出させるようにしたものである。

２はこの液体洗剤吐出器１の支持板で、合成樹
脂材によつて断面Ｌ字状を成すように一体形成さ
れ、その底板部２１は上記吐出器１の奥行きとほ
ぼ同じ幅に形成され、前端には吐出器１の前面下
部を係止する立上がり片２２が一体的に形成さ
れ、背板部２３にはその端部寄りの左右対象位置
に２箇所、吸盤３取付け用の長孔４，４が穿設さ
れている。

この長孔４は、その上下端が係止突起先端の膨
出部の径とほぼ同径の半円状を成すように形成さ
れており、その下半分は通孔４１として、上半分
には後述する受け片４３が設けられている。通孔
４１は、吸盤本体３１の裏面に一体的に突出形成
された係止突起先端の膨出部３３が挿通可能な長
さを有する。また、受け片４３は、背板部２３の
内面側から見て係止突起３２の膨出部３３の厚み
とほぼ同じ深さ位置に形成されている。

そして、受け片４３には、上記通孔４１と連通
し、かつ係止突起の軸３４の径とほぼ同じ大きさ
の係止孔４２が形成されている。

尚、図中符合２４は、背板部２３の背面下端に
その長手方向に突出形成した突条で、吸盤３を介
してこの支持板２を壁面などに固定したときに、
壁面に接触して支持板２のグラつきを防止するた
めのものである。また、図示しないが、背板部２
３の背面上端にも、吸盤３と接触しない範囲内
で、この種の突条を設けるとなお一層効果的であ
る。

従つて、吸盤３の係止突起３２を、支持板２の
背板部２３外面側から通孔４１に挿通し、吸盤本
体３１を若干引つ張りつつ上側に持ち上げるよう
にしてその位置をずらすと、係止突起３２の受け
片４３の下部が二又状になつており、また長孔４
の横幅が膨出部３３の径とほぼ等しいことから、
軸部３４は係止孔４２にた易く嵌まり込み、最終
的には膨出部３３がその下面を受け片４３によつ
て支持されると共に上半分の外周縁を長孔４の上
端内面に隙間なく密着されて、吸盤３は背板部２
３に取付けられることとなる。

そして、この状態において、係止突起先端の膨
出部３３は、長孔４から突出せず、背板部正面と
面一状態を保持すると共に、長孔４の上端部に隙
間なく密着していることから、吸盤を取付けた後
に支持板２を所望の壁面などに固定する際、膨出
部３３を手指で無理なく押圧して吸着することが
可能となる。

また、係止突起３２が長孔の上半分に隙間なく
係止され、下半分は通孔４１として開放されるこ
とから、ほこり等も溜りにくいものとなる。

更に、このようにして壁等に固定された支持板
２に前記した吐出器１を装着すると、背板部２３
の内面に出張りがないことから、吐出器１は支持
板２に安定良く支持される。また、支持板２と吐
出器１の重量は係止孔４２の縁部と長孔４の上端
内面を介して吸盤３の係止突起全体にかかるた
め、係止突起の軸部３４にのみ負担がかかるとい
うこともない。尚、支持板２からの吸盤３の取外
しは従来と同様にして行えば良い。

上述した実施例では、商品を支持する支持板に
本考案を適用したが、本考案は、当然に、例えば
合成樹脂製の台所用品、家庭用日用品その他種々
の商品の背面部に直接適用できるものであり、ま
たその際の長孔も、部品に応じて横長孔とするこ
とも可能である。

（効果） 以上述べたように本考案によれば、次の効果を
奏する。

吸盤の係止突起が長孔の一方の端部内に取付け
面と面一に収容されるため、係止突起の膨出部が
取付け面から突出することがなくなつて、取付け
面に他の商品を装着する場合に商品裏面との間に
隙間を生じることなく取付けることができるばか
りでなく、吸盤の固定操作の際にも膨出部の押圧
を無理なく行うことができる。

係止突起が長孔の一端内に隙間なく密着係止さ
れ、長孔の他方の端部は通孔として開放されるか
ら、取付け面に凹部を設ける場合に比べてほこり
などが溜りにくい取付け構造を提供できる。

更に、係止突起は、長孔内で軸部を係止孔に係
止され、膨出部外周の約半分を長孔内縁によつて
保持されるので、膨出部にとつかかりがなくなつ
てその取付け状態を確実に保持できるものであ
り、また、吸盤によつて固定される商品の重量が
係止孔と上記長孔内縁を介して係止突起の膨出部
と軸部の両方にかかり、軸部に無理な負担がかか
ることもなくなる。

更にまた、長孔の両端が吸盤の係止突起の膨出
部とほぼ同径の半円状に形成され、長孔の一端内
に設けた受け片に係止突起の軸部を受け入れる係
止孔を形成してあるので、長孔の他端に設けられ
た通孔に係止突起の膨出部を挿通させた後、軸部
を係止孔に係止させる際、受け片下部の二又状の
部分が上記軸部を、また上記した長孔の一端の内
面が膨出部の外周をそれぞれ案内して、吸盤のス
ムースな取付けを可能とする利点をも有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図本考案の一実施例に係る取付け構造を液
体吐出器の支持板に適用した場合の支持板の全体
斜視図、第２図はその要部の拡大斜視図、第３図
は第１図の支持板を側面から見た断面図である。 図中符号１は吐出器、２は支持板、２３は背板
部、３は吸盤、３１は吸盤本体、３２は係止突
起、３３は膨出部、３４は軸部、４は長孔、４１
は通孔、４２は係止孔、４３は受け片をそれぞれ
示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 吸盤本体の裏面にキノコ状の係止突起を一体的
   に突設する一方、台所用品の背面等の吸盤が取付
   けられる取付面に、上記係止突起の先端の膨出部
   が挿通可能な通孔と、この通孔と連通し、かつ通
   孔よりも小径の係止孔とを貫通形成し、係止突起
   を上記通孔に挿通した後、これをずらして係止突
   起の軸部を係止孔に嵌め込むことによつて、吸盤
   を上記取付面に着脱自在に取付けるようにした吸
   盤の取付け構造において、 上記取付面に両端が係止突起の上記膨出部とほ
   ぼ同径の半円状を成す長孔を設け、この長孔の一
   方の端部を上記通孔とする一方、長孔の他方の端
   部の膨出部の厚み分だけの深さ位置に膨出部の下
   面を受ける受け片を突設し、この受け片に上記係
   止突起の軸部とほぼ同径の係止孔を設けたことを
   特徴とする吸盤の取付け構造。