JPS6348794Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は建物の壁に設ける出入口や窓等の開
口部における扉の取付け構造に関するものであ
る。

従来一般に扉を軸承する場合には蝶番を使用し
ていたが、蝶番の一片は開口部枠の枠内面に他片
は扉の端面に当接させて固着する関係で、蝶番の
軸部を扉が開く側へ突出させておかないと扉を開
くことがきないので、蝶番の軸部は露出させてあ
つて体裁上非常に見苦しく、またそのような構造
であるから、扉を開いた時には蝶番を取り付けた
部分の開口部枠と扉端面との間に隙間が開拡して
更に見苦しくなるばかりか、その隙間からも通気
し、浴室のように扉を開いた際に出来るだけ湯気
を逃したくない箇所には不適切な取付け構造であ
つた。

また、一般的に開口部枠には少なくとも扉軸支
側とは反対側の縦枠と上枠とに扉を受けるストツ
パー片を突設し、そのストツパー片に扉の框外面
と接合する気密材が装着されていたので、ストツ
パー片と扉の框外面との間に大きな段差が生じ、
この段差も体裁を損する原因となつていた。

この考案は上記のような欠点を解決し、扉の軸
承構造が露見しないようにすると共に、扉を開い
た際に軸承側で開口部縦枠との間に隙間が開拡し
なくその間が常時封じられているようにする一
方、扉の框外面と開口部枠との面一構造によつて
体裁を高めることを目的としたものである。

次にこの考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

廊下Ａと浴室Ｂとの間を仕切る建物壁１に設け
た開口部枠Ｃに扉Ｄを取り付け、扉Ｄを浴室Ｂ側
に開くようにしてあつて、開口部枠Ｃの左右縦枠
２，３及び上下枠４，５、扉Ｄの左右縦框６，７
及び上下框８，９にはそれぞれアルミニウム合金
の押出し形材が使用されている。

そのうち開口部枠Ｃは、扉Ｄの軸承側縦枠２の
廊下Ａ側端に枠内向突縁部１０を設け、他方の縦
枠３及び上枠４の同側端には扉Ｄを受けるストツ
パー片１１，１１を突設し、枠内向突縁部１０及
びストツパー片１１の外面１０ａ，１１ａを縦枠
２，３や上枠４の外面２ａ，３ａ，４ａと面一に
形成してある。また突縁部１０及びストツパー片
１１の各先端部に浴室Ｂ側に向けて溝部１２，１
３を設け、各溝部１２，１３に扉Ｄとの隙間を封
じる気密材１４，１５が嵌着されている。

また上下枠４，５には扉Ｄの軸承側端部位置に
扉Ｄの支持板１６，１６をビス１７で固着し、両
支持板１６，１６にひ相対向する軸１８を突設
し、軸１８の基端部にはそれより径の大きい軸基
部１９が設けられている。そして前記枠内向突縁
部１０には軸１８を中心とする円弧形凹曲面２０
が形成されている。

次に扉Ｄは、各框６，７，８，９に芯材２１の
端部を挟み付ける１対の挟持片２２，２２を設
け、またその外側に化粧板２３，２３を挟持片２
２，２２に押し付けて保持する１対の押縁片２
４，２４が設けてある。なお芯材２１にはハニカ
ムボードや発泡スチロール等の断熱材を用いるの
が望ましい。更に軸承縦框６については、中心部
に芯材２１方向に彎曲する半円弧形断面の内部壁
２５を設け、扉端面壁２６を反対に外側へ彎曲す
る半円弧形の凸曲面に形成してある。

そしてこの軸承縦框６の上下両端部に軸１８，
１８が嵌まる軸受２８，２８を設けてあり、その
軸受２８は中心部に軸孔２７を有する略円筒形
で、縦框６の彎曲した内部壁２５に嵌めてビス２
９で固着してある。

また他方の縦框７と上框８には開口部枠Ｃのス
トツパー片１１が当たる位置に縁欠部３０を設
け、扉Ｄを閉じるとその廊下Ａ側外面３１が建物
壁１の外面３２とほゞ面一となるように構成され
ている。更に扉Ｄには目立たない凹んだ取つて３
４が設けられている。

なお扉Ｄの縦框６，７と上下框８，９との連結
関係で、縦框６，７の挟持片２２，２２の上下両
端部を切欠いてあり、このようにすると第４図に
示すように軸承縦框６に軸受２８をビス２９で止
める際にそのビス２９の螺入操作を容易にでき
る。

また図中３５は浴室Ｂとその隣室Ｅとの仕切壁
であつて、一点鎖線で示すように扉Ｄは約90度に
開くようになされている。

この考案実施例の扉の取付け構造は上記構成で
あつて、扉Ｄの回転軸１８は軸承縦框６の中心部
に有し且つその軸承縦框６の扉端面壁２６は軸１
８を中心とする円弧形凸曲面に形成されているの
で、扉Ｄを開閉して軸承側縦枠２との間の隙間３
６の巾が変化することはなく常に一定であり、軸
承側縦枠２の枠内向突縁部１０に装着されている
気密材１５は扉Ｄがいかなる回転角度においても
常に軸承縦框６の扉端面壁２６と接合しているも
のである。

この考案は以上に説明した如く扉の軸承縦框の
中心部に回転軸を設けたので、蝶番を用いる場合
とは違つて扉の軸承構造を外部から見えないよう
にすることができ、また扉の軸承縦框の扉端面壁
を回転軸を中心とする円弧形凸曲面に形成し、開
口部の軸承側縦枠に突設した枠内向突縁部に扉端
面壁と常時接合する気密材を装着したので、扉を
開いてもその軸承側で開口部縦枠と扉との間に隙
間が開拡することがない。

このように、扉の軸承構造が露見しなく、しか
も、扉の框外面が開口部枠の枠内向突縁部および
ストツパー片と面一になるように構成されている
ため、体裁は至つて良好である。

また、扉を開いた際の通気量を出来るだけ少な
くでき、特に厳寒期に少しも湯気を逃したくない
浴室等の扉の取付け構造に特に適している等の優
れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は廊
下側から浴室扉を見た斜視図、第２図は第１図Ｘ
−Ｘ線矢視の断面図、第３図はＹ−Ｙ線矢視断面
図、第４図は軸受の取付け状態を示す軸承縦框下
端部の横断面図、第５図は軸承縦框、軸受け、支
持板の関係を示す分解斜視図である。 Ａ……廊下、Ｂ……浴室、Ｃ……開口部枠、１
……建物壁、２，３……縦枠、４，５……上下
枠、６，７……縦框、８，９……上下框、１０…
…枠内向突縁部、１１……ストツパー片、１４…
…気密材、１８……回転軸、２５……軸承縦框の
内部壁、２６……扉端面壁、２８……軸受け、３
０……縁欠部、３１……扉の外面、３２……建物
壁の外面、３４……取つ手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物壁の開口部枠に扉を開閉可能に軸承した扉
   の取付構造において、扉の軸承縦框の中心部に扉
   の回転軸を設け、その軸承縦框の扉端面壁を回転
   軸を中心とする円弧形凸曲面に形成し、開口部枠
   の扉軸承側縦枠に扉の閉じる側端部より枠内向突
   縁部を突設し、枠内向突縁部に軸承縦框の扉端面
   壁と常時接合する気密材を装着し、さらに他方の
   縦框と上框には開口部枠のストツパー片が当たる
   位置に縁欠部を設け、扉を閉じると前記軸承縦
   框、他方の縦框及び上框の外面に前記枠内向突縁
   部及びストツパー片が面一になるように構成した
   扉の取付け構造。