JPS6348686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 産業上の利用分野 この考案は、金属製、特にアルミ合金製の鋳造
物にかかるものであり、特に食器等に効果的に適
用される和紙調のシワ付鋳造物に関するものであ
る。

(b) 従来の技術 従来の食器類は、陶器製、ガラス製、プラスチ
ツク製、あるいは金属製のものとしてよく知られ
ている。通常、その大半を占める陶器製およびガ
ラス製の食器類は、取扱いおよび使用時に破損し
易いという最大の難点を有している。一方、前記
プラスチツク製の食器類は、上記する欠点は解消
されるものの重厚感に乏しく、きわめて軽易な商
品となるものであつた。さらに、前記金属製の食
器類は、表面が平坦な金属面によつて形成される
ために、きわめて硬い質感のメタリツク調のもの
として提供され、軟調的質感をもちあわせておら
ず、陶器製の食器類とならべた場合、調和性に欠
けるという難点を有していた。

(c) 考案が解決しようとする問題点 そこで、この考案の目的は、経済的にほとんど
従来の製品とかわることなく安価に形成され、し
かも、高強度性の金属製品でありながら、表面を
和紙調のシワ付模様によつて成形処理すること
で、軟調性質感をもたせた食器類に有効に適用さ
れる和紙調のシワ付鋳造物を提供することにあ
る。

(d) 問題点を解決するための手段 この考案は、上述する目的を達成するにあたつ
て、具体的には、アルミ合金鋳造物であつて、該
鋳造物の原型体を、表面シワ付け状態で固型化し
た和紙材によつて形成して成る和紙調のシワ付鋳
造物である。

(e) 実施例の説明 以下、この考案にかかる和紙調のシワ付鋳造物
について、図面に示す具体的な実施例にもとづい
て詳細に説明する。

この考案に成る鋳造物は、皿等の食器類、ある
いは花びん等の室内装飾品類に対して特に有効に
適用されるものであるが、何らこれらの鋳造物に
のみ限定されるものではない。

まず、この考案では、鋳造の目的対象物と同一
の形状の原型体１を作成する。この考案の特徴と
するところは、前記原型体１が和紙材によつて成
形されていることにある。和紙材は、表面シワ付
状態で、たとえば樹脂、ホルムアルデヒド、にか
わ、糊、ポリビニル樹脂エマルジヨン等の適当な
結合材によつて固型化される。次いで、前記固型
化された原型体１から鋳型２が作成される。前記
鋳型２は、一般的には砂型によつて成形され、そ
れ以外、金型あるいは特殊耐火物製鋳型であつて
もよい。さらに前記鋳型２に対し、溶融状態のア
ルミ合金材を注入して擬固させ、目的とする鋳造
物３を鋳造成形する。このようにして鋳造され
た、表面に和紙調のシワ付鋳造物は、バフ研磨に
より研磨処理された後、アルマイト処理される。
前記アルマイト処理は、アルミニウム上に耐食性
酸化被膜を形成し、耐食性および美観性を図る目
的でなされる。鋳造物が食器等のように美観を重
要視するものにおいては、銀色等の着色アルマイ
ト処理が有効である。

(f) 考案の効果 以上の構成に成るこの考案の和紙調のシワ付鋳
造物は、アルミ合金製の鋳造物であるので、機械
的強度はきわめて高く、かつ軽量であり、耐久性
ならびに取扱い性の面においてきわめて有利であ
る。一方、この考案に成る和紙調のシワ付鋳造物
は、原型体を和紙材としたことにより、表面に和
紙調のシワ付立体模様が表現され、食器等に適用
した場合、軟調性で質感があり、かつ変化性に富
んだ鋳造食器として提供し得る点においてきわめ
て実効の高いものであるといえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一例に成る和紙調のシワ
付鋳造皿の概略的斜視図、第２図は、原型体と鋳
造物との関係を示す側断面図である。 １……原型体、２……鋳型、３……鋳造体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) アルミ合金鋳造物であつて、該鋳造物の原型
   体を、表面シワ付け状態で固型化した和紙材に
   よつて形成して成ることを特徴とする和紙調の
   シワ付鋳造物。 (2) 前記アルミ合金鋳造物を、バフ研磨し、アル
   マイト処理して成ることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第(1)項に記載の和紙調のシワ付
   鋳造物。