JPS6348466Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、自動車の車体外側部に露出状態で取
付けられている予備タイヤを保護するためのカバ
ーに関する。

【従来の技術】

予備タイヤは、車種によつてトランクケース内
に収容するとか、或いは車体外側部に取付ける
が、特に、後者の車体外側部に予備タイヤを取付
けた場合には、袋状に形成したレザー製のカバー
を予備タイヤに被着し、雨や走行中に跳ね上げら
れた泥による汚れを防止している。

【考案が解決しようとする問題点】

レザー製のカバーを用いた場合には、予備タイ
ヤに被着したり予備タイヤから取外す操作が簡単
にできる反面、不心得者のいたずらによつてカバ
ーが外され、予備タイヤは空気を抜かれるとか傷
をつけられたりすることが往々にしてあり、ま
た、使用されるカバーの生地によつては耐久性に
乏しく、保形性がないために皺等が生じたりし
て、装着時の体裁が非常に悪くなるといつた問題
がある。

【問題点を解決するための手段】

本考案は上記の点に鑑みて、カバー体の素材と
して保形性を有する剛性板を用い、この剛性板に
よつてタイヤの踏面全周を被覆できるリング状の
周面カバー体と、この周面カバー体の片面側に接
合できる側面カバー体を形成し、全体として保形
性に優れていると共に耐久性に富み、装着時の体
裁を著しく向上できることは勿論のこと、外部か
ら与えられる汚れや損傷等から予備タイヤを完全
に保護できる自動車の予備タイヤ用カバーの提供
を企図したものであつて、その目的はタイヤの踏
面全周を被覆できる形態のリング状に形成された
保形性を有する周面カバー体と、この周面カバー
体の片面側に接合できる形態に形成された保形性
を有する側面カバー体を備え、上記周面カバー体
は各々の一端が蝶番着されて互いに開閉自在であ
る２個のカバー半体により形成して、この両カバ
ー半体の自由端側には止め具を取付けると共に、
該両カバー半体の両周縁はタイヤの両側面にそれ
ぞれ当接できる内向きに折曲げた内外の接合縁に
形成し、一方、上記側面カバー体の周縁は上記接
合縁のうちの外側接合縁に内接できる鍔部に形成
して成るカバーにより達成される。

【実施例】

以下に、本考案の実施例を添付図面を参照しな
がら説明すると、周面カバー体１はタイヤＴの踏
面全周を被覆できる形態のリング状に形成され、
この周面カバー体１は保形性を有する２個のカバ
ー半体２，３の各々一端２ａ，３ａを蝶番１１着
すると共に、それらの自動端２ｂ，３ｂを止め具
１２によつて結合自在とした構造である。各カバ
ー半体２，３の両周縁はタイヤＴの両側面部分に
それぞれ当接できるように内向きに折曲げた内外
の接合縁４，５に形成されており、タイヤＴに装
着したときに外側となる外側接合縁５にはほぼＬ
字状に延長された段部６を連設してある。一方、
周面カバー体１の片面側に接合できる形態とされ
た側面カバー体７は全体が凹面状であつて、その
周縁は前記外側接合縁５の段部６と対応した形状
であるＬ字状に折曲がつた鍔部８に形成され、こ
の鍔部８が段部６に内接してタイヤＴの側面との
間に挾着自在とされている。 以上の構成によれば、第３図に示す如く車体外
側部Ｂにボルトｂを用いた通常の取付け手段によ
り取付けられているタイヤＴの踏面上に周面カバ
ー体１を被着し、次に側面カバー体７を、その鍔
部８をタイヤＴと周面カバー体１の外側接合縁
（具体的には段部６）５との間に差し込んで装着
した後、止め具１２を操作して周面カバー体１を
構成する両カバー半体２，３の自由端２ｂ，３ｂ
を結合することにより、本カバーをタイヤＴ上に
強固に取付けできる。この場合、周面カバー体１
側の内外両接合縁４，５がタイヤＴの両側面に当
接すると同時に、外側接合縁５の段部６に側面カ
バー体７の鍔部８が内接して保持されるため、そ
の装着状態は確定して外れる必配がない。 なお、周面カバー体１と側面カバー体７は軽量
性と成形性及び剛性等を考慮してABC樹脂等の
硬質合成樹脂によつて形成するのが好ましく、ま
た、周面カバー体１の内面にポリウレタンフオー
ム等の弾性体１３を部分的乃至は全面的に接着し
ておけば、本カバーをタイヤＴに装着したとき、
タイヤ空気圧の変動に関係なくその密着性が向上
し、装着時のガタつきを防止できる。しかして、
両カバー半体の結合に用いられる止め具１２は、
リング１２ａを取付けた締め片１２ｂを止める耳
片１２ｃを設けてある通常の止め具を用いること
ができ、その止着時にナンキン錠等を用いて耳片
１２ｃを錠止できるようにする。

【考案の効果】

本考案は上記の如くであつて、周面カバー体を
構成する２個のカバー半体は蝶番を軸として互い
に開閉自在であるから、周面カバー体のタイヤに
対する装着及び取外し操作は非常に簡単であつ
て、側面カバー体を差し込んで止め具により両カ
バー半体を結合すれば、タイヤを完全に被覆した
カバーの装着状態は確定する。また、カバー全体
は保形性があつて取扱い易く、装着時の体裁も良
好であつて装飾性を高めることができると同時
に、不心得者のいたずらや汚れ等からタイヤを完
全に保護することが可能であり、しかも、外径が
ほぼ同一のタイヤであれば、タイヤ側の取付け金
具に拘束されないで使用できる共用性を発揮でき
る等、その実用的価値は極めて多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
斜視図、第２図は要部を拡大した斜視図、第３図
はタイヤ装着時の断面図である。 図中、１は周面カバー体、２，３はカバー半
体、２ａ，３ａは一端、２ｂ，３ｂは自由端、
４，５は内外の接合縁、６は段部、７は側面カバ
ー体、８は鍔部、１１は蝶番、１２は止め具であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) タイヤの踏面全周を被覆できる形態のリング
   状に形成された保形性を有する周面カバー体
   と、この周面カバー体の片面側に接合できる形
   態に形成された保形性を有する側面カバー体を
   備え、上記周面カバー体は各々の一端が蝶番着
   されて互いに開閉自在である２個のカバー半体
   により形成して、この両カバー半体の自由端側
   には止め具を取付けると共に、該両カバー半体
   の両周縁はタイヤの両側面にそれぞれ当接でき
   る内向きに折曲げた内外の接合縁に形成し、一
   方、上記側面カバー体の周縁は上記接合縁のう
   ちの外側接合縁に内接できる鍔部に形成して成
   ることを特徴とする自動車の予備タイヤ用カバ
   ー。 (2) 周面カバー体側の外側接合縁には側面カバー
   体の鍔部が内接できるほぼＬ字状に延びた段部
   を連設して成ることを特徴とする前記実用新案
   登録請求の範囲第(1)項記載の自動車の予備タイ
   ヤ用カバー。