JP3595962B2 - スペアタイヤ用カバー - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車のスペアタイヤを保護するカバー、殊に、悪路走行用の車両に用いられているような車体の外側に露出させた状態で取り付けられているスペアタイヤのカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、悪路走行用の自動車に用いられているタイヤは、通常の自動車に使用されているものに比べて大径且つ幅広であり、スペアタイヤをトランクルーム内に収容することは困難であり、また、悪路走行時には舗装路走行する場合に比べてパンクなどによるタイヤ交換の頻度が高い。
【0003】
そこで、悪路走行用の自動車では、スペアタイヤは車両の外側に露出させた状態で取り付けられている。
【0004】
そして、このような手段により車体に取り付けられたスペアタイヤ用のカバーとしてレザー製のカバーが一般に用いられていたが、レザー製のカバーが有する保形性の悪さや耐久性の低さなどの欠点を解消するものとして実公昭63−48466号広報に提示されたものが知られている。
【0005】
このスペアタイヤ用カバーは、図7に示すように、スペアタイヤ1のトレッド部11およびショルダー部12を覆う硬質樹脂製にして保形性を有する二分割された周面カバー部材21,22を蝶番23で連結させ、その自由端21a,22aを係止具24により連結させる構成の周面カバー体2と、周面カバー部材2の外側の周縁25に沿って形成される中空部を塞ぐ円板状の側面カバー体3とからなり、車体の後面に取り付けられたスペアタイヤ1のトレッド部11およびショルダー部12を二つの周面カバー部材21,22からなる周面カバー体2で覆うとともに、側面カバー部材4をスペアタイヤ1と周面カバー部材2の段部21b,22bとの間に差し込んで、係止具24により二つの周面カバー部材21,22を連結させることにより装着させるものである。
【0006】
従って、周面カバー体2ならびに側面カバー部材3が保形性を有することから、レザー製のスペアタイヤ用カバーのようにカバーが簡単に外されたり、損傷したりすることがなく、スペアタイヤの保護が確実で耐久性に富むなどの利点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のスペアタイヤ用カバーは、周面カバー体2が分割された周面カバー部材21,22を蝶番23で互いに連結させ、その自由端21a,22aに係止具24を設けた構成を有しており、全体として剛性が充分でないとともに、連結部分から雨水や泥水などが内部に侵入しやすいなどタイヤの保護が完全でない。
【0008】
また、複数の連結部分が周面カバー体2の上面或いは側面に位置することになり、美観を損なうばかりか、二分割された周面カバー部材21,22を蝶番23で連結させるということは、それだけ製作の上で手間がかかるなど、多くの問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は斯る課題を解決するためになされたものであり、第一の発明は、スペアタイヤのトレッド部およびショルダー部を覆うリング状の周面カバー体からなるスペアタイヤ用カバーにおいて、前記周面カバー体が適宜の剛性と弾性とを有する材料により一箇所に開放箇所を有して継ぎ目なく一体的に形成されているとともに、前記周面カバー体の開放箇所における一方の開放端に付設された係止爪を前記もう一方の開放端において円周方向に向けて複数形成された前記係止爪の係止孔に選択して係止することにより係止位置を周面カバー体における円周方向に調節可能とした構成、第二の発明は、スペアタイヤのトレッド部およびショルダー部を覆うリング状の周面カバー体と、前記周面カバー体の一方の周縁に沿って形成される中空部を塞ぐ円板状の側面カバー体とからなるスペアタイヤ用カバーにおいて、前記周面カバー体が適宜の剛性と弾性とを有する材料により一箇所に開放箇所を有して継ぎ目なく一体的に形成されているとともに、前記周面カバー体の開放箇所における一方の開放端に付設された係止爪を前記もう一方の開放端において円周方向に向けて複数形成された前記係止爪の係止孔に選択して係止することにより係止位置を周面カバー体における円周方向に調節可能とした構成を有している。
【0010】
また、前記各発明において、側面カバー体をステンレススチール板により形成する場合には更に好ましい。
【0011】
【作用】
周面カバー体を分割体でなく一体的に形成することにより製造を容易にするとともに、装着したときに全体として剛性が発揮され、また、複数の継目が露出しないため外観上の美観に優れ、殊に、係止具を下側に配置して装着することにより周面カバー体に継目が露出せず美麗であるとともに、雨水が内部に侵入するのを防止する。
【0012】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1および図2は第一の発明における一実施例を示すものであり、スペアタイヤ1のトレッド部11およびショルダー部12を覆う周面カバー体2から構成されている。
【0014】
更に詳しく説明すると、周面カバー体2は、所定の大きさに裁断された例えば厚さ0.8mm程度の帯状のステンレススチール板を一箇所に開放箇所26を有してリング状に且つスペアタイヤ1におけるトレッド部11を覆う幅広のカバー部27およびこのカバー部27の両縁にスペアタイヤ1におけるショルダー部12を覆う幅狭な縁部28,28をそれぞれ連接して断面ほぼコ字形に屈曲させて一体的に形成されている。
【0015】
また、周面カバー体2の表面には鏡面加工が施されており、縁部28,28の周縁25,25ならびに開放箇所26における両開放端29,29には身体や車体などへの損傷を防ぐとともに、密に接続するための合成ゴム材や合成樹脂材により形成されたパッキン51ならびに52,52がそれぞれ装着されている。
【0016】
更に、開放箇所26における両開放端29,29には開放箇所26を開閉自由に連結するための係止具24が設けられている。
【0017】
かかる構成を有する本実施例を車体4に取り付けられたスペアタイヤ1に装着するには図2に示すように両開放端29,29を開放させた状態の周面カバー体2をスペアタイヤ1に被せ、係止具24により開放箇所26を閉じればよい。
【0018】
かかる構成を有する本実施例は、周面カバー体2が分割体を連結したものでなく一体的に形成されているため連結部分が一箇所であるため強度的に優れていることは云うまでもなく、殊に、連結部分を真下にして装着した場合には連結部分の露出がなくなり、きわめて美麗であるとともに、雨水や泥水などが内部に侵入するという心配もない。
【0019】
また、周面カバー体2は例えば、硬質の合成樹脂材や鋼板など適宜の剛性と弾性とを有する材料により形成可能であるが、ステンレススチールにより形成することにより、大きな剛性ならびに耐久性と、著しい美観とを発揮させることができ、殊に、表面を鏡面加工した場合にはより一層の美観が期待できる。
【0020】
殊に、本実施例は外側の周縁25に沿って形成される中空部6にスペアタイヤ1のホィール7部分が露出する。
【0021】
従って、ホィール7がアルミホィールやメッキホィールなどのように装飾性の高いものにあってはその装飾美と本実施例のスペアタイヤ用カバーの装飾性とが相俟って装飾性をより一層向上させることができるものである。
【0022】
図3乃至図6は、第二の発明における一実施例を示すものであり、スペアタイヤ1のトレッド部11およびショルダー部12を覆う周面カバー体2と、周面カバー体2の外側の周縁25に沿って形成される中空部6を塞ぐ円盤状のカバー体3とから構成される。
【0023】
そして、周面カバー体2は、前記第一の発明とほぼ同様の構成を有しているが、開放カ所6における両開放端29,29に設けられている開放個所6を開閉自由に連結するための係止具24が、一方の開放端29に付設された係止爪24aを有する例えば鍵孔付きの係止部24bと、もう一方の開放端29に周面カバー体2における円周方向に向けて複数形成された前記係止爪24aの係止孔24cとからなり、係止孔24cを選択することにより係止位置を周面カバー体2における円周方向に調節することが可能である。
【0024】
一方、周面カバー体2の外側の周縁25に沿って形成される中空部6を塞ぐ円板状の側面カバー体3は、例えばABS樹脂などのような硬質の合成樹脂によりスペアタイヤ1の外径に合わせた径を有する円板状に形成され、必要であれば表面に塗装を施し、さらには模様やロゴなどを描くか、模様やロゴなどが描かれたステッカーなどを貼着するとよい(図示せず)。
【0025】
かかる構成を有する本実施例を車体4に取付けられたスペアタイヤ1に装着するには、まず、両開放端29,29を開放させた状態の周面カバー体2をスペアタイヤに被せる。
【0026】
このとき、開放箇所26が真下になるように被せるとよい。
【0027】
そして、側面カバー体3をスペアタイヤ1の側面に同心状態で重ね合わせ、周面カバー体2の縁部28とスペアタイヤ1のショルダー部12とで挟み込み、一方の開放端29に形成された係止部24bの係止爪24aを他方の開放端29に適宜の係止孔24cに係止して係止具24を閉じればよい。
【0028】
かかる構成を有する本実施例は周面カバー体2が分割体を連結したものでなく一体的に形成されているため連結部分が一箇所であるため強度的ならびに美感に優れていることは云うまでもなく、殊に連結部分を真下にして装着した場合には連結部分の露出がなくなり、きわめて美麗であるとともに、雨水や泥水などが内部に侵入するという心配もない。
【0029】
また、本実施例は、前記実施例と異なり周面カバー体2だけでなく側面カバー体3によりスペアタイヤ1を保護するだけでなく、装飾性に乏しいスペアタイヤ1であっても美観を発揮させることができるものである。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明は、周面カバー体が分割体を連結したものでなく一体的に形成されているため剛性が高く、連結部に雨や泥水などが侵入することもなく耐久性にも富むばかりか、装飾的にも優れており、周面カバー体と側面カバー体とを用いる場合にはスペアタイヤを完全に覆うことが可能であり、側面カバー体を用いない場合にも保護機構と装飾機能とを充分に発揮することができる。
【0031】
また、周面カバー体がステンレススチール板により形成されている構成とした場合には優れた耐久性ならびに美観を発揮させることができるものである。
【0032】
更に、係止具の係止位置が周面カバー体における円周方向に調節可能である構成とした場合には、確実にスペアタイヤに装着することができるため走行中にがたついたり外れたりする心配もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した実施例の使用状態を示す説明図である。
【図3】第二発明の一実施例を示す斜視図である。
【図4】図3のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図5】図3の拡大部分図である。
【図6】図3に示した実施例の使用状態を示す説明図である。
【図7】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スペアタイヤ
2 周面カバー体
3 側面カバー体
6 中空部
11 トレッド部
12 ショルダー部
24 係止具
25 周縁
26 開放箇所
29 開放端
Claims (2)
- スペアタイヤのトレッド部およびショルダー部を覆うリング状の周面カバー体からなるスペアタイヤ用カバーにおいて、前記周面カバー体が適宜の剛性と弾性とを有する材料により一箇所に開放箇所を有して継ぎ目なく一体的に形成されているとともに、前記周面カバー体の開放箇所における一方の開放端に付設された係止爪を前記もう一方の開放端において円周方向に向けて複数形成された前記係止爪の係止孔に選択して係止することにより係止位置を周面カバー体における円周方向に調節可能としたことを特徴とするスペアタイヤ用カバー。
- スペアタイヤのトレッド部およびショルダー部を覆うリング状の周面カバー体と、前記周面カバー体の一方の周縁に沿って形成される中空部を塞ぐ円板状の側面カバー体とからなるスペアタイヤ用カバーにおいて、前記周面カバー体が適宜の剛性と弾性とを有する材料により一箇所に開放箇所を有して継ぎ目なく一体的に形成されているとともに、前記周面カバー体の開放箇所における一方の開放端に付設された係止爪を前記もう一方の開放端において円周方向に向けて複数形成された前記係止爪の係止孔に選択して係止することにより係止位置を周面カバー体における円周方向に調節可能としたことを特徴とするスペアタイヤ用カバー。
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JPH08150964A JPH08150964A (ja) | 1996-06-11 |
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1994
- 1994-11-30 JP JP32134094A patent/JP3595962B2/ja not_active Expired - Fee Related
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