JPS6347472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はフイルムをパネルに付着させるための
ラミネータに用いられるフイルム仮付け部材に関
する。

従来の技術 フイルムをパネルに付着させるためのラミネー
タは従来から知られている。例えば特開昭52−
14876号公報に開示されたラミネータにおいては、
フイルム付着作業開始時に、フイルム仮付け部材
の吸着面にフイルム先端部を真空吸着してこれを
保持しながらパネルに近づけ、パネル前端部にフ
イルム先端部を仮付けし、その後、仮付けされた
フイルムとともにパネルを一対の圧着ロール間に
搬送させ、フイルムをパネルに付着させるように
している。

特願昭58−82241号の明細書および図面には、
さらに改良されたラミネータが開示されている。
このラミネータにおいては、フイルム仮付け部材
を支持するブロツク部材が、パネルに付着中の走
行する連続フイルムと同一の速度および方向でフ
イルム仮付けステーシヨンに近接移動できるよう
になされており、したがつて、フイルムをフイル
ム仮付け部材の吸着面に真空吸着させた状態で上
記ブロツク部材に取付けたカツターにより上記近
接移動中にフイルムを横方向に切断すればフイル
ム付着作業を中断させることなく、連続フイルム
をパネルの大きさに合せて所望のフイルムシート
とすることができる。

このようにフイルム仮付け部材は、フイルム仮
付け時および切断時において該フイルムを真空吸
着して保持する役割を果たす。

従来のフイルム仮付け部材ａは、第１図および
第２図に示すように吸着面ｂが平面とされてい
た。該吸着面ｂには真空吸引用の孔ｃがフイルム
ｄの幅方向に沿つて複数列設けられている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、フイルムの種類によつては、こ
のような平面状の吸着面によるフイルムの吸着保
持が必ずしも十分ではなく、したがつてフイルム
仮付け時にフイルムがずれて仮付け不良を起こす
可能性がある。

そこで本考案の目的は、どのような種類のフイ
ルムでもずらすことなく確実に吸着保持できるフ
イルム仮付け部材を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本考案は、フイルム仮付け部材の吸着面をフイ
ルム長手方向に沿つて凹凸形状とすることによつ
て上記問題点を解決する。

作 用 本考案によるフイルム仮付け部材は、フイルム
先端部をパネル前端部に仮付けする際、およびフ
イルムを切断する際にフイルムを吸着保持する
が、そのときフイルムは吸着面のフイルム長手方
向に沿つた凹凸形状にならうように吸着される。

実施例 第３図ないし第６図は、本考案によるフイルム
仮付け部材を備えたラミネータを示し、フイルム
仮付け部材以外は前述した特願昭58−82241号の
明細書および図面に開示されたものと同様であ
る。

ラミネータ１は両側に側板状の支持部材２（一
方のみを図示）を有しており、支持部材２間には
連続フイルム３を巻いた供給ロール４が装架され
ている。各支持部材２に固定されたガイドレール
５にはプレート状のブロツク部材７が上下動可能
に取付けられている。本考案によるフイルム仮付
け部材８はブロツク部材７間に設けられている。
フイルム仮付け部材８は、各ブロツク部材７に一
端を取付けられたピストンシリンダ機構９の他端
によつて両側を指示され、該ピストンシリンダ機
構９の作動により、各ブロツク部材７の下部に設
けたカム溝１０に沿つて移動可能とされている。
一方、各ブロツク部材７は、各支持部材２に設け
たスプロケツト１１のまわりに張設された無端チ
エーン１２に連結されているので、ブロツク部材
７はフイルム仮付け部材８とともにチエーン１２
の作動によりラミネータ１のフイルム仮付けステ
ーシヨン１３に対して近接および離反移動が可能
である。

第７図ないし第９図に詳細に示すように、フイ
ルム仮付け部材８の吸着面にはフイルム３の長手
方向に対して横方向に延びる溝１４が形成されて
おり、真空吸引用の孔１５が凸部および凹部の双
方に設けられている。孔１５は図示しない真空発
生装置に連通されており、縦方向の各列ごとに選
択的に作動できるよう弁制御されている。

フイルム仮付け部材８は、第１０図に示すよう
にフイルム長手方向に対して横方向に延びる突起
１６を形成することにより吸着面を凹凸形状とし
てもよい。

作動時において、ローラコンベアのような搬送
装置によつて運ばれてきたパネル１７は、前端部
がフイルム仮付けステーシヨン１３の位置に到達
した時点で停止される。第７図に詳細に示すよう
に吸着面の凹凸形状に沿つてフイルム３の先端部
に吸着保持したフイルム仮付け部材８は、第４図
に示すように下降せしめられ、フイルム３の先端
部をパネル１７の前端部に仮付けする。

仮付けが終了すると、フイルム仮付け部材８は
吸着作用を停止して後方に移動する。同時にチエ
ーン１２が駆動され、ブロツク部材７がフイルム
仮付け部材８とともにフイルム仮付けステーシヨ
ン１３から離反した位置に遠ざけられる（第５図
を参照）。そして再びパネル搬送装置が作動され、
フイルム３は、支持部材２間に両端を支持されて
回転する一対の圧着ロール１８間においてパネル
１７上に圧着されてゆく。このとき、フイルム仮
付け部材８の真空吸引作用は停止されており、し
たがつて吸着面は第８図に詳細に示すように、凸
部の上面にてフイルム３を円滑に案内する。

連続したフイルム３をパネル１７の長さに合せ
た大きさのフイルムシートに切断するため、パネ
ル１７の後端を感知するセンサ等からの信号を受
けて所定の時点でチエーン１２が駆動され、ブロ
ツク部材７がフイルム仮付け部材８とともにフイ
ルム３の走行速度すなわち圧着ロール１８の回転
周速度と同じ大きさの速度でフイルム仮付けステ
ーシヨン１３に向けて近接移動せしめられる（第
６図を参照）。このときフイルム仮付け部材８の
真空吸引作用は再開され、フイルム３は吸着面の
凹凸形状に沿つて吸着保持される。上記近接移動
中に、ブロツク部材７の下端に取付けられたカツ
ター１９がガイドバー２０上をフイルム仮付け部
材８に対して横方向に移動せしめられ、フイルム
３を切断してパネル１７の大きさに合せた所定長
さのフイルムシートとする。圧着ロール１８はそ
の後も回転しつづけ、フイルムシートをパネル１
７上に完全に圧着する。一枚のパネルを圧着しお
わつたのち、フイルム仮付け部材８は、フイルム
３の新たに先端部となつた部分を吸着保持しなが
ら次のパネルへの仮付けに備えて待機する。

考案の効果 本考案のフイルム仮付け部材によれば、フイル
ムは吸着面のフイルム長手方向に沿つた凹凸形状
にならうように吸着保持されるので、従来のよう
に平坦な吸着面で吸着保持する場合と比較して保
持力が格段にすぐれており、したがつて、どのよ
うな種類のフイルムを用いてもフイルム仮付け時
にフイルムがずれて仮付け不良を起こす心配はな
い。

また、ラミネータにおけるフイルムは一般的に
長手方向（走行方向）にタテジワが生じやすい
が、フイルム仮付け部材の吸着面を本考案のよう
に構成することにより、連続したタテジワをフイ
ルム仮付け部材の吸着面でいつたん断ち切ること
ができるので、パネル上へのタテジワの影響はほ
とんどなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフイルム仮付け部材の側面図。
第２図は同じく断片斜示図。第３図は本考案によ
るフイルム仮付け部材の一実施例を備えたラミネ
ータの斜示図であり、一方の支持部材は省略して
ある。第４図ないし第６図は第３図のラミネータ
の側面図であり、それぞれ異なる作動状態を示
す。第７図および第８図は本考案によるフイルム
仮付け部材の一実施例の側面図。第９図は同じく
断片斜示図。第１０図は本考案によるフイルム仮
付け部材の別の実施例を示す側面図。 １……ラミネータ、３……フイルム、８……フ
イルム仮付け部材、１４……溝、１５……真空吸
引用の孔、１６……突起、１７……パネル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) フイルムをパネルに付着させるためのラミネ
   ータに用いられるフイルム仮付け部材であつて
   フイルム付着作業開始時にフイルム先端部を吸
   着面で真空吸着して保持しながら該フイルム先
   端部をパネル前端部に仮付けするためのフイル
   ム仮付け部材において、前記吸着面がフイルム
   長手方向に沿つて凹凸形状とされていることを
   特徴とするラミネータのためのフイルム仮付け
   部材。 (2) 前記吸着面は、フイルム長手方向に対して横
   方向に延びる少なくとも一本の溝を形成される
   ことにより凹凸形状とされていることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項に記載のフ
   イルム仮付け部材。 (3) 前記吸着面は、フイルム長手方向に対して横
   方向に延びる少なくとも一本の突起を形成され
   ることにより凹凸形状とされていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   フイルム仮付け部材。