JPS6347290Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコントロールケーブルの導管の端部に
固着する端末金具の改良に関する。

従来コントロールケーブル（以下単にケーブル
という）の導管用端末金具としては、例えば第１
図に示すようなものがある。即ち導管１の端部に
固着された端末金具２を取付板５に固着するため
にナツト４′を取り外して図面において取付板５
の右側から取付孔６に端末金具を挿通し、再びナ
ツト４′をねじ部３に螺入して締付けて固定する
構造のものがある。

ケーブルは取付けて長期間操作している内に内
索Ａに伸びが生じて操作側からの従動機器の正確
な遠隔操作ができなくなる。そのため導管の取付
長さを調節することにより操作を正確にならしめ
るが、第１図において先づナツト４′を弛め、更
にナツト４をＣ方向に適当量移動させて再びナツ
ト４′を締付けることによつて実質的に導管の取
付位置をずらせて調節を完了させるものである。

しかしながらこのような従来のケーブルの導管
用端末金具にあつては、前述の如く説明上では調
節は容易にできるものではあるが実際には図面に
於て取付板５の右側は例えば自動車などでは車の
外側であり左側は車室内となされている場合が多
い。この為作業者が１人でケーブルの長さを調節
するのは極めて困難であり又時間を要する欠点を
有するものである。かゝる欠点のため正確かつ迅
速に調節をするためには２人で作業を行なわなけ
ればならないという不便があつた。

本考案の主たる目的は上述の如き欠点に鑑み端
末金具を二重構造にすることによつて、１人の作
業者で極めて容易に短時間でケーブルの調節を可
能とした端末金具を提供するにある。

以下、この考案を図面に基づいて説明すると第
２図は本考案の一実施例を示す図であつて、まず
その構成は、１１はキヤツプ部材であり、一端に
は導管１が固着され、他端の内周面には雌ねじ１
２が刻設されており、外周面１３には一条の軸方
向の凹条１３ａが刻設されている。１４は固着部
材であつて、その外周面には固着手段１８が設け
られて取付板に取付可能とされ、内周面１５には
前記キヤツプ部材１１がＢ又はＣ方向に摺動可能
に挿入されかつ内周面の一部分に設けられた軸方
向の凸条１７が前記凹条１３ａに係合されて回転
しないようになされており、更に端部には雄ねじ
１６が刻設されている。１９は調節部材であつて
一端には前記雌ねじ１２に螺入しうる雄ねじ２０
が刻設され、他端は筒部２１とされ内周面に摺動
可能に索端金具２６が挿入されており、ほゞ中央
附近には半径方向外向きに鍔部２２が設けられ、
前記固着部材の端部にその側面２２ａが当接する
如くなされている。２３は固定ナツトであつて、
一端には前記雄ねじ１６に螺合しうる雌ねじ２４
が刻設され、他端は前記鍔２２に係合しうる係合
部２５からなつている。

次に作用と効果を説明すると、端末金具を取付
板５に固着する場合には固着部材１４に設けられ
た固着手段１８によつて固着するものであり、ケ
ーブルを取付た後内索Ａに伸びが生じるなどして
調節が必要となつた場合先ず固定ナツト２３を弛
め、調節部材１９が自由に回転しうる状態とし、
調節部材１９と螺合しているキヤツプ部材１１が
Ｃ方向に移動する方向に調節部材１９を回転さ
せ、適当な導管１の取付位置の調節を完了させ、
その後固定ナツト２３を締付けることによつて鍔
２２の側面２２ａは固着部材の端部に押し付けら
れて固定され調節が完了する。本願のケーブルの
調節の手順は上述の通りであるが、これ等の作業
は第２図において取付板５の左側即ち自動車の場
合は車室内において全てが行なわれるので他人の
手を借りることなく１人で容易にしかも短時間で
ケーブルの調節をすることのできる従来にない極
めて優れた効果を有するケーブルの端末金具を提
供することができる有効な考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るものであつて、第１図は従
来の端末金具を示す側面図、第２図は本願の要部
を示す一部切欠側面図である。 １：導管、１１：キヤツプ部材、１２：雌ね
じ、１３：外周面、１３ａ：凹条（回転止め手
段）、１４：固着部材、１５：内周面、１６：雄
ねじ、１７：凸条（回転止め手段）、１８：固着
手段、１９：調節部材、２０：雄ねじ、２１：筒
部、２２：鍔部、２２ａ：鍔部の側面、２３：固
定ナツト、２４：雌ねじ、２５：係合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ コントロールケーブルの導管の端部に固着さ
   れる端末金具において、一端にはコントロール
   ケーブルの内索が挿通される導管の端部が固着
   され、他端の筒状体の内周面に雌ねじが刻設さ
   れかつ外周面の適当位置に回転止め手段が設け
   られたキヤツプ部材と、該キヤツプ部材の外周
   面に軸方向に摺動可能にかつ前記回転止め手段
   に係合し不回転に冠覆させ、更に外周面に固着
   手段が設けられ一端部に雄ねじが刻設された固
   着部材と、一端部に前記キヤツプ部材に刻設さ
   れた雌ねじに螺合しうる雄ねじが刻設され他端
   部には索端金具の端部が摺動自在に挿入された
   筒部とされほゞ中央附近に半径方向外向きに突
   出させた鍔部とからなる調節部材と、一端部に
   は前記固着部材の端部に刻設された雄ねじに螺
   合しうる雌ねじが刻設され他端部は前記鍔部と
   係合する半径方向内向きにほゞ全周にわたつて
   凸設させた係合部が設けられた固定ナツトとか
   ら構成されたことを特徴とするコントロールケ
   ーブルの導管用端末金具。 ２ 前記回転止め手段が前記キヤツプ部材の外周
   に設けられた軸方向の少くとも一条の凸条或は
   凹条であり、かつ該凸条或は凹条に係合する凹
   条又は凸条或は突起が前記固着部材の内面に設
   けられたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のコントロールケーブルの導管
   用端末金具。 ３ 前記回転止め手段が、前記キヤツプ部材の外
   周面及び前記固着部材の内面の断面形状をそれ
   ぞれ互に挿嵌しうる多角形としたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のコン
   トロールケーブルの導管用端末金具。