JPS6346702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は横軸フランシス水車のうち、特にガイ
ドベーンの開閉機構の配置場所に特長をもたせた
ものに関する。

〔考案の背景技術〕

一般的な横軸フランシス水車は、主軸に取付け
たランナー（羽根車）を上下のカバーで覆い、こ
のランナーの外周にガイドベーンを配置し、更に
このガイドベーンの外方に渦巻きケーシングを設
け、管路からの水を渦巻きケーシングに導き、ガ
イドベーンを経てランナーに流入せしめ、この流
入によつてランナー及び主軸を回転するようにし
ている。

ところで、小容量の横軸フランシス水車の場
合、渦巻きケーシングの製作には手間がかかり、
円筒形ケーシングに比べ高価になる。

このため、最近ではケーシングを渦巻状とせず
ボツクス状とし、このケーシング内にランナ及び
ガイドベーン等を配設するとともにケーシングの
一端面を塞ぐようにした横軸フランシス水車が提
案されている。

すなわち、従来の横軸フランシス水車は、第１
図および第２図に示すようになつている。

第１図において、円筒形のケーシング２０の一
端部には主軸２２に固定されたランナ２３が設け
られ、このランナ２３の周囲にはガイドベーン４
が配設されている。ランナ２３はその左右が閉塞
体２５，２６で閉塞され、閉塞体２６の中央には
軸受カバー２７ａにカバーされた軸受２７が保持
され、閉塞体２５にはガイドリング２８が摺動自
在に取付けられ、このガイドリング２８にはガイ
ドベーン２４が連結されるとともにアーム２９を
介して操作ロツド３０が連結されている。

操作ロツド３０の操作によりガイドベーン２４
が調整され、閉塞体５には排水管３１が連結さ
れ、この排水管３１の湾曲部を貫いて主軸２２が
突出し、その突出端が軸受３２に保持されてい
る。

第２図は双輪型の円筒ケーシング型横軸フラン
シス水車の一例を示し、円筒ケーシング４０の一
端部に主軸４１が設けられ、この主軸４１のケー
シング４０内における２位置にランナ４２，４２
が取付けられ、このランナ４２の周囲にガイドベ
ーン４３，４３が設けられている。主軸４１のケ
ーシング内における端部は軸受４４に支持され、
そのケーシング外突出部は軸受４５によつて支持
されている。そして、両ランナ４２，４２間には
排水管４６が開口し、軸受４４は支持体４７に支
持された軸受カバー４８によつて被われている。

〔背景技術の問題点〕

第１図および第２図に示した横軸フランシス水
車においては、主軸２が排水管３１，４６内を伸
びており、水の流れを妨げ、水車の効率を低下せ
しめる。また、ガイドベーン２４，４３を開閉さ
せる開閉機構および主軸２２，４１を支持する軸
受２７，４４が流水部分に存在するので、保守点
検が困難なばかりでなく部品の寿命が短いという
問題がある。

〔考案の目的〕

本考案は上述の従来の問題点を改善すべくなし
たもので、管路と連なるケーシングの一端を塞
ぎ、ケーシング内にガイドベーンを配設した構造
の横軸フランシス水車において、主軸が水の流れ
を妨げることなく効率がよく、ガイドベーンの開
閉機構の保守・点検が容易に行なえ、部品の寿命
を伸ばし得る横軸フランシス水車を提供すること
を目的とする。

〔考案の概要〕

上記目的を達成すべく本考案に係る横軸フラン
シス水車は、管路に連なるケーシングの一端面を
ランナーカバー及び閉塞板によつて塞ぎ、ランナ
ーカバー内にランナー及びガイドベーンを収納
し、ランナーカバーの内側端にドラフトチユーブ
を配設し、該ガイドベーンを外部に設けた開閉機
構で操作するようにしたことをその概要とする。

〔考案の実施例〕

以下に本考案の実施例を添付図面に基いて説明
する。

図面は本考案に係る横軸フランシス水車の縦断
面図であり、コンクリート床１上には水圧管など
の管路に連なるボツクス状ケーシング２を設置
し、このケーシング２の一端面に開口３を形成
し、この開口３にランナーカバー４を取付けてい
る。このランナーカバー４はその図上左側端に形
成されたフランジ部４ａをもつて開口３の周囲に
当接し、その本体４ｂはケーシング２内に臨んで
いる。そして、ランナーカバー本体４ｂの図上右
側端に形成した開口５にドラフトチユーブ６の一
端開口部を突合せ、ケーシング２内の流水によつ
て振動が生じないように固定する。

また、ランナーカバー４のフランジ部４ａ内側
に閉塞板７を嵌着し、ランナーカバー４と閉塞板
７とによつて形成される空間内にランナー８を配
設し、このランナーカバー４の外周部にガイドベ
ーン９を配設している。そしてランナー８の軸部
８ａは前記閉塞板７に取付けた軸受１０に挿通さ
れる。一方、床１上には軸受台１１を立設し、こ
の軸受台１１によつて主軸１２を支持し、この主
軸１２と前記ランナー８の軸部８ａとをスプライ
ン嵌合等している。

一方、閉塞板７の外周部には所定間隔で貫通孔
１３を穿設し、この貫通孔１３にカラー１４を介
してガイドベーン９の操作軸９ａを挿通し、カラ
ー１４から突出した操作軸９ａにヘツド１５を嵌
合し、このヘツド１５とケーシング２の一端面に
回動自在に取付けたリング部材１６とをアーム１
７で連結し、リング部材１６に作動ロツド１８を
設け、このロツド１８を操作することによりリン
グ部材１６を回動せしめ、このリング部材１６の
回動をアーム１７でヘツド１５に伝達してそれを
回動し、ガイドベーン９の開き角度を任意に調整
し得るようにしている。

ここで、上記の閉塞板７はランナーカバー４に
対しボルトで取付けられており、ボルトを外すこ
とにより軸受台１１方向に分解し得るようにさ
れ、また閉塞板７を取外した状態でガイドベーン
９も取外せるような構造となつている。

以上において、管路からケーシング２内に入つ
た水は矢印Ａに示す如くケーシング２内を流れ、
矢印Ｂに示す如くガイドベーン９を介してランナ
ーカバー４内に流入し、ランナー８及び主軸１２
を回転せしめた後、矢印Ｃに示すようにドラフト
チユーブ６内を通つて外部に排出される。

ここで、前記操作ロツド１８を操作することに
よりガイドベーン９の開き角度を調整すれば、水
車の出力が変化する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、ケーシ
ングの一端面に形成した開口をランナーカバーと
閉塞板とで塞ぐようにしたので、従来の如く渦巻
き状のケーシングとする必要がない。したがつて
ケーシングの構造を単純化でき製作が容易とな
る。

また、ドラフトチユーブをケーシング内に配設
したため、ドラフトチユーブの内圧と外圧との差
が小さくなり、このためドラフトチユーブの板厚
を薄くすることができる。

しかも、主軸にはケーシング外に設けられてい
るので水の流水を防げることがなく水車の効率が
上昇する。

更にケーシングにランナーカバーを、このカバ
ーに閉塞板をそれぞれ取付けるようにしたので、
特別な架台が不要となり、しかも分解・組立及び
保守・点検を容易に行なうことができる。そして
特にガイドベーンの開閉機構を外部に設けること
により水車の出力変更が簡単に行なえ、且つ摺動
部或いは軸受部等の部品が腐食しにくくなるの
で、部品の寿命が大巾に延び、機能低下を防ぐこ
とができる等多くの効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の横軸フランシス水
車の縦断面図、第３図は本考案に係る横軸フラン
シス水車の縦断面図である。 ２……ケーシング、４……ランナーカバー、６
……ドラフトチユーブ、７……閉塞板、８……ラ
ンナー、９……ガイドベーン、１５，１６，１
７，１８……ガイドベーンの開閉機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 床上に固定され管路に連なるボツクス状ケー
   シングの一側端面にランナーを収納するための
   ランナーカバーを取付け、このランナーカバー
   の前記ボツクス状ケーシングの内側端にドラフ
   トチユーブを連結し、ランナーカバーのランナ
   ー軸部が通るドラフトチユーブの反対側の開口
   部分を閉塞板で塞ぎ、前記ランナーカバーの周
   側部にガイドベーンを配設し、このガイドベー
   ンの開閉機構を前記ボツクス状ケーシングの一
   側端面の外側部に設けたことを特徴とする横軸
   フランシス水車。 ２ 前記ガイドベーンの開閉機構は前記閉塞板の
   外周近傍に環状に配設されたガイドベーン操作
   軸と、前記ケーシングの一側端面に回動自在に
   取付けられたリング部材と、このリング部材を
   回動させるための作動ロツドとを有し、前記リ
   ング部材とガイドベーン操作軸とはリング部材
   が回動するとガイドベーン操作軸が回動するよ
   うに連結されていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の横軸フランシス水
   車。