JPS6229662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクロスフロー水車のガイドベーンの改
良に関する。

クロスフロー水車はその代表的構造を表わす第
１図のように、ランナー１がその回転軸２をシー
ルが内蔵された軸受３を介してケーシング４で回
転自在に支持されるとともにランナー１の上流側
に入口管５がケーシング４と連結され、さらにラ
ンナー１の近傍で入口管５の出口側にはランナー
１に流入する水量を調整する断面翼形のガイドベ
ーン６がその両端部が軸受を介してケーシング４
に支承され開閉可能としてある。

一方、ランナー１の下流側にはケーシング４と
連結して放水管７が設けてあり、入口管５から流
入した水がガイドベーン６によつて水量調整がな
されてランナー１に入り、ランナー１の外周から
放出され放水管７で外部に排水される。

ところが、かようなクロスフロー水車では水量
が少ない場合には効率良く運転ができない。そこ
で、ランナー１の一部分にのみ送水して効率よく
運転するためガイドベーン６を軸方向に二分割し
たものがある。

二分割されたガイドベーンの取付構造は第２図
に示すように、２つのガイドベーン６ａ，６ｂが
一直線上に配置されてケーシング側の端部がそれ
ぞれケーシング４に取付けた軸受８を介して回転
自在に支承されるとともに中央側の端部は、ケー
シング４を仕切る仕切板９に取付けた軸受１０を
介してそれぞれが独立して回転自在に支承され、
ケーシング４の外側に取付けたハンドル１１でそ
れぞれのガイドベーン６ａ，６ｂの開閉操作が行
なわれる。

ところが、このようにガイドベーン６ａ，６ｂ
の中央側の端部を別々に支持しているため仕切板
９の厚さＢはかなり厚くせざるを得ず、水の流れ
に対する抵抗となるとともに水の流れ方向が斜め
になり、クロスフロー水車の運転効率が低下する
という欠点がある。

本考案はかかる従来の欠点を解消し、水に対す
る抵抗を減少し、水の流れ方向も乱さないクロス
フロー水車のガイドベーンの提供を目的とする。
かかる目的を達成する本考案の構成は、軸方向に
二分割され一直線上に連結されたガイドベーンの
両端部をケーシングに回転自在に支承する一方、
前記ガイドベーンの連結部として一方のガイドベ
ーンの軸に明けた穴内に軸受を設けると共にこの
軸受を介して一方のガイドベーンの軸で他方のガ
イドベーンの軸を支承し、前記ガイドベーン間
に、貫通穴を有しこの貫通穴に前記連結部の軸が
少なくとも１つ回転自在に貫通した仕切板を設け
たことを特徴とする。

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第３図および第４図は本考案のクロスフロー水
車のガイドベーンにかかる一実施例の斜視図およ
び部分断面図である。

軸方向に二分割されたガイドベーン６ａ，６ｂ
のそれぞれの軸のうちケーシング４側の端部６
ｃ，６ｄは、第２図の場合と同様、軸受８を介し
て回転自在に支承してある。一方、中央部の連結
部Ａでは、一方のガイドベーン６ａの軸６ｅがケ
ーシング４側の端部６ｃより大径に形成されると
ともに中心部の軸方向に中空穴が形成され、その
内周に軸受１０が嵌合してあり、軸６ｅ外周は仕
切板９に取付けた軸受１０で支承されて回転自在
としてある。また、他方のガイドベーン６ｂの軸
６ｆは前記中空穴に取付けた軸受１０に支承して
回転自在とするため、その外径はケーシング４側
の端部６ｄより小径に形成してあり、ガイドベー
ン６ａの軸６ｅの中空穴の軸受１０に嵌合されて
２つのガイドベーン６ａ，６ｂが連結された状態
で一直線上に配置される。

このように、軸を二重構造とした場合の軸受荷
重について考察すると、通常、軸受の許容できる
荷重は、その投影面積に比例するが、本実施例の
場合では、ガイドベーン６ａとガイドベーン６ｂ
との荷重の和を最外周の軸受１０で支承する必要
があるが荷重が大きい部分程直径が大きく投影面
積が大きいので何ら問題とはならない。

以上のような構造では、それぞれのガイドベー
ン６ａ，６ｂの中央側を仕切板９にそれぞれ独立
して支承する場合に比較して仕切板９の厚さＢを
薄くすることができる。

次に本考案の他の実施例を第５図および第６図
に基づいて説明する。

本実施例は、上述の実施例の場合よりもさらに
仕切板を薄くすることができるようにしたもので
あり、ガイドベーン６ａ，６ｂのそれぞれの軸の
ケーシング４側の端部６ｃ，６ｄはそれぞれケー
シング４に取付けた軸受８を介して回転自在に支
承してあるが、中央部の連結部Ａでは、一方のガ
イドベーン６ａに中央側からケーシング４側の端
部に至る深さの中空穴が形成され、この中空穴の
両端部にそれぞれ軸受１０が嵌合してある。そし
て、他方のガイドベーン６ｂの軸６ｆは、前記ガ
イドベーン６ａの中空穴の軸受１０で支承して回
転自在とすることができるようガイドベーン６ａ
側のケーシング４を越えるよう長く形成してあ
る。したがつて、ガイドベーン６ａでは完全な二
重軸構造となり、仕切板９には軸受を設ける必要
が無い。このため仕切板９の厚さＢは本来のケー
シング４を仕切る機能だけで良いので極めて薄く
することができる。

以上、実施例とともに具体的に説明したように
本考案によれば、分割されたガイドベーンの連結
部に設けられる仕切板を薄くすることができる。
したがつて、水の流れに対する抵抗も減少し、水
の流れ方向が斜めとなることも無く、クロスフロ
ー水車の運転効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はクロスフロー水車の概略斜視図、第２
図は従来のガイドベーンの説明断面図、第３図お
よび第４図は本考案のクロスフロー水車のガイド
ベーンの一実施例の斜視図および部分断面図、第
５図および第６図は本考案の他の実施例の斜視図
および部分断面図である。 図面中、４はケーシング、６ａ，６ｂはガイド
ベーン、６ｃ，６ｄ，６ｅ，６ｆはガイドベーン
の軸、８，１０は軸受、９は仕切板、１１はハン
ドル、Ａは連結部、Ｂは仕切板の厚さである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸方向に二分割され一直線上に連結されたガイ
   ドベーンの両端部をケーシングに回転自在に支承
   する一方、前記ガイドベーンの連結部として一方
   のガイドベーンの軸に明けた穴内に軸受を設ける
   と共にこの軸受を介して一方のガイドベーンの軸
   で他方のガイドベーンの軸を支承し、前記ガイド
   ベーン間に、貫通穴を有しこの貫通穴に前記連結
   部の軸が少なくとも１つ回転自在に貫通した仕切
   板を設けたことを特徴とするクロスフロー水車の
   ガイドベーン。