JPS6346284B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アウタケーシングにインナケーブル
を摺動自由に挿通して、押し引き両方若しくは何
れか一方の操作力を伝達するようにしたコントロ
ールケーブルの端末装置に使用されるダストカバ
ーに関する。

従来のコントロールケーブルの端末装置を第
１，２図に基づいて説明すると、アウタケーシン
グａの端末は、筒形固定具ｃの中心孔ｄの後部に
連成された拡径孔ｅに嵌入されてかしめ付けによ
り固着されており、この筒形固定具ｃは取付板ｆ
に透設された取付孔ｇに挿通されて、外周に形成
された雄ねじｈにナツトｉ，ｉを締め付けること
によつて、筒形固定具ｃが取付ｆに対して取付位
置調節可能に固定されるようになつており、その
先端部の外周には雄ねじｈを削り取つた係止溝ｊ
が形成されている。アウタケーシングａに摺動自
由に挿通されたインナケーブルｂは、筒形固定具
ｃの中心孔ｄを通つてその先端から突出してお
り、その突出部にはリング形のストツパｋと合成
ゴムから成る筒形のダストカバーｍが相対的移動
自由に嵌装されており、筒形固定具ｃをナツト
ｉ，ｉによつて取付板ｆに固定し、かつインナケ
ーブルｂの端末を図示しない従動部材若しくは駆
動部材である可動部材に固定した後、第２図に示
すように、インナケーブルｂが図の右方に最も突
き出した状態において、筒形固定具ｃとストツパ
ｋとの距離Ａが所定の寸法となる位置でストツパ
ｋをかしめ付けてインナケーブルｂに移動不能に
固着し、インナケーブルｂが図の左方に移動する
場合にストツパｋが筒形固定具ｃの端面に突き当
つてインナケーブルｂの図の左方への移動を阻止
するようになつており、又筒形のダストカバーｍ
は、図の左端部の内側に形成された係止環ｎを筒
形固定具ｃの先端部外周に形成された係止溝ｊに
嵌合して取付けられ、インナケーブルｂの筒形固
定具ｃから突出する部分を覆つて水や粉塵等が筒
形固定具ｃの中心孔ｄから侵入するのを防止する
ようになつている。尚、インナケーブルｂの先端
には、従動部材若しくは駆動部材である可動部材
に連結するための連結金具が固着されるようにな
つていて、ストツパｋとダストカバーｍを嵌装し
たのち連結金具を固着した状態で組付け位置に運
ばれるのであるが、ダストカバーｍの係止環ｎの
内径は、筒形固定具ｃの係止溝ｊの谷の直径に
ほゞ等しく、ストツパｋの外径よりはるかに大き
いため、運搬の途中や、組付け作業の途中におい
て、ストツパｋがインナケーブルｂ上を自由に摺
動してダストカバーｍの中に潜り込んでしまうこ
とがあるが、このような場合ダストカバーｍの中
からストツパｋを取り出すのに手間取つて、組付
けの作業能率が低下する欠点がある。

本発明はかかる欠点を除去するために完成され
たものであつて、第１の発明は、筒形固定具の係
止溝に嵌合する係止環の内面に薄肉の易屈曲片を
形成して、この易屈曲片にストツパが当るように
して、ストツパのダストカバー内への進入を阻止
することを目的とするものであり、また第２の発
明は、更にこの易屈曲片を利用して、筒形固定具
とダストカバーの嵌合部分を密封して、その部分
から水や粉塵等がダストカバーの内側に進入する
のを防止することを目的とするものである。

以下、本発明の実施例を第３図乃至第１４図に
基づいて説明する。

第３図、第４図及び第５図に示す本発明の第
１の発明の第１実施例のダストカバー１は、筒部
２の一端に拡径部３が形成され、この拡径部３の
内周に筒形固定具４の係止溝５に嵌合する係止環
６が形成され、その内側に逃げ溝７が形成されて
おり、係止環６の内周面の外側の端部には、第５
図のに示すように、中心に菱形の透孔８が形成
された薄肉の易屈曲片９が形成されている。この
菱形の透孔８の最小の径は、インナケーブル１０
に嵌装されたストツパ１１の外径よりも小さくな
つており、このため運搬や組付けの途中でストツ
パ１１がインナケーブル１０上を移動してダスト
カバー１に近づいた場合に、ストツパ１１は易屈
曲片９に当つてその内側への進入が阻止される。
そして、ストツパ１１をインナケーブル１０にか
しめ付けて固着した後に、ダストカバー１を筒形
固定具４に嵌着するために図の左方へ移動する
と、易屈曲片９がストツパ１１に当つて屈曲しつ
つ拡径してこれを通過し、第４図に示すように、
薄肉の易屈曲片９が筒形固定具４の先端によつて
無理に押し拡げられて内側に屈曲し、そのまま筒
形固定具４の係止溝５内に嵌入して固定される。

第５図の及びは、本実施例の変形例を示し
たものであつて、はストツパ１１の外径よりも
小さい径の円形の中心孔１２の両側に幅の狭い溝
１３，１３を形成したものであり、又はストツ
パ１１の外径よりも小さい径の円形の中心孔１４
を形成したものであり、に示したものと同様
に、組付け前においてはストツパ１１が易屈曲片
９に当つてダストカバー１内に潜入するのが阻止
され、筒形固定具４に嵌着する場合には、易屈曲
片９が屈曲と拡径を生じつつストツパ１１を通過
した後、筒形固定具４の先端で無理に押し拡げら
れて内側に屈曲して係止溝５内に嵌着される。

第６図、第７図及び第８図に示す第１の発明
の第２実施例のダストカバー２１は、係止環６の
内周面の易屈曲片９のすぐ内側に逃げ溝２２を形
成したものであり、それ以外の構成は前記第１実
施例と同様であつて、かかるダストカバー２１に
あつては、筒形金具４に嵌着した場合に、内側に
折れ曲がつた易屈曲片９が逃げ溝２２内に収容さ
れるため、係止環６が無理な変形を生じない利点
を有する。第８図及びは、本実施例の変形例
を示したものであつて、前述した第５図の，
と同様に、夫々ストツパ１１の外径よりも小さい
径の円形の中心孔１２の両側に幅の狭い溝１３，
１３を形成したもの、或いはストツパ１１の外径
よりも小さい径の中心孔１４を形成したものであ
つて、に示したものと同様に、筒形固定具４に
嵌着した場合に、易屈曲片９が逃げ溝２２内に収
容されて係止環６が無理な変形を生じない。

第９図、第１０図及び第１１図に示す第１の
発明の第３実施例のダストカバー３１は、係止環
６の易屈曲片９の外側に円形の逃げ溝３２を形成
したものであつて、第１０図に示すように、筒形
固定具４に嵌着したときに、易屈曲片９が内側に
折れ曲がることによつて生ずる係止環６の径方向
に押し拡げられる変形を、逃げ溝３２によつて吸
収し、全体として無理な変形を生じないようにな
つている。第１１図の及びは、本実施例の変
形例を示したものであつて、前述した第５図並び
に第８図の，と同様に、夫々ストツパ１１の
外径よりも小さい径の円形の中心孔１２の両側に
幅の狭い溝１３，１３を形成したもの、或いはス
トツパ１１の外径よりも小さい径の中心孔１４を
形成したものであつて、で示したものと同様
に、筒形固定具４に嵌着したときに、係止環６の
径方向に押し拡げられる変形が逃げ溝３２によつ
て吸収される。

次に本発明の第２の発明の実施例を第１２図乃
至第１４図に基づいて説明する。

本実施例のダストカバー４１は、係止環６の一
側にリツプ状の断面形状を成し、かつ、対応間隔
がストツパの外径より小さい尖端縁４３を有する
易屈曲片４９を形成し、この易屈曲片４９の内側
に逃げ溝４２を形成したものであり、易屈曲片４
９は、第１４図に示すように、中心孔４４の回り
に90度間隔で形成されたスリツト４５によつて４
つに分けられている。従つて、ストツパをインナ
ケーブル１０にかしめ付けにより固着した後に、
易屈曲片４９の屈曲と拡径によりストツパを通過
させ、さらに筒形固定具４に嵌着すると、第１３
図に示すように、易屈曲片４９はその尖端縁４３
が筒形固定具４の先端に当つて内側に屈曲し、折
れ曲がつた易屈曲片４９の前後両端部が係止溝７
の両側面を弾圧することによつて筒形固定具４に
固着される。このとき内側に折れ曲がつた易屈曲
片４９は、係止環６の内周に形成した逃げ溝４２
内に収容されて、係止環６が外に拡がるように変
形するのが防止される。又易屈曲片４９が内側に
屈曲すると、その尖端縁４３がオイルシールのリ
ツプのように係止溝５の外周面に当たるのである
が、易屈曲片４９が内側に屈曲して押し拡げられ
るために、スリツト４５の部分を押し潰して隣り
合う易屈曲片４９同士が互いに密着し、全体とし
て円形に一体となつて、オイルシールのように尖
端縁４３を係止溝５の外周面に押し付けることと
なる。このため筒形固定具４の内側に水や粉塵等
が進入するのをより確実に防止することができ
る。

なお、易屈曲片４９が柔軟で変形し易い場合に
は、スリツト４５を欠除してもよく、このように
するとシール性がさらに向上する利点がある。

上記各実施例によつて具体的に説明したよう
に、本発明の第１の発明は、アウタケーシングに
インナケーブルを摺動自由に挿通したコントロー
ルケーブルのアウタケーシングの端末に筒形固定
具を固着し、インナケーブルの筒形固定具から突
出した部分にその筒形固定具との衝合によつてイ
ンナケーブルの引き込み方向の移動を阻止するリ
ング形のストツパを固着したコントロールケーブ
ルの端末装置のインナケーブルの筒形固定具から
突出した部分を覆う弾性材料からなる筒形のダス
トカバーであつて、筒形固定具の外周に形成した
係止溝に嵌合する内向きの係止環の内周面に前記
ストツパの通過を阻止する小径部を有する薄肉の
易屈曲片を突成したことを要旨とするものであつ
て、運搬中や組付け作業中においては、ストツパ
が易屈曲片に当つてダストカバーの中に潜り込む
のが防止されて、ストツパのかしめ付け作業を容
易に示なうことができるとともに、ストツパのか
しめ付け後においては、ダストカバーを筒形固定
具に嵌着すると、その易屈曲片が係止環の内周面
側に折れ曲がつて筒形固定具の係止溝内に収容さ
れて固着されるから、組付作業に際して何ら支障
とはならない効果を奏する。

又本発明の第２の発明は、第１の発明における
易屈曲片の外面に尖端縁を形成するとともに、易
屈曲片の内側にこの易屈曲片を収容する空間を形
成したから、ダストカバーを筒形固定具の先端に
嵌着した際に、易屈曲片の尖端縁が係止溝の外周
面にオイルシールのリツプのように接触して、水
や粉塵等が筒形固定具の内側に進入するのをより
有効に阻止し得る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例を示すもので、第１
図は筒形金具とダストカバーの組付け前の状態を
示す断面図、第２図は組付後の状態を示す断面図
である。第３図乃至第５図は、本発明の第１の発
明の第１実施例を示すもので、第３図は筒形固定
具とダストカバーの組付け前の状態を示す断面
図、第４図は組付け後の状態を示す断面図、第５
図はダストカバーの各種変形例を示す一部切欠側
面図である。第６図乃至第８図は、第１の発明の
第２実施例を示すもので、第６図は組付け前、第
７図は組付け後を示す断面図であり、第８図はダ
ストカバーの各種変形例を示す一部切欠側面図で
ある。第９図乃至第１１図は、第１の発明の第３
実施例を示すもので、第９図は組付け前、第１０
図は組付け後を示す断面図であり、第１１図はダ
ストカバーの各種変形例を示す一部切欠側面図で
ある。第１２図乃至第１４図は、本発明の第２の
発明の実施例を示すもので、第１２図は筒形固定
具とダストカバーの組付け前の状態を示す断面
図、第１３図は組付け後の状態を示す断面図、第
１４図はダストカバーの側面図である。 １，２１，３１，４１；ダストカバー、４；筒
形固定具、５；係止溝、６；係止環、９，４９；
易屈曲片、１０；インナケーブル、１１；ストツ
パ、２２，３２，４２；逃げ溝、４３；尖端縁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ アウタケーシングにインナケーブルを摺動自
   由に挿通したコントロールケーブルの前記アウタ
   ケーシングの端末に筒形固定具を固着し、前記イ
   ンナケーブルの前記筒形固定具から突出した部分
   に該筒形固定具との衝合によつて前記インナケー
   ブルの引き込み方向の移動を阻止するリング形の
   ストツパを固着したコントロールケーブルの端末
   装置の前記インナケーブルの前記筒形固定具から
   突出した部分を覆う弾性材料からなる筒形のダス
   トカバーであつて、前記筒形固定具の外周に形成
   した係止溝に嵌合する内向きの係止環の内周面に
   前記ストツパの通過を阻止する小径部を有する薄
   肉の易屈曲片を突成したことを特徴とするコント
   ロールケーブルの端末装置用ダストカバー。 ２ 前記係止環の内周面に前記易屈曲片を収容す
   る空間を形成したことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載のコントロールケーブルの端末装置
   用ダストカバー。 ３ 前記係止環の外端面に前記易屈曲片の屈曲に
   伴なう変形を吸収する凹部を形成したことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載のコントロール
   ケーブルの端末装置用ダストカバー。 ４ アウタケーシングにインナケーブルを摺動自
   由に挿通したコントロールケーブルの前記アウタ
   ケーシングの端末に筒形固定具を固着し、前記イ
   ンナケーブルの前記筒形固定具から突出した部分
   に該筒形固定具との衝合によつて前記インナケー
   ブルの引き込み方向の移動を阻止するリング形の
   ストツパを固着したコントロールケーブルの端末
   装置の前記インナケーブルの前記筒形固定具から
   突出した部分を覆う弾性材料からなる筒形のダス
   トカバーであつて、前記筒形固定具の外周に形成
   した係止溝に嵌合する内向きの係止環の内周面に
   前記ストツパの通過を阻止する小径部を有し、か
   つ、外面に尖端縁を備えた易屈曲片を突成すると
   ともに、該易屈曲片を収容する空間を前記係止環
   の内周面に形成し、内側に屈曲した前記易屈曲片
   の前記尖端縁が前記インナケーブルに弾接する構
   成としたことを特徴とするコントロールケーブル
   の端末装置用ダストカバー。