JPS6346222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は倣い円板を有する倣い研磨用砥石装置
に関するものである。

従来複雑な形状のガラス、金属板等の周縁部を
自動研磨するには、該板材と相似形の倣い板を作
り、その周縁に沿つて転動するローラを設け、該
ローラと砥石、板材と倣い板を連動させることに
より、板材の周縁部の面取り、研磨等を行なつて
いた。しかし板材の形状が複雑で大きなものであ
れば、連動装置等が複雑で大がかりなものとなる
ばかりでなく、また板材の形状が変ればそれに合
つた倣い板を作つて取替えなければならない等の
不都合があつた。

本考案は前記従来の欠点を、砥石装置内に板材
の周縁部端面に当接する倣い円板を内蔵すること
により解消しようとするもので、該円板をベアリ
ングのアウタレースに固定すると共に、該ベアリ
ングのインナレースを砥石の回転軸に固定するこ
とにより板材の周縁部の面取り、研磨等が該砥石
の研磨部で容易に、極めて精度よく行なうことが
でき、しかも構造も簡単でコンパクトな倣い研磨
用砥石装置を提供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第１図はガラス、金属板等の板材１の周縁部
を本考案の実施例を示す砥石装置２で研磨してい
る状態を示す平面図、第２図は砥石装置２の側面
断面図である。

板材１は円弧縁部等を有する複雑な形状で、か
つ大形の平板状であり、支点３を中心に矢印方向
に回転する。また砥石装置２は回転軸４上に対称
形に挿入され、回転軸４と一体に回転するように
固定された砥石本体６，６′と、該砥石本体６，
６′の板材１に接する研磨部７，７′に設けられた
研削砥石部分を有する。また砥石装置２は、研磨
部７，７′が板材１の縁部８に常に接するようバ
ネ９により矢印Ａ方向に付勢されている。

１０はベアリング１１のインナレースで、砥石
本体６，６′間において回転軸４に嵌挿され、ナ
ツト１２を締付けることにより、砥石本体６，
６′間に挾着され、該本体６，６′と共に完全に回
転軸４と一体に回転するよう固定されている。

１０′はベアリング１１のアウタレースで、砥
石本体６，６′とは〓間１３を有して設けられる
と共に、倣い円板１６が固定されている。この倣
い円板１６は砥石の研磨部７，７′が板材１の周
縁部８に当接して研磨する際には、周縁１４が板
材１の周縁部端面１５に接するように配設され、
かつ前記アウタレース１０′にネジ１７により固
定されている。なお、円板１６と砥石本体６，
６′との間にも〓間１８が設けられている。１９
はアウタレース１０′の倣い円板１６を装着する
ために形成した切欠部に、該円板１６装着後に嵌
付けて該円板１６を押えるリング状の押え板であ
る。なお、第２図では２枚の砥石本体６，６′を
有し、研磨部７，７′も２個設けて板材１の縁部
を両側から研磨する場合を示したが、研磨部７，
７′のうちの一方を省略し、板材１の縁部を片側
だけ研磨できるものとしてもよい。

次に作用を説明する。先ず回転軸４が回転する
と、砥石本体６，６′がこれと一体に回転し、ベ
アリング１１のインナレース１０も一体に回転
し、アウタレース１０′及び倣い円板１６もこれ
に同調して回転する。

次に板材１を支点３を中心に回転させると共
に、その周縁部８を砥石本体６，６′の研磨部７，
７′に当接させると研磨が始まる。しかしこの時
には倣い円板１６の周縁１４が板材１の周縁部端
面１５に当接するため研磨部７，７′の板材１の
縁部に対する研削量は一定となり、今迄砥石本体
６，６′と同方向に同調して回転していた倣い円
板１６は、板材１の回転が遅いため該板材１との
摩擦により、砥石本体６，６′との同調回転は停
止し、板材１の周縁部をころがつて回転するよう
になる。

また板材１は周縁部８が研磨部７，７′に当接
して研磨を連続して受けられるよう支点３を中心
に回転するが、支点３と周縁部８の距離は回転に
つれて変化する。しかし倣い円板１６の周縁１４
は常にスプリング９の付勢力により板材１の周縁
部端面１５に当接しているので、倣い円板１６は
板材１の回転に同調し、かつ支点３と周縁部８と
の距離に応じてバネ９を介して出入りし、砥石本
体６，６′の研磨部７，７′が常に板材１の周縁部
８に当接して連続研磨が出来るようにしている。
なお、板材１の形状が図面のように横長の場合に
は、縦と横では支点３と砥石装置２との距離の差
が大きすぎてバネ９のみでは、砥石本体６，６′
の研磨部７，７′を板材１の周縁に常時当接させ
ることはできないので、回転軸４を支持する図示
しない砥石台を、サーボ機構により前進又は後退
するようにする。即ち、或る位置まで砥石台が移
動しスプリングが圧縮されると、サーボ機構を駆
動して砥石台を後退させ、又或る位置まで後退し
てスプリングが伸長すると砥石台を前進させるよ
うになつている。

以上詳細に説明した如く本考案によると、板材
の回転によりその周縁部の回転中心からの距離が
変化しても、その周縁部の動きに常に同調して倣
い円板が出入りし、この倣い円板の動きに同調し
て砥石本体の研磨部が同方向に移動し、該研磨部
は常に板材の周縁部に当接して研磨を行なうこと
ができる。また本考案では倣い円板を砥石装置に
内蔵しているので構造は簡単でコンパクトであ
り、板材の形状が複雑で大きなものであつても、
従来のような大げさな連動機構の必要は全くな
く、しかも精度のよい研磨を簡単に行なうことが
できるもので、業界に貢献するところ極めて大な
る考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す砥石装置で板材
を研磨している状態の平面図、第２図は第１図の
砥石装置の側断面図である。 図の主要部分の説明、１……板材、２……砥石
装置、３……支点、４……回転軸、６，６′……
砥石本体、７，７′……研磨部、８……周縁部、
９……バネ、１０……インナレース、１０′……
アウタレース、１１……ベアリング、１３……〓
間、１４……周縁、１５……周縁部端縁、１６…
…倣い円板、１７……ネジ、１８……〓間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複雑な形状の板材の周縁部を研磨する砥石装置
   において、前記板材を支点を中心に回転自在に支
   持し、該板材の縁部を研磨する研磨部を有する砥
   石本体を回転軸に固定すると共に、該砥石本体の
   前記研磨部を前記板材の縁部に常時押圧する付勢
   部材を設け、かつ前記板材の周縁部端面に前記研
   磨部で研磨する際周面が接すると共に、前記砥石
   本体と〓間を設けて配設された倣い円板と、該円
   板を固着すると共に前記砥石本体と〓間を設けて
   配設されたベアリングのアウタレースと、前記固
   定軸に固定された前記ベアリングのインナレース
   とを砥石装置内に内蔵したことを特徴とする倣い
   研磨用砥石装置。