JPH035375Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ワークに対し片当りすることなくク
ランプ可能なミリングマシン用サポートローラの
改良に関するものである。

従来のいわゆるフローテイング型ミリングマシ
ンは第１図に示されるような構造を有するが、上
部サポートローラ１は支持ブロツク２を介してス
イングヘツド３に支持されるとともに、下部サポ
ートローラ４も支持ブロツク５を介してベツド６
上のベース７に支持されている。また、スイング
ヘツド３とベース７とはピン８により連結され、
スイングヘツド３はシリンダ９の作動によりピン
８を中心に上下に回動し、これにより上部サポー
トローラ１を上下に回動できるようになつてい
る。

一方、ストリツプまたはプレート等のワーク１
０は、端面を加工する場合には、その両端を上下
のサポートローラ１，４により保持されるととも
に、下部のサポートローラ４はベース７に固定さ
れているから、ワーク１０のクランプはシリンダ
９の作動およびスイングヘツド３の自重により行
なわれる。なお、カツタ１１はスイングヘツド３
に取り付けられるとともにモータ等の駆動装置１
２により回転駆動される一方、上部サポートロー
ラ１は昇降用ACモータ等の駆動装置１３により
ワーク１０の板厚等に対応すべくウオームジヤツ
キ（図示省略）を介して上下に位置調整ができる
ようになつている。

しかしながら、かかる構造を有するミリングマ
シンにおいては、上部サポートローラ１およびカ
ツタ１１がスイングヘツド３に固定されるととも
にスイングヘツド３がピン８を中心にして上下に
回動するため、カツタ１１をスイングさせて（最
大10゜程度）加工する場合には上部サポートロー
ラ１がワーク１０に対し片当りとなり通正なクラ
ンプができず切削下良をおこしたり、片当りのた
めワーク１０に圧下痕を残したりしている。

本考案は、かかる不都合を解消すべく上部サポ
ートローラに改良を加え、ワークに対し片当りす
ることのないサポートローラを提供せんとするも
のであつて、その要旨とするところは、回転自在
な上下一対のサポートローラによりワークを挾む
ことで該ワークを支持し、上部のサポートローラ
を支持するスイングヘツドが該サポートローラを
上下させる方向に回動可能に構成されたミリング
マシンにおいて、前記上部のサポートローラを該
サポートローラの回転軸に直交し且つ前記ワーク
の進行方向に沿つた軸回りで揺動自在としたこと
を特徴とする。

以下、図面に示した実施例にもとずき、本考案
に係るミリングマシン用サポートローラについて
説明する。なお、従来例と同一部材には同一番号
を付して説明する。

第２図ａ，ｂは本考案に係るミリングマシン用
サポートローラの第１の実施例を示す側面図およ
び正面図であるが、本実施例においては、上部サ
ポートローラ１のワーク１０との接触面がワーク
１０の表面形状に対し追随傾斜可能になるよう
に、支持ブロツク２の内側にサポートローラ支持
ブロツク１４を設けて上部サポートローラ１を支
持するとともに、支持ブロツク２とサポートロー
ラ支持ブロツク１４とをその両端にトラニオン軸
１５を取付けてサポートすることにより自動調芯
軸受を形成し、上部サポートローラ１はこのサポ
ートローラ１の回転軸に直交し且つワーク１０の
進行方向に沿つたトラニオン軸１５を中心にワー
ク１０の板幅方向に自由にスイングできるように
なつている。したがつて、サポートローラ１はワ
ーク１０の表面寸法形状に追随し、つねに面でワ
ーク１０と接触保持することができる。なお、本
実施例では、構造上、重心がトラニオン軸１５の
上部にくるため、上部サポートローラ１のスイン
グ量を限定するためストツパ１６が支持ブロツク
２の両側に設けられている。また、上部サポート
ローラ１は直列３個のものが示されているが、こ
れに限定する必要はないし、上部サポートローラ
１のスイングを支持ブロツク１４を用いずトラニ
オン軸１５をそれぞれのローラ１に設け個別的に
行ない得ることはいうまでもない。

第３図は本発明に係るサポートローラの第２の
実施例を示す正面図であるが、サポートローラ１
を外周リング１ａと内周リング１ｂで構成し、両
リング１ａ，１ｂの境界を球面にしてすべらせ、
外周リング１ａの内面がワーク１０の表面寸法形
状に追随して内周リング１ｂの外面をすべり、
個々のロールの外周リング１ａがつねに面でワー
ク１０と接触できるようになつている。なお、１
６は固定ピンであり、これにより外周リング１ａ
は矢印方向にのみすべることができることにな
る。

以上、図面に示した実施例にもとづいて説明し
たように、本考案に係るサポートローラによれ
ば、ワークとの接触面がワークの表面形状に対し
追随傾斜可能に構成されているから、フローテイ
ング型ミリングマシンにおいて、スイングヘツド
に固定された上部サポートローラおよびカツタが
第２図に示すように傾斜した状態で加工する場合
においても、ローラのワークに対する接触面はワ
ークに対し平行となり、ワークを片当りすること
なくクランプすることができるとともに、片当り
による圧下痕を生ぜしめることがない。また、ワ
ーク自身に幅方向の曲がりがある場合にも有効で
あるとともに、特に第２の実施例においては、ワ
ークの流れ方向でワークに傾斜の差がある場合に
有有効で、かつ、第１の実施例に比較して装置の
小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のミリングマシンを示すもので、
ａは正面図、ｂは側面図、ｃは上部サポートロー
ラの拡大正面図、ｄはその側面図である。また、
第２図ａ，ｂは本考案に係るサポートローラの第
１の実施例を示す側面図および正面図、第３図は
第２の実施例を示す正面図である。 図面中、１は上部サポートローラ、３はスイン
グヘツド、１０はワークである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転自在な上下一対のサポートローラによりワ
   ークを挾むことで該ワークを支持し、上部のサポ
   ートローラを支持するスイングヘツドが該サポー
   トローラを上下させる方向に回動可能に構成され
   たミリングマシンにおいて、前記上部のサポート
   ローラを該サポートローラの回転軸に直交し且つ
   前記ワークの進行方向に沿つた軸回りで揺動自在
   としたことを特徴とするミーリングマシン用サポ
   ートローラ。