JPS6346182Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、溝の加工、特に該溝の幅決めを必要
とする場合に好適なシエルエンドミルカツターに
関する。

（従来の技術） 従来、溝の加工にはシエルエンドミルカツター
が用いられている。すなわち、加工しようとする
溝の幅に合つた加工径を有するカツターを用い、
溝の形成と同時に幅決めも行われているものであ
る。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、この従来のものでは、溝幅の変更が
あつた場合などには、改めて該溝幅に合つた加工
径を有するカツターを用意するか、または該溝幅
に対応した加工径よりも若干大きめのものを用意
し、該溝幅に合つた加工径となるよう研削して調
整するか、或いは、溝幅に対応した加工径よりも
小径のものを用いて数回の切削を行うしかなく、
不便さを生じていた。

そこで本考案は、加工溝の幅の変更に対応でき
るシエルエンドミルカツターを提供することを目
的とする。

（問題点を解決するための手段） そのため本考案は、一端がフライス盤の主軸に
固定されるカツターボデイと、チツプブレーカを
保持するチツプホルダとを別体として構成し、前
記カツターボデイの他端部にキー溝を設ける一
方、前記チツプホルダにはキーを設け、該キーを
前記キー溝に摺動自在に嵌め込むと共に、前記カ
ツターボデイの他端部の中央に前記チツプブレー
カの加工径を調整するカラーを交換可能に設け、
前記チツプホルダを、前記キー溝に沿つて移動さ
せ前記カラーに当接させた位置で固定可能な固定
手段を設けてなることを特徴とする。

（考案の作用） かかる構成を要旨とする本考案によれば、チツ
プブレーカの位置が加工する溝幅に合つた加工径
となるように調整するカラーをカツターボデイの
他端部中央に取付け、チツプホルダーをキー溝に
沿つて移動させてこのカラーに当接させた位置で
固定することにより、加工径の調節が行なえる。

また、切削時にチツプホルダに加わる抵抗をカ
ラーが受け止めるため、チツプホルダが抵抗によ
つて移動させられるのが防止される。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図〜第３図において、１は本考案のシエル
エンドミルカツター（以下、単にカツターとい
う）であり、このカツター１は、ボデイ２とチツ
プホルダ３とを備えている。これらボデイ２とチ
ツプホルダ３とは別体として構成されているもの
で、ボデイ２は、その一端側が図示しないフライ
ス盤の主軸に固定され、他端でチツプホルダ３
を、ここでは３個保持するものとされている。

チツプホルダ３はチツプブレーカ４を保持する
もので、第４図〜第６図に示すように、その一側
にブレーカ４の形状と合致した凹所５が形成され
ている。ブレーカ４はこの凹所５に嵌め込まれ、
ボルト６によつて固定されている。７はそのネジ
穴である。チツプホルダ３には更に、押工金８が
凹所５の隣に六角穴付ボルト９によつて取り付け
られており、ブレーカ４は、この押工金８により
凹所５の底部に押し付けられている。１０はボル
ト９の螺合するボルト穴である。

ボデイ２のチツプホルダ３を保持する側の端部
には３本のキー溝１１，１１，１１が各々該ボデ
イ２の軸芯（回転中心）から径方向に延びるよう
に形成されている。一方、チツプホルダ３の後壁
にはキー１２が形成されており、このキー１２は
キー溝１１に摺動自在に嵌め込まれている。これ
により、チツプホルダ３は、キー１２がキー溝１
１に沿つて摺動することによつてボデイ２の径方
向に案内されるようになつている。

つづいて、固定手段を説明すると、チツプホル
ダ３には更にキー１２と同方向に延びるボルト挿
通用の長孔１３が形成されており、このチツプホ
ルダ３は、２本の六角穴付ボルト１４，１４によ
りこの長孔１３を通してボデイ２に着脱自在に固
定されているものであり、１５，１５はそのボル
ト孔である。すなわち、ボルト１４，１４をボル
ト孔１５，１５から外して弛めれば、チツプホル
ダ３を径方向に動かすことが可能となつて位置調
整ができるようになつている。

１６は加工径調整用のカラーであり、このカラ
ー１６は、ボデイ２のチツプホルダ３が固定され
ている側端部中心、即ちキー溝１１，１１，１１
の交点がその軸芯と合致するようにされて六角穴
付ボルト１７により固定されている。すなわち、
このカラー１６は加工径に応じた径のものを用い
ることによつて切削時の抵抗を受け止めるストツ
パとして機能するもので、これにより、該切削時
の抵抗によつてチツプホルダ３が移動することを
防止でき、設定した加工径を確実に維持できるよ
うになつている。

（考案の効果） 以上述べて来たことから明らかなように、本考
案によれば、チツプホルダをキー溝に沿つてカラ
ーに当接するまで移動させて固定することによ
り、加工径を変更することができ、さらに、加工
径の調整は、所望の加工径に応じたカラーを用い
ることにより容易に行なえ、特に、複数のチツプ
ホルダを有する場合には、それぞれのチツプホル
ダをカラーに当接させるだけできわめて容易に加
工径の調整が行なえるものである。

さらに、カラーが切削時の抵抗を受け止めてチ
ツプホルダの移動を防止するため、確実に加工径
の維持を図ることができるものである。これによ
つて、新規購入、加工径の研削調整等の手間が省
け、また、個数の増大化が避けられて保管場所を
縮少でき、管理も容易となつてメインテナンス工
数が削減できる等の利点を生じ、極めて実用価値
の高いものとなつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシエルエンドミルカツタ
ーの一実施例を示す一部断面正面図、第２図は第
１図の方向矢視図、第３図は第１図の要部上面
平面図、第４図は第１図〜第３図に示すシエルエ
ンドミルカツターに取り付けられているチツプホ
ルダの正面図、第５図は同側面図、第６図は同上
平面図である。 １……シエルエンドミルカツター、２……ボデ
イ、３……チツプホルダ、４……チツプブレー
カ、１１……キー溝、１２……キー、｛１３……
長孔、１４……六角穴付ボルト、１５……ボルト
孔｝（固定手段）、１６……カラー、１７……六角
穴付ボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一端がフライス盤の主軸に固定されるカツタ
   ーボデイと、チツプブレーカを保持するチツプ
   ホルダとを別体として構成し、前記カツターボ
   デイの他端部にキー溝を設ける一方、前記チツ
   プホルダにはキーを設け、該キーを前記キー溝
   に摺動自在に嵌め込むと共に、前記カツターボ
   デイの他端部の中央に前記チツプブレーカの加
   工径を調整するカラーを交換可能に設け、前記
   チツプホルダを、前記キー溝に沿つて移動させ
   前記カラーに当接させた位置で固定可能な固定
   手段を設けてなることを特徴とするシエルエン
   ドミルカツター。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載のシエル
   エンドミルカツターにおいて、前記キー溝を、
   前記カツターボデイがその回転により描く円の
   径方向に延びるように形成したもの。