JPS6345566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカムチエンテンシヨナの支持部材をス
タータギヤのスラスト方向の移動防止用に兼用さ
せるようにしたストツパ装置に関するものであ
る。

自動二輪車等に搭載するエンジンにおいて、ス
タータモータで始動させる式のものは、クランク
シヤフト端部の軸外周にスタータギヤを設け、ス
タータギヤをスタータモータで駆動し、クランク
シヤフトを駆動してエンジンを始動させ、この場
合、スタータギヤの軸方向動を規制する手段が必
要となる。一方、吸・排気を駆動するカムシヤフ
トをカムチエンで駆動する式のものはカムチエン
を案内するガイド部材を備え、かかるカムチエン
ガイド部材を取付支持する手段を必要とする。

従来は上記各手段は個別に設けられ、ために部
品点数が多くなり、又夫々の手段をクランクケー
ス等に取り付けるネジ類等も必要とし、更なる部
品点数の増加と組付工数の増加を来たすこと、各
手段を個別に設けるためのスペースを必要とし、
且つこれを得るためクランクケース等の幅がこの
分大きくなり、小型化の要請からも改善が望まし
い等の問題がある。

本考案は以上に鑑みなされたもので、その目的
とする処は、スタータギヤのクランク軸嵌合部と
チエンガイド部材の取付部とを近接させ、チエン
ガイド部材の支持部材でスタータギヤの軸方向動
を規制する如くし、部品点数の削減、取付工数の
削減、コンパクト化等を企図し得る如くしたエン
ジンのスタータギヤストツパ装置を提供するにあ
る。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動二輪車１の概略側面図で、フレー
ム２前端のヘツドチユーブ３に前輪５を支持する
フロントフオーク４をトツプブリツジ６上に設け
たハンドル７で操向可能なる如く設け、フレーム
２前部上部には燃料タンク８を、これの後方にシ
ート９を各配設し、フレーム２後部下部には後輪
１１を支持するリヤフオーク１０を枢着延出し、
リヤフオーク１０とフレームとの間にはリヤクツ
シヨンユニツト１２が介設されている。

フレーム２の前部下部にはエンジン１３を搭載
し、エンジン１３は実施例では側面狭角Ｖ型でク
ランクシヤフト横置の水冷エンジンを示し、吸・
排気弁はオーバーヘツドバルブ式で、これを制御
するカムシヤフトはオーバーヘツドカム式で、カ
ムシヤフトはチエンで駆動される。

エンジンはクランクケース２０、これの前部上
に前後に側面Ｖ型に起設されたシリンダブロツク
１４，１４、これの上に配設されたシリンダヘツ
ド１５，１５、この上に設けられたシリンダヘツ
ドカバー１６，１６からなり、前後のシリンダユ
ニツトＡ，Ｂで狭まれた部分の上部には燃料供給
装置をなす気化器１７が配設されている。クラン
クケース２０は左右に分割された半体２１，２２
の接合体からなり、シリンダブロツク、シリンダ
ヘツドで形成される燃料室内にはピストン１８を
摺動自在に嵌装し、ピストン１８はクランクシヤ
フト１９にコンロツド１８ａを介して連結され、
クランクシヤフト１９は軸方向両端寄り部のジヤ
ーナル部１９ａ，１９ａをクランクケース２０の
左右の内側壁前部に設けた軸受部２１ａ，２２ａ
で支持する。

前後のシリンダユニツトＡ，Ｂは例えば前部で
は左側に、後部では右側に縦にカムチエンチヤン
バ２３が設けられ、チランバ２３はクランクケー
スの軸受部２１ａ，２２ａが設けられた内側壁２
１ｂ，２２ｂの外側に設けた空間、第３図は第２
図３−３線断面図であるため前部の空間２１ｃを
示し、前部シリンダブロツク１４の左側に該空間
２１ｃと連通するシリンダ内と区画された縦通空
間１４ａを設け、又シリンダヘツド１５の同方向
にこれと連通する空間１５ａを設け、かかる空間
２１ｃ，１４ａ，１５ａでカムチエンチヤンバ２
３を形成する。シリンダヘツド１５上にはカムシ
ヤフト２４を設け、これのカム部２４ａはシリン
ダヘツド上に設けたアツパカムシヤフトボルト２
５で保持され、これにバルブロツカアーム２６，
２６が支持され、図は吸気弁側のロツカアームを
示し、吸気二弁式のエンジンを示している。かか
るカムシヤフト２４のカムチエンバ２３側の端部
にはカムシヤフト駆動用の被動スプロケツト２７
が設けられている。

クランクシヤフト１９のカムチエンチヤンバ下
方側の端部を外方に延出１９ｂし、これにACG
２８をなすフライホイール２９等を設け、フライ
ホイール２９は軸端にボルト３０で固設されたベ
ース２９ａに固設され、ベース２９ａと軸受部２
１ａとの間には空間が設けられ、クランクシヤフ
ト１９のジヤーナル部１９ａ外方周でチヤンバ２
３の下方には歯を形成してスプロケツト３１を設
け、スプロケツト３１とカムシヤフト２４のスプ
ロケツト２７とをチエン３２で連結し、チエン３
２はチヤンバ２３内に収納され、外部に区画され
る。

かかるスプロケツト３１とフライホイール２９
との間で、スプロケツト３１に接近した位置のク
ランクシヤフト延出部１９ｂ基部外周にはスター
タギヤ３３を設け、ギヤ３３の基部のボス部をな
す筒軸部３３ａはクランクシヤフト延出部基部周
に軸受３４を介して支承され、これの回転駆動で
既知の如くワンウエイクラツチ５０を介してクラ
ンクシヤフト１９を駆動し、エンジンの始動を行
う。スタータギヤ３３は第５図の如くスタータモ
ータ３５のピニオン３５ａ、第１のアイドルギヤ
３６、二輪の減速ギヤ３７を介して始動時に駆動
される。

以上のカムチエンチランバ２３内にはチヤンバ
の長さ方向、即ちチエン３２の長さ方向の引張
側、走行側の両側に夫々カムチエンのガイド部材
である弓形のカムチエンガイド３８とカムチエン
テンシヨナ３９を対称的に縦に配設し、これの摺
動面３８ａ，３９ａをチエン３２の両側に当接し
て緊張せしめる。カムチエンガイド３８は上部３
８ｂ背面をガイド４０で支持し、下端部３８ｃを
クランクケース内側壁２１ｂのクランクシヤフト
軸受部前下方に一体形成した係止部４１で係止支
持する。

後側のテンシヨナ３９の上端部３９ｂはバネ４
２で付勢された一方向スライド機構４３に支持さ
れ、下端部３９ｃはクランクシヤフト１９の軸受
部２１ａの上方直後のクランクケースの内側壁２
１ｂに一体形成した係合凹部４９に係止支持す
る。さらに係合凹部の外端にはストツパ４４を着
脱自在に設け、テンシヨナ下端部３９ｃのクラン
ク軸方向の移動を規制している。又ストッパ４４
は第６図、第７図に単体で示す如くで、側面略Ｚ
型をなし、取付孔４５を有する基部４４ａと、こ
れから外方に起立した部分４４ｂと、これから基
部４４ａの反対側に延出されたストツパ部４４ｃ
とからなり、鋼板素材のプレス成形品等で形成さ
れる。かかるストツパ４４の基部を軸受部２１ａ
周辺の外面に外方に突設したボス部２１ｄにボル
ト４６で取付孔４５を介して結着取り付け、スト
ツパ４４のストツパ部４４ｃでテンシヨナ３９の
下端部３９ｃを支持する。ストツパ部４４ｃはテ
ンシヨナ３９の下端部と第３図、第４図明示の如
くスタータギヤ３３の筒軸部３３ａのカムチエン
チヤンバ側の側部３３ｂ間に臨み、これに近接
し、従つてスタータギヤ３３の筒軸部３３ａの端
部３３ｂと近接対向し、チエンテンシヨナ３９の
端部３９ｃの側面の支持とスタータギヤ３３の軸
方向移動規制のストツパとして機能することとな
る。

尚第３図中４７はクラツチ、４８は変速機構で
ある。

以上で明らかな如く本考案によれば、チエンテ
ンシヨナの横移動を防止する支持部材をスタータ
ギヤの軸部に近接させ、スタータギヤの軸方向動
を規制するようにしたため、テンシヨナの横方向
の支持部材とスタータギヤ軸方向動のストツパを
兼用させることができ、部品点数の削減、取付工
数の削減を図ることができるとともに、個々に支
持部材、ストツパを設けないため狭小なクランク
ケース内のスペース利用上も有利であり、又個々
にストツパを設けることによるクランクケース軸
方向の長さの増大を防止し、クランクケースの幅
方向のコンパクト化を図ることができる等多大の
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動二輪車の側面図、第２図はエンジ
ンの要部破断側面図、第３図は第２図３−３線断
面図、第４図は第３図の要部拡大図、第５図はス
タータ機構の説明的断面図、第６図はストツパの
外観図、第７図は同縦断側面図である。 尚図面中１３はエンジン、２４はカムシヤフ
ト、３２はカムチエン、３３はスタータギヤ、３
３ａはこれの軸部、３５はスタータモータ、３
８，３９はカムチエンのガイド部材、４４はスト
ツパである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スタータモータでクランク軸上に設けられたス
   タータギヤを介してエンジンを始動させる機構
   と、吸、排気弁を開閉制御するカムシヤフトをカ
   ムチエンで駆動させる機構とを備え、且つカムチ
   エンを案内するガイド部材を備えるエンジンにお
   いて、前記スタータギヤとカムチエンガイド部材
   の取付部とを近接させ、カムチエンガイド部材の
   取付部にスタータギヤのクランク軸方向移動を規
   制するとともにカムチエンガイド部材の取付部か
   らの脱出を防止するストツパを設けたことを特徴
   とするエンジンのスタータギヤストツパ装置。