JPS6345174B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は圃場から掘取り直後の生落花生より子
実を内蔵する莢実を脱離する落花生脱粒機に関す
るものである。

従来の落花生脱粒機は、円胴の周面に数多の脱
粒歯を取付けた脱粒胴を機筐内に回転軸により支
承しその下方には粗目に形成した円弧状の受網を
配置して構成されており、圃場から掘取つた落花
生を屋外で乾燥しその乾燥した落花生を回転する
脱粒胴と受網との間に供結し、脱粒胴に取付けた
数多の脱粒歯の衝撃力により莢実を脱離するもの
であるが、この従来の脱粒機を使用して圃場から
掘取つた未乾燥の生落花生の脱粒を行う場合、生
落花生の莢実は回転する脱粒歯の衝撃により亀裂
を生じ莢が砕けて莢実の損失が多く、また落花生
の莖葉が切砕されその量が増加して選別に大きな
影響を与えた。

そのために現在では掘取り直後の生落花生の脱
粒は手もぎ作業で行われその作業に多大の労力を
必要としておる。

そこで本発明は金属杆の両端を屈曲して脚部を
形成した数個の脱粒杆を円胴の周面に適宜の間隔
に配列して両端の脚部を円胴の両側端部に取付け
てなる一対の脱粒胴を機筐内に上下対向させ配置
してそれぞれ回転軸により支承し、上下の脱粒胴
をそれぞれ正面より内方に向つて回転し、上下の
脱粒胴間に掘取り直後の生落花生を機筐の側壁に
設けた供給口から送込んで莢実を上下の回転胴の
脱粒杆により衝撃を与えないでもぎとり、莢実の
亀裂、砕けを防止して生落花生の脱粒を迅速容易
になし得る落花生脱粒機を提供するものである。

以下図面について本発明を説明する。第３図乃
至第５図は特許請求の範囲第１項に記載する落花
生脱粒機の実施態様を示す。

ａは機筐で、機筐ａの前壁上部にはその一側端
と他側端間に開口部１を横方向に設け、機筐ａの
一側壁に脱粒しようとする落花生を機筐内に送込
む供給口２を、他側壁には脱粒を終えた落花生を
機筐外に取出す排出口３をそれぞれ機筐前壁の開
口部１と連通させて形成してある。

ｂは機筐ａ内の前部上方に配置した上部脱粒胴
で、機筐の両側壁内面間の距離に相当する長さに
形成した円胴４の周面に、金属杆の両端を屈曲し
て脚部を形成した数個の脱粒杆５を適宜間隔に配
列し、両端の脚部を円胴４の周壁の両側端部に穿
つた孔に挿通し、両端の脚部先端に設けたねじに
ナツト６を螺着し脱粒杆５の両端脚部を円胴４の
両側端部に取付けて構成されており、上部脱粒胴
ｂは機筐ａの前部内で機筐両側壁の対向する供給
口２および排出口３の上方位置において、機筐の
両側壁間に配置し、その中心部を機筐両側壁に支
承した回転軸７に取付けてある。

ｃは下部脱粒胴で上部脱粒胴ｂの円胴４の長さ
より著しく短かく形成した円胴８（図面に示すよ
うに円胴８の長さは円胴４の長さの半分より若干
長い程度に形成してある）の周面に金属杆の両端
を折曲して脚部を形成した数個の脱粒杆９を適宜
間隔に配列し、両端の脚部を円胴８の両側端部に
穿つた孔に挿通し、両端の脚部先端に設けたねじ
にナツト１０を螺着し脱粒杆９の両端脚部を円胴
８の両側端部に取付けて構成されており、下部脱
粒胴ｃは上部脱粒胴ｂの斜め前下方位置におい
て、機筐ａの排出口３を有する他側壁に近接させ
るとともに上部脱粒胴ｂと対向させて配置し、そ
の中心部を機筐両側壁に支承した回転軸１１に取
付けてある。

そして上部脱粒胴ｂと下部脱粒胴ｃとは機筐に
附設する伝動機構（図示してない）によりそれぞ
れ矢印に示すように正面から内方に向つて回転す
るよう構成されている。

なお数個の脱粒杆は円胴の周面に第２図Ａに示
すように放射状に配列し、または第２図Ｂに示す
ように軸心に対し傾斜させて配列する。

１２は下部脱粒胴ｃの外周に配置した外筒で、
下部脱粒胴の円胴８と同心の円筒の周壁上部を斜
めに切欠して開口を形成し周壁の一側壁には側壁
１２′を設けてなり、円筒の他側端を機筐の他側
壁内面に接触せしめ、周壁の開口部の前端を機筐
前壁の開口１の下縁に接続固定し、開口部の後端
は機筐内の中間部両側壁間に斜め後下方へ向け張
設した第一流し板１３の前端に接続固定してあ
る。

１４は機筐一側壁の供給口２の内側部と下部脱
粒胴ｃの外筒側板１２′の上端間に斜め後下方へ
向けて配置した受板でその両側端を機筐の一側壁
および外筒１２の側板１２′に接続固定し、前端
を機筐前壁の開口部１の下縁に、後端を第一流し
板１３の前端にそれぞれ接続固定してある。

１５は機筐ａの前部において第一流し板１３、
下部脱粒胴ｃの外筒１２および受板１４と機筐の
土台枠１６との間に形成した風車室で内部中央に
風車１７を回転軸により支承し、風車室１５の側
壁には吸風口１８を設け風車室１５の後方に形成
した風吹出し口１９の中間には風向板２０を配置
してある。

２１は基軸に数多の金属線杆を櫛歯状に配列し
て固定した選別篩で、第一流し板１３の下端に接
続して水平に配置しその基軸を機筐の両側壁に支
持してある。２２は選別篩２１の下方に配置した
一番粒の受箱で受箱２２の後壁には堰板２３を屈
曲形成し堰板２３には調節板２４を昇降自在に取
付け、受箱２２の側壁下部には掻出し口（図示し
てない）を設けてある。

２５は上部脱粒胴ｂの後方にこの脱粒胴と対向
させて斜め前下方に向け機筐両側壁間に張設した
排塵流し板で上端部をへ字状に屈曲し下部後面に
は調節流し板２６を配置してこれを機筐両側壁に
設けたレール２７に摺動自在に装着しその先端を
第一流し板１３に臨ませてある。

２８は機筐の上方開放部に装着した覆蓋でその
内部中間には排塵流し板２５とほぼ平行の斜板２
９を設けてこの斜板と排塵流し板２５との間に排
塵口を形成してある。

３０は排塵流し板２５の後方にこの流し板と平
行にかつ下端を上記選別篩２１の基部に臨ませて
配置し機筐両側壁間に張設した第２流し板で、排
塵流し板２５と第２流し板３０のそれぞれの上端
間には、基軸に数多の金属線杆を櫛歯状に配列固
定した排塵篩３１を斜め後下方へ向け配置しその
基軸を排塵流し板２５の上端屈曲部内に配置して
機筐両側壁に支持してある。

３２は排塵篩３１の先端部上方において覆蓋２
８および機筐両側壁に取付けた支持体でこれには
数個の弾性を有する排塵板３３を並列してその上
端を固定し、排塵板３３の下端を排塵篩３１に接
近させて配置してある。

３４は機筐一側壁に設けた供給口２の外側にほ
ぼ水平に配置してその中間部を機筐の土台枠１６
に設けた支持杆３５により支持した落花生供給台
でその先端を機筐の結給口２に接続させてある。
３６は機筐の前壁開口部１に蝶番により取付けた
テーブル板である。

次に上記の落花生脱粒機の作用を説明する。

圃場から掘取り未乾燥の生落花生を機筐の一側
外方に設けた供給台３４上に積み重ね、作業者は
その落花生を機筐一側壁の供給口２およびこの供
給口と連通している機筐前壁の開口部１内に入れ
るとともに機筐前壁の横方向に形成した開口部１
に沿い移動して落花生を機筐内の一側より他側に
向つて順次移送する。その際前壁開口部１に蝶着
したテーブル板３６はこれを外方へ回動して水平
に支持し落花生の根元部をテーブル板３６に載せ
て移動させる。

供給口２から機筐内一側部に送込まれる落花生
は先ず受板１４上に案内され、受板１４の上方に
おいて回転する上部脱粒胴ｂの脱粒杆５により大
部分脱粒され、ついで上部脱粒胴ｂと下部脱粒胴
ｃとの間に移行して矢印方向に回転する上下の脱
粒胴ｂ，ｃの脱粒杆５，９により残りの粒が脱離
され、脱粒完了した落花生は機筐他側壁の排出口
３および横方向に形成された機筐前壁の開口部１
の末端から機外に放出される。

機筐の一側壁の供給口から機筐内に送込まれる
最初の落花生の容積は大きいが、供給口の内側部
には下部脱粒胴を配置しないで受板１４のみを機
筐に固定して配置したから、供給口２から機筐内
に送込まれる最初の容積大の落花生の大部分を下
方の固定した受板１４と上方の回転する脱粒胴ｂ
とより負荷を軽減して迅速に脱粒し次いで回転す
る上下の脱粒胴ｂ，ｃで完全に脱粒することがで
きる。

また脱粒胴は円胴の周面に金属杆の両端を屈曲
して脚部を形成した脱粒杆を適宜間隔に配列しそ
の両端を円胴の両側端部に取付けて構成したか
ら、従来の円胴の周面に数多の脱粒歯を取付けて
なる脱粒胴に比し、脱粒胴回転中に脱粒杆が落花
生に衝撃を与えることなく落花生の子実を内蔵す
る莢実が落花生の莖桿から手でもぎとるように脱
離し莢実の亀裂、破砕を防止して莢実の損失をな
くしまた莖葉の切砕を少くして圃場から掘取り直
後の未乾燥の落花生の脱粒を迅速良好に行うこと
ができる効果がある。

受板１４と上部脱粒胴ｂとによる脱粒および上
部の脱粒胴ｂと下部脱粒胴ｃとによる脱粒は第一
流し板１３上を流下して選別篩２１に送られる。
一方風車室１５内では機筐に附設する伝動機構
（図示してない）により風車１７が回転して吸風
口１８から吸入した風が吹き出し口１９を通つて
選別篩２１の下方え吹き出され、選別篩２１の櫛
歯状に配列した金属線杆から落下する脱粒が風選
されて一番粒は受箱２２内に収容され２番粒は堰
板２３、調節板２４の外方へ分別され、脱粒の際
発生する莖葉等の塵芥は吹き出し風により機筐後
方の開放部から放出される。

上部脱粒胴ｂと下部脱粒胴ｃとにより脱粒され
る脱粒の一部は上部脱粒胴ｂの後方に配置した調
節流し板２６上を流下して、上記の上下の脱粒胴
ｂ，ｃおよび受板１４により脱粒されて第一流し
板１３上を流下する脱粒と合流し、脱粒の際発生
する落花生の切砕された莖葉等の塵芥は上部脱粒
胴ｂの回転にともない排塵流し板２５とその上方
の斜板２９との間に形成された排塵口から機筐内
部の後部上方に排出されて排塵篩３１上に落下
し、排塵に混在する脱粒は排塵篩３１の櫛歯状線
杆間から第２流し板３０上を流下して選別篩２１
の基部上に落下して選別され、排塵篩３１上を流
下する塵芥は排塵篩３１の先端と排塵板３３との
間隙から機筐の後部内に落下し、風車室１５から
吹き出される風により機筐後方の開放部から放出
される。

第６図乃至第８図は特許請求の範囲第２項に記
載する落花生脱粒機の実施態様を示すもので、こ
の落花生脱粒機は特許請求の範囲第１項に記載す
る落花生脱粒機における機筐ａの前壁上部の一側
端と他側端間に横方向に形成した開口部１の外側
上方に落花生移送チエンｄを配置してこれを機筐
ａに支持し、その下方には落花生移送チエンに沿
い落花生挾持体ｅを配置してこれを機筐ａに取付
け、機筐ａの他側壁に設けた排出口３には落花生
の排出案内杆ｆを設けたものである。

落花生移送チエンｄおよび落花生挾持体ｅは従
来の自動送込脱穀機において普通に用いられてい
る穀稈移送チエーンおよびその下方に配置する穀
稈挾持体とその構成、作用を同じうするものであ
る。

機筐ａの一側壁の供給口２と他側壁の排出口３
とにそれぞれ連通させて機筐前壁に横方向に形成
した開口部１の外側に上記のように移送チエンｄ
と挾持体ｃとを設け機筐ａの一側外方に附設する
供給台３４に圃場から掘取つた生落花生を積み重
ね、その落花生の根元部を移送チエンｄと挾持体
ｅとの一端部間に挿入し移送チエンｄを機筐ａに
附設する伝動機構（図示してない）により駆動す
ると、落花生は移送チエンｄと挾持体ｅとにより
挾持されて機筐一側壁の供給口２から機筐内に送
込まれ機筐内を他側壁に向つて移送される間に上
部脱粒胴ｂ、受板１４、下部脱粒胴ｃにより上記
のように脱粒され、脱粒終了の落花生は排出口３
から機筐外に出て案内杆ｆにより地上に放出され
脱粒しようとする落花生を機筐内に供給し移送す
る操作が自動的に行われるから脱粒作業を労力を
著しく軽減して容易迅速になし得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の要部を示す断面図、第２図は
本発明における脱粒胴の斜面図でＡは脱粒杆を円
胴に放射状に配列した状態を示し、Ｂは脱粒杆を
円胴の軸心に対し傾斜させて配列した状態を示
す。第３図ないし第５図は特許請求範囲第１２項
記載の発明を施した落花生脱粒機を示すもので、
第３図は正面図、第４図は第１図Ｂ−Ｂ線におけ
る側断面図、第５図は第１図Ａ−Ａ線における側
断面図、第６図ないし第８図は特許請求の範囲第
２項に記載する発明を施した落花生脱粒機を示す
もので、第６図は正面図、第７図は第１図Ｂ−Ｂ
線における側断面図、第８図は第１図Ａ−Ａ線に
おける側断面図である。 ａ……機筐、ｂ……上部脱粒胴、ｃ……下部脱
粒胴、１……機筐前壁の開口部、２……機筐の一
側壁に形成した供給口、３……機筐の他側壁に形
成した排出口、４，８……円胴、５，９……脱粒
杆、６，１０……ナツト、７，１１……回転軸、
１２……外筒、１２′……外筒の側壁、１３……
第一流し板、１４……受板、３４……落花生供給
台、３５……支持杆、３６……テーブル板、ｄ…
…落花生移送チエン、ｅ……落花生挾持体、ｆ…
…落花生の排出案内杆。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機筐の前壁には一側端と他側端間に開口部を
   横方向に設け、機筐の一側壁には供給口を他側壁
   には排出口をそれぞれ前壁開口部と連通させて形
   成し、機筐内の前部上方には、機筐の両側壁内面
   間の距離に相当する長さに形成した円胴の周面
   に、金属杆の両端を屈曲して脚部を形成した数個
   の脱粒杆を適宜間隔に配列して両端の脚部を円胴
   の両側端部に取付けてなる上部脱粒胴を配置して
   回転軸により支承し、上部脱粒胴の下方には、上
   部脱粒胴の円胴の長さより著しく短かく形成した
   円胴の周面に、金属杆の両端を屈曲して脚部を形
   成した数個の脱粒杆を適宜間隔に配列して両端の
   脚部を円胴の両側端部に取付けてなる下部脱粒胴
   を、機筐の排出口を有する他側壁に近接させ配置
   して回転軸により支承し、上下の脱粒胴をそれぞ
   れ正面より内方に向つて回転するようなし、機筐
   一側壁の供給口と下部脱粒胴との間には受板を上
   部脱粒胴と対向させて配置しこれを機筐に固定し
   たことを特徴とする落花生脱粒機。 ２ 機筐の前壁には一側端と他側端間に開口部を
   横方向に設け、機筐の一側壁には供給口を他側壁
   には排出口をそれぞれ前壁開口部と連通させて形
   成し、機筐内の前部上方には、機筐の両側壁内面
   間の距離に相当する長さに形成した円胴の周面
   に、金属杆の両端を屈曲して脚部を形成した数個
   の脱粒杆を適宜間隔に配列して両端の脚部を円胴
   の両側端部に取付けてなる上部脱粒胴を配置して
   回転軸により支承し、上部脱粒胴の下方には上部
   脱粒胴の円胴の長さより著しく短かく形成した円
   胴の周面に、金属杆の両端を屈曲して脚部を形成
   した数個の脱粒杆を適宜間隔に配列して両端の脚
   部を円胴の両側端部に取付けてなる下部脱粒胴
   を、機筐の排出口を有する他側壁に近接させ配置
   して回転軸により支承し、上下の脱粒胴をそれぞ
   れ正面より内方に向つて回転するようなし、機筐
   の一側壁の供給口と下部脱粒胴との間には受板を
   上部脱粒胴と対向させ配置してこれを機筐に固定
   し、機筐の前壁開口部の外側には上方に落花生移
   送チエンを配置して機筐に支持し、その下方には
   落花生挾持体を移送チエンに沿い配置して機筐に
   取付けたことを特徴とする落花生脱粒機。