JPS6344889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は絶縁線心の撚り合せ方向を示す表示を
シースの表面に付した耐捻回電気ケーブルに関
し、適正な捻回方向を受けるようにケーブルを布
設又は使用できるように目視判断が出来る耐捻回
電気ケーブルを提供することを目的とするもので
ある。

従来、銅素線を撚り合せた撚り導体に電気絶縁
材を被覆した絶縁線心の複数本を撚り合せ、その
外側にゴム，プラスチツクスからなるシースを施
してなる耐捻回電気ケーブルは例えば渦巻状にケ
ーブル受架台上に巻いた状態でカールしたまま引
出したり、もとに戻したりして移動機器へ給電す
る場合などに使用されるので、このケーブルはカ
ールしたまま引出す毎にカール巻き方向と同じ向
きの捻回を常に受ける。

本考案者は、先にかかる耐捻回電気ケーブルは
その絶縁線心の撚り合せ方向と同方向に捻回を受
けるようにして使用する場合が、これと逆方向の
捻回を受けるようにして使用する場合よりもケー
ブル寿命が長くなり、さらに絶縁線心の導体の撚
り合せ方向を絶縁線心の撚り合せ方向と逆方向に
した耐捻回電気ケーブルを絶縁線心の撚り合せ方
向と同方向の捻回を受けるように使用する場合が
一層長寿命となることを提案した。

このように耐捻回電気ケーブルの寿命すなわち
捻回特性は絶縁線心の撚り合せ方向と同じ方向に
捻回を受ける場合が逆方向の捻回の場合に較べて
大幅に優れている。

しかしケーブルの外観からは絶縁線心や導体の
撚り合せ方向は全く判らないのでケーブル布設時
等にケーブルの受ける適正な捻回方向を誤つて逆
方向に布設してしまい、その結果ケーブル寿命を
著しく短かくしてしまう欠点があつた。

本考案はかかる欠点を解消し、きわめて容易に
目視で適正捻回方向を判断できる耐捻回電気ケー
ブルを提供するものである。

すなわち、本考案は素線導体上に電気絶縁材を
被覆した絶縁線心の複数本を撚り合せ、最外側に
シースを施した耐捻回電気ケーブルにおいて、前
記シースの表面に絶縁線心の撚り合せ方向を示す
表示を付したことを特徴とする耐捻回電気ケーブ
ルである。

次に本考案の実施例を図面を用いて説明する。
第１図は本考案による耐捻回電気ケーブルの１例
を示す斜視図であり、図中１は絶縁線心、２は素
線導体、３は電気絶縁材層、４はシース、５は適
正捻回方向を示す表示である。図に示す耐捻回電
気ケーブルは素線導体２の上にゴム、プラスチツ
クからなる電気絶縁材層３を被覆してなる絶縁線
心１を４本右撚りし、その上にゴム、プラスチツ
クからなるシース４を施し、さらにこのシース４
の表面に絶縁線心１の撚り方向右と同じ方向右を
示す斜線（図において右斜め上から左斜め下に引
く斜線）をケーブルの長手方向に所定間隔を置い
て多数付したものである。

また、第２図は本考案による耐捻回電気ケーブ
ルの他の例を示す斜視図であり、絶縁線心１と適
正捻回方向を示す表示５とが第１図に示す耐捻回
電気ケーブルａの場合と逆方向である以外は第１
図のケーブルと同じである。すなわち第２図に示
す耐捻回電気ケーブルａは絶縁線心１を４本左撚
りし、その上にシース４を施し、さらにこのシー
ス４の表面に左方向を示す斜線（図において左斜
め上から右斜め下に引く斜線）をケーブルの長手
方向に所定間隔を置いて多数付したものである。

第１図に示す耐捻回電気ケーブルａの適正捻回
方向は右撚り絶縁線心と同じ向きすなわち右向き
であるから、表示５は絶縁線心１が右撚りである
ことを示し、これにより、このケーブルａは右向
きの捻回を受けるように布設すればよいことが容
易に目視判断できる。

同様に第２図に示すケーブルａの適正捻回方向
は左撚り絶縁線心と同じ向きの左り向きであるか
ら表示５は絶縁線心が左撚りであることを示して
いる。したがつてこのケーブルａは左向きの捻回
を受けるように布設すればよいことが目視判断で
きる。

なお、第１図、第２図においては表示５は絶縁
線心１の撚り方向を示し、これによりケーブルａ
の捻回方向も同じ方向であることを示している
が、本考案ではかかる表示に限らず、ケーブル表
面に例えば右撚り絶縁線心のケーブルについては
「右」、「右撚り」、「右捻回」又は「このケーブル
は右捻回」の如く文字又は文を印刷してもよい。
左撚り絶縁線心のケーブルについても同様に
「左」、「左撚り」、「左捻回」又は「このケーブル
は左捻回」の如く文字又は文を印刷すればよい。

いずれにしろ本考案においてシース表面に付す
表示は絶縁線心の熱り合せ方向示すものであれば
いかなるものでもよく何ら限定されるものではな
い。

また、本考案においては、初めにも述べた如
く、素線導体の素線撚り合せ方向は、絶縁線心の
撚り合せ方向と逆方向とした耐捻回電気ケーブル
を用いるのが一層好ましいものである。すなわ
ち、耐捻回電気ケーブルの寿命は捻回方向によつ
て大きく左右され、絶縁線心の撚り合せ方向が捻
回方向と同じ場合が逆の場合よりも著しくケーブ
ル寿命が長くなるが、この寿命はさらに各絶縁線
心を構成する素線導体の撚り合せ方向によつても
かなりの影響を受け、捻回方向と逆向き、すなわ
ち絶縁線心の撚り合せ方向と反対の向きのときに
一層延命になる。

以上の如く、本考案の耐捻回電気ケーブルは、
そのシース表面に付した表示によつて適正捻回方
向を容易に目視判断できるのでケーブルの適正捻
回方向を誤つて逆に布設したり使用したりするこ
とが防止でき、もつてケーブル寿命を適正に保証
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による耐捻回電気ケーブルの１
例を示す斜視図であり、第２図は他の例を示す斜
視図である。 １……絶縁線心、２……素線導体、３……電気
絶縁材層、４……シース、５……表示。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 素線導体上に電気絶縁材を被覆した絶縁線心
   の複数本を撚り合せ、最外層にシースを施した
   耐捻回電気ケーブルにおいて、前記シースの表
   面に絶縁線心の撚り合せ方向を示す表示を付し
   たことを特徴とする耐捻回電気ケーブル。 (2) 素線導体が絶縁線心の撚り合せ方向と逆方向
   に撚り合せられていることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の耐捻回電気ケー
   ブル。