JPH0626043Y2 - 発電機等の転位巻線装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は半導電性の扁平材料を外側高圧絶縁層の内部
において絶縁素導体から構成された導体の周囲に巻付け
た発電機等の転位巻線装置において、１本の素導体と前
記半導電性の扁平材料とを電気的に結合して転位巻線の
内部電位制御を行う発電機等の転位巻線装置に関する。

〔従来の技術〕

かかる内部電位制御装置は西ドイツ特許公開第2755050
号により公知である。それに記載の装置においては、テ
ープ状の半導電性の扁平材料が絶縁された素導体から構
成された導体束の周囲に巻付けられ、１つの接続個所で
素導体の１本と電気的に結合されている。その場合この
素導体は接続個所の範囲で絶縁をはぎ取られている。こ
こでは、半導電性の扁平材料の比較的大きい電気抵抗の
ためにコイルバーの全長にわたって一様な電位の確立が
不可能であることが欠点である。また一方では、半導電
性のテープと同一の素導体との間に複数の接続個所を設
けようとすれば出費がかさみ、しかもその素導体が捩り
転位により導体束中におけるその位置を常に変化するの
で接続個所を設けるためにその素導体を探し出すのが困
難である。

オーストリア特許第277375により公知である別の装置に
おいては、内部電位制御が隣接して並んだ金属の細線を
非導電性材料のよこ系で織り上げたテープを導体束に巻
付けて構成される。このテープは同様に素導体の１本と
１つの接続個所で電気的に結合される。このテープの比
較的小さい電気抵抗によりコイルバーの全長にわたり一
様な電位が確立されるけれども、その際正に小さい電気
抵抗のために、望ましくない温度上昇をひき起すような
大きい渦流損が生じる。この温度上昇は短絡の場合には
非常に大となりテープの金属細線が蒸発する。

〔考案が解決しようとする課題〕

従ってこの考案は、少い出費と渦流損の防止のもとにコ
イルバーの全長にわたりできるかぎり一様な電位確立を
可能にする発電機転位コイルバーの内部電位制御装置を
提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この目的はこの考案にもとずき冒頭に記載の発電機等の
転位巻線装置によって達成される。即ち半導電性の扁平
材料を外側高圧絶縁層の内部において絶縁素導体から構
成された導体の周囲に巻付けた発電機等の転位巻線装置
において、前記の１本の素導体と前記の半導電性の扁平
材料とを、前記半導電性の扁平材料を外側高圧絶縁層の
内部において絶縁素導体から構成された導体の周囲に巻
付けた発電機等の転位巻線装置において、前記の１本の
素導体と前記の半導電性の扁平材料とを、前記発電機等
の巻線の長手方向に延びて転位には無関係な前記１本の
素導体と１つの接続個所において電気的に結合した金属
性の帯状接続導体を介して接続して、該接続導体はその
全長にわたり前記の半導電性の扁平材料と電気的に結合
したことにある。接続導体は半導電性の扁平材料に接す
る側面上のその絶縁層を取去った１本のベントチューブ
により構成しうる。かくしてガス内部冷却付きの発電機
等の転位巻線において接続導体を付加配置することが不
要となる。

接続導体はテープ状又は針金状に構成するのが良い。そ
の場合その断面積及び太さは溝貫通磁界により渦流損が
生じないように決定される。

この考案にもとづく有利な実施形態においては、導体束
と半導電性扁平材料との間に接続個所において接続的窓
を備えた絶縁材料製の下地巻部が設けられる。これによ
り半導電性の扁平材料と１つの接続個所を有する素導体
だけとの結合が確保される。この下地巻部により、残り
の絶縁された素導体の段付き曲げ部の付近に生じる裸の
個所との偶然の接触が避けられる。

接続導体は金属製とするのが良い。しかしながら電気抵
抗材料又は半導電性材料製の接続導体を用いることもで
きる。

接続導体は外側高圧絶縁層と半導電性扁平材料との間に
配置することができる。その場合接続導体は最初のマイ
カテープ絶縁層を巻付ける際強固に押付けられる。しか
しながら半導電性の導体は半導電性の扁平材料と下地巻
部との間にも配置できる。

接続導体と１つの素導体との間の結合のための接続個所
は発電機コイルバーの端部に配置するのがよい。

背の高い発電機コイルバーでは、発電機コイルバーの接
続導体と反対側の面に第２の接続導体を配置するのが良
い。その場合両方の接続導体を同一の素導体に電気的に
結合しうる。発電機コイルバーの高さが適切なときは、
半導電性の扁平材料の電気抵抗が大きいので両方の接続
導体を異る素導体に結合することもできる。

〔作用〕

前記のように導体束を構成する１本の素導体と１つの接
続個所で接続された接続導体をコイル全長に亘り配する
ことにより、該接続導体と半導電層をコイルバーに全長
に亘り電気的に結合させることが可能となりコイルバー
の全長に亘り一様な電位が確立され、従来の比較的大き
い電気抵抗を有する半導電的扁平材を複数の接続個所を
設けることによる出費のかさみや、比較的小さい電気抵
抗を有するテープを用いた場合の渦流損による温度上
昇、などの欠点を解消することができる。

〔実施例〕

つぎに図面にもとづきこの考案の実施例の構成と作用と
を詳細に説明する。

第１図は本考案の実施例による発電機転位巻線装置の透
視横断面図で、ここでは導体束を取囲む層が段違いに切
断されている。

第２図は本考案の他の実施例による内部ガス冷却のため
のベントチューブを有する発電機転位巻線装置の横断面
図である。

第１図による構成においては、絶縁された平角銅線から
成り互に捩り転位された素導体１は隣接する２つの素導
体平面に配置され、ここでは各素導体平面はそれぞれ上
下に重なった14本の素導体１を含んでいる。個々の素導
体１の図示されていない絶縁層は例えば結合ラック又は
樹脂を含浸したガラス繊維又はポリエステル繊維の巻付
け層から構成されている。個々の絶縁された素導体１に
より構成された長方形の導体束は、例えばら線状に巻付
けられたマイカテープから成る絶縁下地巻部２により取
囲まれている。図面において導体束の上側の下地巻部２
の上に裸の金属性の帯状接続導体が配置され、その接続
導体は発電機巻線の長手方向に延びて例えば平角銅線か
ら成っている。接続導体３の断面は渦流損が発生しえな
い程度に小さく定められている。接続導体３は唯一の接
続個所特に発電機巻線の端部において１つの素導体１と
電気的に結合されている。このために下地巻部２には接
続用窓４が設けられ、この接続用窓の部分でその下に置
かれた素導体１の絶縁層も取去られている。接続導体３
と素導体１との電気的結合はかくして図面の中で５によ
り示したはんだ付け個所により行われるが、はんだ結合
の代りに導電性の合成樹脂接合材又は半導電性パテなど
による結合もまた可能である。

つぎに下地巻部２及びその上に配置した接続導体３の囲
りに、例えば油煙粉により導電性を持たせたポリエステ
ル不織布から成るテープ状の半導電性の扁平材料６がら
線状に巻付けられる。

このコイル状に取付けられた半導電性の扁平材料６は内
部コロナ防止層を形成し、発電機巻線の長手方向におい
て接続導体３との電気的結合により溝の全長にわたって
一様な内部電位制御を行う。つづいて最後に半導電性の
扁平材料６は高圧絶縁層７により取囲まれるが、その層
の上には図示されていない外部コロナ防止層が設けられ
うる。

第２図に示す構成は、直接ガス冷却付き二重格子バーと
して構成された発電機転位巻線装置の横断面を示す。こ
の発電機転位巻線装置の導体束はここでは２つの導体束
から構成され、その間に上下に重なった合計８本のベン
トチューブ８が配置されている。その際導体束の各々は
絶縁され互に捩り転位された多数の素導体10から成り、
その素導体は２つの素導体平面に隣接して配列されてい
る。個々のベントチューブ８も熱伝導に大きい影響を及
ぼさない図示されていない絶縁層例えばガラス布巻付け
層を有している。

素導体10とベントチューブ８とから構成された導体束は
半導電性の扁平材料60により取囲まれ、その扁平材料は
内部コロナ防止の役を果しまたそれ自身外側高圧絶縁層
70により取囲まれている。半導電性の扁平材料60はテー
プの形状をなし、ら線状に導体束の周囲に巻付けられ、
そして例えば油煙粉により導電性を持たせたポリエステ
ル不織布又はグラファイトペーパーから成っている。

半導電性の扁平材料60により一様な内部電位制御が達成
できるように両端に配置されたベントチューブ８の内の
１体が第１図に示した接続導体３の機能を受持つ。この
ために図面の下端に示したベントチューブ８は半導電性
の扁平材料60に接する面はその絶縁層が取去られている
ので、このベントチューブは接続導体30として作用す
る。接続導体30と半導電性扁平材料60との電気的結合は
直接の接触又は図面に示すように半導電性材料９例えば
半導電性パテ又は半導電性のポリエステル不織布の小片
を介して行われる。

発電機巻線の端部において個々のベントチューブ８は抵
抗体を介して相互に接続される。このように構成された
抵抗体の鎖はついで素導体10の１本に接続され、この接
続は接続導体30と素導体10との接続個所すなわち電気的
結合を形成する。接続導体30を含むベントチューブ８は
低導電性金属例えば洋銀から成る。しかしながら接続導
体30の電導度が１ないし２Ｓ（ジーメンス）のときでも
なお十分に一様な内部電位制御が達成できる。

〔考案の効果〕

本考案によれば金属性の帯状接続導体を設けることによ
り、少ない出費で半導電性の扁平材料とただ１つの接続
個所においてのみ電気的に結合された素導体との間のコ
イルバー全長にわたる電気的結合が得られる。かくして
コイルバーの全長にわたり一様な電位が確立され、絶縁
試験の際に誘電体の損失係数の正確な測定や確実な品質
評価が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示す発電機転位巻線装置
の透視横断面図，第２図はこの考案の別の実施例を示す
発電機転位巻線装置の横断面図、である。 図面において、１；10は素導体、２は下地巻部、３；30
は接続導体、４は接続用窓、６；60は半導電性の扁平材
料、７；70は外側高圧絶縁層、８はベントチューブ、で
ある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−36779（ＪＰ，Ａ) 特公 昭31−7963（ＪＰ，Ｂ１) 実公 昭37−5047（ＪＰ，Ｙ１) 米国特許4308476（ＵＳ，Ａ) 西独国特許出願公開2755050（ＤＥ，Ａ)

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】半導電性の偏平材料を外側高圧絶縁層の内
   部において絶縁素導体から構成された導体束の周囲に巻
   付けた発電機等の転位巻線装置において、前記半導体性
   の偏平材料を、前記導体束の１本の素導体と１つの接続
   個所において電気的に結合した前記発電機等の巻線の長
   手方向に延びて転位には無関係な金属性の帯状接続導体
   を介して前記導体束の１本の素導体と接続し、該帯状の
   接続導体はその全長にわたり前記半導電性の偏平材料と
   電気的に結合したことを特徴とする発電機等の転位巻線
   装置。
2. 【請求項２】実用新案登録請求の範囲第１項に記載の装
   置において、前記金属性の帯状接続導体が前記の半導電
   性の偏平材料に接する側面上のその絶縁層を取去った１
   本のベントチューブから成ることを特徴とする発電機等
   の転位巻線装置。
3. 【請求項３】実用新案登録請求の範囲第１項に記載の装
   置において、前記金属性の帯状接続導体がテープ状又は
   針金状に形成されることを特徴とする発電機等の転位巻
   線装置。
4. 【請求項４】実用新案登録請求の範囲第３項に記載の装
   置において、前記導体束と前記の半導電性の偏平材料と
   の間に、前記金属性の帯状接続導体との接続個所におい
   て接続用窓を備えた絶縁材料から成る下地巻部が前記導
   体束に設けられることを特徴とする発電機等の転位巻線
   装置。
5. 【請求項５】実用新案登録請求の範囲第１項から第４項
   までのいずれかに記載の装置において、前記接続個所が
   発電機等の巻線の端部に設けられることを特徴とする発
   電機等の巻線装置。