JPS6344568Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、引張りにより操作力を伝達するコン
トロールケーブルの操作行程の最終段階において
過大な負荷が作用するのを防止する装置に関す
る。

例えば、自動車のキヤブレタとアクセルペダル
をコントロールケーブルで連結する場合に、ケー
ブルの端末をペダルに直結すると、踏圧行程の最
終段階で踏圧力が急激に増大してキヤブレタの操
作軸を変形させる等の重大な故障を引き起こすお
それがあり、また、エンジンの振動がペダルに伝
達されて運転者に不快感を与えるため、ケーブル
をペダルに取り付けた案内体に通してその案内体
とケーブルの端末に固着した金具との間にゴム製
の弾性体を介装し、その弾性体の弾縮により踏圧
行程の最終段階における踏圧力の急激な増大を防
止し、かつ、振動を吸収するようになつている
が、従来の装置においては、案内体と弾性体が結
合されていなかつたため、ペダルが急激に作動し
た場合や、相手部品の調整時などのようにコント
ロールケーブルが緩むと、弾性体が案内体から外
れて斜めの姿勢で当接することがあり、このよう
な状態になると、コントロールケーブルの遊びが
変化してキヤブレタを正しく制御することができ
なくなつたり、不規則な変形を生じて、荷重−た
わみ特性が不安定となる欠点があつた。

また、従来使用されていた弾性体は中心にケー
ブルを挿通する小孔を透設した厚肉の円筒形をな
し、荷重−たわみ特性が略線型であつたため、低
負荷の正常操作範囲においても相当量のたわみを
生じて踏圧行程の最終段階における圧縮代が残り
少なくなり、踏圧力の急激な増大を十分に阻止す
ることができない欠点があつた。このため、本件
特許出願人は、実開昭56−62453号に開示されて
いるとおりに、弾性体が非線型特性を生ずるよう
にし、かつ、案内体に斜めに広がる鍔部を形成
し、これを弾性体に形成した凹所に嵌入して結合
した防振装置を提案したが、踏圧行程における荷
重−たわみ特性が必ずしも十分に良好なものでな
く、また、鍔部を嵌入するために弾性体が大型に
なつてコスト高となる点において改良の余地があ
つた。

なお、このような事情は、他の用途のコントロ
ールケーブルの過負荷防止装置においても同様に
生ずるところである。

本考案は、このような欠点を除去することを目
的とするものである。

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

撚り線からなるコントロールケーブル１の端末
から、中心に挿通孔２１を透設した合成樹脂製の
案内体２、内周面中央にリブ３１を形成した太鼓
形をなすゴム製の弾性体３、金属製の座板４及び
ゴム製のクツシヨン５を順次に嵌装した後に端末
部の撚りを戻して金型に容れ、鋳込み成形を行な
うことにより金具６が固着してあり、ペダル７の
取付孔７１に、その側方から切り込んだ図示しな
い溝を通してコントロールケーブル１を導き入れ
てから、案内体２の一側の面に突成した一対の弾
性係止片２２，２２の弾性変形を生じさせつつ取
付孔７１に嵌入して各弾性係止片２２，２２の外
面に形成した鉤部２３，２３をペダル７の他側に
突出し、弾性係止片２２，２２の弾性復元力によ
り鉤部２３，２３を取付孔７１の孔縁に係止する
とともに、前記一側の面の一部に形成した凸部２
４を取付孔７１の周縁の一部に形成した凹部７２
に嵌合して回動不能に取り付け、弾性体３は、そ
の一側の端面に形成した内向きの鍔３２の内周に
案内体２の他側の面に突成したボス２５を緊密に
嵌合して取り付け、コントロールケーブル１は、
その他側の端末をキヤブレタの操作部等の図示し
ない従動部材に連結して緊張した状態で配索さ
れ、その緊張力によつて、案内体２、弾性体３、
座板４、クツシヨン５及び金具６が互いに当接し
ている。

上記したところは、従来のコントロールケーブ
ルの端末装置と同一であつて、ペダル７がＡ矢線
方向に揺動すると、案内体２、弾性体３、座板４
及びクツシヨン５を介して金具６が押され、コン
トロールケーブル１が図の左方へ引張られて図示
しないキヤブレタに操作力が伝達され、この操作
力が大きくなると弾性体３が圧縮されてペダル７
の動きがコントロールケーブル１にそのまま伝わ
らないようにして、過大な負荷がキヤブレタに作
用するのを防止するようになつているが、上記の
ように、案内体２のボス２５を弾性体３の端面の
開口に嵌合しただけでは、ペダル７が復帰用のば
ねの弾力によりＡ矢線と反対方向に急速に揺動し
て、コントロールケーブル１がこれに追従するこ
とができなかつた場合に、弾性体３が案内体２か
ら外れ、コントロールケーブル１の再緊張により
弾性体３が案内体２に再び当接したときにボス２
５と正しく嵌合できず、斜めの姿勢で案内体２に
押し付けられることにより、ペダル７と座板４の
間隔が変つてコントロールケーブルの遊びが変化
したり、弾性体３の荷重−たわみ特性が変化した
りしてキヤブレタを正しく操作することができな
くなるおそれがあり、このような事態はコントロ
ールケーブル１を緩めてキヤブレタを調整する際
に生ずることもある。

そこで、本実施例では、案内体２のボス２５の
先端に鍔状の突片２６を形成し、これを弾性体３
の内向きの鍔３２に内面に係合して、コントロー
ルケーブル１が緩んでも弾性体３が案内体２から
外れないようになつている。

また、軸方向の圧縮荷重が作用すると、その圧
縮行程の初期においては、リブ３１の両側の筒形
部分が主として軸方向の圧縮変形を生ずるため、
荷重の増大に伴う圧縮量の増加率が小さく、圧縮
行程の中期においては中央のリブ３１の両側で半
径方向に膨出してわん曲し、主として曲げ変形を
生ずるため、荷重の増大に伴う圧縮率が大とな
り、さらに変形が進んで両端部がリブ３１に当つ
た後に、圧縮変形となるため、荷重の増大に伴う
圧縮量の増加率が急激に増大するという極めて優
れた荷重−たわみ特性を示し、しかも、案内体２
の突片２６は鍔状に広がつているから、リブ３１
に押し付けられたときの面圧が低く、リブ３１を
損傷させるおそれが少なく耐久性に優れる。

上記実施例によつて具体的に説明したように、
本考案のコントロールケーブルの過負荷防止装置
は、引張りによる操作力を伝達するコントロール
ケーブルを、駆動部材若しくは従動部材に取り付
けた案内体に通してその案内体とコントロールケ
ーブルの端末に固着した金具との間に弾性体を介
装し、その弾性体の圧縮により過負荷の伝達を防
止する装置において、弾性体が、案内体側の端部
に縮径した透孔をする筒形をなし、軸方向の中央
部内周に環形のリブを突成したものであり、か
つ、案内体が、弾性体の透孔に嵌入するボスと、
そのボスの端部に突成されて透孔の内側において
拡径した鍔状の突片を有する構成としたものであ
つて、コントロールケーブルが緩んだときに弾性
体が案内体から外れるおそれがなく、確実に作動
するばかりでなく、案内体の突片を弾性体の内周
に係合させたから、小型化が可能であり、また、
優れた荷重−たわみ特性を示すとともに、耐久性
に優れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図である。 １：コントロールケーブル、６：金具、２：案
内体、３：弾性体、２５：ボス、２６：突片、３
１：リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引張りにより操作力を伝達するコントロールケ
   ーブルを、駆動部材若しくは従動部材に取り付け
   た案内体に通して該案内体と前記コントロールケ
   ーブルの端末に固着した金具との間に弾性体を介
   装し、該弾性体の圧縮により過負荷の伝達を防止
   する装置において、前記弾性体が、前記案内体側
   の端部に縮径した透孔をする筒形をなし、軸方向
   の中央部内周に環形のリブを突成したものであ
   り、かつ、前記案内体が、前記弾性体の前記透孔
   に嵌入するボスと、該ボスの端部に突成されて前
   記透孔の内側において拡径した鍔状の突片を有す
   ることを特徴とするコントロールケーブルの過負
   荷防止装置。