JPS6344367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はビール等ガス入り液体を収納した樽状
容器に使用するのに適した液体注ぎ用ノズルに関
する。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 近時、家庭用小容量の生ビール等の収納容器と
して、金属容器に代わり使い捨てで再使用しない
合成樹脂成形品によるものが開発されている。こ
の種のものは簡便で廉価なことから普及しつつあ
るが、その形状は所謂樽型が一般的で、通常の壜
のように口部が突出してないのでコツプ等への注
出が不便である。しかも、ビールの場合、賞味上
適当な泡立ちが好ましいので、この種容器に用い
るノズルの場合、泡立ち機能を備えることがのぞ
ましい。

本考案はコツプ等への注ぎを容易にすると共に
泡立ち機能を備えた、ビール等ガス入り液体収納
用樽状容器に最適な液体注ぎ用ノズルを提供する
ことを目的とする。

「題点を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案に係るノズ
ルは、注ぎ口側半部を斜前下方向に折曲した筒状
ノズル本体１の内部上面側に、該本体１全長に亘
つて吸気用孔２を内設し、且つ注ぎ口先端部の底
壁部分ないしは該底壁部分から前方へ突出させた
樋３部分に液体分流用孔４を開け、該分流用孔４
の下流側に、該分流用孔内を通過した液体の略全
量が衝突する大きさおよび角度で邪魔板５を垂設
してなる。

「作用」 例えば第２図が示すように、ノズル本体１を樽
状容器９等へ取り付けた際には、斜前下方向に折
曲された注ぎ口側半部がコツプ１０等で受けるの
に都合のよい角度となる。即ち、樽状容器等の小
さい傾斜角で内容液の注出ができるのである。

また、ノズル本体に内設した吸気用孔２によ
り、注出時における気液交換が良好に行われて内
容液注出が円滑になされる。

更に、注ぎ口から注出される内容液は、その一
部が分流用孔４で重力により主流側と分れて副流
となり、その前方に位置する邪魔板５に衝突す
る。この衝突による撹拌作用で副流側液体は層流
状態から乱流状態へと積極的に変化し、内部に含
まれた炭酸ガス等により発砲する。そして、この
泡立ちを伴つた副流側液体と上記主流側液体とは
コツプ等内においてコツプ等底面及びコツプ等内
貯溜液面へ衝突し、この際の撹拌作用によつても
主流側及び副流側液体は共に発砲する。即ち、上
記吸気用孔２を内設して内容液注出を円滑にした
分だけ、コツプ等内での撹拌作用が低下して泡立
ちが減少する筈であるが、本考案では上記邪魔板
５による発砲作用を付加することで適度な泡立ち
を保つことができるのである。

「実施例」 以下添付図面を参照して本考案の一実施例を説
明する。本考案ノズルは第１図ａ，ｂ及び第２図
に示すように、注ぎ口側半部を斜前下方向に適当
角度、例えば45゜前後折曲したノズル本体１の内
部上面側に、該本体１全長に亘り更に本体後方に
延出される負圧化防止のための吸気用孔２を内設
し、また該吸気用孔２と反対側の本体１内部下面
側に本体１全長に亘り樋３を内設し、そしてこの
樋３を注ぎ口先端面より幾分前方へ突出させ、こ
の突出部下底に所定孔径の液体分流用孔４を開け
ると共に該分流用孔４の前面側、つまり下流側に
邪魔板５を斜後下方向に垂設した構成である。上
記邪魔板５の角度及び大きさは、分流用孔４によ
り分流された副流側液体の略全量がある程度急角
度で衝突するように選択されている。なお、図中
６は取付用フランジである。

従つて、本実施例では、例えば第２図が示すよ
うに口部７が本体部端面８と略同一面にあるビー
ル収納用の樽状容器９の場合、本考案ノズルを取
り付けビール注出のため樽状容器９を傾けたと
き、その注ぎ口が樽状容器９の本体部端面８から
突出して斜前下方向を向く。

第３図ａ，ｂは他の実施例を示したもので、こ
の例においてはノズル本体１の先端注ぎ口部下底
に長溝を切欠き、この長溝の上流側の半部を残し
て分流用孔４′とし、その下流側半部を塞ぐよう
に下細りの断面三角形の邪魔板５′を下方に垂設
し、先の実施例と同様の作用効果を得るようにし
たものである。この例は先の実施例に比べ、樋３
を内設せずにすむので、形状が単純となる利点が
ある。

「考案が解決しようとする課題」 以上説明したように本考案によれば、ノズル本
体の注ぎ口側半部を斜前下方向に折曲したので、
樽状容器等に取付けた際には、その注ぎ口がコツ
プ等で受けるのに都合がよい角度となり即ち樽状
容器等の小さい傾斜角で内容液の注出ができ、使
用上頗る便利である。

また注出液体を主、副に分流して、そのうちの
副流側液体を邪魔板に衝突させてその撹拌作用に
より積極的に発砲させた後、上記主、副両液体を
コツプ等内へ注ぐことができるように構成したの
で、ノズル本体に吸気用孔を内設したことによる
発砲作用の低下を上記邪魔板による発砲作用で十
分補うことができ、依つて内容液の円滑な注出を
図ると共に適度な泡立ちを維持して清涼感を増大
させられる。

さらに本考案ノズルは形状が単純であり、特別
な別途部品を必要とせず、合成樹脂剤を用いて一
体成形できるので廉価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案一実施例の液体注ぎ用ノズル
の全体斜視図、同図ｂはａ図の先端注ぎ口部の側
縦断面図、第２図は同実施例を樽状容器に取付け
た使用状態を示す図、第３図ａ，ｂは他の実施例
を示したもので、ａ図は全体斜視図、ｂ図はａ図
の先端注ぎ口部の側縦断面図である。 １……ノズル本体、２……吸気用孔、４，４′
……分流用孔、５，５′……邪魔板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 注ぎ口側半部を斜前下方向に折曲した筒状ノズ
   ル本体１の内部上面側に、該本体１全長に亘つて
   吸気用孔２を内設し、且つ注ぎ口先端部の底壁部
   分ないしは該底壁部分から前方へ突出させた樋３
   部分に液体分流用孔４を開け、該分流用孔４の下
   流側に該分流用孔内を通過した液体の略全量が衝
   突する大きさおよび角度で邪魔板５を垂設してな
   る液体注ぎ用ノズル。