JPS6311095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ビール容器からジヨツキやグラス等
にビールを注ぐためのビール注出具に関するもの
である。

〔従来の技術〕

近年、2l、3l等の中容量の金属缶又はプラスチ
ツク容器入りのビールが大量に市販されるように
なつた。そして、このような容器からビールを注
ぐために、種々の注出具が使用されている。

しかしながら、従来の注出具の大部分は、ビー
ルを注ぎ易くするものであり、このような注出具
によつて注がれたビールは、泡が大きく、ビアホ
ール等で、大容量の樽から、炭酸ガス圧によつて
注がれたビールに比べて、風味が劣るものであつ
た。

このような問題を解決するため、先に、本考案
者らは、主注出孔及び副注出孔を備えた注出具を
使用することを特徴とする幾つかの発明及び考案
特公昭62−1904、実公昭59−38360等）を完成し
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、消費者が、家庭でビール容器を
開栓後、改めて上述のような注出具を装着するこ
とは、かなりわずらわしく、特にほろ酔い加減の
座で、注出具の装着に手間どることは、その場の
雰囲気にそぐわないものであつた。

また、消費者のこのようなわずらわしさを解消
するために、容器の首部の内側に予め注出具を装
着しておくことが考えられるが、単に上述のよう
な中身を注出する方向に定まつている注出具を容
器の首部の内側に装着しても、消費者は、必ずし
も定められた方向から中身のビールを注ぐとは限
らず、従つて、常に上述のような注出具の効果を
発揮させることが困難である。

〔問題点を解決するための手段〕

このような問題点を解決するため、本考案者ら
は、容器の首部の内側に収納装着することができ
る円筒状の嵌着部の天面の中央に主注出孔を設
け、その周囲にほぼ等間隔に、主注出孔の縁より
なるべく離して、三個ないし五個の内径0.8〜３
mmの副注出孔を設け、、更に、主注出孔の周囲に
ほぼ等間隔に、副注出孔よりなるべく離して、嵌
着部の内側に設けられた三個ないし五個の空気導
入管を開口させたことを特徴とするビール注出具
を提供する。

本考案において、容器の首部の内側に装着する
方法は、単なる押し込み、アンダーカツトによる
嵌め込み、ねじ込み、接着等どのような方法でも
よい。

また、主注出孔は、その形状が円形なものだけ
でなく、正多角形、その他、どのような形状のも
のでもよい。

〔作用〕

本考案に係わる注出具において、三個以上の副
注出孔を、主注出孔の縁よりなるべく離して、主
注出孔の周囲にほぼ等間隔に配置することによつ
て、どのような方向からビールを注いでも、必ず
主注出孔の下方に副注出孔があることになり、副
注出孔から流れでる副注出孔が、主注出孔から流
れでる主注出流に合体することなく、ジヨツキや
グラス等に注がれることになる。

また、三個以上の空気導入管を、副注出孔より
なるべく離して、主注出孔の周囲にほぼ等間隔に
配置することによつて、どのような方向からビー
ルを注いでも、空気の導入が円滑に行われるよう
になつている。

なお、この三個以上の空気導入管の中、実際に
空気導入の作用をするものは、ビール注出時に、
上方にある一個ないし二個の空気導入管であり、
残りの下方にあるものは、ビール注出の作用をし
ている。

従つて、六個以上の副注出孔を設けたり、六個
以上の空気導入管を設けたりすると、ビール注出
の際下方にあつてビールを注出している空気導入
管と副注出孔との間隔が狭くなり、その空気導入
管から流れでるビールの流と副注出孔から流れで
る流が合体し、副注出孔の効果が失われるおそれ
がでてくる。従つて、副注出孔が五個以下であつ
て、空気導入管も五個以下であることが必要であ
る。

このようにして、主注出孔や空気導入管から流
れでた流に合体することなく、副注出孔から注出
されたビールの流は、その内部の剪断速度勾配が
大きいため、その流の中に溶解している二酸化炭
素の気化が促進されるだけでなく、ジヨツキやグ
ラスに注がれたビールの液面に微細な振動を与え
ることにより、注がれたビール中に溶解している
二酸化炭素の気化をも促進する。また、このよう
にして、早急に注がれたビールの表面を細かい泡
で覆うことは、主注出孔から注がれた大きい流に
よる空気の捲き込みを少なくして、空気を捲き込
んだ大きい泡の生成を防止している。

このような効果を得るためには、副注出孔の内
径は、0.8〜３mm、好ましくは１〜２mmであるこ
とが必要である。

また、空気導入管の大きさは、逆流によつて中
に満たされたビールの抵抗に対抗して空気を導入
するためには大きい方が良いが、空気導入管から
もビールが注出するので、副注出孔とのバランス
を考えるとあまり大きくすることはできない。ま
た、製造上、あまり長くするのは好ましくない。
好ましい範囲は、内径１〜10mm、長さ20〜80mmで
ある。

〔実施例〕

第１図、第２図、第３図及び第４図は、それぞ
れ、本考案に係わるビール注出具の一つの具体例
についての斜視図、その平面図、そのＡ−Ａ断面
図、及び、それを容器の首部に装着しキヤツプを
しめた時の断面図である。

これらの図において、１は嵌着部、２は天面、
３は主注出孔、４は副注出孔、５は空気導入管、
６はその開口部、７は主注出孔の縁、８は容器首
部内側に設けられた凹部に嵌合する凸部である。

この具体例に係わる注出具は、プラスチツクで
一体で成形されたもので、多少の弾性を有するの
で、容器の口部から押し込むと、容器首部内側に
設けられた凹部に、凸部が嵌合し、容易に装着さ
れる。これにキヤツプを装着すると口部より多少
突出している主注出孔の縁７は、第４図に示した
ように、内側に押し込まれる。そして、キヤツプ
を開封すると、主注出孔の縁７は、その弾性によ
つて、第３図に示したように、容器の口より先の
方に突出して、ビールがより注ぎ易くなる。

更に、この具体例においては、主注出孔３は、
単なる円形でなく、その一部を副注出孔を中心と
する円によつて覆つた六角形又は角のとれた三角
形に近い形をしているが、このような形状にした
のは、副注出孔４と主注出孔の縁７との間隔を大
きくし、双方の流を合体し難くするためである。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のような構造であるので、一般
消費者が、改めて注出具を装着することなく、ま
た、開栓後上下を考えることなく、ビール容器か
らジヨツキやグラスに注ぐことができ、かつ、注
がれたビールにきめ細かい炭酸ガスの泡の層を形
成させ、美味なビールを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図及び第４図は、それぞ
れ、本考案に係わるビール注出具の一つの具体例
についての斜視図、その平面図、そのＡ−Ａ断面
図、及び、それを容器の首部に装着しキツプをし
めた時の断面図である。 これらの図において、１は嵌着部、２は天面、
３は主注出孔、４は副注出孔、５は空気導入管、
６はその開口部、７は主注出孔の縁、８は容器首
部内側に設けられた凹部に嵌合する凸部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器の首部の内側に収納装着することができる
   内筒状の嵌着部の天面の中央に主注出孔を設け、
   その周囲にほぼ等間隔に、主注出孔の縁よりなる
   べく離して、三個ないし五個の内径0.8〜３mmの
   副注出孔を設け、更に、主注出孔の周囲にほぼ等
   間隔に、副注出孔よりなるべく離して、嵌着部の
   内側に設けられた三個ないし五個の空気導入管を
   開口させたことを特徴とするビール注出具。