JPS6311096Y2

JPS6311096Y2 -

Info

Publication number: JPS6311096Y2
Application number: JP18415984U
Authority: JP
Priority date: 1984-12-04
Filing date: 1984-12-04
Publication date: 1988-04-01
Also published as: JPS6122749U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、ビール容器からジヨツキやグラス等
にビールを注ぐためのビール注出具に関するもの
である。

〔従来の技術〕

近年、２、３等の中容量の金属缶又はプラ
スチツク容器入りのビールが大量に市販されるよ
うになつた。そして、このような容器からビール
を注ぐために、種々の注出具が使用されている。

しかしながら、従来の注出具の大部分は、ビー
ルを注ぎ易くするものであり、このような注出具
によつて注がれたビールは、泡が大きく、ビアホ
ール等で、大容量の樽から、炭酸ガス圧によつて
注がれたビールに比べて、風味が劣るものであつ
た。

このような問題を解説するため、先に、本考案
者らは、主注出孔及び副注出孔を備えた注出具を
使用することを特徴とする幾つかの発明及び考案
（特公昭62−1904、実公昭59−38360等）を完成し
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、消費者が、家庭でビール容器を
開栓後、改めて上述のような注出具を装着するこ
とは、かなりわずらわしく、特にほろ酔い加減の
座で、注出具の装着に手間どることは、その場の
雰囲気にそぐわないものであつた。

また、消費者のこのようなわずらわしさを解消
するために、容器の首部の内側に予め注出具を装
着しておくことが考えられるが、単に上述のよう
な中身を注出する方向が定まつている注出具を容
器の口部の内側に装着しても、消費者は、必ずし
も定められた方向から中身のビールを注ぐとは限
らず、従つて、常に上述のような注出具の効果を
発揮させることは極めて困難である。

更に、このような問題点を解決するため、本考
案者らは、容器の首部の内側に収納装着すること
ができ、主注出孔、三個ないし五個の副注出孔、
三個ないし五個の空気導入管を有するビール注出
具に関わる考案（実開昭61−5746）を完成した
が、構造が多少複雑であつた。

〔問題点を解決するための手段〕

このような問題点を解決するため、本考案者ら
は、上述の考案に係わるビール注出具において、
三個ないし五個の空気導入管の中、実際に空気導
入の作用をするものは、ビール注出時に上方にあ
る一個ないし二個の空気導入管であつて、残りの
下方にある空気導入管は、ビール注出の作用をし
ているということに着目して、空気導入管に副注
出孔の機能をも持たせ、これを空気導入管兼副注
出管として、容器の首部の内側に収納装着するこ
とができる円筒状の嵌着部の天面の中央に主注出
孔を設け、その周囲にほぼ等間隔に、主注出孔の
縁よりなるべく離して、嵌着部の内側に設けられ
た３個ないし10個の内径0.8〜３mmの空気導入兼
副注出管を開口させたことを特徴とするビール注
出具を提供する。

本考案において、容器の首部の内側に装着する
方法は、単なる押し込み、アンダーカツトによる
嵌め込み、ねじ込み、接着等どのような方法でも
よい。

また、主注出孔は、その形状が円形のものだけ
ではなく、正多角形、その他、どのような形状の
ものでもよい。

〔作用〕

本考案に係わる注出具において、３個以上の空
気導入兼副注出管を、主注出孔の縁よりなるべく
離して、主注出孔の周囲にほぼ等間隔に配置する
ことによつて、どのような方向からビールを注い
でも、必ず主注出孔の下方に副注出孔があること
になり、副注出孔から流れでる副注出流が、主注
出孔から流れでる主注出流に合体することなく、
ジヨツキやグラス等に注がれることになる。

また、どのような方向からビールを注いでも、
必ず、主注出孔の上方に空気導入管があることに
なり、空気の導入が円滑に行われるようになつて
いる。

このようにして、主注出孔から流れでた流に合
体することなく、主注出孔の下方の副注出管から
注出されたビールの流は、その内部の剪断速度勾
配が大きいため、その流の中に溶解している二酸
化炭素の気化が促進されるだけでなく、ジヨツキ
やグラスに注がれたビールの液面に微細な振動を
与えることにより、注がれたビール中に溶解して
いる二酸化炭素の気化をも促進する。また、この
ようにして、早急に注がれたビールの表面を細か
い泡で覆うことは、主注出孔から注がれた大きい
流による空気の捲き込みを少なくして、空気を捲
き込んだ大きい泡の生成を防止している。

空気導入管としての機能を考えれば、逆流によ
つて中に満たされたビールの抵抗に対抗して空気
を導入するためには大きい方が良いが、上に述べ
たような効果を得るためには、副注出管としての
内径、即ち、空気導入兼副注出管の内径は、0.8
〜３mm、好ましくは１〜２mmであることが必要で
ある。

また、空気導入兼副注出管の長さは、空気導入
管としての機能を考えれば、多少の長さがあつた
方がよいが、副注出管としての機能を考えれば、
容器内のビールの残量が少なくなつても副注出管
からビールが注出されるように、なるべく短い方
がよいし、また、製造上、あまり長くするのは好
ましくない。好ましいのは、20〜50mmの範囲であ
る。

〔実施例〕

第１図、第２図、第３図及び第４図は、それぞ
れ、本考案に係わるビール注出具の一つの具体例
についての斜視図、その平面図、そのＡ−Ａ断面
図、及び、それを容器の首部に装着しキヤツプを
しめた時の断面図である。

これらの図において、１は嵌着部、２は天面、
３は主注出孔、４は空気導入兼副注出管、５はそ
の開口部、６は主注出孔の縁、７は容器首部内側
に設けられた凹部に嵌合する凸部である。

この具体例に係わる注出具は、プラスチツクで
一体で成形されたもので、多少の弾性を有するの
で、容器の口部から押し込むと、容器首部内側に
設けられた凹部に、凸部７が嵌合し、容易に装着
される。これにキヤツプを装着すると口部より多
少突出している主注出孔の縁６は、第４図に示し
たように、内側に押し込まれる。

また、キヤツプを開封すると、主注出孔の縁６
は、その弾性によつて、第３図に示したように、
容器の口より先の方に突出して、ビールがより注
ぎ易くなる。

更に、この具体例においては、主注出孔３は、
単なる円形でなく、その一部を空気導入兼副注出
管の開口部５を中心とする円によつて覆つた六角
形又は角のとれた三角形に近い形をしているが、
このような形状にしたのは、副注出管の開口部５
と主注出孔の縁６との間隔を大きくして、双方の
流を合体し難くするためである。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のような構造であるので、一般
消費者が、改めて注出具を装着することなく、ま
た、開栓後上下を考えることなく、ビール容器か
らジヨツキやグラスに注ぐことができ、かつ、注
がれたビールにきめ細かい炭酸ガスの泡の層を形
成させ、美味なビールを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図及び第４図は、それぞ
れ、本考案に係わるビール注出具の一つの具体例
についての斜視図、その平面図、そのＡ−Ａ断面
図、及び、それを容器の首部に装着しキヤツプを
しめた時の断面図である。これらの図において、１は嵌着部、２は天面、
３は主注出孔、４は空気導入兼副注出管、５はそ
の開口部、６は主注出孔の縁、７は容器首部内側
に設けられた凹部に嵌合する凸部である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

容器の首部の内側に収納装着することができる
円筒状の嵌着部の天面の中央に主注出孔を設け、
その周囲にほぼ等間隔に、主注出孔の縁よりなる
べく離して、嵌着部の内側に設けられた３個ない
し10個の内径0.8〜３mmの空気導入兼副注出管を
開口させたことを特徴とするビール注出具。