JPS63441B2 - - Google Patents

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JPS63441B2
JPS63441B2 JP12486579A JP12486579A JPS63441B2 JP S63441 B2 JPS63441 B2 JP S63441B2 JP 12486579 A JP12486579 A JP 12486579A JP 12486579 A JP12486579 A JP 12486579A JP S63441 B2 JPS63441 B2 JP S63441B2
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JP
Japan
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emulsion
cationic
vinyl acetate
ethylenically unsaturated
unsaturated monomer
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JP12486579A
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JPS5647402A (en
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Tohei Morya
Takeshi Morya
Junnosuke Yamauchi
Takenori Tanaka
Makoto Shiraishi
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Priority to GB8030151A priority patent/GB2061979B/en
Priority to DE3036437A priority patent/DE3036437C2/de
Priority to FR8020744A priority patent/FR2466474A1/fr
Priority to US06/191,665 priority patent/US4308189A/en
Publication of JPS5647402A publication Critical patent/JPS5647402A/ja
Publication of JPS63441B2 publication Critical patent/JPS63441B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、性能、安定性および経済性に優れた
新規なカチオン性の重合体エマルジヨンに関し、
更に詳しくは一級アミン、二級アミン、三級アミ
ン、四級アンモニウム塩、ピリジン、ピリジニウ
ム、イミダゾール、イミダゾリニウム、スルホニ
ウムまたはホスホニウムから選ばれる少くとも1
種のカチオン基を0.01モル%〜10モル%含有する
カチオン基変性ポリビニルアルコール(以下ポリ
ビニルアルコールをPVAと略記する)0.01〜20
重量部の存在下に、エチレン性不飽和単量体100
重量部を乳化重合してなることを特徴とするカチ
オン性エマルジヨンに関する。 従来、ビニル重合体エマルジヨンの製造時に用
いる乳化安定剤としてはノニオン型乳化剤あるい
はアニオン型乳化剤などの界面活性剤、あるいは
PVA、ヒドロキシエチルセルローズなどの水溶
性高分子を単独であるいは相互に併用して用いる
のが通常であつた。こうして製造されたエマルジ
ヨン粒子は必然的に電気的にはほぼ中性である
か、あるいは負に帯電している。一方、正に帯電
した粒子からなるエマルジヨンすなわちカチオン
性エマルジヨンも知られており、定着性、接着性
が顕著に優れるなどの大きな特徴を有することが
確認されていながら、従来は特殊な分野に使用さ
れているだけであつた。これは安定性、性能ある
いは毒性の点で満足できるカチオン性エマルジヨ
ンの有効な製造方法が今なお知られていなかつた
ことによるものと考えられる。 従来より、カチオン性界面活性剤を乳化剤に用
いた乳化重合によりカチオン性エマルジヨンが得
られることは知られており、ラウリルアミン塩、
オクタデシルアミン塩、ラウリルピリジニウムク
ロライドあるいはオクチルベンジルトリメチルア
ンモニウムクロライドなどを乳化剤として使用し
たカチオン性クロロプレンラテツクスなどが製造
されている。また、ノニオン性乳化剤あるいはア
ニオン性乳化剤を用いてビニル系重合体エマルジ
ヨンを製造した後、前述したカチオン性界面活性
剤あるいはアルキルアミン・ポリオキシエチレン
などのカチオン型界面活性剤を後添加混合し、PH
調整をしてエマルジヨン粒子をカチオン化する技
術も公知である。しかしながら、カチオン性界面
活性剤は毒性の観点からその応用範囲は限定され
ている現状である。また、2−アゾ−ビス−(2
−メチルプロパミジニウム)二塩酸塩あるいは2
−アゾ−ビス−(2′−イソプロピルイミダゾリニ
ウム)二塩酸塩などのカチオン型の重合開始剤を
使用しエマルジヨン粒子をカチオン化する方法も
公知であるが、一般にはこの方法ではカチオン性
能の低いものしか得られない。また、四級カチオ
ン基を含有する単量体とそれ以外の単量体を重合
初期において共重合し、しかる後にこの生成共重
合体を保護コロイドとして乳化重合を実施する所
謂「無乳化剤乳化重合」も提唱されているが製造
の制御が複雑で安定なエマルジヨンの製造が困難
である。また、保護コロイドとして、カチオン性
殿粉、カチオン性セルローズあるいはカチオン性
のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンを使
用して乳化重合することにより、カチオン性エマ
ルジヨンを製造することも提唱されているが、こ
れらの水溶性高分子は乳化安定性能が低く、単独
ではエマルジヨンの安定性に欠けるため一般にノ
ニオン界面活性剤が併用されているが、カチオン
性能とエマルジヨンの安定性のバランスになお問
題がある。 また特開昭51−56889号公報には、第4級アン
モニウム塩ポリマー、スルフアニウム塩ポリマ
ー、ホスホニウム塩ポリマーの群から選ばれた1
種または2種以上の、カチオン性基を有するモノ
マーのみを重合して得られた高分子電解質からな
る乳化剤を用いてビニル系モノマーの1種または
2種以上を乳化重合して得られるカチオン性エマ
ルジヨン、または第4級アンモニウム塩ポリマ
ー、スルフアニウム塩ポリマー、ホスホニウム塩
ポリマーの群から選ばれた1種または2種以上
の、カチオン性基を有するモノマーのみを重合し
て得られた高分子電解質からなる乳化剤と、カ
チオン界面活性剤、非イオン界面活性剤の群から
選ばれた1種または2種以上の界面活性剤とから
なる乳化剤とを用いて、ビニル系モノマーの1種
または2種以上を乳化重合して得られるカチオン
性エマルジヨンが開示されているが、これらのカ
チオン性エマルジヨンはいずれも、その安定性
(例えば機械的安定性)において、またバルブ、
ガラス、砂、コンクリート等の負に帯電した物質
への定着性の点において、まだ充分に満足の行く
ものではない。 一方、従来より、PVAは優れた保護コロイド
作用のある水溶性高分子として知られており、多
くのエチレン性不飽和単量体の乳化重合エマルジ
ヨンにおいて使用されているが、なかでも酢酸ビ
ニルを主体としたエマルジヨン、あるいは酢酸ビ
ニルとエチレン、アクリル酸エステル、マレイン
酸ジエステル、あるいはバーサチツク酸ビニルな
どの共重合エマルジヨンにおいてはPVAは特に
優れた乳化安定作用を示し、界面活性剤などの乳
化剤を併用することなく安定なエマルジヨンの製
造が可能である。 このようにPVAは優れた乳化安定剤として著
名であるが、カチオン変性したPVAを乳化安定
剤として用いる思想は従来全く知られていない。
これは、従来よりカチオン基をPVAに付与する
方法がいくつか提唱されているがいずれも変性方
法が高価で工業的製造が困難であることに加え
て、従来より提唱されている方法の多くは強アル
カリ性あるいは強酸性下でPVAをカチオン変性
する方法であるため酢酸ビニル単位を含む変性
PVAすなわち変性PVAの部分ケン化物を得るこ
とが実際上不可能であつたためと考えられる。と
いうのは、一般的にいつて乳化安定作用はPVA
の完全ケン化物では小さく、適度なケン化度と酢
酸基の分布を有する部分ケン化物において優れて
いるからである。本発明者らはカチオン変性した
PVAの工業的有用性に着目し、その工業的製造
について鋭意検討し、その方法の一つを先に特願
昭54−89078号において開示した。そこに示され
た製造方法はカチオン基の量を自由に制御するこ
とが可能でかつまたケン化度も自由に制御製造す
ることが可能である点で、従来にない画期的な方
法であるといえる。 本発明のカチオン性エマルジヨンの製造法にお
いては、従来より実施されている通常のPVAを
乳化安定剤とした乳化重合方法をそのまま用いる
ことが可能であり、単にPVAを一級アミン、二
級アミン、三級アミン、四級アンモニウム塩、ピ
リジン、ピリジニウム、イミダゾール、イミダゾ
リニウム、スルホニウムまたはホスホニウムから
選ばれる少くとも1種のカチオン基を0.01モル%
〜10モル%含有するカチオン基変性PVAに置換
えるのみで特別な操作、あるいは特別な添加物を
使用することなく容易に安定なカチオン性エマル
ジヨンを製造できる点で経済的、工業的に優れて
いる。 更に、本発明のエマルジヨンは性能の上でも、
従来知られていたカチオン性エマルジヨンあるい
は市販のカチオン性エマルジヨンと比較して格段
にカチオン性能が高く、パルプへの定着性あるい
はガラス、砂、コンンクリートなどへの接着力が
高い。こうして本発明のエマルジヨンが製紙、土
木、建築などの用途において高い有用性を有する
ことを確認して本発明を完成したものである。 また本発明のカチオン性エマルジヨンは、乳化
重合時に、カチオン変性PVAを用いるが為に、
カチオン変性PVAを用いることに由来する特有
の効果として、エマルジヨンの保護層が厚いもの
となり、従つてエマルジヨンの機械的安定性が極
めて良好であるのも、1つの大きな特長である。 本発明の新規なカチオン性エマルジヨンを製造
するのに用いられるカチオン基変性PVAは、主
鎖中あるいは側鎖中に0.01モル%〜10モル%のカ
チオン基を含有せしめた変性PVAで更に、乳化
安定性、粘度などの諸物性の目的に応じてケン化
度、重合度が選択される。 本発明でいうカチオン基とは、一級アミン、二
級アミン、三級アミン、四級アンモニウム塩、ピ
リジン、ピリジニウム、イミダゾール、イミダゾ
リニウム、スルホニウムまたはホスホニウムな
ど、水溶液中で解離して正電荷に帯電する化学構
造単位を意味している。 これまで報告せられているカチオン変性PVA
の製造法としてビニルピリジンと酢酸ビニルを共
重合後ケン化する方法、N−ビニルフタルイミド
あるいはN−ビニルコハクイミドと酢酸ビニルを
共重合後ケン化し、更にアルカリあるいはヒドラ
ジンでイミド基を分解する方法、PVAを酸触媒
のもとにアミノアセタール化あるいはアミノベン
ズアセタール化する方法、PVAにアルコキシジ
メチルアミン、グリシジルトリメチルアンモニウ
ム塩酸塩あるいは3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピルトリメチルアンモニウム塩酸塩を反応させ
る方法あるいはPVAにアクリルアミドをマイク
ル付加した後ホフマン分解によりアミノ基を導入
せしめる方法などが知られている。これらの方法
で合成したカチオン変性PVAも本発明のカチオ
ン性エマルジヨンの製造に用いられ得るが、上述
したカチオン変性PVAの製造法は工業的に実施
するにはカチオン化する工程自体に種々の困難が
あるのに加えて、良好な乳化安定性を付与する目
的で部分ケン化物を得ようとする時は再酢化後再
びケン化するなどなお煩雑な工程が必要であり、
工業的には不利である。 これに対して、本発明者らが先に特願昭54−
89078号で開示したカチオン基で変性されたPVA
の製造法によれば、カチオン基の導入あるいは目
的に応じたケン化度を得る方法が共に安定かつ容
易に実施可能であり、こうして製造された変性
PVA、すなわち下記一般式() (ここで、R1は水素原子または低級アルキル基、
Bは
【式】または
【式】R2、 R3、R4は低級アルキル基(置換基を含んでもよ
い)、Xはアンモニウム窒素と塩を形成する陰性
の基、AはB中の窒素原子とアミド基の窒素原子
を連結する基をそれぞれ意味している。) で示される共重合単位を含む変性PVAが本発明
のエマルジヨンの製造目的に最も有効であり、こ
の変性PVAの存在下でビニル系単量体を乳化重
合することにより本発明のカチオン性エマルジヨ
ンを最も好適に製造することができる。 上記一般式()で示された共重合単位を含む
変性PVAの製造法の詳細は特願昭54−89078号明
細書中に示した通りであるが、ビニルエステルと
りわけ酢酸ビニルと次式(イ) (ここでR1は水素原子または低級アルキル基、
Bは
【式】または
【式】R2、 R3、R4は低級アルキル基(置換基を含んでもよ
い)、Xはアンモニウム窒素と塩を形成する陰性
の基、AはB中の窒素原子とアミド基の窒素原子
を連結する基をそれぞれ意味している。) で示される重合性単量体とをラジカル重合開始剤
の存在下に共重合させ、しかる後にBが
【式】である場合には四級化剤で四級化せ しめあるいはせしめないで、該共重合体のアルコ
ール溶液にアルカリあるいは酸触媒を作用させ
て、共重合体中のビニルエステル単位を目的に応
じて部分的にあるいは高度にケン化せしめてビニ
ルアルコール単位とし、またBが
【式】で ある場合であり、かつ前記の四級化を実施してい
ない場合にケン化反応の後で四級化剤で
【式】を四級化せしめあるいはせしめない ことにより最も有効かつ簡便に製造される。 上記一般式(イ)で示される具体的な単量体として
は次のものがあげられる。N−(1・1−ジメチ
ル−3−ジメチルアミノプロピル)−アクリルア
ミド、トリメチル−3−(1−アクリルアミド−
1・1−ジメチルプロピル)アンモニウムクロリ
ド、N−(1・1−ジメチル−3−ジメチルアミ
ノブチル)アクリルアミド、トリメチル−3−
(1−アクリルアミド−1・1−ジメチルブチル)
アンモニウムクロリド、N−(1−メチル−1・
3−ジフエニル−3−ジエチルアミノプロピル)
メタクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)アクリルアミド、トリメチル−3−(1
−アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロリ
ド、ジメチルアクリルアミドプロピル−4−トリ
メチルアンモニウムブテニル−2−アンモニウム
クロリド、2−(アクリルアミドメトキシ)エチ
ルトリメチルアンモニウムクロリド。このうち次
の2種類の単量体、 N−(1・1−ジメチル−3−ジメチルアミノ
プロピル)アクリルアミド トリメチル−3−(1−アクリルアミド−1・
1−ジメチルプロピル)アンモニウムクロリド が本発明のカチオン性エマルジヨンを製造する目
的に叶つたカチオン変性PVAを製造する上で、
重合速度、アミド基の安定性、単量体製造時の経
済性の観点から最も優れている。 本発明のエマルジヨンの製造に使用する乳化安
定剤としての一級アミン、二級アミン、三級アミ
ン、四級アンモニウム塩、ピリジン、ピリジニウ
ム、イミダゾール、イミダゾリニウム、スルホニ
ウムまたはホスホニウムから選ばれる少くとも1
種のカチオン基を0.01モル%〜10モル%含有する
カチオン基変性PVA中のケン化度あるいは重合
度は、目的に応じて適宜選択され特に制限は無い
が、安定性の高いエマルジヨンを製造する上でこ
れらの2つの要素を上手に組合わせることが重要
である。多くの目的に対してはケン化度は60〜
100モル%、重合度は300〜3000の範囲から選ばれ
る。一般的に言つて、完全ケン化物より適度なケ
ン化度の部分ケン化物が乳化安定性に優れてお
り、酢酸ビニル系エマルジヨンなどの重合時には
界面活性剤を併用しないで良いという大きな利点
がある。また、高粘度のエマルジヨンを得るなど
の目的で、変性PVA中の酢酸基が分子鎖に沿つ
てブロツク状に配列するようなケン化方法を採用
した部分ケン化PVAを使用してもよい。完全ケ
ン化物あるいは高ケン化度物は一般に乳化安定性
が劣るので、多くの場合、カチオン変性PVAの
部分ケン化物あるいは通常のPVAの部分ケン化
物を併用するか、または界面活性剤を併用するこ
とにより、乳化重合する方法が採用され得る。 本発明のエマルジヨンを製造する際に用いる前
述した一級アミン、二級アミン、三級アミン、四
級アンモニウム塩、ピリジン、ピリジニウム、イ
ミダゾール、イミダゾリニウム、スルホニウムま
たはホスホニウムから選ばれる少くとも1種のカ
チオン基を0.01モル%〜10モル%含有するカチオ
ン基変性PVAの使用量はエチレン性不飽和単量
体100重量部に対して、0.01〜20重量部がよい。
該カチオン基変性PVAと通常の完全ケン化
PVA、部分ケン化PVAを併用することも可能で
あり、全PVAの使用量はエチレン性不飽和単量
体100重量部に対して通常1〜20重量部がよい。 また本発明のエマルジヨンを得るに際して必要
に応じてノニオン系界面活性剤あるいはカチオン
系界面活性剤を添加することも差遣えない。特
に、酢酸ビニル系以外のエチレン性不飽和単量体
の場合にはエマルジヨンの機械的安定性を向上さ
せる目的でエチレン性不飽和単量体100重量部に
対して最高5重量部の範囲で使用するとよい。し
かしながら界面活性剤を多量に使用するとエマル
ジヨンを使用したとき耐水性の低下、接着力の低
下などの欠点を引起こすので目的によつては注意
が必要である。またカチオン界面活性剤は毒性の
点を考慮して量を決める必要がある。こうして併
用されるノニオン界面活性剤の例としてはポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフエニルエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステルあるいはエチレン
オキシド−プロピレンオキシドブロツクコポリマ
ーなどを挙げることができる。カチオン界面活性
剤の具体例については前述したものを用いること
ができる。また、アニオン界面活性剤は電荷の不
整合の故に一般には使用しない方がよい。 次に、本発明のエマルジヨンを製造する上で使
用し得るエチレン性不飽和単量体としては酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニルおよび高級脂肪酸ビニ
ルエステルであるバーサチツク酸ビニルなどのビ
ニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸オク
チルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸
メチルおよびメタクリル酸エチルなどのメタクリ
ル酸エステル類、あるいは塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、アクリロニトリル、エチレン、スチレ
ン、ビニルトルエン、クロルスチレン、α−メチ
ルスチレン、アクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸ジ
エステル、フマル酸ジエステル、イタコン酸ジエ
ステルあるいはブタジエン、イソプレンなどが挙
げられ、いずれも単独重合あるいは共重合により
実施される。 この中で、酢酸ビニルを含む単量体による乳化
重合、すなわち、酢酸ビニル単独重合、酢酸ビニ
ル−エチレン共重合、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合、酢酸ビニル−マレイン酸ジエステ
ル共重合、酢酸ビニル−高級脂肪酸ビニルエステ
ル共重合あるいは酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
においては一級アミン、二級アミン、三級アミ
ン、四級アンモニウム塩、ピリジン、ピリジニウ
ム、イミダゾール、イミダゾリニウム、スルホニ
ウムまたはホスホニウムから選ばれる少くとも1
種のカチオン基を0.01モル%〜10モル%含有する
カチオン基変性PVAが特に優れた乳化安定効果
を示す点で、本発明のエマルジヨンの中でも特に
重要である。また、塩化ビニル単独重合、(メタ)
アクリル酸エステルの単独あるいは相互共重合に
おいても良好な安定性が得られ本発明の中でも重
要なエマルジヨンである。 本発明のカチオン性エマルジヨンは、前述した
一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級アン
モニウム塩、ピリジン、ピリジニウム、イミダゾ
ール、イミダゾリニウム、スルホニウムまたはホ
スホニウムから選ばれる少くとも1種のカチオン
基を0.01モル%〜10モル%含有するカチオン基変
性PVA0.01〜20重量部の存在下で、水の共存下
において上述したエチレン性不飽和単量体100重
量部を通常用いられる重合開始剤である過酸化水
素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、第3
級ブチルハイドロパーオキシドあるいはキユメン
ハイドロパーオキシドあるいはカチオン性の重合
開始剤である2−アゾ−ビス(−2−メチルプロ
パミジニウム)二塩酸塩、2−アゾ−ビス−
(2′−イソプロピルイミダゾリニウム)二塩酸塩
などを用いて撹拌下に重合させることにより製造
される。重合開始剤としては上記のものを単独で
も実施されるが上記開始剤に重亜硫酸ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウムあるいはナトリウム・
メタサルフアイト・ホルムアルデヒド付加物など
の還元剤を併用した公知のレドツクス系を採用し
てもよい。これら重合開始剤の使用量はエチレン
性不飽和単量体100重量部に対して0.01〜5重量
部の範囲で使用するのがよい。 本発明のエマルジヨンを製造する際の温度は30
〜120℃好ましくは40〜90℃、重合時のPHは3〜
8の範囲が好ましい。PH緩衝剤としては炭酸ナト
リウム、重炭酸ナトリウム、オルトリン酸ナトリ
ウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリ
ウム、酢酸ナトリウムなどの塩をエチレン性不飽
和単量体100重量部に対して0.05〜2重量部の範
囲で使用するとよい。また、カチオン基で変性さ
れたPVA中のカチオン基が一級アミン、二級ア
ミン、三級アミン、ピリジンあるいはイミダゾー
ルなどの化学構造単位である場合は、酢酸、ギ
酸、リン酸、塩酸あるいは硫酸を添加してPH3〜
8の範囲に調節することが好ましい。 本発明のエマルジヨンの粒子がカチオン性であ
ることはゼーターメーターなどにより測定される
電気泳動の観察により、粒子が陰極側に移動する
ことから知ることができ、更に電気泳動速度(移
動度)を測定することにより、流動電位(ゼータ
ー電位)を算出することができる。エマルジヨン
粒子が正の電気泳動を示すことはエマルジヨンが
カチオン性能を示す上で基本的であるが、一方、
その流動電位の大きさとカチオン性によると考え
られる諸性質は必ずしも相関しないことを本発明
者らは見出している。すなわち、単に正の電気泳
動を示すカチオン性エマルジヨンであるならば、
前述した従来公知の製造方法によるエマルジヨン
が少数ではあるが知られているが、それらの見か
けの流動電位が同等である場合でも本発明のカチ
オン性エマルジヨンはカチオン性に基くと考えら
れる種々の性能が顕著に高い点で従来公知のカチ
オンエマルジヨンと容易に区別され得る。 例えば、本発明のエマルジヨンを適度に稀釈し
た液を砂の上に振りかけると、エマルジヨンが直
ちに砂と反応し砂の表面に皮膜を形成する様子が
観察される。アニオン性あるいはノニオン性のエ
マルジヨンについては勿論このような現象は全く
見られず、エマルジヨン液は砂内部に浸透してし
まう。また、市販のカチオンエマルジヨンあるい
は従来公知の製造方法によるカチオンエマルジヨ
ンにおいてもこのような現象は見られてもその効
果が弱いかまたは全くみられない。同じ流動電位
を示しながら従来のカチオン性エマルジヨンには
無く、本発明のエマルジヨンにのみこのような性
能が発揮される理由は充分明らかではないが、乳
化安定剤として、一級アミン、二級アミン、三級
アミン、四級アンモニウム塩、ピリジン、ピリジ
ニウム、イミダゾール、イミダゾリニウム、スル
ホニウムまたはホスホニウムから選ばれる少くと
も1種のカチオン基を0.01モル%〜10モル%含有
するカチオン基変性PVAを使用したことに基く
ものであると考えられる。以上のように砂の表面
で本発明のカチオン性エマルジヨンが皮膜を形成
するメカニズムもまた充分明らかではないが、砂
粒子の表面は一般に水の存在下で負に帯電してお
り、ここに正に帯電したエマルジヨン粒子が接触
すると直ちに反応し、エマルジヨンが砂粒子表面
上に凝集するためと考えられる。 同様に負に帯電する傾向のある物質例えばパル
プ、繊維類、ガラスなどに対し、本発明のエマル
ジヨンは従来にない高い接着力を示す。この意味
で、本発明のエマルジヨンはその応用範囲が広
く、例えばビーター添加法による紙力増強剤、不
織布におけるバインダー、織物の風合改良剤、繊
維処理剤、家庭用糊料、接着剤、セメント打継
剤、塗料、農場のマルチング、斜面補強剤、アス
フアルトエマルジヨンとのブレンドによる土木、
建築材などの用途があげられる。 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
るが、これらの実施例は本願発明を何等限定する
ものではない。 尚、特に断りのない限り%はすべて重量%を意
味するものとする。 実施例 1 撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器
を付した5フラスコ中に酢酸ビニル1800g、メ
タノール2013gおよびN−(3−ジメチルアミノ
プロピル)−アクリルアミド2.5gを仕込み恒温槽
内に据えて撹拌しながら系内を窒素置換した後、
内温を60℃まで上げた。この系に2・2′−アゾビ
スイソブチロニトリル21gをメタノール100gと
共に添加し重合を開始した。重合時間2時間の間
にN−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリル
アミド22gと酢酸8.5gを含むメタノール溶液89
gを系内の固型分濃度に応じて滴下した。重合停
止時の系内の固型分濃度は33%であつた。常法に
より系内の残存する酢酸ビニル単量体を追出し
た。この共重合体はN−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)アクリルアミド単位を1.0モル%と酢酸
ビニル単位を99.0モル%含有することが核磁気共
鳴分析により確認された。この共重合体の65.5%
メタノール溶液762gに酢酸メチル149gを加えた
後40℃で撹拌しながら、この中に1Nの苛性ソー
ダメタノール溶液を130ml添加し、よく混合後放
置した。4分30秒後に系全体がゲル化した。更に
20分後に粉砕機にてこのゲルを粉砕し、メタノー
ルで洗浄後乾燥して白色の重合体粉末を得た。得
られた変性PVAはN−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)アクリルアミド1モル%を含有し、酢酸ビ
ニル単位のケン化度が72.0モル%であると分析さ
れた。この変性PVAの4%水溶液の20℃におけ
るブルツクフイールド粘度は8.6センチポイズで
あつた。 次に、撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流
冷却器を付したフラスコ中に、上記変性PVA80
gと蒸留水850gを入れ撹拌昇温して変性PVAを
溶解後冷却した。撹拌しながら50%酢酸水溶液に
て系のPHを4.0に調節した。続いて酢酸ビニル単
量体1000gを加え60℃に昇温し、過酸化水素水溶
液とピロ亜硫酸ナトリウム水溶液を開始剤を使つ
て重合時間2時間15分で重合を完結した。 かくして得られたカチオン性ポリ酢酸ビニルエ
マルジヨンは樹脂分51%で、25℃におけるブルツ
クフイールド粘度は60センチポイズ(ローターNo.
1回転数60rpm)であり、機械的安定性、希釈安
定性に優れており、電気泳動測定機(ゼーターメ
ーター)によるゼーター電位は+28.5mVであつ
た。 実施例 2 実施例1と同様の操作により、トリメチル−3
−(1−アクリルアミド−1・1−ジメチル−プ
ロピル)アンモニウムクロリドと酢酸ビニルとの
共重合体をケン化して、トリメチル−3−(1−
アクリルアミド−1・1−ジメチルプロピル)ア
ンモニウムクロリド単位を0.5モル%含有し、酢
酸ビニル単位のケン化度が80モル%、4%水溶液
の20℃におけるブルツクフイールド粘度が22セン
チポイズの変性PVAを合成した。 次に実施例1と同様にして、上記変性PVA80
gと蒸留水950gを入れ変性PVAを溶解後撹拌し
ながら50%酢酸水溶液にてこの系のPHを4.0に調
節した。続いて、酢酸ビニル単量体200gを加え
60℃に昇温し60%過酸化水素水溶液6gを添加
し、70℃に昇温した。この温度を保持しながらさ
らに酢酸ビニル800gを3時間で連続滴下し重合
せしめた。重合開始後1.5時間後に60%過酸化水
素水溶液4gを添加した。酢酸ビニルの滴下終了
後80℃に昇温し、この温度において30分間保持し
た後室温まで冷却し、アンモニア水溶液でPHを
6.0に調節した。かくして得られたカチオン性ポ
リ酢酸ビニルエマルジヨンは樹脂濃度50%で25℃
におけるブルツクフイールド粘度は480センチポ
イズ(ローターNo.3回転数60rpm)であり、機械
的安定性、希釈安定性に優れており、ゼーターメ
ーターによるゼータ電位は+26.8mVであつた。 実施例 3 実施例2と同様にして、トリメチル−3−(1
−アクリルアミド−1・1−ジメチルプロピル)
アンモニウムクロリド単位を0.2モル%含有し、
酢酸ビニル単位のケン化度が81モル%、4%水溶
液の20℃におけるブルツクフイールド粘度が8.7
センチポイズの変性PVAを合成した。 次に、撹拌機、温度検出端、液体仕込装置を付
した耐圧容器中に上記変性PVA600gと蒸留水10
Kgを入れ撹拌昇温して上記の変性PVAを溶解し
た。撹拌しながらこの系に酢酸ビニル単量体を12
Kg加え、更にエチレンガスを導入して系の圧力を
45Kg/cm2に調節しながら系内を60℃に昇温した。
60℃の温度で過酸化水素水溶液およびピロ亜硫酸
ナトリウム水溶液を使つて3時間かけて重合し
た。重合終了後アンモニア水溶液でPHを6.0に調
節した。かくして得られたカチオン性のエチレン
−酢酸ビニル共重合エマルジヨンはエチレン単位
45.0モル%、樹脂分濃度51.5%、25℃におけるブ
ルツクフイールド粘度は68センチポイズ(ロータ
ーNo.1回転数60rpm)であり、機械的安定性、希
釈安定性に優れており、ゼーターメータによるゼ
ーター電位は+25.7mVであつた。 実施例 4 実施例1と同様にして、N−(1・1−ジメチ
ル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミ
ド単位を2.0モル%含有し、酢酸ビニル単位のケ
ン化度が79モル%、4%水溶液の20℃におけるブ
ルツクフイールド粘度が13.8センチポイズの変性
PVAを合成した。 次に、撹拌機、温度検出端、液体仕込装置を付
した耐圧容器中に上記変性PVAの5.4%水溶液
740g、および酢酸ビニル単量体800gを入れエチ
レンガスを導入して系の圧力を50Kg/cm2に調節し
ながら系内を60℃に昇温した。60℃にて過酸化水
素水溶液およびピロ亜硫酸ナトリウム水溶液を使
つて2時間で重合を完結した。重合終了後室温ま
で冷却した。かくして得られたカチオン性のエチ
レン−酢酸ビニル共重合エマルジヨンはエチレン
単位47モル%、樹脂濃度50%、25℃におけるブル
ツクフイールド粘度は120センチポイズ(ロータ
ーNo.2回転数60rpm)であり、機械的安定性、希
釈安定性に優れており、ゼーターメーターによる
ゼーター電位は23.7mVであつた。 実施例 5 実施例2と同様にして、トリメチル−3−(1
−アクリルアミド−1・1−ジメチルプロピル)
アンモニウムクロリド単位を1.0モル%含有し、
酢酸ビニル単位のケン化度が70モル%、4%水溶
液の20℃におけるブルツクフイールド粘度が10.3
センチポイズの変性PVAを合成した。 撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器
を付した5フラスコ中に上記変性PVAの10%
水溶液450g、アクリル酸エチル9gおよび酢酸
ビニル51gを仕込み、均一に乳濁させた後5.7%
の過硫酸アンモニウム43gおよび13%の重亜硫酸
ナトリウム46gを添加し重合を開始した。系内の
温度を60℃に保持しながらアクリル酸エチル81g
と酢酸ビニル459gの混合物と2%の過硫酸アン
モニウム水溶液80gを3時間の間に滴下し重合を
実施した。滴下終了後、温度を70℃に昇温し、こ
の温度に30分間保持した後、室温まで冷却して10
%アンモニア水溶液でPHを5.0に調節した。かく
して得られたカチオン性の酢酸ビニル−アクリル
酸エチル共重合エマルジヨンは樹脂分が50%で25
℃におけるブルツクフイールド粘度は112センチ
ポイズ(ローターNo.2回転数60rpm)であり、ゼ
ーターメーターによるゼーター電位は+21.0mV
であつた。 実施例 6 撹拌機、温度計、滴下ロートを有するフラスコ
中に、実施例5において合成したトリメチル−3
−(1−アクリルアミド−1・1−ジメチルプロ
ピル)アンモニウムクロリド単位を1.0モル%含
有する変性PVAの9.6%水溶液450g、酢酸ビニ
ル42g、バーサチツク酸ビニル(シエル社製、
Veo VA10)18gを仕込み、均一に乳濁させた
後、6%の過硫酸アンモニウム水溶液43gおよび
13%の重亜硫酸ナトリウム水溶液46gを添加し、
重合を開始した。系内の温度を60℃に保持しなが
ら酢酸ビニル378gとバーサチツク酸ビニル162g
の混合物と、2%の過硫酸アンモニウム水溶液90
gを3時間かけて滴下し重合を実施した。滴下終
了後、温度を70℃に昇温し、この温度に40分保持
した後室温まで冷却して、10%アンモニア水溶液
でPHを5.0に調節した。かくして得られたカチオ
ン性の酢酸ビニル−バーサチツク酸ビニル共重合
体エマルジヨンは樹脂分が50%で25℃におけるブ
ルツクフイールド粘度は106センチポイズ(ロー
ターNo.2回転数60rpm)であり、ゼーターメータ
ーによるゼーター電位は+29.8mVであつた。 実施例 7 撹拌機、温度計、滴下ロートを有するフラスコ
中に実施例5において合成した、トリメチル−3
−(1−アクリルアミド−1・1−ジメチルプロ
ピル)アンモニウムクロリド単位を1.0モル%含
有する変性PVAの10%水溶液450g、酢酸ビニル
45g、マレイン酸ジ−n−ブチル15gを仕込み、
均一に乳濁させた後、7%の過硫酸アンモニウム
水溶液43gおよび16%の重亜硫酸ナトリウム水溶
液48gを添加し重合を開始した。系内の温度を60
℃に保持しながら酢酸ビニル405gとマレイン酸
ジ−n−ブチル135gの混合物と2.5%の過硫酸ア
ンモニウム水溶液93gを3.5時間かけて滴下し、
重合を重施した。滴下終了後、温度を70℃に昇温
し、この温度に50分保持した後室温まで冷却して
10%アンモニア水溶液でPHを5.0に調節した。か
くして得られたカチオン性の酢酸ビニル−マレイ
ン酸−ジ−n−ブチル共重合体エマルジヨンは樹
脂分が50%で25℃におけるブルツクフイールド粘
度は98センチポイズ(ローターNo.2回転数
60rpm)であり、ゼーターメーターによるゼータ
電位は+25.7mVであつた。 実施例 8 撹拌機、温度検出端子、を有する耐圧容器中
に、実施例5において合成したトリメチル−3−
(1−アクリルアミド−1・1−ジメチルプロピ
ル)アンモニウムクロリド単位を1.0モル%含有
する変性PVAの2.6%水溶液660g、塩化ビニル
単量体500g、ポリオキシエチレンノニルフエニ
ルエーテル6gおよび過硫酸カリウム0.9gを仕
込み密封撹拌しながら45℃で13時間重合反応を実
施した後に室温まで冷却した。得られたカチオン
性塩化ビニルエマルジヨンは樹脂濃度30%、25℃
におけるブルツクフイールド粘度は22センチポイ
ズ(ローターNo.1回転数60rpm)であり、ゼータ
ーメーターによるゼーター電位は+24.0mVであ
つた。 実施例 9 撹拌機、温度計、滴下ロートを有するフラスコ
中に、実施例5において合成したトリメチル−3
−(1−アクリルアミド−1・1−ジメチルプロ
ピル)アンモニウムクロリド単位を1.0モル%含
有する変性PVAの10%水溶液420g、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル型乳化剤16g、N−メ
チロールアクリルアミド0.6g、アクリル酸エチ
ル29.4gおよびメタクリル酸メチル30gを仕込み
均一に乳濁せしめた後、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル型乳化剤4gとキユメンハイドロパ
ーオキシド3gを含む乳濁液47gおよび無水ピロ
リン酸ナトリウム3gを含む水溶液43gを添加し
て重合を開始した。系内の温度を60℃に保持しな
がら、N−メチロールアクリルアミド10%水溶液
54g、アクリル酸エチル264.6gとメタクリル酸
メチル270gの混合物、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル型乳化剤4gとキユメンハイドロパ
ーオキシド1.8gを含む乳濁液142gおよび無水ピ
ロリン酸ナトリウム1.8%水溶液100gを3時間か
けて滴下し重合を実施した。滴下終了後、温度を
70℃に昇温し、この温度に1時間保持した後室温
まで冷却して10%アンモニア水溶液でPHを5.0に
調節した。かくして得られたカチオン性のアクリ
ル酸エチル−メタクリル酸メチル−N−メチロー
ルアクリルアミド三元共重合体エマルジヨンは樹
脂分が40%で、25℃におけるブルツクフイールド
粘度は113センチポイズ(ローターNo.2回転数
60rpm)であり、ゼーター電位は+19.7mVであ
つた。 実施例 10 8%苛性ソーダ水溶液中に市販のPVA(クラレ
ポバールPVA−117)20.1gを室温で1時間浸漬
した後、グラスフイルターにて液を別した。湿
潤したPVAをフラスコに入れ、これにグリシジ
ルトリメチルアンモニウムクロリド(シエル化学
製G−MAC)20.3gを添加し撹拌しながら50℃
で8時間反応を実施した。室温まで冷却後、酢酸
で中和し、70%メタノール水溶液にて洗浄後乾燥
して粉末を得た。この重合体は窒素含有率0.7%
であり、グリシジルトリメチルアンモニウムクロ
リド基2.4モル%含有の、グリシジルトリメチル
アンモニウムクロリドで変性されたカチオン性
PVAであるとみなされた。 次に、撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流
冷却器を付したフラスコ中に上記変性PVAの10
%水溶液780g、ポリオキシエチレンノニルフエ
ニルエーテル20gおよび酢酸ビニル1000gを仕込
み均一に乳濁させた後60℃に昇温した。系内の温
度を60℃に保持すべく過酸化水素水溶液およびピ
ロ亜硫酸ナトリウム水溶液を3時間かけて重合を
完結した。重合終了後アンモニア水溶液でPHを
6.0に調節した。かくして得られたカチオン性の
酢酸ビニルエマルジヨンは25℃におけるブルツク
フイールド粘度は460センチポイズ(ローターNo.
3回転数60rpm)であり、ゼーターメーターによ
るゼータ電位は+18.6mVであつた。 実施例 11 本発明のカチオン性エマルジヨンの特徴が端的
に現われる例として、砂の上にエマルジヨンの稀
釈液(樹脂分10%)をふりかけた時の様子を比較
した。砂は豊浦標準砂を使用した。結果を表1に
記す。
【表】
【表】 ちなみに、実施例1〜10において得られた本発
明のカチオン性エマルジヨンを農場のマルチング
散布材として使用した所、すみやかに土の上に強
固な皮膜を形成し、保温効果に優れ、また雑草の
植生を抑制する効果にも極めて優れる等、農場の
マルチング散布材として良好なものであることが
確認された。 一方、比較例1〜5において得られたカチオン
性エマルジヨンにおいては、散布と同時に土中に
浸透してしまい、皮膜を形成することもなく、農
場のマルチング散布材として、好適には用い得な
いものであつた。 実施例 12 実施例2において得られた本発明のカチオン性
ポリ酢酸ビニルエマルジヨン及び比較例5におい
て得られたカチオン性エマルジヨンについて、マ
ロン式試験法により機械的安定度を測定した。結
果を表2に記す。
【表】 表2から明らかな様に、本発明のカチオン性ポ
リ酢酸ビニルエマルジヨンに関しては、カチオン
変性PVAを用いるが為に、カチオン変性PVAを
用いることに由来する特有の効果としてエマルジ
ヨンの保護層が厚いものとなり、従つてエマルジ
ヨンの機械的安定性が極めて良好であるのに対
し、第4級ポリエチレンイミン塩素化塩、及びそ
れに併用して、ポリオキシエチレンノニルフエノ
ールエーテル、ポリビニルアルコール及びイソプ
ロピルアルコールを用いたのでは、極めて機械的
安定性に劣るカチオン性エマルジヨンしか得られ
ないことがわかる。 (注2)測定条件; 試料採取量:75ml 荷重:11.3Kg 回転円板の回転速度:1000rpm 回転時間:5min 測定温度:室温 マロン式機械的安定度測定装置を用い上記の条
件でエマルジヨンを処理した後、チーズクロスで
ロ過し、分離した凝固物の試料エマルジヨン固形
分に対する百分率をもつて機械的安定度とする。
もちろん凝固率が高い程機械的安定度は低い。 比較例 6 トリメチル−3−(1−アクリルアミド−1・
1−ジメチルプロピル)アンモニウムクロリド単
位を11モル%含有し、酢酸ビニル単位のケン化度
が80モル%、4%水溶液粘度が5.9センチポイズ
のカチオン変性PVAを用いる以外は実施例2と
同じ条件で酢酸ビニルを乳化重合した。 えられたカチオン性ポリ酢酸ビニル系エマルジ
ヨンは安定性が不良で、凝集物が多く希釈安定性
も不良であつた。エマルジヨンのゼーター電位は
+22mVであつた。カチオン変性度が本発明の範
囲である0.01モル%〜10モル%より高いカチオン
変性PVAを用いた場合には、得られるエマルジ
ヨンの安定性が不良で、ゼーター電位も予想に反
し、それほど高くならない。 比較例 7 実施例2のカチオン変性PVAの使用量を250g
とする以外は実施例2と同条件で酢酸ビニルを乳
化重合した。(酢酸ビニル100重量部に対するカチ
オン変性PVAの使用量は25重量部である。)えら
れたカチオン性酢酸ビニルエマルジヨンはゼータ
ーメーターによるゼーター電位は+26.5mVであ
つたが、砂の上にエマルジヨンの稀釈液をふりか
けたところ砂中に浸透し、砂上に皮膜を形成する
性能が不良であつた。またえられたエマルジヨン
の粘度が高く、カチオン変性PVAの使用量が本
発明の範囲より多過ぎるのも良くないことがわか
る。 比較例 8 実施例2のカチオン変性PVA80gの代りに、
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド20gを
用いる以外は実施例2と同じ条件で酢酸ビニルを
乳化重合した。えられたエマルジヨンは安定性が
不良で凝集物が多く、エマルジヨンの機械的安定
性が極めて不良であつた。(マロン式試験法によ
る機械的安定度10.5%)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級
    アンモニウム塩、ピリジン、ピリジニウム、イミ
    ダゾール、イミダゾリニウム、スルホニウムまた
    はホスホニウムから選ばれる少くとも1種のカチ
    オン基を0.01モル%〜10モル%含有するカチオン
    基変性ポリビニルアルコール0.01〜20重量部の存
    在下に、エチレン性不飽和単量体100重量部を乳
    化重合してなることを特徴とするカチオン性エマ
    ルジヨン。 2 カチオン基変性ポリビニルアルコールが下記
    一般式()で示される共重合単位を含む変性ポ
    リビニルアルコールである特許請求の範囲第1項
    に記載のエマルジヨン。 (ここで、R1は水素原子または低級アルキル基、
    Bは【式】または【式】R2、 R3、R4は低級アルキル基(置換基を含んでもよ
    い)、Xはアンモニウム窒素と塩を形成する陰性
    の基、AはB中の窒素原子とアミド基の窒素原子
    を連結する基をそれぞれ意味している。) 3 一般式()で示される共重合単位が次式
    ()で示される共重合単位である特許請求の範
    囲第2項に記載のエマルジヨン。 (ここで、Bは【式】または 【式】を意味している。) 4 エチレン性不飽和単量体が主として酢酸ビニ
    ルである特許請求の範囲第1項または第2項記載
    のエマルジヨン。 5 エチレン性不飽和単量体が主として酢酸ビニ
    ルとエチレンとの混合物である特許請求の範囲第
    1項または第2項記載のエマルジヨン。 6 エチレン性不飽和単量体が主として酢酸ビニ
    ルとアクリル酸エステルとの混合物である特許請
    求の範囲第1項または第2項記載のエマルジヨ
    ン。 7 エチレン性不飽和単量体が主として酢酸ビニ
    ルと高級脂肪酸ビニルエステルとの混合物である
    特許請求の範囲第1項または第2項記載のエマル
    ジヨン。 8 エチレン性不飽和単量体が酢酸ビニルとマレ
    イン酸ジエステルとの混合物である特許請求の範
    囲第1項または第2項記載のエマルジヨン。 9 エチレン性不飽和単量体がアクリル酸エステ
    ルおよび/またはメタクリル酸エステルである特
    許請求の範囲第1項または第2項記載のエマルジ
    ヨン。 10 エチレン性不飽和単量体が塩化ビニルであ
    る特許請求の範囲第1項または第2項記載のエマ
    ルジヨン。
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