JPS634399Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、被調理物を容れた調理容器をトツプ
プレートに載置し、これを電磁誘導により加熱調
理する電磁調理器に係り、特に、この電磁調理器
における異常過熱時の電気部品の保護装置に関す
る。

〔考案の技術的背景〕

既に提案されているこの種の電磁調理器は、第
１図及び第２図に示されるようにして構成されて
いる。即ち、第１図において、箱形をなすケース
本体（キヤビネツト）１の上部には耐熱性のトツ
ププレート２が水平にして設けられており、この
トツププレート２の直下に位置する上記ケース本
体１内には、電磁誘導の発振回路による加熱コイ
ル３が保持枠４によつて水平にして設けられてい
る。又、この加熱コイル３の下位には、出力を調
整する制御回路５がブラケツト６で保持されてお
り、この制御回路５の一側に位置する上記ケース
本体１には、ドライブ回路７が支持枠８によつて
水平にして保持されている。さらに、このドライ
ブ回路７の一部には、第２図の電気回路に示され
るように、サーマルスイツチ９が付設されてお
り、このサーマルスイツチ９は、トランジスタ等
を備えた上記制御回路５を過熱温度から保護する
ためのものである。さらに又、上記ドライブ回路
７の近傍の上記ケース本体１の底板１ａには、吸
気口１０が穿設されており、この吸気口１０の内
がわに位置する上記ケース本体１には、冷却用フ
アン１１が設置されている。又、この冷却用フア
ン１１の反対側の上記ケース本体１の一側には、
排気口１２が穿設されており、上記ケース本体１
内は、上記冷却用フアン１１によつて強制的に空
冷するようになつている。なお、第２図の電気回
路に示されるように、上記発振回路による加熱コ
イル３には、他のサーマルスイツチ１３が付設さ
れており、このサーマルスイツチ１３は、電源ス
イツチ１４をonして通電すると、空焼きや鉄板
焼き又は天ぷら料理のとき、上記加熱コイル３の
温度が規定以上の温度になつたとき、上記サーマ
ルスイツチ１３をoffして上記加熱コイル３の発
振を停止させ、上記冷却用フアン１１によつて冷
風を強制的に送風して、上記加熱コイル３の温度
を下げた後、サーマルスイツチ１３をonし、上
記加熱コイル３に通電して加熱するようになつて
いる。

又一方、前記サーマルスイツチ９は、例えば、
冷却用フアン１１の吸気口１０が食卓上のビニー
ルクロス（テーブルクロス）やふきん等で塞がれ
たままで加熱されつづけたとき、上記ケース本体
１内に内蔵された電気部品の温度が上昇するの
で、これらの電気部品を熱的損傷を防止するもの
である。即ち、このサーマルスイツチ９は、自己
復帰タイプのスイツチであるため、例えば、on
温度（下限温度）50℃、off温度（上限温度）70
℃の温度仕様にして付設されている。

従つて、上述した電磁調理器は、加熱調理時、
出力調整する制御回路５及びドライブ回路７によ
つて、電磁誘導による加熱コイル３でトツププレ
ート２上の調理容器を加熱するようになつてい
る。

又一方、自己復帰タイプの上記各サーマルスイ
ツチ９，１３は、前述したように、給電回路上に
異常発熱を検出し、この検出動作によつて通電を
offし、ある一定の冷却時間だけ冷却させて、両
サーマルスイツチ９，１３を自己復帰させて、こ
れをonするようになつている。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、上述した電磁調理装置は、電気
部品の異常発熱に対して、異常過熱の原因が、除
去されていないにも拘らず、再び電源スイツチが
onするようになつている関係上、異常過熱の電
気部品によるケース本体１内の電気機器や各回路
の故障を発生するおそれがある。他方、故障を生
じないまでも、再び、電源が各サーマルスイツチ
９，１１によつてoffされるから、これに起因し
て、有効適切な加熱調理を施すことが困難にな
る。又一方、例えば食卓上のテーブルクロスが吸
気口１０を塞いだとき、その温度上昇の原因を取
り除くことをせずに、上記サーマルスイツチ９が
on−off動作を繰り返して行われていると、次第
に、ケース本体１内の温度が蓄熱されて、電気部
品ばかりでなく、ケース本体１自体も過熱され、
安全性に問題を生じる。

〔考案の目的〕

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であつて、ケース本体の底板に露呈したリセツト
タイプのサーマルスイツチを付設して、例えば、
テーブルクロスが吸気口を塞いだとき、その温度
上昇の原因を取り除きながら、内部温度の蓄熱に
よる過熱を防止し、併せて、信頼性及び安全性の
向上を図ることを目的とする電磁調理器を提供す
るものである。

〔考案の概要〕

本考案は、排気口を備えたケース本体内に加熱
コイル、制御回路及びドライブ回路を内蔵した電
磁調理器において、上記ケース本体の底板に吸気
口を設け、この吸気口の近傍の上記ケース本体内
に冷却用フアンを設置し、この冷却用フアンに近
接した上記ドライブ回路にリセツトタイプのサー
マルスイツチを上記底板の小孔から露呈するよう
にして構成し、例えばテーブルクロスが吸気口を
塞ぐような温度上昇の原因を取り除きながら、上
記サーマルスイツチのリセツト釦（押釦）を底板
がわから押して正常状態に設定するようにしたも
のである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。

なお、本考案は、上述した具体例と同一構成部
材には、同じ符号を附して説明する。

第３図及び第４図において、符号１は、箱形を
なすケース本体であつて、このケース本体１の上
部には、トツププレート２が水平にして設けられ
ており、このトツププレート２の直下に位置する
上記ケース本体１内には、発振回路による加熱コ
イル３が保持枠４によつて水平にして設けられて
いる。又、この加熱コイル３の下位には、出力を
調整するトランジスタ等による制御回路５がブラ
ケツト６で保持されており、この制御回路５の一
側に位置する上記ケース本体１には、ドライブ回
路７が支持枠８によつて水平にして保持されてい
る。さらに、上記ドライブ回路７の一部には、リ
セツトタイプによるリセツト釦１５ａを有するサ
ーマルスイツチ１５が付設されており、このリセ
ツト釦１５ａの直下の前記底板１ａには、小孔１
６が穿設されており、上記リセツト釦１５ａは、
この小孔１６に露呈するようになつている。

従つて、上記サーマルスイツチ１５がoffした
とき、使用者は、テーブルクロスが吸気口１０を
塞ぐような温度上昇の原因を取り除きながら、上
記底板１ａの小孔１６に露呈したリセツト釦１５
ａを押動して、再び上記サーマルスイツチ１５を
onするようになつている。

なお、上記サーマルスイツチ１５は、トランジ
スタ等を備えた上記制御回路５を過熱温度から保
護するためのものである。

一方、上記ドライブ回路７の近傍の上記ケース
本体１の底板１ａには、吸気口１０が穿設されて
おり、この吸気口１０の内がわの上記ケース本体
１には、冷却用フアン１１が設置されている。
又、この冷却用フアン１１の反対側の上記ケース
本体１の一側には、排気口１２が穿設されてお
り、上記ケース本体１内は、上記冷却用フアン１
１によつて強制的に空冷し得るようになつてい
る。即ち、上記冷却用フアン１１は、調理加熱
時、冷気を吸気口１０からケース本体１内に流入
すると共に、他方、このケース本体１内の加熱コ
イル３、制御回路５及びドライブ回路７等を冷却
し、これら熱交換して仕事を了えた流体は、上記
排気口１２から器外へ排気されるようになつてい
る。

従つて、加熱調理時、底板１ａに吸気口１０
が、食卓上のビニールクロスのようなテーブルク
ロスやふきん等で塞がれたままで加熱されつづけ
ると、最初に、リセツトタイプによるサーマルス
イツチ１５は、予め、下限温度（on温度）50℃、
上限温度（off温度）70℃の温度仕様で作動する
けれども、上記サーマルスイツチ１５が上限温度
を越えると、offするから、この場合、前述した
ように、温度上昇の原因を取り除きながら、上記
底板１ａの小孔１６に露呈したリセツト釦１５ａ
を指先で押動して、上記サーマルスイツチ１５を
onするようになつている。

このようにして、本考案によるリセツトタイプ
のサーマルスイツチ１５は、トランジスタ等を備
えた上記制御回路５やドライブ回路７を過熱温度
から保護するようになつている。

なお、上記サーマルスイツチ１３は、自己復帰
タイプのスイツチであつて、上記加熱コイル３の
温度が、規定以上の温度に達したとき、上記サー
マルスイツチ１３がoffして上記加熱コイル３の
発振を停止させ、下限温度に下げた後、サーマル
スイツチ１３をonして、加熱コイル３に通電す
るようになつている。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、排気口１２
を備えたケース本体１内に加熱コイル３、制御回
路５及びドライブ回路７を内蔵した電磁調理器に
おいて、上記ケース本体１の底板１ａに吸気口１
０を設け、この吸気口１０の近傍の上記ケース本
体１内に冷却用フアン１１を設置し、この冷却用
フアン１１に近接した上記ドライブ回路７にリセ
ツトタイプのサーマルスイツチ１５を上記底板１
ａの小孔１６から露呈するようにして付設してあ
るので、吸気口１０が、何等の原因により、塞が
れてケース本体１内が加熱しても、サーマルスイ
ツチ９，１５が作動して過熱を防止できるばかり
でなく、上記吸気口１０が塞がれた原因を取り除
きながら、リセツト釦１５ａを指先で押動して、
リセツトタイプのサーマルスイツチ１５を正常な
状態にして、再び、加熱調理を続行することがで
きると共に、取扱い操作も簡単である等の優れた
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、既に提案されている電磁調理器の断
面図、第２図は、上記電磁調理器に組込まれる電
気回路図、第３図は、本考案による電磁調理器の
断面図、第４図は、本考案の電磁調理器に組込ま
れる電気回路図である。 １……ケース本体、２……トツププレート、３
……加熱コイル、５……制御回路、７……ドライ
ブ回路、１０……吸込口、１１……冷却用フア
ン、１２……排気口、１３……サーマルスイツ
チ、１５……リセツトタイプのサーマルスイツ
チ、１６……小孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排気口を備えたケース本体内に加熱コイル、制
   御回路、及びドライブ回路を内蔵した電磁調理器
   において、上記ケース本体の底板に吸気口を設
   け、この吸気口の近傍の上記ケース本体内に冷却
   用フアンを設置し、この冷却用フアンに近接した
   上記ドライブ回路にリセツトタイプのサーマルス
   イツチを上記底板の小孔から露呈するようにして
   付設したことを特徴とする電磁調理器。