JPS6343783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、モールド絶縁フレームを構造主体
に使用した真空開閉器に関する。

従来、真空開閉器における操作電磁石の構成
は、第１図〜第４図に示す通りであつた。すなわ
ち、操作電磁石１を構成する保持コイル２ａ及び
投入コイル２ｂにおいては、これらの構成部材で
あるコイルボビン３、固定鉄心４と、可動鉄心７
の回動を止めるためのストツパ５とが、操作電磁
石１のユニツトとしてＬ形の固定鉄心枠６に結合
され、その固定鉄心枠６が、真空開閉器の底板た
る金属フレーム９の上にボルト１１，１１により
固定されている。また、しや断ばね８も固定鉄心
枠６に取り付けたバネホルダ１０にその一端部を
巻装させ、他端部を可動鉄心７に当接させてい
る。

第１図及び第２図において１２は真空インタラ
プタであり、上部端子１４と共にモールドフレー
ム１３に固定して取り付けられている。このモー
ルドフレーム１３は、側板たる左右の金属フレー
ム１５，１５上に結合されている。操作軸１６
は、前記金属フレーム１５，１５に固定した軸受
１７，１７間に回転可能に架設されている。図中
１８は下部端子、１９は操作レバー、２０は補助
スイツチ、２１はコネクタ、２２はシリコン整流
器である。

上記の構成であるため、従来の真空開閉器には
次のような欠点があつた。

(i) 操作電磁石が固定鉄心枠６をベースとするユ
ニツトに組立てられ、その固定鉄心枠６はＬ形
に曲げ加工されているから、固定鉄心枠６の曲
げ加工精度のバラツキ（特に直角精度）が操作
電磁石としての寸法を狂わせ、可動鉄心７の吸
着面との間にギヤツプを生じ、うなりを生ずる
原因となつた。そして、うなりを生じさせない
ための調整に多くの時間を要した。

(ii) Ｌ形の固定鉄心枠６のため、コイル端子２３
（第４図参照）は可動鉄心７の裏側であつてコ
イル２，３の上方に突出させざるを得ず（下方
に突出させると大形化するから）、そのために
配線作業が困難であつた。

(iii) 固定鉄心枠６の前縁部の下面側に可動鉄心７
のストツパ５をボルト２４，２４により固定し
て取り付けるため、該ストツパ５はＬ形に曲げ
加工することが必要であつた。しかも、ストツ
パ５の曲げ加工精度及びボルト２４，２４を通
すボルト穴の隙間相当だけ取り付け位置の調整
を要した。その調整は高度の熟練を要し、調整
後には位置決めピンによる強固な固定を要し
た。

(iv) 固定鉄心枠６には、しや断ばね８を巻装する
ため、別体としてのバネホルダ１０を取り付け
る必要があつた。

この考案は、従来技術の上記したような問題を
解決し、構造が簡単で組立調整の容易な真空開閉
器を提供することを目的とする。

以下、この考案を第５図〜第６図に示す実施例
により説明する。

真空開閉器の構造主体である全モールド絶縁フ
レーム２５は、真空インタラプタ１２…を取り付
ける上面壁２５ａと、操作軸１６の左右の軸受１
７′，１７′を取り付ける側壁２５ｂ，２５ｂと、
背面壁２５ｃ及び底面壁２５ｄとより成り、前面
のみ開放された箱形の構成になつている。底面壁
２５ｄの下には、ボルト２７，２７を介して脚２
６が取り付けられている。

操作電磁石１を構成する保持コイル２ａ及び投
入コイル２ｂの固定鉄心４は、平板積層構造の鉄
心枠（継鉄）３２と共に全モールド絶縁フレーム
２５の背面壁２５ｃにおける下部内面側にボルト
３３により固定して取り付けられている。そのた
めに、背面壁２５ｃの所定位置に、ボルト３３を
挿通するボルト穴３４が予め設けられている。コ
イルボビン３は前記固定鉄心４に嵌合されてお
り、コイル押さえばね３０、磁極板３１を介して
ボルト３５を固定鉄心４にねじ込むことによつて
固定されている。可動鉄心７と直角にして操作軸
１６に固着された操作レバー１９は、絶縁ロツド
４０を介して真空インタラプタ１２の可動リード
棒４１と連結されている。コイル端子２３は、可
動鉄心７より下方に位置し、各コイルから下方へ
突出している。

全モールド絶縁フレーム２５の背面壁２５ｃに
は、その下部内面側から前方に向かつてほぼ水平
に突出する柱状のバネホルダ１０′が一体的に形
成され、該バネホルダ１０′に巻装されたしや断
ばね８の一端（第６図中の左端）が可動鉄心７に
当接している。

可動鉄心７の回動を止めるためのストツパ５′
は、下部を全モールド絶縁フレーム２５の底面壁
２５ｄの前面に当接させた状態で、底面壁２５ｄ
に予め設けたボルト穴３６を利用して、ボルト３
８とナツト３７とで取り付けられている。

なお、補助スイツチ２０、コネクタ２１及びシ
リコン整流器２２は、共通のベースプレート３９
を介して、背面壁２５ｃの下部内面側に取り付け
られている。

この考案に係る真空開閉器は上記の構成であ
り、以下の効果を奏する。

(i) 全モールド絶縁フレーム２５に、固定鉄心４
と可動鉄心７のストツパ５′とが個別に取り付
けられ、また、可動鉄心７を取り付ける操作軸
１６も軸受１７′，１７′を介して全モールド絶
縁フレーム２５の側壁２５ｂ，２５ｂに取り付
ける構成であるため、操作電磁石１の関係寸法
が正確に設定され、面倒な調整の必要がない。
そして、それぞれが正確に組立てられるため、
可動鉄心７と固定鉄心４との当接時に当接部に
ギヤツプが生じず、うなりが発生しない。

(ii) Ｌ形の鉄心枠は必要でなく、平板状の鉄心枠
（継鉄）３２でよいから、加工が容易である。
そして、コイル端子２３を可動鉄心７より下方
に突出させることができ、配線作業が容易であ
る。

(iii) 固定鉄心４と鉄心枠３２とを、共通のボルト
３３で全モールド絶縁フレーム２５の背面壁２
５ｃに固定することができるから、取り付け用
のボルトの本数を減らし、組立て及び取り付け
作業を少ない工数で行うことができる。

(iv) しや断ばね８のバネホルダ１０′は、全モー
ルド絶縁フレーム２５と一体に形成されている
から、従来のように別体のバネホルダを取り付
ける作業は無用である。

(v) 可動鉄心７のストツパ５′は、全モールド絶
縁フレームに直接取り付けるため、平板状のも
のでよく、その取り付け安定性及び精度に優
れ、可動鉄心７のストロークにバラツキを生じ
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の真空開閉器の正面図、第２図は
第１図の−矢視断面図、第３図は従来の操作
電磁石の正面図、第４図は第３図の−矢視断
面図、第５図は本考案による真空開閉器の正面
図、第６図は第５図の−矢視断面図である。 １……操作電磁石、２ａ……保持コイル、２ｂ
……投入コイル、３……コイルボビン、４……固
定鉄心、５′……ストツパ、７……可動鉄心、８
……しや断ばね、１０′……バネホルダ、１２…
…真空インタラプタ、１６……操作軸、１７′…
…軸受、１９……操作レバー、２５ａ……上面
壁、２５ｂ……側壁、２５ｃ……背面壁、２５ｄ
……底面壁、３３，３８……ボルト、４０……絶
縁ロツド、４１……可動リード棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 底面壁と背面壁と上面壁と左右の側壁とを一体
   に成形して構成されるとともに前面のみが開放さ
   れた箱形のモールド絶縁フレームの上面壁に真空
   インタラプタを取り付け、左右の側壁に軸受を介
   して水平かつ回動自在に支持した操作軸に、背面
   壁へ向かつて伸びる操作レバーの基端部を固着す
   るとともに操作レバーの先端近傍に真空インタラ
   プタの可動リード棒を連結する一方、下方へ向か
   つて伸びる可動鉄心の上端を操作軸に固着し、 可動鉄心の下端近傍と背面壁との間に配置され
   るとともにコイルボビンを介して投入コイル、保
   持コイルを巻装した一対の固定鉄心を、複数枚の
   平板状の鉄心枠を介し、背面壁をその後方から貫
   通するボルトによつて背面壁に固定する一方、背
   面壁と一体であつて前方へ向かつて突出する柱状
   のバネホルダに、可動鉄心と背面壁との間に介在
   させてしや断ばねを巻装し、 可動鉄心の前方への回動を止めるストツパの下
   部を、底面壁の前面にボルトを介して取り付けた
   ことを特徴とする真空開閉器。