JPS6343244B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、車両用着脱式屋根のシール構造に係
り、特に、着脱可能なリツド側にシール用のウエ
ザーストリツプを備えてなる車両用着脱式屋根の
シール構造に関する。

一般に、車両用着脱式屋根としては、例えば、
第１図に示すように、ルーフパネル１に屋根開口
２を開設し、この屋根開口２にリツド３を着脱可
能に嵌挿させてなるものがある。

このような車両用着脱式屋根におけるシール構
造としては、第２図に示すように、上記屋根開口
２周縁には、例えば、ルーフパネル１に設けられ
たＬ字状のフランジ１４と、このフランジ１４に
溶接固定されたレインフオース１５とで内方に向
かつて突出する樋状のドリツプ受け９を形成し、
このドリツプ受け９によりリツド３周縁から車室
内に漏入してくる雨水等を受け止め、更に、上記
リツド３の下面には中空状のゴム製ウエザースト
リツプ４をリツド３の周縁より内側において周回
させて接着固定すると共に、上記ドリツプ受け９
の内方端立上り部１０全周には略Ｕ字状のウエル
ト６を嵌着し、リツド３閉時において上記ウエル
ト６に上記ウエザーストリツプ４を弾接させるよ
うにしてドリツプ受け９内の雨水等の車室内への
漏入を防止するようにしたものがある（類似の構
造に関しては、実開昭56−139615号参照）。

このタイプにおいて、上記ウエザーストリツプ
４をリツド３側に装着してウエルト６と分離させ
ているのは、リツド３脱時においてウエザースト
リツプ４をリツド３と共に取除くことを可能と
し、もつてリツド３脱時における屋根開口２縁の
見映えを良好に保つことを考慮したことによる。

尚、第２図中、５はウエザーストリツプ４をリ
ツド３に装着するための接着剤、７はウエルト６
の芯金、８はリツド３の周縁を保護するためのプ
ロテクターである。

然しながら、このような従来の車両用着脱式屋
根のシール構造にあつては、リツド３閉時におい
てウエルト６にウエザーストリツプ４を弾接させ
てシール面を構成するようにしているが、上記ウ
エルト６は、ドリツプ受け９の立上り部１０を覆
い隠すことを主目的としていることから比較的狭
い幅寸法Ｄを有しており、その分、ウエザースト
リツプ４とのシール面をそれ程大きいものにする
ことができないという不具合を生じてしまう。ま
た、従来にあつては上記ウエルト６の上端面が円
弧状であるため、ウエルト６の最頂部６ａにおい
てはウエザーストリツプ４とのシール圧力が充分
なものになるのに対し、他の部分においてはウエ
ザーストリツプ４とのシール圧力が不充分なもの
になり易くなり、その分、ウエザーストリツプ４
との実質的シール面はウエルト６の最頂部６ａの
幅寸法ｄに限られてしまう。

そして、リツド３にウエザーストリツプ４を装
着する際の取付誤差が比較的大きいものであつた
り、リツド３の立付具合が悪いような場合には、
ウエザーストリツプ４とウエルト６との相対位置
がずれてしまい両者間でのシール面の確保が困難
になつてしまうため、ドリツプ受け９内の雨水等
が車室内に浸入してくる可能性があつた。

本発明は以上の観点に立つて為されたもので、
その目的とするところは、ウエザーストリツプと
ウエルトとの間のシール面を大きく確保すると共
に、当該シール面でのシール圧力を充分なものと
し、もつてドリツプ受け内の雨水等の車室内への
浸入を確実に防止するようにした車両用着脱式屋
根のシール構造を提供することにある。

そして、本発明の要旨とするところは、リツド
下面のウエザーストリツプを屋根開口縁のウエル
トに弾接させる構造において、ウエルトの上端部
周縁に水平方向に延びる面を備えた突出部を形成
してウエザーストリツプとのシール面を構成する
ようにした車両用着脱式屋根のシール構造にあ
る。

以下添付図面に示す実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。

第３図に示す実施例において、車両用着脱式屋
根のシール構造は、従来と同様に、リツド３下面
のウエザーストリツプ４を屋根開口２縁のウエル
ト６に弾接させてなるものであるが、従来と異な
り、ウエルト６の上端部には全周に亘つてドリツ
プ受け９側に向かつて突出する突出部１１を形成
し、この突出部１１の上面を水平面１２として形
成すると共に、ウエザーストリツプ４を所定量だ
け押し潰したときの幅寸法よりやや大きめに上記
突出部１１の幅寸法Ｌを設定する一方、上記突出
部１１の幅方向中心に対応した位置にウエザース
トリツプ４の幅方向中心を合致させて、ウエザー
ストリツプ４を配置してなるものである。

従つて、この実施例に係る車両用着脱式屋根の
シール構造によれば、リツド３装着時には、ウエ
ザーストリツプ４は上記突出部１１の水平面１２
に弾接する。この状態において、リツド３とウエ
ルト６との間の寸法のものに設定しておけば、上
記ウエザーストリツプ４は上記水平面１２に当接
して幅方向に広がるように押し潰されることにな
り、ウエザーストリツプ４とウエルト６とのシー
ル面は水平面となつて、しかもそのシール面の面
積は従来に比べてある程度大きなものとして得ら
れる。また、上記ウエザーストリツプ４はその幅
方向全体に亘つて略等しい比較的大きな潰れ変形
をしていることから、上記シール面全体のシール
圧力は均一でしかも水密性を保つ上で充分なもの
として確保される。それ故、ウエザーストリツプ
４のウエルト６との当接部全体が実質的シール面
として働くことになり、その分、ドリツプ受け９
内の雨水等が車室内へ漏入する事態は確実に防止
される。

また、リツド３にウエザーストリツプ４を装着
する際の取付誤差が比較的大きいものであつた
り、リツド３の立付具合が悪いような場合でも、
上記突出部１１の幅寸法Ｌがある程度大きいもの
に設定されていれば、上記突出部１１の幅寸法Ｌ
の範囲内で前記誤差等は有効に吸収され、ウエザ
ーストリツプ４は確実に水平面１２に密着するこ
とから、ウエザーストリツプ４とウエルト６との
間のシール性が損われるという懸念はほとんどな
い。

更に、上記突出部１１は、ドリツプ受け９側へ
突出してドリツプ受け９の開口を覆うように配置
されているので、発進時等の雨水等Ｗのはね上り
が上記突出部１１下面でせき止められることとな
り、雨水等が直接ウエザーストリツプ４とウエル
ト６とのシール面に到達し難くなつている。この
ため、ウエザーストリツプ４とウエルト６との間
のシール性が更に向上する。

尚、前記実施例において、突出部１１をドリツ
プ受け９側に突出して形成しているが、必しもこ
れに限られるものではなく、屋根開口２の内方へ
突出形成しても良いし、また、ドリツプ受９側及
び屋根開口２の内方にそれぞれ突出形成するよう
にしても良い。

以上説明してきたように、本発明に係る車両用
着脱式屋根のシール構造によれば、ウエルトの上
端部全周に水平方向に延びる面を備えた突出部を
形成したので、ウエルトにウエザーストリツプを
弾接させて構成されるシール面が幅広く形成され
るとともに、シール面全域に亘りシール圧力が充
分に確保されてシール性が向上し、ドリツプ受け
内の雨水等の車室内への浸入を確実に防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両用着脱式屋根の一例を示す自動車
の平面図、第２図は従来における車両用着脱式屋
根のシール構造を示す第１図中−線断面図、
第３図は本発明に係る車両用着脱式屋根のシール
構造を示す第２図と同様な断面図である。 １……ルーフパネル、２……屋根開口、３……
リツド、４……ウエザーストリツプ、６……ウエ
ルト、１１……突出部、１２……水平面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ルーフパネルに開設された屋根開口にリツド
   を着脱自在に嵌挿すると共に、屋根開口周縁には
   内方に向かつて突出する樋状のドリツプ受けを形
   成し、上記リツドの下面に上記リツドの周縁より
   内側に周回してウエザーストリツプを設けると共
   に、上記ドリツプ受けの内方端にはウエルトを装
   着し、リツド閉時において上記ウエルトに上記ウ
   エザーストリツプを弾接させるようにした車両用
   着脱式屋根のシール構造において、上記ウエルト
   の上端部周縁に水平方向に延びる面を備えた突出
   部を形成したことを特徴とする車両用着脱式屋根
   のシール構造。