JPS6343108B2 - - Google Patents

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JPS6343108B2
JPS6343108B2 JP55106405A JP10640580A JPS6343108B2 JP S6343108 B2 JPS6343108 B2 JP S6343108B2 JP 55106405 A JP55106405 A JP 55106405A JP 10640580 A JP10640580 A JP 10640580A JP S6343108 B2 JPS6343108 B2 JP S6343108B2
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JP
Japan
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heparin
polymer
amino group
tertiary amino
weight
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JP55106405A
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English (en)
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JPS5731868A (en
Inventor
Shoji Nagaoka
Juichi Mori
Tetsuya Kikuchi
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は優れた抗血栓性医療用材料に関するも
のである。 本発明に関連する医療用材料とは、長期間血液
または体液と直接接触する材料を意味し、例えば
人工血管、人工心臓弁、A−Vシヤント、脳室シ
ヤント、血管留置カテーテル、血液透析用中空糸
あるいは膜、人工心肺用中空糸および膜、人工心
臓および補助循環装置用血液ポンプあるいは血液
導出入管をさすものである。これらの医療用材料
に共通して要求される特性は、長期間にわたるす
ぐれた抗血栓性である。 従来、これらの医療用材料は、シリコーンゴ
ム、軟質ポリ塩化ビニル、天然ゴム、ポリメチル
メタクリレート、テフロン、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなど汎用の高分子材料で作られてい
た。しかしながら、これら既存の弾性体材料を血
液と接触させると容易に材料表面で血液が凝固し
て血栓が形成される。 この血栓が血流を停止させたりあるいは、血流
と共に移動し、肺血栓症、脳血栓症、心筋梗塞、
静脈炎などの合併症を引きおこす危険性が多大で
ある。従来、これらの医療用弾性体を実際に使用
する場合には、ヘパリン、クマリンなどの抗凝血
剤を全身投与し、血液を非凝血性にすることによ
つて血栓形成を防止している。 しかし、ヘパリンなどを全身投与すると出血の
危険性が著しく高くなるという大きな欠点があ
る。 これを解決する為に、近年、ヘパリンないし、
ヘパリン類似物質をこれらの材料に適用する試み
が種々なされている。 しかし、従来知られたヘパリン化材料は、例え
ば材料中にヘパリン(通常はヘパリンナトリウム
として)を単純に混合したものや、ヘパリンの水
酸基の反応性を用いて、ポリマ材料と共有結合さ
せたものなどは、血流と接触している間に、ヘパ
リンが血流中に短時間に流出して、抗凝血効果が
長時間接続しないとか、共有結合の場合にはヘパ
リンの活性が失なわれたりする欠点があつた。こ
の点を改良するために第4級窒素(アンモニウム
塩)を主鎖あるいは側鎖に含むポリマを合成し、
ヘパリンとイオン結合せしめることにより抗血栓
性材料を得る試みがなされている。 しかし、これら4級窒素を含む重合体組成物の
ガラス転移点、あるいは軟化点はポリマの分解温
度に近く溶融成形には適さないために、その成形
方法は溶媒キヤスト方式が用いられることが多
い。 ところが、4級窒素のような強度のイオン性基
を有する重合体組成物は、たとえばアルコール
類、ケトン類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭
化水素類、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドのような通常
の有機溶媒には不溶ないし難溶で、低濃度で溶解
させても溶液粘性の上昇あるいはゲル化などその
溶液性状は不安定なことが多い。 本発明者らは、通常の有機溶媒に可溶で溶液安
定性、成形性がすぐれ、かつ実用的な機械的性質
と長期にわたる抗血栓性をあわせもつ材料を鋭意
検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は
3級アミノ基を有する重合体と強度のすぐれた高
分子成分とからなる組成物(ただし組成物中の3
級アミノ基成分は5〜30重量%である)をヘパリ
ン化してなる抗血栓性医療用材料を提供するもの
である。 ここで第3級アミノ基を有する重合体として
は、例えば一般式
【式】あるいは
【式】 (R1はH又はCH3またR2、R3はCH3又はC2H5
nは1〜3) などであらわされるアクリル酸、メタクリル酸
誘導体、さらに2−または4−ビニルピリジンお
よびその誘導体などの単独もしくは共重合体があ
り、共重合成分としては一般に水溶性ないし親水
性成分として考えられているものが好ましく、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、その塩、その
アミド(N−置換体も含む)、そのアルキレング
リコール付加体などがあり、具体的にはアクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリル
アミド、アクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート(グリコール付加数1〜30)、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルラクタム、ジアセトンアク
リルアミドなどがある。重合体の分子量は1×
104以上であることがヘパリンとの結合安定性、
材料の機械的性質などから好ましい。また重合体
中には3級アミノ基成分が10重量%以上含まれる
ことがヘパリンを高濃度に結合するために好まし
い。 一方、強度のすぐれた高分子成分とは、37℃の
水または生理食塩水中に浸漬し、平衡含水時の引
張破断強度が1Kg/mm2以上であり、かつ、1ケ月
浸漬後も強度に変化のないものを意味し、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリエピクロルヒドリ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリ
ロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸低級アルキ
ルエステル(例えば、メチルメタクリレート)お
よびこれらの共重合体などがあげられる。 さらに、上記2成分よりなる組成物は実用的な
機械的強度と抗血栓性をあわせもつためにミクロ
相分離構造を有することが好ましい。 ここでミクロ相分離構造とは、組成物中に0.01
〜10μmのポリマ分散相が、電子顕徴鏡で観察さ
れる状態をいい、分散状態により球状、ロツド
状、ラメラ状などと分類されることは周知であ
る。 上記2成分からこのようなミクロ相分離構造を
有する材料を作成するには、(1)ブレンド法、(2)共
重合法(ランダム、ブロツク、グラフト共重合)、
(3)相互貫入網目(IPN)形成法などの方法が用い
られるが、特に操作の簡便さ、相分離状態の調節
のしやすさ、得られる材料物性の多様性などから
ブレンド法が好ましく用いられる。 この方法では、上記3級アミノを含む重合体
と、上記高分子成分を共通溶媒に溶解し、得られ
た液を必要な形状を有するガラス、プラスチツ
ク、金属、ワツクス、ゴムなどに塗布、乾燥する
方法、あるいは適当な凝固浴を用いる湿式成形法
により希望の形状の成形物を得ることができる。 共通溶媒としては、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、N−メチルピロリドンなど非プロトン性の極
性溶媒が用いられる。またポリマが沈澱しない範
囲でアセトン、メタノール、水など他溶媒と混合
してもよい。ミクロ相分離状態の好ましい径は、
0.05〜5μであり、5μ以上の相分離状態では強度が
低下し、0.05μ以下では実質的に均一であり、ヘ
パリンの吸着・脱着速度が低下するため抗血栓性
が低下する。より好ましくは0.1〜2μである。 このような相分離状態の平均径は、3級アミノ
基含有重合体の組成、分子量、3級アミノ基含有
重合体と、その残部の比率、成形時のポリマ濃
度、溶媒種、乾燥条件などにより調節できる。 また相分離状態を固定するために、任意の架橋
性成分および必要なら架橋助剤成分を添加して三
次元架橋化を行なつてもよい。 ヘパリン化は、上記方法によつて相分離状態を
付与された三級アミノ基含有組成物を0.1〜10重
量%のヘパリン水溶液中に常温〜80℃で1〜100
時間浸漬することにより達成される。ヘパリンの
結合量は、組成物中の3級アミノ基の比率により
調節できるが、抗血栓性と物性、経済性を考慮す
ると0.5〜50重量%好ましくは2〜30重量%のヘ
パリン結合量がよい。そのためには組成物中の3
級アミノ基成分が5〜30重量%であることが好ま
しい。 得られたヘパリン化材料は簡単な水洗により表
面に付着しているヘパリン溶液を洗い去ることが
できる。 またそのヘパリン含有量は、アズールAとの錯
体形成による着色テストから半定量的に、また重
量増加、元素分析、X線マイクロアナライザーな
どにより定量できる。 以上の方法により製造されたヘパリン化医療用
材料の機械的性質は引張破断試験など通常の材料
試験法で行なわれる。 また、in vivoでの抗血栓性の評価は、本材料
によつて、種々の口径の人工血管を作用し、成犬
の胸部大動脈、腹部大動脈、および下大静脈に移
殖し、血栓形成を経時的に調べることにより行な
つた。また、本材料をカテーテル状に成形し、成
犬の大腿静脈から下大静脈中に留置し血栓の形成
過程をしらべた。 これらの評価の結果、本発明による医療用材料
の抗血栓性は極めてすぐれていることが明らかと
なつた。以下に実施例を示す。 実施例 1 メタクリル酸ジメチルアミノエチル
【式】20gとメタ クリル酸2−ヒドロキシエチル10gをN,N−ジ
メチルホルムアミド130ml中に均一に溶解し、30
mgのアゾビスイソブチロニトリルを添加し、窒素
気流下に70℃で8時間重合せしめ、3級アミノ基
含有重合体を得た。この共重合体の組成を有機元
素分析で測定した結果、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル72.5重量%、メタクリル酸ヒドロキシ
エチル27.5重量%であつた。 また、別途にポリエーテル型ポリウレタン(平
衡含水時の破断強度8Kg/mm2伸度500%)の15重
量%N,N−ジメチルホルムアミド溶液を作成
し、その60gに上記の3級アミノ基含有重合体溶
液30gを添加して、均一になるまで撹拌する。 このようにして得られた溶液から直径5mm、長
さ30cmのガラス棒を用いて、デイツプ方式で厚み
0.7mmのチユーブを作成した。 このものの相分離構造を透過型電子顕微鏡を用
いて、15000倍の倍率で観察したところ第1図に
示すようなポリウレタン相(黒い部分)の中に、
3級アミノ基含有重合体相(白い部分)が0.2〜
0.5μの径でほぼ均一な分散相を形成していること
がわかつた。(第1図) また、この組成物中にはメタクリル酸ジメチル
アミノエチル単位が22.4重量%含まれていた。得
られたチユーブを5重量%のヘパリンナトリウム
を含む水中に60℃で3日間浸漬しヘパリン化を行
なつた。ヘパリン化後のチユーブの含水率は25
%、ヘパリン由来のS原子の元素分析値から計算
したヘパリン含有量は11.6%であつた。 また、この試料の引張破断強度は4.3Kg/mm2
破断伸度は400%、初期弾性率は0.9Kg/mm2であつ
た。このチユーブの抗血栓性を、下大静脈留置法
により評価した結果、2週間以上にわたつて血栓
形成は全く観測されずに、極めてすぐれた抗血栓
性を示した。 比較のため、同じ方法によつてシリコーンゴ
ム、ポリウレタン、軟質塩ビ製の上記形状のチユ
ーブを評価した結果、いずれもチユーブ挿入部に
血栓が形成されていた。 比較実施例 1 実施例1のメタクリル酸ジメチルアミノエチル
のかわりにメタクリル酸ジメチルアミノエチルを
臭化エチルで4級塩化したモノマー を用いる以外は実施例1と同様の方法で重合せし
めたが、重合開始後3時間で粘度が急激に上昇
し、撹拌が不可能となり、4時間後には寒天状に
ゲル化して成形ができなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の3級アミノ基を有する組
成物の透過電子顕微鏡写真(×15000)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 3級アミノ基を有する重合体と強度のすぐれ
    た高分子成分とからなる組成物(ただし組成物中
    の3級アミノ基成分は5〜30重量%である)をヘ
    パリン化してなる抗血栓性医療用材料。
JP10640580A 1980-08-04 1980-08-04 Material for antithrombus treatment Granted JPS5731868A (en)

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JPS5731868A JPS5731868A (en) 1982-02-20
JPS6343108B2 true JPS6343108B2 (ja) 1988-08-29

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60119955A (ja) * 1983-12-02 1985-06-27 鶴田 禎二 生体材料用の合成高分子体
US5135516A (en) * 1989-12-15 1992-08-04 Boston Scientific Corporation Lubricious antithrombogenic catheters, guidewires and coatings

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5560461A (en) * 1978-11-01 1980-05-07 Toray Industries Material for antithrombus medical treatment

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JPS5560461A (en) * 1978-11-01 1980-05-07 Toray Industries Material for antithrombus medical treatment

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