JPS6342092Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、ブリムのある帽子、例えば婦人用帽子な
どにおいては、一般に帽体の伸縮、サイズ調整が
できないため、メーカー側としては、同型で各種
サイズのものを何種類も製造して需要に応えなく
てはならず、たいへん面倒で製造コストも割高と
なることは避けられなかつた。

また需要者側としても髪型などの変化などに応
じてサイズ調整が行えないため、頭に常に適正に
フイツトさせることが望めなく、実用上不便であ
つた。そして従来の帽子、特にブリムの広い婦人
用帽子などでは、ブリムが折畳み、押えつけなど
によつてすぐに型崩れして皺になるものであると
共に、洗濯を行うとブリムはよれよれに崩れてし
まつて到底、原型を復元維持できなくなつてしま
うなどの大きな欠点があつた。

この考案は上記に鑑み、以下説明するような帽
子を提供して従来の諸欠点を解消するようにした
ものである。

この考案の帽子を図面実施について説明する
と、１は頭頂部で、その下端周縁には腰帯２が縫
着によつて一体接続され、ブリム３が取付けられ
るものであるが、上記腰帯２は一側（左側）部が
適宜の長さ一部欠除されていて、該欠除部には、
該部よりもやゝ長い短腰帯片２ａが、その両端縁
を腰帯２の両端縁裏面に重合縫着して取付けら
れ、該短腰帯片２ａは腰帯２と共に上縁が頭頂部
１に、下縁がブリム３に夫々一体縫着されてい
る。そして上記の短腰帯片２ａの前側端縁を腰帯
２の前側端縁裏面に重合縫着する際、先端ループ
部６ａに鐶７，８が夫々通嵌された基締帯６の基
端部を両者間に介入、縫着９して、図示のように
上記鐶７，８を通嵌した基締帯６でなる留め具Ａ
を設けるものである。また同上短腰帯片２ａの後
側端縁を腰帯２の後側端縁裏面に重合縫着する際
は、該重合部の上下端縁のみを縫着１０して該部
に両者間で通孔部１１を構成してある。つまり腰
帯２の一側（左側）部には、後側に通孔部１１
が、またその近傍前側には留め具Ａが夫々設けら
れているものである。なお留め具Ａとして図面実
施例ではループ部６ａに鐶７，８を通嵌した基締
帯６を例としたが、その他の例えばベルベツト式
フアスナーなど各種のものを使用することも可能
である。またこの考案ではブリム３はスポンジな
ど耐水、耐皺性の芯材５が外布４で隠蔽内装され
た構造としてある。１２は後側部が適宜の長さ欠
除されたびん皮で、その下端縁は上記腰帯２の裏
側下端縁に一体縫着されるものであるが、上記び
ん皮１２の後側欠除部には、該部よりもやゝ長い
短びん皮片１２ａが、その両端縁をびん皮１２の
両端縁裏面に重合縫着して取付けられ、該短びん
皮片１２ａはびん皮１２と共に下端縁が腰帯２の
裏側下端縁に一体縫着されている。そして上記の
短びん皮片１２ａの一方側（左側）端縁をびん皮
１２の一方側端縁裏面に縫着する際、該重合部の
上下端縁のみを縫着１３して該部に両者間で通孔
部１４を構成してある。また同短びん皮片１２ａ
の他方側（右側）端縁をびん皮１２の他方側端縁
裏面に縫着する際には、当締帯体１６の一端部を
両者間に介入、縫着１５してあり、つまり一端を
腰帯２側のびん皮１２に縫着１５した当締帯体１
６が短びん皮片１２ａ沿いに配設されているもの
である。そして上記当締帯体１６の他端部は上記
通孔部１４を通じてびん皮１２と腰帯２との間に
導出され、かつその他端には締帯１７が一体連結
してあつて、該締帯１７はさらに前記通孔部１１
を通じて短腰帯片２ａの表面側に引出され、その
締帯１７の先部１７ａを図示の如く前記留め具Ａ
の両鐶７，８に通入纒絡してその係合で緊締係止
できるようにしてなるものである。なお図面実施
では腰帯２の一側部を欠除して該部に短腰帯片２
ａを継ぎ足し、その継ぎ足しを利用して通孔部１
１及び留め具Ａを設けるようにしてあるが、短腰
帯片２ａを使用せず、腰帯２を欠除部のない一体
のものとしてそれに上記を設けるようにしてもよ
いものである。

この考案の帽子では、上記留め具Ａの鐶７，８
に通入纒絡係合された締帯１７の先部１７ａを引
張ることによつて当締帯体１６が緊張され、また
逆に上記留め具Ａの鐶７，８に纒絡係合されてい
る締帯１７の基部側を引張ることによつて上記纒
絡係合されたまゝで締帯１７が引き戻されて当締
帯１６を弛緩させるもので、この帽子をかぶつた
際、後頭部に当接する当締帯体１６を伸縮調節で
きて帽子のサイズ調整が行えるものである。なお
図面実施例における短びん皮１２ａを廃して当締
帯体１６がびん皮を兼ねるような構造としてもよ
いものである。

この考案の帽子は、叙上のような構成であるか
ら、帽子の外側で留め具Ａに係合されている締帯
１７の先部または基部を引張るだけのきわめて簡
単な操作で、帽子内部の当締帯体１６を容易に緊
張または弛緩させてサイズの伸縮調整ができ、髪
型などの変化に応じても常に適正にフイツトさせ
ることができると共に当締帯体１６は後側の腰帯
２沿いに配されているから、後頭部にフイツトし
て帽子のずれ動きなどを生ぜしめないなどの卓抜
した効果がある。またこの考案のブリム３は内部
芯に、スポンジなど耐水、耐皺性の芯材５が内装
されているから、折畳み、押えつけなどしても型
崩れや皺を生ずることがないと共に洗濯しても型
崩れなど生ぜず、原型を復元保持できるもので気
楽に洗濯が行えるなどの優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は一部欠截した斜視図、第２図は同上要部の拡大
斜視図である。 １……頭頂部、２……腰帯、２ａ……短腰帯
片、３……ブリム、４……外布、５……芯材、６
……基締帯、６ａ……ループ部、７，８……鐶、
９，１０……縫着、１１……通孔部、１２……び
ん皮、１２ａ……短びん皮片、１３……縫着、１
４……通孔部、１５……縫着、１６……当締帯
体、１７……締帯、１７ａ……先部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スポンジなど耐水、耐皺性の芯材５が内装され
   たブリム３を有する頭頂部１下端周縁の腰帯２の
   一側部に通孔部１１を設け、該頭頂部１内部の後
   側に、一端を腰帯２側に止着した当締帯体１６
   を、腰帯２沿いに配し、その他端に連結した締帯
   １７を上記通孔部１１を通じて腰帯２の表面側に
   引出し、該部近傍に設けた留め具Ａとの係合で緊
   締係止できるようにしてなる帽子。