JPS634158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、扉単体となる複数個の枠体を順次折
畳み自在に連繋して左右方向に伸縮開閉し得る如
くした伸縮式門扉に関するものである。

（従来技術） 従来からこの種の伸縮式門扉の中には、パイプ
などの棒材を縦長の長円状に成形してなる複数個
の環状枠体（扉単体となる）を順次折畳み自在に
連設して左右方向に伸縮開閉し得る如くした構造
のものが見られるが、この種の環状枠体を使用し
た従来の伸縮式門扉においては、該環状枠体は２
本の垂直枠材の上下各端部にそれぞれ半円周の長
さ範囲をもつ円弧枠材の各端部を連結固定して縦
長の長円状に形成していた。ところでこの種の伸
縮式門扉を円滑に折畳み開閉するためには、該環
状枠体の各垂直枠材は互いに平行であること、及
び各枠体における各垂直枠材間の間隔が相互に同
一となることが必須条件となるが、これらの条件
を充足するためには各垂直枠材間の上下各端部に
設けられる上下各円弧枠材の形状同一性（特に円
弧状枠材の両端間の間隔を同じにする）が重要と
なる。

ところが、このような従来の伸縮式門扉では、
扉単体となる環状枠体の構成部材の一部である各
円弧状枠材をそれぞれ同一形状に曲げ加工するこ
とが難しく、規格の形状・寸法の許容範囲外の製
品（いわゆる不良品）ができる割合が多くなつて
コストアツプになるという問題があつた。尚、形
状の異なる円弧状枠材を使用して環状枠体を組立
てた際には２本の垂直枠材の平行度が確保されな
かつたり、あるいは各枠体の形状（垂直枠材間の
間隔）にバラつきが生じ、伸縮式門扉全体の機能
（伸縮動）に支障をきたすおそれがある。

（考案の目的） 本考案は、上記した従来の伸縮式門扉の問題点
に鑑み、縦長の長円状の環状枠体を使用した伸縮
式門扉において、比較的簡単な構成でもつて同一
形状の環状枠体（扉単体となる）を成形すること
ができ、しかも不良品となる部材の発生を極力低
下させることができるようにすることを目的とし
てなされたものである。

（目的を達成するための手段） 本考案の伸縮式門扉は、相対向する一対の略Ｃ
字状の半枠体の上下各端部を、左右各端部にそれ
ぞれ前記半枠体端部が左右から嵌合可能でしかも
該半枠体端部の嵌合長さを調節可能なる如くした
嵌合部を有する上下一対の連結具の前記嵌合部に
それぞれ嵌合固着して各環状枠体を形成するとと
もに、前記各環状枠体には縦桟の上下部位にそれ
ぞれ横桟を固着してなる連結具の前記縦桟の上下
各端部を前記環状枠体に対して回動自在に取付
け、さらに前記上下横桟の左右各端部を左右に隣
接される別の環状枠体の２つの縦向き部のうちの
近接する側の縦向き部に順次回動自在に連繋して
各環状枠体を左右方向に折畳み開閉可能としてい
ることを特徴としている。

（作用） 本考案では、一対の略Ｃ字状半枠体の上下端部
は、連結具の嵌合部に対して嵌合長さが調節可能
なる如くして嵌合固着されるので、左右一対の略
Ｃ字状半枠体の縦向き部分間の間隔及び平行度を
自由に調節することが可能となり、各略Ｃ字状半
枠体の形状に多少のバラつきがあつても同形状
（特に扉単体として重要な縦向き部分間の間隔及
び平行度）の環状枠体を成形することが可能とな
る。

（実施例） 第１図ないし第４図を参照して本考案の実施例
を説明すると、この実施例の伸縮式門扉は、略Ｃ
字状の半枠体１を２本１組として、該半枠体１，
１をその上下端部の横向き部１２，１２が相互に
対向する姿勢で該各横向き部１２，１２の各端部
１２ａ，１２ａを上下一対のＴ字形の連結具８の
左右各嵌合部７，７にそれぞれ嵌合固着して縦長
の長円形状の環状枠体２を形成し、さらに該各環
状枠体２，２…を縦桟５の上下部位にそれぞれ横
桟６，６を固着してなる連結材４により順次折畳
み自在に連結して構成されている。

半枠体１は、この実施例では第１図に示すよう
に適宜長さを有する直線部材（例えば金属パイプ
製）１ｂの上下各端部１１ａ，１１ｂに円周の1/
４の範囲の円弧部を有する曲線部材（同じく金属
パイプ製）１ａ，１ｂの縦向き部端部１２ｂ，１
２ｂを連結固定（例えば溶接）して形成してい
る。尚、他の実施例では半枠体１は１本の金属パ
イプの上下両端部をそれぞれ円弧状に曲げ加工し
て形成することも可能である。

半枠体１の各横向き部１２，１２は縦向き部１
１に対してほぼ正確に角度90゜だけ相互に同方向
に向けて折曲されている。

連結具８は、第３図に示すように横向きブロツ
ク体１３の前後同高さ位置に、各半枠体１，１の
横向き部端部１２ａが左右からそれぞれ嵌挿可能
な通孔からなる２つの嵌合部７，７を相互に平行
に形成するとともに、該横向きブロツク体１３の
下面あるいは上面に縦桟５の端部を連結するため
の縦向き嵌合部１４を設けて構成されている。半
枠体１の横向き部１２は、横向きの嵌合部７に対
して嵌入長さ調節可能となつており、左右一対の
半枠体１，１の各横向き部１２，１２をそれぞれ
各嵌合部７，７に対して嵌入深さを調節すること
により各縦向き部１１，１１間の間隔及び平行度
を自由に調節できるようになつている。そして一
対の半枠体１，１の上下端部をそれぞれ連結具
８，８を介して連結した後、該各半枠体１，１の
上下端部１２ａ，１２ａと連結具８，８とを適宜
の手段（例えばカシメ又はビス止め等）によつて
固着している。

このように半枠体１の横向き部１２が連結具８
の横向きの嵌合部７に対してその嵌入深さを調節
し得るようにすると、半枠体１の形状、寸法等に
多少のバラつきがあつても、各半枠体１，１の縦
向き部１１，１１間の間隔及び平行度は簡単に調
整することができ、不良品として処分しなければ
ならない半枠体１の割合を極力低下させることが
できる。

連結材４は、その縦桟５の上下各端部５ａ，５
ｂを上下各連結具８，８の縦向き嵌合部１４，１
４に回動自在に嵌合し、又連結材４の上下横桟
６，６の左右各端部をそれぞれ左右に隣接される
環状枠体２の２つの縦向き部１１，１１のうちの
近接する側の縦向き部１１に対して回動自在に連
繋して、左右に伸縮可能な伸縮リンク機構を構成
し、扉体全体が左右方向に伸縮開閉し得るように
なつている。

この実施例では、連結具８に２つの貫通する通
孔からなる嵌合部７，７を有しており、一方の嵌
合部７の左右一端側から、一対の半枠体１，１の
一方の半枠体の横向き部端部１２ａを適宜深さま
で嵌入し、他方の嵌合部７の左右他端側から他方
の半枠体１の横向き部端部１２ａを同様に嵌入し
て環状枠体２を構成し、さらに第３図及び第４図
に示すように連結具８の横向き嵌合部７，７にお
ける半枠体横向き部１２の反嵌入側の開口を利用
して適宜の装飾体９を取付けている。このように
すると該横向きの嵌合部７，７を半枠体１の接続
と装飾体９の取付けに共用できるとともに意匠的
効果を高めることができる。

（考案の効果） 本考案の伸縮式門扉は、叙上の如く、一対の略
Ｃ字状の半枠体１，１の上下各端部１２ａ，１２
ａが、連結具８の嵌合部７に対して嵌合長さが調
節可能なる如くして嵌合固着されているので、左
右一対の半枠体１，１における各縦向き部１１，
１１間の間隔及び平行度を自由に調節することが
可能となり、各半枠体１，１…の形状に多少のバ
ラつきがあつても同形状の環状枠体２を成形する
ことができる。従つて半枠体１の寸法又は形状の
精度の自由度が大きく、不良品として処理される
半枠体の割合を極力低下させることができ（コス
トダウンを図れる）、さらに各環状枠体２，２…
の形状を規格通り（特に縦向き部１１，１１間の
間隔及び平行度）正確に成形することができ、高
品質のものを提供することができるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の伸縮式門扉に使用さ
れている半枠体の正面図、第２図は同伸縮式門扉
の環状枠体の正面図、第３図は第２図における連
結具部分の拡大斜視図、第４図は本考案の実施例
にかかる伸縮式門扉の一部正面図である。 １……半枠体、２……環状枠体、４……連結
材、５……縦桟、６……横桟、７……嵌合部、８
……連結具、１１……縦向き部、１２ａ……端
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対向する一対の略Ｃ字状の半枠体１，１の上
   下各端部１２ａ，１２ａが、左右各端部にそれぞ
   れ前記半枠体端部１２ａが左右から嵌合可能でし
   かも該半枠体端部１２ａの嵌合長さを調節可能な
   る如くした嵌合部７，７を有する上下一対の連結
   具８，８の前記嵌合部７，７にそれぞれ嵌合固着
   されて各環状枠体２，２…が形成されているとと
   もに、前記各環状枠体２，２…には縦桟５の上下
   部位にそれぞれ横桟６，６を固着してなる連結材
   ４の前記縦桟５の上下各端部５ａ，５ｂが前記環
   状枠体２に対して回動自在に取付けられ、さらに
   前記上下横桟６，６の左右各端部が左右に隣接さ
   れる別の環状枠体２の２つの縦向き部１１，１１
   のうちの近接する側の縦向き部１１に順次回動自
   在に連繋されて各環状枠体２，２…が左右に折畳
   み開閉可能に構成されていることを特徴とする伸
   縮式門扉。