JPS6332292Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、一般的な箱形状のビル等建物のコー
ナー部あるいは円筒形状のビル等建物の外周部あ
るいはまた建物の外壁に突設される出窓特に横断
面円弧状の出窓に採用される曲面ガラス窓におけ
る横枠に関する。

第１図はビル等建物の外壁Ａのコーナー部に設
置された曲面ガラス窓Ｂを横断面図で概略示した
ものである。この曲面ガラス窓Ｂの窓枠のうち特
に上下横枠Ｃは図に見られるように曲面ガラス板
Ｄの曲率とほぼ同じ曲率で弯曲形成する必要があ
るが、このような横枠Ｃとして平面ガラス窓の横
枠に使用されるような、中空方形状に一体に押出
し成形されたアルミニウム又はその合成製型材を
用いこれをベンダーにより曲げ加工することにな
れば、その曲げ加工時に中空方形状型材の内側の
側壁部に大きな圧縮力が作用することから型材内
側面に波形状の褶曲が発生して、横枠としての商
品価値が著しく低下すると共に、中空型材内部に
芯金を挿通しなければならないなど曲げ加工が非
常に複雑化し且つ困難となる不便があつた。した
がつて従来では、横枠用の型材を最初から中空方
形状に押出成形せず、第２図に示すようにそれぞ
れ垂直壁部Ｅ，E′と上下水平壁部Ｆ，F′及びＧ，
G′とで縦断面コ字状を成すように押出成形した
一対の型材Ｈ，H′を備え、一方の型材Ｈをその
垂直壁部Ｅを外面側とするように、また他方の型
材H′をその垂直壁部E′を内面側とするようにそ
れぞれベンダーにより所要曲率で弯曲したのち、
これら型材Ｈ，H′を突合せると共に、平板材を
所要曲率をもつ円弧帯状に切抜いてなる上下接合
板Ｉ，I′PHを、上水平壁部Ｆ，F′の先端部下面側
及び下水平壁部Ｇ，G′の先端部上面側にそれぞ
れ当てがつてビスＪにより相互連結し、それによ
つて横枠を構成している。これによれば、中空方
形状の型材を用いる場合におけるような褶曲現象
の発生を防止できると共にベンダーによる曲げ加
工も比較的簡単に行える。ところが、この従来構
造によると、接合板Ｉ，I′を形成するために平板
材を円弧状に切抜きしなければならず、またビス
Ｊを数多く留め付けなければならないといつた、
新たな作業上の煩雑さがあるうえに、双方の型材
の接合部における特に上下方向の荷重に対する強
度が十分に得られない欠点があつた。

本考案は、上述した従来の横枠構造における問
題点を解消し、横枠の製作に係る作業性の向上と
接合部における強度の向上を図ることのできる横
枠を提供することを目的とする。この目的に沿う
本考案の要旨は次の通りである。

「それぞれ垂直壁部と上下水平壁部とで縦断面
が略コ字状を呈するように形成された一対の型材
からなる横枠における一方の型材を、その垂直壁
部を外面側とするように、また他方の型材を、そ
の垂直壁部を内面側とするようにそれぞれ所要曲
率に弯曲し、これら型材における双方の上水平壁
部のうち一方の水平壁部の先端部上面及び双方の
下水平壁部のうちの一方の下水平壁部の先端部下
面をそれぞれ所要深さ陥没せしめて接合用係合段
部を形成し、しかして各接合用係合段部にそれぞ
れ他方の上下水平壁部の先端部を係合してビス止
めしてなること。」 以下本考案に係る横枠の実施例を第３図、第４
図及び第５図に基づいて説明すると、先ず第３図
に示すように、それぞれ垂直壁部１，１′と上下
水平壁部２，２′及び３，３′とにより縦断面が略
コ字状を成し且つそれぞれ高さが同一である一対
の型材４，４′を、アルミニウム又はその合金材
によつてそれぞれ別個に押出成形し、そして一方
の型材４はその垂直壁部１を横枠外面側とするよ
うに、また他方の型材４′はその垂直壁部１′を横
枠内面側とするように適当なベンダーによりそれ
ぞれ所要曲率を有する弯曲状に曲げ加工する。ま
た、上記押出成形時に、一方の型材４における下
水平壁部３の先端部下面を、該水平壁部３の厚み
（型材４，４′の壁部１，１′，２，２′，３，３′
のそれぞれの厚みは全て同一とする）に相当する
深さに陥没せしめて接合用係合段部５を形成し、
他方の型材４′にあつては上水平壁部２′の先端部
上面を、該上水平壁部２′の厚みに相当する深さ
に陥没せしめて接合用係合段部５′を形成する。
尚、ベンダーによる曲げ加工にあたつては、上記
コ字状型材４，４′のそれぞれの開口部（上下水
平壁部の先端相互間に形成される）から該型材
４，４′の内部形状に合致する金型を嵌挿し、型
材４，４′の垂壁部１，１′外側面にロールを押接
して、型材４，４′の断面形状を維持しながら所
要の曲率をもつて曲げ加工を行う。この場合厳密
に云えば、一方の型材４の垂壁部１と他方の型材
４′の垂壁部１′とは形成される横枠の幅分だけ曲
率半径が異なるためそれぞれの曲率も異なつてい
るが、型材４における上下水平壁部２，３の先端
部と型材４′における上下水平壁部２′，３′の先
端部とは互いに係合して接合されるものであるか
ら実質的に同じ曲率を有している。

上記のようにして曲げ加工したコ字状の型材
４，４′を、それぞれの開口部を互いに内向きに
して突合せ、第４図に示すように一方の型材４に
おける上水平壁部２の先端部を、他方型材４′に
おける上水平壁部２′の接合用係合段部５′に係合
させると共に、型材４における下水平壁部３の接
合用係合段部５に、型材４′における下水平壁部
３′の先端部を係合させ、そうして上記係合部分
相互をビス６…により一体的に接合し、よつて中
空方形状の横枠７を形成するわけである。こうし
て形成した横枠７を例えば曲面ガラス窓の下横枠
として用いる場合には、第４図に仮想線にて示す
ように横枠７の上面中央にゴムパツキン８を介し
て曲面ガラス板Ｄの下端が載設され、この曲面ガ
ラス板Ｄを、横枠７にビス９で止着された一対の
押え縁材１０，１０と上記パツキン８とで挟圧固
定して保持する。

上述した実施例では接合用係合段部５，５′を、
その一方の型材４ではその下水平壁部３側に、他
方の型材４′ではその上水平壁部２′側に設けて、
双方の型材４，４′の断面形状が点対称となるよ
うにしているが、こうすることにより双方の型材
４，４′は全く同一の断面形状に押出成形するこ
とができて、一種類の押出型材で済ませることが
できる。

第５図は接合用係合段部を片方の型材にのみ設
けて双方の型材の断面形状が若干異なつている実
施例を示すもので、第５図イによれば、横枠１１
の外面側に位置される型材１２の上下水平壁部１
３，１４の先端部には接合用係合段部を設けず、
横枠１１の内面側に位置される型材１２′の上下
水平壁部１３′，１４′の先端部にそれぞれ接合用
段部１５′，１５′を設けている。また第５図ロに
よれば第３図イの場合とは逆に、横枠１１の外面
側に位置される型材１２の上下水平壁部１３，１
４側にのみ接合用段部１５，１５を設けた場合を
例示したものである。

以上説明したように本考案は、それぞれ垂直壁
部と上下水平壁部とで縦断面が略コ字状を呈する
ように形成された一対の型材からなる横枠であつ
て、一方の型材を、その垂直壁部を外面側とする
ように、また他方の型材を、その垂直壁部を内面
側とするようにそれぞれ所要曲率に弯曲すると共
に、これら型材における双方の上水平壁部のうち
一方の水平壁部の先端部上面及び双方の下水平壁
部のうちの一方の下水平壁部の先端部下面をそれ
ぞれ所要深さ陥没せしめて接合用係合段部を形成
し、しかして各接合用係合段部にそれぞれ他方の
上下水平壁部の先端部を係合してビス止めしてな
るものであるから、第２図に示されるような従来
の横枠構造に比べると、接合板を特別に作製する
必要がなく、しかも型材相互の接合にあたつて該
接合板の位置決め作業が不要となるうえにビス止
め箇所も半減することになり、したがつて横枠の
製作に係わる作業性を著しく向上させることがで
きる。また、水平方向に相対向する一方の水平壁
部の先端部を、他方の水平壁部の先端部に形成し
た接合用係合段部に係合させて接合するようにし
ているので、この接合部においては特に上下方向
の荷重に対し十分な強度を確保することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る横枠が適用される曲面ガ
ラス窓の概略横断面図、第２図は従来の横枠の構
造を示す斜視図、第３図は本考案の一実施例を示
す横枠の分解斜視図、第４図は同上の横枠の組付
け完成状態における詳細縦断面図、第５図イ，ロ
は他の実施例による横枠のそれぞれ概略縦断面図
である。 １，１′…垂直壁部、２，２′…上水平壁部、
３，３′…下水平壁部、４，４′…コ字状型材、
５，５′…接合用係合段部、６…ビス、７…横枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ垂直壁部と上下水平壁部とで縦断面が
   略コ字状を呈するように形成された一対の型材か
   らなる横枠であつて、一方の型材を、その垂直壁
   部を外面側とするように、また他方の型材を、そ
   の垂直壁部を内面側とするようにそれぞれ所要曲
   率に弯曲すると共に、これら型材における双方の
   上水平壁部のうち一方の水平壁部の先端部上面及
   び双方の下水平壁部のうちの一方の下水平壁部の
   先端部下面をそれぞれ所要深さ陥没せしめて接合
   用係合段部を形成し、しかして各接合用係合段部
   にそれぞれ他方の上下水平壁部の先端部を係合し
   てビス止めしてなる曲面ガラス窓における横枠。