JPS6341544B2 - - Google Patents

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JPS6341544B2
JPS6341544B2 JP54010833A JP1083379A JPS6341544B2 JP S6341544 B2 JPS6341544 B2 JP S6341544B2 JP 54010833 A JP54010833 A JP 54010833A JP 1083379 A JP1083379 A JP 1083379A JP S6341544 B2 JPS6341544 B2 JP S6341544B2
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JP
Japan
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layer
artificial fish
sol
aqueous
inner diameter
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Application number
JP54010833A
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English (en)
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JPS55102373A (en
Inventor
Kyoaki Kuwabara
Masanori Joraku
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Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority to JP1083379A priority Critical patent/JPS55102373A/ja
Publication of JPS55102373A publication Critical patent/JPS55102373A/ja
Publication of JPS6341544B2 publication Critical patent/JPS6341544B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L17/00Food-from-the-sea products; Fish products; Fish meal; Fish-egg substitutes; Preparation or treatment thereof
    • A23L17/30Fish eggs, e.g. caviar; Fish-egg substitutes
    • A23L17/35Fish-egg substitutes

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Marine Sciences & Fisheries (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、天然魚卵に酷似した多層構造粒子形
状の食品を人工的に製造する方法に関する。
特に本発明は、多重管状ノズルを用いて、少く
とも最外層が化学的にゲル化された多層構造粒子
形状を有する人工魚卵を、簡単な操作及び装置で
能率的に製造する方法に関する。
従来、魚卵に類似した多層構造粒子形状の食品
を人工的に製造するについては、多くの提案があ
る。これら多層構造粒子形状を有する人工魚卵の
製法を大別すると、次の二つのタイプにわけるこ
とができる。
その一つのタイプは、ゲル化する性質を有する
ゾル材料の単一層粒状物をつくり、一旦ゲル化さ
せたのち、更に該粒状物を被覆する追加の層を別
途形成して多層構造粒子形状物とする多段階手法
を採用するものであつて、例えば、特公昭46−
21772号、特公昭51−18509号、特公昭53−13697
号、特公昭53−31933号及び特開昭53−26374号な
どの提案がこのタイプに属する。
このタイプの製法に於ては、多層構造粒子形状
物を一挙に形成することはできず、ステツプ・バ
イ・ステツプの多段工程を必要とするため操作及
び装置上不利益であるのに加えて、追加の層の形
成のために単一層粒状物を一旦ゲル化させる際の
調節が微妙に製品の品質に影響するため、その調
節に多くの熟練と注意が要求される難点がある。
更に、そのような熟練と注意の要求される操作に
よつても品質再現性が悪く且つ製造能率も当然低
下し、得られる製品の品質に於ても不満足であ
る。更に、このタイプの製法で得られた人工魚卵
は、天然魚卵の好ましいテキスチヤーを示さず食
感の点でもトラブルがある。
他のタイプは、人工魚卵、とくにはイクラ類似
の人工魚卵を製造するために、二重管状ノズルの
内側通路から油状物質を、外側通路からゲル化す
る性質を有するゾル材料を、同期的に放出して二
重構造粒子を形成し、前記タイプと同様にしてそ
の外側に追加の層を形成する多段工程によつて、
多層構造粒子形状物とする手法を採用するもので
あつて、例えば、特開昭51−79755号、特開昭52
−59079号及び先願発明特開昭54−110352号など
の提案がこのタイプに属する。
このタイプの製法に於ても、油状物質以外の層
を多層構造とするためには多段工程を要する欠点
は回避できない難点があり、従つてまた、品質コ
ントロール及び品質再現性の点でも依然としてト
ラブルがあり、製造能率も不満足である等の欠点
がある。
上述のように、これら人工魚卵製造の従来提案
のいずれのタイプにおいても、共通して多段工程
手法が採用され、油状物質以外の層が多層構造を
有する多層構造粒子を一挙に形成することはでき
ない。そして、上述のように、多段工程を要する
欠陥に加えて、上述した種々の不利益乃至難点を
伴うことが回避し難い。
また特に極めてイクラに類似した魚卵様粒子を
つくるためには、内層は外層よりも軟かい水性ゲ
ルまたは水性ゾルのままで存在させる必要があ
る。この場合、例えば前記後者のタイプの手法に
おいて化学的ゲル化法を採用すると内層を不当に
硬く(すなわちイクラの内包物以上に硬く、すな
わち、外層のゲル化層なしに移送可能な程度まで
硬く)ゲル化しないと外層を被覆する工程に移送
することが困難であるという重大な欠点を引起
す。そのために、このような方法ではイクラに類
似した粒子は製造することはできなかつた。また
このような難点を避けるために、化学ゲル化をお
こなわないで、内層を一旦低温ゲル化(物理的ゲ
ル化)し、この粒子に外層を被覆しようとする
と、低温ゲル化を水中で行うことが困難であり、
一般に油中で低温ゲル化を行う必要が生じる。油
中でゲル化を行うと生成した内層の粒子に付着し
た油を除去することが極めて困難であり、油の付
着部には外層の水性ゾルがコーテイングしにくい
ために、結果的に被覆不全の粒子となり、破壊粒
子の混入が多くなつて極めて品質の悪いイクラ様
粒子しか得られないという重大な欠点を引起す。
更に、人工魚卵を目的としたものではないが、
核部に油状乃至油性物質を内包した単核二重カプ
セルを製造する提案として、特公昭53−39193号
の提案が知られている。この提案によれば、三重
管状ノズルの中央通路から油状乃至油性物質核材
料を、それをとりまく通路からカプセルの内層部
皮膜を形成する物質の組成物を乳化物としたもの
を、そして最外層すなわちカプセル外層皮膜形成
通路からカプセル外層皮膜形成用物質を、同期的
に、冷却液体中に放出して温度によりゲル化(物
理的ゲル化)させる。この提案によれば、上記内
層部皮膜形成物の組成物は、油とゼラチン溶液又
は高分子体とからなる乳化物とすることが重要で
あり、そしてこの場合、油が乳化溶液に占める割
合は5〜50%の範囲内であることが必要であると
記載され、ゼラチン、精製植物油、D―ソルビツ
ト及び水からなる乳化物の利用が開示されてい
る。更に、該カプセル外層皮膜形成用物質とし
て、ゼラチン及びD―ソルビツトを80℃で水に溶
解させたものを使用することが記載されている。
しかしながら、この提案の手法によつては、人
工魚卵を提供することは実際上不可能である。こ
の提案において必須である乳化物層及び温度によ
るゲル化手段のために、天然魚卵特有の透明感が
得られないし、油臭を生ずるトラブルがあるほか
に、乳化剤の使用が必須であるため保水性が悪化
し、更に、温度によるゲル化手段で形成されるた
め食用時の温度で人工魚卵のテキスチヤーが不都
合に変動して品質上、人工魚卵として実用に供し
得ない。
本発明者らは、上記欠点を克服すべく検討した
結果、従来の技術主眼とは全く反対の思想により
本発明を完成した。
本発明者らの研究によれば、油状物質以外の層
の多層構造を形成するために、該構造を多段工程
で形成する従来法とは全く逆に、多重管状ノズル
を利用して一挙に該多層構造物を形成すること、
及び前記単核二重カプセル製造提案において上記
油状物質以外の層の多層構造を形成するために、
ゲル化する材料として化学的に実質的にゲル化し
ないゼラチンのみを利用すなわち化学的にゲル化
する性質を同じくし且つ物理的にゲル化し得る材
料のみを利用し、且つ該多層構造の内層部皮膜形
成組成物は乳化物として利用し、更に温度により
ゲル化(物理的ゲル化)を行うことを必須する提
案とは異つて、該油状物質以外の層の多層構造
を、化学的にゲル化する性質を異にする少なくと
も二種の水性ゾルを用いて形成し且つ形成された
多層構造粒子の少なくとも最外層を化学的にゲル
化することによつて、操作及び装置上有利に、天
然魚卵の好ましいテキスチヤー、保水性、保形
性、強度、耐水性、透明感、温度変化による食感
不変性、嗜好性などを兼備した人工魚卵が、優れ
た品質再現性及び優れた製造能率をもつて、工業
的規模で有利に製造できることを発見した。
さらに好ましいことには、本発明の方法によれ
ば極めて容易に極めてイクラに類似した硬さ及び
テキスチヤーと多層構造を持つ粒子を得ることが
できる。すなわち、本発明の方法の工程におい
て、化学ゲル化の条件を選択するだけで、内包さ
れる層の大部分すなわち主要部分を水性ゾルまた
は軟かい水性ゲルとして残したままで、最外層を
硬いあるいは強い被覆膜にゲル化することが極め
て容易であることがわかつた。その上に、本発明
の方法で得られた粒子の被覆層は極めて均一であ
り欠点がない。したがつて極めて品質の高い人工
イクラを容易に得ることができ、この点において
も本発明の方法は極めて優れたものであることが
わかつた。
又本発明によれば、魚卵粒の中では比較的複雑
な構造及び微妙な食感を有するイクラ類似人工魚
卵(3重構造)が、1回の造粒操作で、品質再現
性よく容易に製造することができる。
従つて、本発明の目的は、天然魚卵に酷似した
諸性質を兼備した多層構造粒子形状の食品を製造
する方法を提供するにある。
本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるで
あろう。
本発明によれば、多重管状ノズルの異つた通路
より、化学的にゲル化する性質を異にする少なく
とも二種の可食性の水性ゾルを同期的に放出して
多層構造粒子を形成すること及び該多層構造粒子
の少なくとも最外層を化学的にゲル化することに
より、優れた人工魚卵を一挙に形成することがで
きる。
又、本発明によれば、化学的にゲル化する性質
を異にする少なくとも二種の可食性の水性ゾルか
らみちびかれた少なくとも二つの層を有する多層
構造の粒子構造を有し、該多層構造粒子の最外層
が化学的にゲル化された強度の高いゲル層であ
り、且つ内包される層の少なくとも一層が該ゲル
層に比較して軟かい水性ゲルとして存在するか又
は水性ゾルとして存在することを特徴とする人工
魚卵が提供できる。
本発明で使用する多重管状ノズルは、可食性の
各水性ゾル溶液が目的とする各層を構成する多層
構造液滴を形成するものであればどのような形状
でもよいが、例えば第1図(多重管状ノズル及び
変形多重管状ノズルの中央縦断面図及び中央横断
面図)に示す形状を挙げることができる。又、形
成される該液滴が水性ゾルと非相溶性の物質(通
常は油状物質)を含むときは、目的とする層の順
序に従つて、当該ノズルの多層構造粒子の最外層
を形成する水性ゾルを放出する通路以外の少なく
とも1個のノズル通路より油状物質を放出すれば
よい。
例えば、第1図Dにおいて、1番内側のノズル
より油状物質を、内側より2,3番目のノズルよ
り目的とする化学的にゲル化する性質を異にする
水性ゾルを各々放出し、生成した多層構造を有す
る液滴を化学的ゲル化剤でゲル化せしめると、イ
クラ様魚卵のごとく、油状物質を内包する3重構
造の人工魚卵を一挙に得ることができる。
本発明で使用する可食性の水性ゾルとは、人間
の体内摂取可能な水性ゾルの他に、牛馬等や魚、
鳥等の人間以外の動物が体内摂取可能な水性ゾル
でもよい。
例えば、小竹無二雄氏編「大有機化学」第21巻
「天然高分子化合物」(株式会社朝倉書店発行)
に記載されている蛋白質およびポリペプチド(第
28頁及び第356頁〜457頁参照)、および同じく
「大有機化学」第20巻「天然高分子化合物」に
記載されている多糖類(第177〜234頁参照)、殿
粉およびその誘導体(第81〜176頁参照)、食品衛
生法施行規則別表第5の合成糊料などが利用でき
る。
さらに具体的には、ペクチン、ペクニチン酸な
どのペクチン類;アラビアガム、トラガントガ
ム、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガ
ムなどの植物性ガム物質;イナゴマメ種子粘質物
(ローカストビーンガム)、グアール種子粘質物
(グアラン)、こんにやく粉などの植物性多糖類;
アルギン酸その水溶性塩類もしくは誘導体、寒
天、カラゲニンなどの海藻粘質物の如き多糖類;
クズ殿粉、コムギ殿粉、デキストリンなどの殿粉
もしくはその誘導体類;コムギ蛋白質(グルテ
ン)、ダイズ蛋白、トウモロコシ蛋白(ゼイン)
などの種子蛋白質、卵黄アルブミン、カゼイン
(牛乳蛋白)などの動物蛋白質、ゼラチン、メタ
プロテインなどの蛋白質、ポリペプチド類及びそ
れらの誘導体類などが挙げられる。また、食品衛
生法施行規則別表第5に記載されている合成糊料
としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プ
ロピレングリコールエステルの如きアルギン酸水
溶性塩類もしくは誘導体類;繊維素グリコール酸
ナトリウム、メチルセルロースなどの如き繊維素
誘導体類;殿粉グリコール酸ナトリウム、殿粉燐
酸エステルナトリウムの如き殿粉誘導体類;ポリ
アクリル酸ナトリウムなどが例示できる。
特に好ましいのは、ペクチン、カラゲニン、カ
ゼイン、ゼラチン、デキストリン、ローカストビ
ーンガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロ
ースなどである。
これらの可食性ゾル物質は、単独あるいは数種
の混合物の水性ゾル溶液として用いることができ
るが、数種を適宜に組合せた方が魚卵の強度、保
水性、耐水性、保形性、テキスチヤー等の諸物性
の向上に役立つ場合があり、採用する化学的ゲル
化手法に応じて、適宜に選択、組み合わせて利用
することができる。
又、イクラなどのように、内包される層が透明
性を有する魚卵に類似した透明感及び食感を与え
るには、多層構造粒子の内包される層の主要部分
が、これを被覆する外層に比較して軟かい水性ゲ
ルとして存在するか、又は水性ゾルとして存在す
ることが好ましい。
これら可食性水性ゾル物質は、好ましくは、約
0.01〜約50重量%程度、より好ましくは約0.1〜
約30重量%程度の水溶液として用いることができ
る。
また、可食性水性ゾル物質には医薬、栄養剤、
風味剤、食欲促進剤、魚類または動物などの誘引
剤、調味料、香料、甘味料、着色剤等の他の有用
成分を含有させることも可能である。
又、前記可食性水性ゾル物質中に化学的ゲル化
剤を添加混合することにより、魚卵粒の強度、テ
キスチヤー並びに造粒性を向上させることもでき
る。
本発明における造粒方法すなわち多層構造粒子
を形成する手段としては、多重管状ノズルの異つ
た通路より、化学的にゲル化する性質を異にする
少なくとも二種の可食性の水性ゾルを、同期的
に、大気中に放出して多層構造の液滴を形成させ
る方法、又は、該水性ゾルを、同期的に、水と非
混和性の液(通常油状物質)の静止液、振動を加
えられている液又は流動している液中に、放出し
て多層構造の液滴をつくる方法、更には、該水性
ゾルをゲル化液中に直接押出しながら液滴状に切
断する方法などの方法を挙げることができる。
この際、上記放出手段としては、自然流出落下
による放出手段のほかに、加圧条件下での強制流
出による放出手段が採用できる。
本発明においては、上述のようにして形成する
ことのできる化学的にゲル化する性質を異にする
少なくとも二種の可食性の水性ゾルの少なくとも
二層を有する多層構造粒子は、その少なくとも最
外層を化学的にゲル化せしめられる。
化学的ゲル化は、種々の化学的ゲル化剤を利用
して行うことができる。使用する化学的ゲル化剤
としては、水性ゾルをゾル化せしめうる可食性物
質であれば、いずれでもその溶液の形で利用でき
るが、このような化学的ゲル化剤の例としては、
例えば、多価金属塩類、糖類、糖アルコール類、
有機酸類、有機酸のエステル類、タンニンなどを
挙げることができる。具体的には多価金属塩類と
しては、例えばカルシウム、マグネシウム、バリ
ウム、アルミニウム、鉄など多価金属の有機およ
び無機塩が例示できる。さらに具体的には酢酸カ
ルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、塩
化マグネシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウ
ム、塩化鉄などが代表例として挙げられる。糖類
としては例えばグルコース、ガラクトース、キシ
ロース、サツカロース等が挙げられ、糖アルコー
ル類としては例えばソルビトール、マンニトー
ル、キシレノールなどが挙げられ、有機酸類とし
ては例えばくえん酸、蓚酸、こはく酸、酒石酸、
乳酸、グリシド酸などが挙げられ、有機酸のエス
テル類としてはくえん酸メチル、くえん酸エチ
ル、こはく酸エチルなどが代表的である。
一般に化学ゲル化剤の濃度は特に限定されない
が好ましくは約0.1〜約50重量%、特に好ましく
は約0.1〜約30重量%程度である。
化学ゲル化の条件は特に制限を受けるわけでは
ないが、例えば極めてイクラに類似した人工魚卵
を製造する場合には、必要以上に高濃度液で、必
要以上に長時間処理することは好ましくない。特
に内包される層に含まれる物質を選択する場合、
製品の保水性維持などの目的で化学ゲル化性の強
い物質を選んだときには、この点に注意を払うこ
とが好ましい。しかしカズノ子に類似した人工魚
卵を得たい場合には内部まで充分に化学ゲル化す
る条件を選ぶことが好ましい。
本発明の好適態様によれば、前記多層構造粒子
の最外層が金属イオンで化学的にゲル化し得る水
性ゾルで形成され、内側に金属イオンで実質的に
ゲル化しない水性ゾル層が形成されるように、多
重管状ノズルの異つた通路より、金属イオンで化
学的にゲル化する性質を異にする少なくとも二重
の可食性の水性ゾルを同期的に放出して多層構造
粒子を形成する。この際、前述のように、該多層
構造粒子の内包される層の主要部分が、これを被
覆する外層に比較して軟かい水性ゲルとして存在
するか、又は水性ゾルとして存在するようにする
ことが、屡々、好ましい結果を与える。
本発明において、造粒された粒子を化学的にゲ
ル化するためには、形成された未ゲル化多層構造
粒子を化学的ゲル化剤と接触させるどのような方
法でも採用できるが、一般的な手段としては静止
した化学的ゲル化剤水溶液中に粒子を滴下する
か、または化学的ゲル化剤水溶液の流れの中に粒
子を滴下するのがよい。
しかしまた、ゲル化剤以外の冷却液に、前記少
なくとも二種の水性ゾル溶液を同期的に放出して
多層構造の液滴をつくり、冷却ゲル化した後、さ
らに化学的ゲル化剤中に移して化学的にゲル化す
る方法も採用できる。この場合、冷却ゲル化液と
しては水性または油性のものが使用できるが油性
のものが0℃以下の低温において使用できる点ま
た液滴の形成が容易な点で一般に好ましい。
本発明の好適態様に従つて、金属イオンで化学
的にゲル化する性質を異にする少なくとも二種の
可食性の水性ゾルを利用する場合には、前記例示
の如き化学的ゲル化剤中、使用するゲル化剤に応
じて、前記例示の如き可食性ゾル物質を適宜に選
択組み合わせて利用することができる。その選択
は、使用するゲル化剤に応じて、実験的に極めて
容易に選択決定することができる。
例えば、カルシウムイオンで化学的にゲル化す
る可食性ゾル物質としては、前記例示中、ペクチ
ン、アルギン酸、その水溶性塩類、コムギ蛋白、
ダイズ蛋白、ゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム
などが例示でき、ゲル化しないゾル物質として
は、アラビアガム、トラガントガム、グアーガ
ム、キサンタンガム、タマリンドガムなどの植物
性ガム物質;ローカストビーンガム、グアラン、
こんにやく粉などの植物性多糖類;寒天;カラゲ
ニン;クズ殿粉、コムギ殿粉、デキストリン、殿
粉燐酸エステルナトリウム、殿粉グリコール酸ナ
トリウムなどの殿粉もしくはその誘導体類;アル
ブミン;カゼイン;ゼラチン;メタプロテインな
どが例示できる。又、例えば、マグネシウムイオ
ンで化学的にゲル化する可食性ゾル物質として
は、上記カルシウムイオンについて例示したもの
の中でアルギン酸及びその水溶性塩類以外のもの
が例示でき、マグネシウムイオンで化学的にゲル
化しないゾル物質としては、アルギン酸及びその
水溶性塩類及び上記カルシウムイオンについて例
示したものを挙げることができる。更に、アルミ
ニウムイオンで化学的にゲル化する可食性ゾル物
質としては、前記例示中、ペクチン、アラビアガ
ム、トラガントガム、キサンタンガム、アルギン
酸及びその水溶性塩類、カラゲニン、ゼイン、カ
ゼイン、アルブミン、繊維素グリコール酸ナトリ
ウム、殿粉グリコール酸ナトリウム、殿粉リン酸
エステルナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム
などを例示でき、アルミニウムイオンで化学的に
ゲル化しないゾルとしては、タマリンドガム、グ
アーガム、ローカストビーンガム、こんにやく
粉、寒天、クズ殿粉、コムギ殿粉、デキストリ
ン、コムギ蛋白、ダイズ蛋白、ゼラチン、メタプ
ロテイン、アルギン酸プロピレングリコールエス
テル、メチルセルロースなどを例示できる。
上記例示の可食性ゾル物質の金属イオンによつ
てゲル化する程度及びゲル化しない程度には差異
があり、またこれら可食性ゾル物質は適宜に複数
種併用できるので、使用する金属イオンの種類及
びゾル物質の種類に応じて、予め実験的にそのゲ
ル化傾向を定めて利用することができ、他の化学
的ゲル化剤についても同様にして実験的に容易に
選択決定することができる。
本発明では、多層構造粒子の最外層を形成する
水性ゾルを放出する通路以外の少なくとも1個の
ノズル通路、たとえばイクラ様人工魚卵の場合に
は中央通路より、油状物質を放出することができ
る。このような油状物質としては次のものが有利
に利用できる。
例えば植物性油脂としては、オリーブ油、サフ
ラワー油、とうもろこし油、ひまわり油、綿実
油、つばき油、米ぬか油またはこれらの混合物、
動物性油脂としては、イカ油、タラ油などの魚
油、サメ肝油、コイ肝油、タラ肝油などの肝油、
アザラシ油、シロナガス鯨油などの海獣油、アワ
ビ油、カキ油などの貝油またはこれらの混合物が
例示できる。また薬用成分として使用しうる油状
物質である肝油、ひまし油、脂肪酸グリセライ
ド、ビタミンEなども用いることができる。
また油状物質に医薬、保健剤、風味剤、食欲促
進剤、魚類または動物の誘引剤、調味料、着色
料、香料、甘味料等の有用成分を配合することが
できる。
本発明において、特にイクラ酷似の人工魚卵粒
を得るときは、魚卵様外観をよくするために、前
述の如き油状物質の色料濃度を水性ゾルの色料濃
度より大とすることによつて天然の卵黄部分(通
称目玉)の存在に近づけるとよい。たとえば油状
物質を市販の油溶性食用天然色素で橙赤色に着色
し、水性ゾルを市販の水溶性食用天然色素で淡黄
橙色に着色させて得られた粒状物は、非常にイク
ラに類似したものとなる。特に、この場合水性ゾ
ルもしくはゲルが透明であればさらにイクラに類
似したものとなる。
人工魚卵の内包層を形成する物質は水性ゾルま
たは軟い水性ゲルの状態で保水性が強く、化学的
にゲル化しない又はゲル化性の弱いものであるこ
とが望ましい。この目的で二つ以上の物質を混合
使用して目的を達することもできる。目的に完全
に合致する物質を発見し難い場合は、保水性に重
点を置き、化学ゲル化性の強い点は、化学ゲル化
工程でのゲル化条件を必要以上に強くすることを
避けることによつて補うことも容易である。最外
層となる層に使用される物質は保水性、被膜とし
ての強度に優れたものが好ましく、化学ゲル化性
に富むものが好ましい。勿論二つ以上の物質を併
用することもできる。もちろん必要に応じて塩
分、調味料、ビタミン類、脂質類、香料、着色
料、保存剤等の成分を含有させることができる。
得られた人工魚卵はそのまま人間が食用に供し
てもよいし、あるいは天然の魚貝類、天然の魚
卵、又は他の食品と混合して食用に供することも
可能である。またこのような人工魚卵は魚釣り用
または養殖魚用の餌、あるいは家畜用飼料とする
こともできる。その場合、それぞれの目的に応じ
てその最外層を可食性粘着物で被覆して適当に相
互粘着性を付与する粘質加工、味付け加工、着色
加工等を施してもよい。又、必要ならば、保存性
向上などの目的で、保存剤たとえばアルコールの
噴霧や加熱殺菌などの手段を加えることもでき
る。
得られた人工魚卵は、ビン詰め、プラスチツク
容器包装してもよい。特にプラスチツク容器に包
装するときは、プラスチツクフイルムをラミネー
トしたアルミニウム蓋で密着するとよい。又、酸
素を実質的に抑制した雰囲気(たとえば脱酸素
剤、N2ガス、CO2ガスなど)で保存してもよい。
本発明において、内包されるゾル又はゲル層が
二つ以上存在してもよく、被覆層となる層が最外
層を含めて二つ以上存在してもよい。また一般に
は必要ではないが、望むならば本発明の方法によ
つて得られた人工魚卵にさらに水性ゾルを被覆
し、これをゲル化して被覆層を追加してもよい。
また、化学ゲル化と併用して乾燥などの物理ゲ
ル化も組合せて行うこともできるが、化学ゲル化
を行わないで乾燥などの物理ゲル化のみを行うこ
とは充分な被覆層を得ることができないか、ある
いは、強く乾燥すると内包される層まで強く乾燥
するので魚卵様のものは得られない結果となり、
本発明の目的を達成することにはならない。
次に本発明を実施例によつて説明するが、本発
明はこれら特定の例に限定されるものではない。
実施例 1 内径1m/m及び内径5m/m及び内径8.5
m/mの3本のノズルを組合せた第1図Dに示し
た形状の3重管状ノズルを使用し、内径1m/m
のノズルよりサラダ油を、内径5m/mのノズル
より内包層として4%のゼラチンを含むゾルを、
内径8.5m/mのノズルより被覆層として0.8%の
アルギン酸ナトリウムを含むゾルを、各々放出し
て液滴をつくり、これを15℃に保たれた3%の塩
化カルシウム溶液中に滴下した。そのまま30秒化
学ゲル化を行つた後、粒状物を取出し軽く水洗
し、油状物、水性ゾル層、ゲル被覆層よりなる人
工魚卵を1回の造粒操作で得ることができた。こ
の粒子は、特開昭51−79755号の方法で作つた粒
子に比較し、被覆層の厚さが均一で被覆層の厚す
ぎる部分、被覆層の破れが認められず極めて良質
の人工魚卵であつた。
またこの前記液滴を、0℃の食用油中に滴下し
た後、これを分離し、低温乾燥でゲル化したもの
は、乾ブドウ状で人工魚卵とは言い難い形状と感
触を示した。
実施例 2 内径1m/m及び内径5m/m及び内径7.5
m/m及び内径9.5m/mの4本のノズルを組合
せた4重管状ノズルを使用し、内径1m/mのノ
ズルより、市販の油性食用天然色素で橙赤色に着
色すると共に、市販の魚臭フレーバー(サーモン
オイルル)を添加したサラダ油を、内径5m/m
のノズルより、5%のゼラチン、0.3%のグアー
ガムを含むゾルを市販の水性食用天然色素で淡黄
橙色に着色したゾルを、内径7.5m/mのノズル
より、5%のゼラチン、1%のペクチン及び0.5
%の乳酸カルシウムを含むゾルを、内径9.5m/
m内のノズルより、1%のアルギン酸ナトリウム
を含むゾルを、各々放出して液滴をつくり、これ
を10℃に保たれた3%の乳酸カルシウム溶液中に
滴下した。そのまま3分間化学ゲル化を行い、粒
状物を取出し軽く水洗して、油状物、水性ゾル
層、軟かい水性ゲル層、強いゲル被覆層よりなる
粒状物を1回の造粒操作で得ることができた。
得られた人工魚卵は、特に強度、保形性、保水
性、食感、色調、臭いに優れるイクラに酷似した
人工魚卵であつた。
本実施例において化学ゲル化を行うかわりに、
低温乾燥による物理ゲル化を行つた。形状が乾ブ
ドウ状になるのを避けるために、表面がゲル化し
た時点で乾燥を中止した。粒子は得られたが常温
で1時間程度で形がくずれる程、保水性、保形性
が悪く、人工魚卵として実用し難いものであつ
た。
実施例 3 実施例2で用いた5%のゼラチン及び0.3%の
グアーガムを含むゾルの代りに、5%のゼラチン
ゾルを用い、5%のゼラチン及び1%のペクチン
を含むゾルの代りに、3%のペクチン及び0.3%
のアルギン酸ナトリウムを含むゾルを用い、3%
の乳酸カルシウム溶液中で3分間化学ゲル化を行
う代りに7分間化学ゲル化を行う以外は実施例2
と全く同様の操作で人工魚卵は、油状物、水性ゾ
ル層、やや弱いゲル被覆層、強いゲル被覆層から
なる4重構造の人工魚卵であり、特に、強度、保
形性、保水性、食感、色調、臭いに優れるイクラ
に酷似した人工魚卵であつた。
実施例 4 内径1m/m及び内径5m/m及び内径7.5
m/m及び内径9.5m/m及び内径11.5m/mの
5本のノズルを組合せた5重管状ノズルにより、
内径1m/mのノズルより市販の油性食用天然色
素で橙赤色に着色すると共に、市販の魚臭フレー
バー(サーモンオイル)を添加したサラダ油を、
内径5m/mのノズルより市販の水性食用天然色
素で橙赤色に着色した10%のアラビアガムを含む
ゾルを、内径7.5m/mのノズルより5%のゼイ
ンを含むゾルを、内径9.5m/mのノズルより3
%のペクチン及び0.2%のアルギン酸ナトリウム
を含むゾルを、内径11.5m/mのノズルより0.8
%のアルギン酸ナトリウムを含むゾルを各々放出
して液滴をつくり、これを15℃に保たれた5%乳
酸カルシウム溶液中に滴下し、そのまま、6分間
放置し、化学ゲル化を行つた後、粒状物を取出し
軽く水洗した。
得られた粒状物は、油状物、水性ゾル層、弱い
水性ゲル層、ゲル被覆層、強いゲル被覆層よりな
る5重構造の人工魚卵であり、特に強度、保形
性、保水性、食感、色調、臭いが優れるイクラに
酷似した人工魚卵であつた。
実施例 5 内径1.5m/m及び内径2.5m/mの2本のノズ
ルを組合せ2重管状ノズルにより、内径1.5m/
mのノズルより7%のゼラチンを含みかつ、天然
色素で淡黒色に着色したゾルを、内径2.5m/m
のノズルより1%のアルギン酸ナトリウムを含む
ゾルを、各々放出し液滴をつくり、20℃に保たれ
た3%の塩化カルシウム溶液中に滴下し、そのま
ま30秒化学ゲル化を行わせた後、粒状物を取出し
軽く水洗した。
得られた粒状物は、水性ゾル層、ゲル被覆層よ
りなる人工魚卵であり、特に強度、保形性、保水
性、色調などが優れ、キヤビアに酷似した人工魚
卵であつた。
実施例 6 内径1m/m及び内径5m/m及び内径7.5
m/m及び内径9.5m/mの4本のノズルを組合
せた4重管状ノズルにより、内径1m/mのノズ
ルより、市販の油性食用天然色素で橙赤色に着色
すると共に、市販の魚臭フレーバー(サーモンオ
イル)を添加したサラダ油を、内径5m/mのノ
ズルより、5%のゼラチン、0.3%のグアーガム
を含むゾルを市販の水性食用天然色素で淡黄橙色
に着色したゾルを、内径7.5m/mのノズルより、
5%のゼラチン、1%のペクチンを含むゾルを、
内径9.5m/mのノズルより、1%のアルギン酸
ナトリウムを含むゾルを、各々、2℃に保たれた
とうもろこし油の流れの中に放出し、4重構造の
液滴をつくり、この流れの中に30秒滞留させ冷却
ゲル化させた後、とうもろこし油から粒状物を分
離した。得られた粒状物の表面の油分を除去した
後、更に15℃に保たれた3%乳酸カルシウム溶液
中に浸漬し、3分間放置し化学ゲル化を行つた後
粒状物を取出し軽く水洗した。
得られた粒状物は、特に、強度保形性、食感、
色調、臭い、保水性に優れるイクラに酷似した人
工魚卵であつた。
実施例 7 内径1.5m/m及び内径6.0m/m及び内径8.0
m/mの3本のノズルを組合せた3重管状ノズル
を用いて、内径1.5m/mのノズルより、油性食
用天然色素で橙赤色に着色するとともに、市販の
魚臭フレーバー(サーモンオイル)およびビタミ
ンEを添加したサラダ油を、内径6.0m/mのノ
ズルより1%のカラギーナン、0.8%のローカス
トビーンガムを含むゾルを水性食用天然色素で淡
黄橙色に着色したゾルを、内径8.0m/mのノズ
ルより、1.8%のアルギン酸ナトリウムを含むゾ
ルを、各々放出して液滴をつくり、これを7℃に
保たれた10%の塩化カルシユウム溶液中に滴下し
た。そのまま10秒間化学ゲル化を行ない、粒状物
を取出し軽く水洗して、油状物、極めて軟かい水
性ゲル乃至水性ゾル層、ゲル被覆層よりなるイク
ラ様人工魚卵を得た。
得られたイクラ様人工魚卵の口当り、歯ざわ
り、食感などのテクスチヤー、保水性、保形性、
外観、強度、色相安定性は、市販の天然イクラに
酷似していた。
実施例 8 内径1.0m/m及び内径5.0m/m及び内径8.5
m/mの3本のノズルを組合せた3重管状ノズル
使用し、内径1.0m/mのノズルより市販の油性
食用天然色素で橙赤色に着色すると共に、市販の
魚臭フレーバー(サーモンオイル)を添加したサ
ラダ油を、また内径5.0m/mのノズルより内包
される層用ゾルとして5%のゼラチン、1%のカ
ラギーナンを含む流動性ゾルを市販の水性食用天
然色素で淡黄橙色に着色したものを、また内径
8.5m/mのノズルより、1.8%のアルギン酸ナト
リウムを含むゾルを、各々大気中に放出して粒子
を形成し、これを5℃に保たれた10%の塩化カル
シウム溶液中に滴下した。そのまま30秒放置し、
化学ゲル化を行ない、ゲル化した粒子を取出し軽
く水洗した。得られた粒子は、油状物、ゾル層、
均質で強い被覆層よりなり、特に、保形性、保水
性、テキスチヤー、色調、臭いの点で、極めてイ
クラに酷似する人工魚卵様粒子であつた。
尚、得られた、人工魚卵様粒子の被覆層の含水
率は93.0%であつた。
実施例 9 内径4m/m及び内径8m/mの2本のノズル
を組合せた二重管状ノズルにより、内相として7
%のゼラチンを含むゾル、外相として0.8%のア
ルギン酸ナトリウムを含むゾルより成る液滴をつ
くり、これを5℃に保たれた3%の塩化カルシウ
ム溶液中に滴下した。これを軽く水洗し、内相に
ゼラチン、外相にアルギン酸ソーダを含む人工魚
卵を1回の操作で得ることができた。
実施例 10 実施例9で用いた7%ゼラチンの代りに、7%
のゼラチン及び1.0%の塩化カルシウムを含む溶
液を用いる以外は、実施例9と全く同様の操作で
人工魚卵を得た。
実施例 11 実施例9で用いた7%ゼラチンの代りに、3%
ペクチンを用いる以外は、実施例9と全く同様の
操作で、内相がペクチン、外相がアルギン酸ソー
ダである2重構造の人工魚卵を1回の操作で得る
ことができた。
実施例 12 実施例11で用いた3%ペクチンの代りに3%の
ペクチンと0.4%の乳酸カルシウムを含む溶液を
用いる以外は、実施例11と全く同様の操作で2重
構造を有する人工魚卵を得た。
実施例 13 実施例9で用いた7%ゼラチンの代りに、5%
のゼラチン、0.3のアルギン酸ソーダ、0.4%の乳
酸カルシウムを含む溶液を用い、0.8%アルギン
酸ナトリウムの代りに、5%のゼラチン、0.8%
のアルギン酸ナトリウムを含む溶液を用いる以外
は、実施例9と全く同様の操作で、2重構造を有
する人工魚卵を1回の造粒操作で得ることができ
た。
実施例 14 内径1.0m/m及び内径5m/m、及び内径8.5
m/mの3本のノズルを組合せた3重管状ノズル
により、5%のゼラチン及び2%のペクチンを含
む内相ゾルにサラダ油が内包され、0.8%のアル
ギン酸ナトリウムを含む外相ゾルに内相ゾルが内
包された3重構造の液滴をつくり、これを5℃に
保たれた3%乳酸カルシウム溶液中に滴下した。
これを軽く水洗し、1回の造粒操作で、内相にサ
ラダ油が内包された3重構造の人工魚卵を得た。
実施例 15 内径1.0m/m及び内径5m/m及び内径7.5
m/m及び内径9.5m/mの4本のノズルを組合
せた4重管状ノズルより、内径1.0m/mのノズ
ルよりサラダ油を、内径5m/mのノズルより5
%のゼラチン、2%のペクチン、0.2%の乳酸カ
ルシウムの各々を含む溶液を、内径7.5m/mの
ノズルより5%のゼラチン、0.5%のカラギーナ
ンの各々を含む溶液を、内径9.5m/mのノズル
より2.5%のゼラチン、1.0%のアルギン酸ナトリ
ウムの各々を含む溶液を各々放出し、溶滴をつく
り、これを5℃に保たれた3%乳酸カルシウム溶
液中に滴下した。これを軽く水洗し、1回の造粒
操作でサラダ油が内包された4重構造の人工魚卵
を得た。
実施例 16 内径1m/m及び内径5m/m及び内径8.5
m/mの3本のノズルを組合せた3重管状ノズル
により、5%のゼラチン、2%のペクチン、0.3
%のアルギン酸ナトリウムを含む水溶液を市販の
水溶性食用天然色素で淡黄橙色に着色した第1層
用ゾルに、市販の油性食用天然色素で橙赤色に着
色すると共に、市販の魚臭フレーバー(サーモン
オイル)を添加したサラダ油が内包され、5%の
ゼラチン、0.8%のアルギン酸ナトリウムを含む
第2層用ゾルに第1層用ゾルが内包された3重構
造の液滴をつくり、これを5℃に保たれた3%乳
酸カルシウム溶液中に滴下した。これを軽く水洗
し、1日の造粒操作でサラダ油が内包された3重
構造の人工魚卵を得た。
得られた人工魚卵は、特に強度、保形性、色
調、臭い、テキスチヤーに優れるイクラに酷似し
た人工魚卵である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で使用する多重管状ノズルの中
央縦断面図及び中央横断面図を示し、A,B,
C,I,Kは2重管状ノズル、D,E,F,G,
H,J,Lは三重管ノズルの断面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 人工魚卵の製造において、多重管状ノズルの
    異つた通路より、化学的にゲル化する性質を異に
    する少なくとも二種の可食性の水性ゾルを同期的
    に放出して多層構造粒子を形成すること及び該多
    層構造粒子の少なくとも最外層を化学的にゲル化
    することを特徴とする人工魚卵の製造方法。 2 該多層構造粒子の最外層を形成する水性ゾル
    を放出する通路以外の少なくとも1個のノズル通
    路より油状物質を放出する特許請求の範囲第1項
    記載の人工魚卵の製造方法。 3 該多層構造粒子の、内包される層の主要部分
    が、これを被覆する外層に比較して軟かい水性ゲ
    ルとして存在するか、又は水性ゾルとして存在す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項もしく
    は第2項記載の人工魚卵の製造方法。 4 該多層構造粒子の最外層が金属イオンで化学
    的にゲル化し得る水性ゾルで形成され、内側に金
    属イオンで実質的にゲル化しない水性ゾル層が形
    成されることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    乃至第3項のいづれかに記載の人工魚卵の製造方
    法。 5 人工魚卵の製造において、多重管状ノズルの
    異つた通路より、化学的にゲル化する性質を異に
    する少なくとも二種の可食性の水性ゾルを同期的
    に放出して多層構造粒子を形成すること、この
    際、該多層構造粒子の最外層を形成する通路より
    金属イオンで化学的にゲル化し得る水性ゾルを放
    出し、内側層を形成する通路より金属イオンで化
    学的に実質的にゲル化しない水性ゾルを放出し、
    該多層構造粒子の少なくとも最外層を化学的にゲ
    ル化することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の人工魚卵の製造方法。
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