JPS6340884Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アンテナ本体を装着したアンテナ基
台を、テレビジヨンまたはラジオカセツトなどの
取付孔に回動および着脱可能に取付けるアンテナ
装置に関するものである。

従来の前述のようなアンテナ装置の一例につ
き、第１図を参照して説明する。このアンテナ装
置は、ダイポールの伸縮アンテナロツド，ループ
およびパウタイなどのアンテナ本体１の基部が合
成樹脂の一体成形品からなるアンテナ基台２に回
動可能に装着され、この基台２に対してアンテナ
本体１が上方に突出して上下方向の回動可能にさ
れている。また、アンテナ基台２の360゜の回転で
停止する回転止め２ａをもつ下部に、下方が小径
となるテーパをもつた柱状部３が一体に形成さ
れ、この柱状部３の下方に段３ａを介して小径と
なる係止部４が一体に形成され、この係止部４は
軸方向に沿うスリツト４ａを有して弾性的に縮径
可能にされ、かつ係止部４の下端部には凸環状部
４ｂが形成されている。そして、テレビジヨンま
たはラジオカセツトの取付台５に設けた取付孔６
に、前記アンテナ基台２の凸環状部４ｂを弾性的
に坑して縮径させることで、柱状部３を嵌挿し、
前記取付孔６から突出して径が復元した凸環状部
４ｂを取付孔６の周辺部内端面６ａに抜け止め係
止し、凸環状部４ｂとアンテナ基台２の柱状部３
の上部とで、取付孔６の周辺部を挟持してアンテ
ナ本体１が所定の方向を向くように、柱状部３の
軸回りにアンアンテナ基台２を回動させて使用
し、また不要時にはアンテナ基台２を取付孔６か
ら引抜いてアンテナ装置を取外し得るようにして
いる。

しかしこのアンテナ装置は、アンテナ基台の柱
状部が同時成形されたテーパをもつだけであるた
め、セツトのテーパをもつ取付孔との嵌合が、理
論的にはテーパ面どうしが全面密着して十分な回
転摩擦力が得られるはずであるが、実際にはアン
テナ基台、セツトの取付孔周壁寸法の誤差や不均
一が微妙に作用してテーパ面どうしが全面密着せ
ず、必要な回転摩擦力が得られないだけではな
く、接触部がどこになるか不確定であるため、回
転摩擦力が安定しない。また、前記柱状部と取付
孔の周壁との接触が複数の不規則な線状または点
状になつてしまい、接触面圧が低下し、その持続
性が乏しくなることが多いという問題がある。

また、第２図，第３図は従来のアンテナ装置の
他例を示す。このアンテナ装置は、アンテナ基台
２下部に設けたストレートの柱状部３に、これの
軸線方向に沿う突条７を円周方向の数個所に形成
し、これらの突条７をセツトの取付孔周壁に圧接
させるようにしたものである。なお、この従来例
の前述した以外の構成は、第１図に示すものと同
様であるから、第１図と同符号を第２図，第３図
の対応する部分に対して、説明を省略する。

第２図，第３図に示すアンテナ装置は、アンテ
ナ基台２の柱状部３をストレート状とし、これだ
けではセツトの取付孔周壁との回転摩擦力が十分
に得られないので、柱状部３に軸方向に沿う突条
７を設けて、取付孔周壁との接触部を限定しなが
ら、接触面積を広くすることで、第１図に示すア
ンテナ装置の回転摩擦力が不安定であるという問
題を解決しようとするものであが、第２図，第３
図に示すアンテナ装置でも複数の突条の突出量の
不均一によつて、前述した回転摩擦力が不安定で
あるという問題を避けにくい。

本考案は、前述した事情に鑑みてなされたもの
で、安価に提供できるものでありながら、回転摩
擦力が安定し、円滑なアンテナ基台の回転がで
き、しかも多数の回転操作を行つても保持力が低
下しないアンテナ装置を提供することを目的とし
ている。

この目的を達成するために、本考案は、アンテ
ナ本体を合成樹脂の一体成形品からなるアンテナ
基台に装着し、この基台に設けた柱状部を被取付
部材の取付孔に回動可能に嵌合させ、前記柱状部
の端から軸方向に突出し、かつ弾性的に縮径可能
な係止部を前記取付孔の周辺部内端面に係脱可能
に係合させたアンテナ装置において、前記アンテ
ナ基台の係止部側が小径となるテーパをもつ柱状
部外周面に、一定高さをもつ小片状の突出部を円
周方向または円周方向および軸方向に複数個形成
し、前記突出部が前記取付孔の周壁に圧接するよ
うにしたものである。

以下、本考案の一実施例につき図を参照して説
明する。

第４図，第５図は本考案の一実施例を示す。こ
の実施例のアンテナ装置は、合成樹脂の一体成形
品からなるアンテナ基台２の係止部４側が小径と
なるテーパをもつ柱状部３の外周面に、その軸線
と平行に、一定高さをもつ長さｍの小片状突出部
８を円周方向の数個所に柱状部３の全長ｌに対し
両端部を除きかつ相互間隔を設けて、軸方向にそ
れぞれ複数個ずつ形成し、前記突出部８がテレビ
ジヨン、ラジオセツトの取付台５に設けた取付孔
６の周壁に圧接させてある。なお、この実施例の
前述した以外の構成は、第１図に示す従来のアン
テナ装置と同様であるから、同構成の部分は第１
図と同符号を第４図に付して説明を省略する。

前述のように構成された実施例のアンテナ装置
は、前記取付孔６の周壁のテーパと一致するテー
パをもつ柱状部３に一定高さの小片状突出部８が
円周方向の数個所に形成されているので、取付孔
６の周壁と突出部８とは部分接触であるが、これ
らの突出部８が確実に接触し、片当りしないの
で、柱状部３を安定して回転させることができ
る。また、アンテナ基台２の凸環状部４ｂと柱状
部３の上部とで取付孔６の周辺部を挟持してお
り、柱状部３に凸環状部４ｂの弾性係止力による
引込み力が作用しているので、長年の使用によつ
て取付孔６の周壁と突出部８との樹脂どうしの摩
擦によつて突出部８が摩耗しても、これらが均一
に摩耗することにより、新しい時とほぼ同様な回
転摩擦力が得られる。さらに、小片状の突出部８
は柱状部３の軸方向に複数個あるので、アンテナ
基台２の安定性がよい。そして、アンテナ基台の
回転操作時に回転のむらやきしみによる振動や、
この振動によるテレビジヨン，ラジオなどのキヤ
ビネツトの共鳴による異音の発生がない。

第６図は本考案の他の実施例を示す。この実施
例のアンテナ装置は、小片状の突出部９を一定の
高さのほぼ半球形とし、これらの突出部９をアン
テナ基台２の柱状部３外周面に、円周方向および
軸方向にそれぞれ複数個ずつ相互間隔を設けかつ
等配させて、軸方向に対し螺旋状などに所定角度
で傾斜する配置にして形成したものである。な
お、この実施例の前述した以外の構成および作用
は、第４図，第５図に示すものと同様であるか
ら、同構成の部分は第４図と同符号を付して説明
を省略する。なお、第６図に示す実施例では、突
出部９を柱状部３の円周方向および軸方向に等配
して形成してあるので、回転時にがたつきや回転
摩擦力の変動がない。

本考案において、アンテナ基台の柱状部外周の
アンテナ基台成形時に金型の合せ面となる部分に
平坦面を形成し、前記合せ面によつて形成される
ばりと呼ばれる突出部が、小片状の突出部よりも
外周側に突出しないようにすることが好ましい。

以上説明したように、本考案のアンテナ装置
は、アンテナ基台の係止部側が小径となるテーパ
をもつ柱状部の外周面に一定高さをもつ小片状の
突出部を円周方向に複数個形成したことにより、
複雑な構成部分を用いることなく、かつ容易に加
工できて安価に得られるものでありながら、取付
孔の周壁に柱状部の全面が接触せず突出部だけが
圧接する形式のものであつても、回転摩擦力が安
定し、円滑なアンテナ基台の回転ができ、しかも
多数の回転操作を行つても保持力の低下が少く、
交換、修理がむずかしいセツト側の使用が長期間
でき、回転操作時に異音の発生もないという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアンテナ装置の一例を示す要部
の正面図、第２図は同他例を示す要部の正面図、
第３図は同下部の側面図、第４図は本考案による
アンテナ装置の一実施例を示す要部の正面図、第
５図は同下部の側面図、第６図は他の実施例を示
す下部の正面図である。 １…アンテナ本体、２…アンテナ基台、３…柱
状部、３ａ…段、３ｂ…平坦部、４…係止部、４
ｂ…凸環状部、５…取付台、６…取付孔、６ａ…
周辺部内端面、８，９…突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アンテナ本体を合成樹脂の一体成形品からなる
   アンテナ基台に装着し、この基台に設けた柱状部
   を被取付部材の取付孔に回動可能に嵌合させ、前
   記柱状部の端から軸方向に突出し、かつ弾性的に
   縮径可能な係止部を前記取付孔の周辺部内端面に
   係脱可能に係合させたアンテナ装置において、前
   記アンテナ基台の係止部側が小径となるテーパを
   もつ柱状部外周面に、一定高さをもつ小片状の突
   出部を円周方向または円周方向および軸方向に複
   数個形成し、前記突出部が前記取付孔の周壁に圧
   接するようにしたことを特徴とするアンテナ装
   置。